弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

29 / 49
投稿です!!

今回で『鬼ごっこ』は終わりとなります。
戦闘書くよりも難しかった……

では、どうぞ!!


鬼ごっこ 慢心

痛い。

それ以外の表現の仕方がない。

 

間接部分から力なくぶら下がった右腕を押さえながら、壁伝いに移動する。

 

目の前はチカチカと赤色になったりしている。

足元もおぼつかづいつ倒れても可笑しくはない。

 

吐き出したい……

この痛みを全部……吐き出したい……

 

今我慢している悲鳴を、大声を出しながら転げ回りたい。

そんな感情を抑え込みながら前へと進む。

 

あと少し……あと少しなんだ……

耐えろ……耐えてくれ……

 

そうして、見えてくる大きめの扉。

短くて長く感じる距離を確実に埋めていく。

 

永遠にも感じられたその距離を歩ききり、目の前の扉を体全体で押し開く。

隙間から体を滑り込ませた。

 

そして、目の前には……大量の本。

それも、とてつもない広さの部屋全体に埋まるほどの量。

 

僕は左腕の袖を噛みしめ……

 

―――――――――!!!!!!

 

・

 

声が続かなくなるまで叫び続けた。

結果としてはさっきよりマシになった程度。だが、その程度が今はとても有難い。

 

痛みはまだ続いているし、腕が治った訳でもない。

でも、前へと進むことは出来た。

 

図書館の中を進んでいく。

 

大体十分程歩いたところで、テーブルが置かれた開けた場所に出た。

本来ならばパチュリー・ノーレッジと言う魔法使いがいるはずなのだが……生憎今は留守のようだ。

 

取り敢えずテーブルの後ろに隠れる。

 

何だか……凄く眠い……

 

それが骨折した腕のせいなのか、それとも別の要因があるのかは分からない。

でも、ここで寝てしまっては僕の負けが確定してしまう。だから眠る訳にはいかない。

頭を振ったり、頬を叩いたりしながら睡魔を飛ばす。

 

時計を確認する。

今は六時半。

 

正直……もう逃げれるほどの体力は残っていない。

流石にあと一時間半もこの場所に隠れていたら見つかるだろう。

 

『もう無理そうね』

 

ほら来た。

 

ぼんやりと赤くなっている視界でレミリア様を見る。

 

取り敢えず……足掻くだけ足掻こうかな……

打っていた布石だって完璧ではないんだし……

 

黄色の小瓶を手探りで見つけ出し二つとも軽く地面に当てる。

 

目の前が煙で覆われた。

が、ビュオンと言う音と共に強い風が吹き全て吹き飛ばされる。

 

緑色の小瓶を軽くレミリア様に向けて投げる。

が、赤紫色の球体に吸い込まれて消滅した。

 

青色の小瓶を転がす。

目の前がチカッとひかり、太陽の暖かな光が溢れる。

が、レミリア様は何の素振りも見せなかった。

 

『よくやるわね。勝てる見込みも無いくせに勝てるように振る舞って結局負ける』

 

わりと想像通りに進みましたけどね。

 

『で?悪足掻きもこれで最後かしら?』

 

もう足も、腕も……どこも動かない……

結構頑張ったつもりだったんだけどな……

 

唯一動く眼を動かしレミリア様をじっと見つめる。

 

『……何もないみたいね。まあ、結構楽しめたわ』

 

レミリア様の手が僕へと伸ばされる。

 

カラン 

 

っと小さな音が。

そして、目の前には驚いた表情のレミリア様が―――

 

―――完全に油断していた強者の姿

 

 

 

僕を中心に大爆発が起きた。

 

 

 

―――最後まで慢心するのは……感心しませんよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝者……レミリア・スカーレット

 

 

 




お読みいただき有難うございます!!

吸血鬼から一時間半も逃げ切ったんですから凄い。
凄いったら凄い。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

最初は三日以内にチェスで勝つにしようか迷ったけど……そもそも作者がチェスのルールが分からないと言う……

次回は説明回になる可能性が高いです。

では、また次回~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。