弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
実際こんな事になったら勝てる自信がない。
では、どうぞ!!
部屋に入って感じたの……それは足を動かすことも困難な程の圧力。
まるで空気自体に重さがあるかのように、体全体へと圧力が掛かる。
実際に空気が重くなっているのではない。単純に相手の存在感に圧されているだけ。
ここで弱気になっちゃ駄目だ!!
後ろでへたりこむ香住さんを紅さんに任せ、もう一歩前へとでる。
『…………良いわ。貴方の用件を聞いてあげましょう。さ、座りなさい』
暗い部屋の中に輝く、二つの紅い瞳。
聞こえた声は人間だったら僕たちと同じくらいの年齢だろうと言うぐらいの幼さ。
ゆっくりと部屋の奥へと歩いていく。
そして、僕は見た。この館の主の姿を。
背は想像よりも圧倒的に低く、僕と同じくらい。
だが、その姿から放たれる気配は明らかにその見た目と反比例している。
「――――ンプ!!」
さっきまでは耐えれていたものが手加減……いや、ただのお遊びだったのかもしれない……
喉を酸っぱいものが逆流するのがわかる。
それを何とか押し止めようとするものの一向に止まる気配はなかった。
『あら……初対面の相手にそんな姿を見せるのかしら』
物腰は柔らかい。ただ、その裏に隠された真意を読み取るのは簡単だった。
吐いたら殺す。
あんな事を言った後ではある、が僕一人が死ぬのは全然構わない。だが、僕の行動一つ一つに彼女の命も関わってくるのだ。
僕はその事を思いだし、喉元まで来ていた吐瀉物を喉の奥へと押し戻す事に成功した。
『さ、座りなさい』
「失礼……します」
勝手に動いた椅子に腰を掛け前を見る。
目の前にはテーブルに肘をたて、興味深そうに僕の事をニマニマとした表情で僕を見る館の主の姿があった。
『人間。名前は?』
「上井朝香です」
『そう。私はレミリア・スカーレットよ。で、上井朝香。貴方の用件は一体何かしら?』
「レミリア・スカーレット様。僕と彼女、柊香住をこの館に住まわせていただけないでしょうか?」
ここで下手に隠しても意味がない。だったらストレートに言ったほうがいいはずだ。
心臓の響く音がドクンドクンッとどんどん強くなっていくのを感じながら、返事を待つ。
『そうね……ゲームをしましょう。貴方がこの館に住めるかどうかの』
…………取り敢えずは第一目標達成。
ここで、第二目標まで達成できれば万々歳だ。
「内容と、負けた場合のデメリットを聞きたいのですが」
『内容はそちらの好きなモノで結構。負けたときは……貴方には玩具になってもらいましょう』
「…………分かりました……引き受けましょう」
『そう。良かったわ。で?ゲーム内容は?』
そこだ。そこで、僕の生死が別れる……
ここで確実に相手を倒せる方法が無いわけではない。でも、もしそれを提示すればどうなるか……確実に見捨てられるのが落ちだ。
こう言うのは最悪の場合を想定して動き続けなければならない。
だったらどうするか……僕の方が不利で、尚且つ勝てる確率が僕の方が高いもの……
「鬼にちなんで、鬼ごっこ……なんてどうですか?」
さあ、人間の底力をお見せしようではないか。
お読みいただき有難うございます!!
鬼にちなんで、鬼ごっこ……安易すぎる……もうちょと、こう……何か無かったのか?作者よ……
朝香くんはどうやって勝利をもぎ取るのか……
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
…………勝てるんかこれ?
では、また次回~