弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
まだ鬼ごっこには入りません。
では、どうぞ!!
勝負内容は鬼ごっこで決定。
鬼は勿論レミリア様。僕が逃げる側となる。
そして細かいルールについてはこんな感じ。
レミリア様は能力の使用、飛行、蝙蝠などの変身。この三つを禁止。
範囲は地下室を除いた紅魔館全体。外に出たら反則負け。
時間制限は明日の午後五時から午後八時までの三時間。
この条件で僕は勝ち残らなくてはならない。
今回の勝負で最も鍵となるのは、この館の情報をどれだけ集められるか……
それと、レミリア様の身体能力を越える抜け穴を幾つ見付けられるか……である。
僕は早速行動へと移すことにした。
・
「こちらが朝香様のお部屋となっております。何かお呼び付けが有りましたらそこのベル、鈴を鳴らして下さい」
「有難うございます。十六夜さん。では、早速……」
僕は机の上にあった鈴を手に取り、チリリンと鳴らす。
こんなに澄みきった音が鳴るのか。と少し驚いた。
その驚きに対してか……それとも、僕の突飛つ的な行動に対してなのか……十六夜さんは苦笑いを浮かべる。
「…………朝香様。何か御用でしょうか?」
「幾つかお聞きしたいことが……」
「はい。何でしょう?」
僕は予め用意しておいた質問を投げ掛ける。
「香住さんは、僕と一緒に来ていた香住さんの部屋は何処ですか?」
「となりの部屋です」
「この館の主力となる人物の名前と部屋、もしくは基本的に何処にいるのかを教えていただきたいのですが」
淡々と答えていく十六夜さんの表情、口調、速さ、その他諸々に注意しながら聞いていく。
…………彼女は嘘を付いてはいない。事実を正直に話しているのだろう。
ただ、所々に見えた焦りからして仕事が貯まっているが主人の命令には逆らえない。と言ったところかな。
多分だが、レミリア様に僕の質問には真実だけを伝えるように……と言ってあるのだろう。
なら、僕も自分の生き残る一手を打たせてもらうとにするか。
「十六夜さん。実はですね――――――――――なんですよ」
「!?…………本当の……ようですわね……これはどうすれば……」
取り敢えず今出来ることはこんな所だろうか。
明日は紅魔館の主力全員に会って話をしないといけない。
香住さんには悪いが……僕の生が確定するまで安全な人に近寄るのは止めておこう。
折角助かったのに、僕のせいでまた命の危機晒されるなんて……彼女が許しても僕自身が許せない。
それに……これは
『僕』と『レミリア様』だけの勝負なのだから。
「すいません。お時間をお取りしてしまって……良く考えてくださいね?」
最後に十六夜さんにそう告げると、彼女は苦虫を潰した表情のまま部屋から出ていった。
人間は弱い。だからこそ強者を殺す方法を思い付く。
それが何れだけ狡い方法だろうが、生きるためにはどんな事だって出来るのだ。
胸の奥でチクリと痛みがする。
でも、今はそんな痛みに構っていられるほど余裕はない。
僕は心のなかで小さく『ごめんなさい』と言うのだった。
お読みいただき有難うございます!!
朝香くんは一体どんな一手を打ったのか。
十六夜咲夜は一体何を聞いたのか!?
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
次回 鬼ごっこ
では、また次回~