弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

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投稿です。

書いた……けど、流石にヤバかったから少し優しくした。
これで優しいのか分からないけど……

では、どうぞ。


壊れた世界

どうしてこうなってしまったのだろうか……

 

暗い部屋の中、裸に剥かれた私はそんな事を思った。

もう涙も乾き、人間への希望も完全に枯れ果てた結果の現実逃避なのかもしれない。

 

あの日、あの紅い霧が出た日、そして大妖怪が里に現れた時から、何かが壊れていたのかもしれない。

 

 

私は必死だった。

霧が出てきた時も、大妖怪であるルーミアに応戦する時も……

 

結果として里は十数人の犠牲を出したものの助かる結果となる。

その十数人には上井朝香、柊香住、八重樫奨も含まれ、この三人を合わせ合計十七人が犠牲となった。

 

里も無事とは言え多くの被害が出る結果となった。

その結果、勿論の事ではあるが、多くの失業者及び宿無し(ホームレスのこと)が爆発的に増え、一気に治安も悪くなった。

 

罪の擦り付けあい

暴力、強姦

窃盗

この過程で誰かが死ぬのも何個か耳に届いたのを覚えている。

 

路地の隅では大人子供問わず暴力や強姦に合っているのを毎日と見続けた。

その事で私は頭を抱えた。八雲紫にこの里を任された事も理由の一つであったが……何より、私自身が人間を好きだったからだ。

 

兎に角私は行動を起こす。暴力を止めたり等の小さな事ではあったが何時かそれが里を変えていくと信じて。

 

だが、結果は駄目だった。何よりも痛手だったのは稗田家が人里から離れてしまった事。

彼女は自分の家来数人と一緒に人里から去っていった。今は守矢神社に住んではいるが、帰ってくるつもりは今のところないと言われた。

 

私はその言葉に光を見つけた。

今のところは……すなわち、今の現状を少しでも改善できれば彼女を味方に付けられる可能性があったからだ。

 

しかし、それは間違っていた。

正しくは……私の行動が。

 

守矢神社は妖怪の山、その山頂に建っている。

察しの良い人ならもう分かっただろう。

 

そう、私が里を滅ぼそうとしていると囁かれ始めたのだ。

色々な話が飛び交っていたとは言え、大雑把に言うなればそう言うことであった。

 

私はそんな事をしていない。そう、反論した。

だが、回りだした巨大な歯車は私では止めることができなかった。

 

それもそうだ……暴力や強姦の対象になってしまった者、家がない職がない者、裕福な者……それぞれに共通の敵が現れたのだから。

 

そうして、私は会議と呼び出された集会場で、札などを用いられ捕まりこの牢獄に閉じ込められている。

 

ある時は性欲の捌け口として無理矢理抱かれ

またある時は鬱憤を張らすために暴力の雨に晒される……

まともな飯も食えず、風呂にも入ることはできず、排泄もその場でするしかない。

 

そんな生活が早一ヶ月。

私の心はズタズタに引き裂かれ、もはや一滴の血すら流れなくなってしまった。

今、喜べるのは子供が出来にくい体質だった事ぐらいか。

 

ああ、あの時……稗田家と同じように逃げていれば……

 

もう掴めない理想に手を伸ばす。

 

そうして気付く……腕が人間のような美しく醜い腕ではないことに。

 

それはまるで獣の腕。銀色の毛に覆われた太く、人間程度一撃で葬る獣の腕。

腕だけではない。足、体、顔までもが本来の姿を失っていた。

 

ああ、そうか……人間を憎しみ過ぎたゆえに本当の妖怪になったのか……

 

鉄格子を力任せに引きちぎる。

その際に出たガキャンと言う音に気付いたのか足音が聞こえた。

 

そして……私の腕は赤く、紅く染まっていた。

 

プツン

 

何かが切れる音

目の前のニクを食い漁るワタシ……

 

 

 

……もっと……もっとモット……

 

 

 

 

 

次の日の朝

私は寺子屋にいた。

 

どうして?そんな疑問が湧いてくる。

あれは全部夢だったのか?そんな希望が芽生えてくる。

 

私は寺子屋を出て、里の大通りへと出た。

 

膝から崩れ落ちる。

 

何故なら――――――

 

 

 

 

 

――――――人の気配が一切なく、有るのは血と肉の破片だけなのだから――――――

 

 

 

 

 

 

「あ……あ……あぁあああぁぁぁっかぁkwっkwjbd――――――――――!!!!!??!??!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「新しく……造るしか無さそうね……人員は稗田家がいるからどうにかなるけど……立った今、守護者を無くしたのは痛い」

 

そう呟く主の目線の先には、隙間が開かれ、そこから暴れ後ろを彼女の友人である藤原妹紅が殺すまでが流れていた。

殺した本人もそこに崩れている。

 

「藍。付いてきなさい。取り敢えず人里の存在を消すわよ。そしてまた人里を復興しないといけない……分かったわね」

「御意に」

 

私は気付いていた。もう復興なんて無理だと。主も気づいているはずだ。

でも、私は従うしかない。

 

例えそれが、叶わぬモノだと分かっていても。

 

私は主の八雲紫様に付いていくしかないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

―――そして、八雲紫の人里復興が達成される日は遂に来なかった。

 

 

 

 

 

―――全ては……壊れてしまったのだ

 

 

 

 

 

 




お読みいただき有難うございます。

前半は人里で起きていることを慧音視点で。
後半は八雲紫が人里を復興したけど失敗する、同じ過ちを繰り返す結果。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

では、また次回。
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