弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
別にネタが出てこなかったわけではないんですよ?
では、どうぞ!!
温かく、優しいまどろみの中、気が付けば僕は川の畔にいた。
「あれ?僕何でこんな所にいるんだろう?」
こんな場所を見たことすらない。
ここに来た記憶を探すべく、あっちこっちの引き出しを開けていくも当てはまる記憶は無かった。
否、一つだけあった。
あの視界一面の赤。
藍様の顔も赤く染まった世界。
「ああ、僕死んだのか」
驚くほどに冷静だった。
心の中にあったのは、約束を守れなかった。と言う想いだけ。むしろ、それ以外の感情を抱いては行けない気がした。
にしてもだ、死んだとはいえどうやってこの川を渡れば良いのだろうか?
この川は三途の川であるだろうが、舟頭も見当たらない。向こうに渡らなければ閻魔様に裁いてもらう事も出来ない。一体どうすればいいのか……泳げとでも言うのだろうか、向こう岸も見えないのに?
「少し歩いてみるかな」
流石にあの距離を泳ぐなんて無謀はせず、辺りを探索してみることにした。
・
しばらく歩いていると一本の桜の木。回りには彼岸花の花畑と言う不思議な空間を発見した。
「桜と彼岸花って季節違ったよね?」
そう言ってみたものの、淡い桜色に真っ赤な彼岸花。不思議と違和感は覚えず、むしろその美しさに目を奪われる。
周りを一週してみようと、半分ほど歩いたところで一つの人影を見つけた。
大きな鎌に、彼岸花のように真っ赤な髪。良く家の居酒屋に来ている死神の小野塚小町さんだ。
大方、何時ものようにサボっているのだろう。
そして、ここに彼女がいると言うことはこの場所が三途の川と言う事で間違いないようだ。
取り敢えず向こう岸に送って貰わなければならないので起こすことにしよう。
彼岸花の中に一本だけある道の様なところを通り、小町さんに近付いた。
「小町さん、小町さん。起きてください。閻魔様が来てますよ?」
「ふぁい!!?映季様!?寝てないですよ!!?て、あれ?」
「おはようございます。小町さん」
大慌てに手をブンブンと振りながら弁明しようとし、目の前には僕しか居ないことに気付きポカンとなっている姿に少し笑ってしまう。
「はぁ~~~……お前さんかい……まったく驚かせないでおくれよ……ん?なんで朝香がいるんだ?」
「アハハ……実は」
僕は事情を説明した。
「ほ~アタシが行っていない間にそんな事になっていたとはねぇ。難儀なこって」
「アハハ。全くです。それと、僕の事は隠しておいてくれませんか?って、死んでるんだから意味ないか」
「そうでもないよ」
「へ?」
予想だにしなかった答えに間抜けな声を出してしまう。
一体どういうことなのか、単純に、そのままの意味で捉えるのであれば……
「そうさね。朝香が考えている事で合っているよ」
「じゃ、じゃあ……」
「ああ。お前さんは生きている。良かったね。そして……ちょうど良くお迎さんが来たようだ」
「朝香くん!?……良かった……まだ渡っていなくて」
僕の後ろからは焦った、そして安心した声が聞こえた。
後ろを振り向くと一人の女性。何時ものように凛と立っているのではなく、肩で息をしている。
「ほら、さっさと行きな。でないと本当に死んじまうよ?」
「……小町さん。ありがとございました」
「私からも、お礼を言わせていただきますわ」
僕は、一度頭を下げ迎えにきた紫様と共に隙間の中に入った。
『やれやれ……礼を言われるほどの事はしていないんだがね』
お読みいただき有難うございます!!
ネタが出てこなかったわけではないんですよ?本当ですよ?
むしろサブタイトルが出てこないです。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
次回は復活
では、また次回~