弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
今回で『鬼ごっこ』は終わりとなります。
戦闘書くよりも難しかった……
では、どうぞ!!
痛い。
それ以外の表現の仕方がない。
間接部分から力なくぶら下がった右腕を押さえながら、壁伝いに移動する。
目の前はチカチカと赤色になったりしている。
足元もおぼつかづいつ倒れても可笑しくはない。
吐き出したい……
この痛みを全部……吐き出したい……
今我慢している悲鳴を、大声を出しながら転げ回りたい。
そんな感情を抑え込みながら前へと進む。
あと少し……あと少しなんだ……
耐えろ……耐えてくれ……
そうして、見えてくる大きめの扉。
短くて長く感じる距離を確実に埋めていく。
永遠にも感じられたその距離を歩ききり、目の前の扉を体全体で押し開く。
隙間から体を滑り込ませた。
そして、目の前には……大量の本。
それも、とてつもない広さの部屋全体に埋まるほどの量。
僕は左腕の袖を噛みしめ……
―――――――――!!!!!!
・
声が続かなくなるまで叫び続けた。
結果としてはさっきよりマシになった程度。だが、その程度が今はとても有難い。
痛みはまだ続いているし、腕が治った訳でもない。
でも、前へと進むことは出来た。
図書館の中を進んでいく。
大体十分程歩いたところで、テーブルが置かれた開けた場所に出た。
本来ならばパチュリー・ノーレッジと言う魔法使いがいるはずなのだが……生憎今は留守のようだ。
取り敢えずテーブルの後ろに隠れる。
何だか……凄く眠い……
それが骨折した腕のせいなのか、それとも別の要因があるのかは分からない。
でも、ここで寝てしまっては僕の負けが確定してしまう。だから眠る訳にはいかない。
頭を振ったり、頬を叩いたりしながら睡魔を飛ばす。
時計を確認する。
今は六時半。
正直……もう逃げれるほどの体力は残っていない。
流石にあと一時間半もこの場所に隠れていたら見つかるだろう。
『もう無理そうね』
ほら来た。
ぼんやりと赤くなっている視界でレミリア様を見る。
取り敢えず……足掻くだけ足掻こうかな……
打っていた布石だって完璧ではないんだし……
黄色の小瓶を手探りで見つけ出し二つとも軽く地面に当てる。
目の前が煙で覆われた。
が、ビュオンと言う音と共に強い風が吹き全て吹き飛ばされる。
緑色の小瓶を軽くレミリア様に向けて投げる。
が、赤紫色の球体に吸い込まれて消滅した。
青色の小瓶を転がす。
目の前がチカッとひかり、太陽の暖かな光が溢れる。
が、レミリア様は何の素振りも見せなかった。
『よくやるわね。勝てる見込みも無いくせに勝てるように振る舞って結局負ける』
わりと想像通りに進みましたけどね。
『で?悪足掻きもこれで最後かしら?』
もう足も、腕も……どこも動かない……
結構頑張ったつもりだったんだけどな……
唯一動く眼を動かしレミリア様をじっと見つめる。
『……何もないみたいね。まあ、結構楽しめたわ』
レミリア様の手が僕へと伸ばされる。
カラン
っと小さな音が。
そして、目の前には驚いた表情のレミリア様が―――
―――完全に油断していた強者の姿
僕を中心に大爆発が起きた。
―――最後まで慢心するのは……感心しませんよ?
勝者……レミリア・スカーレット
お読みいただき有難うございます!!
吸血鬼から一時間半も逃げ切ったんですから凄い。
凄いったら凄い。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
最初は三日以内にチェスで勝つにしようか迷ったけど……そもそも作者がチェスのルールが分からないと言う……
次回は説明回になる可能性が高いです。
では、また次回~