弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
むっちゃ悩んだ……朝香くんをどうするか……むっちゃ悩んだ……
では、どうぞ!!
「じゃあ……本当に良いのね?」
「はい。何時でも覚悟は出来ています」
「もう諦めました……これは本当に人間なのか疑わしいです……」
あれから三年近くの年月が流れ、遂に僕は藍様から認めてもらえた。本当は諦めた方が正しいのだが。
まあ、そんなこんなで今日僕は人を辞め、妖怪となる。
「じゃあ……始めるから、一度死んでもらうわね」
一度頷く。そして、胸を貫く紫様の腕。
そして、僕は一度死ぬことになった。
・
ん……
「あら、目が覚めた?」
「えっと……はい」
あれ?僕死んだハズじゃ……三途の川に行っていないけど……
「そこは境界を操ってね。まあ、何にせよ成功よ。これからもよろしく頼むわね朝香くん」
「はい。よろしくお願いします紫様。藍様もよろしくお願いします」
にしても……何かが変わった感覚がまったくない。いや、妖力が溢れてくる感覚だけはある。
そう言えば僕はなんと言う妖怪になったのだろうか?
「ああ、それね。貴方の魂に刻み込んだのは『大太法師(ダイダラボッチ)』ね。他にもデイダラボッチやおおひとやごろう、ダイダラボウとも呼ばれる、妖怪でもあり神でもある存在よ。基本的に国を造る存在とされているわ」
ダイダラボッチ……確か山をも越える巨人だったはずなのだが……僕の体は藍様にも紫様にも負けている。
取り敢えず腕をブンブンと振ってみたりしたのだが、これといった変化はなかった。
「何の変化もないのですが……」
「そうねぇ……取り敢えず感覚を掴むために色々してもらうことになるんだけど、ちょっと待ってね」
右手を口元に持っていき、小さく何かを口ずさんでいる紫様。
「お前がダイダラボッチか……頑張れよにんげ……朝香。その諦めの悪さは評価に値しているんだ」
「朝香くん。此方を向きなさい」
「……あ、はい!」
藍様の言葉に驚きと嬉しさが沸き上がり、紫様に呼ばれても直ぐに反応が出来なかった。
そんな僕をクスクス笑う紫様。そんなに笑わなくても……嬉しいものは嬉しいのだ。
まあ、そんな事は置いておいて、紫様は指先僕の胸押しあてる。
「はい。もう良いわよ」
「?」
たった数秒の間。僕には一体何をしたかったのかが直ぐには理解できなかった。だが、さっきまでの沸き上がる妖力が落ち着いている、と言うより押さえ付けられている事から僕の力の一部を封印したのだろう。
「取り敢えず腕でも大きくしてみなさい。藍、受け止めて」
「御意」
そう言って僕から少し距離を取る藍様。
いや、いきなり腕を大きくしろって言われましても……
「貴方は今、ダイダラボッチなの。だったら、受けれなさい。そして、ダイダラボッチに負けないように、でないと呑まれてしまいますから」
「はい!」
受け入れ、負けない。魂に刻み込んだと言っていたから、ダイダラボッチの魂を僕に移植したのだろうから……拒絶?僕の魂が無意識に拒絶してるのかな?
まだ、よくわからないけど……兎に角……
全力で……ぶっ飛ばす!!
腕を大きく振りかぶり全体重を乗せ振り抜く。
藍様との距離は約十五メートル前後。例え大人であっても絶対に近付かなければ当たらない。
ブオォン!!
けれども、確かな手応えが僕の腕にはあった。
生憎と受け止められてしまったけど、藍様に両手を使わせる事が出来たのだから上出来である。
こうして、僕の人生は、この十五メートルもの大きな腕と共に終わりを告げるのだった。
お読みいただき有難うございます!!
と言うわけで、朝香くんはダイダラボッチになりました。わーパチパチ!!
一気に話が飛びましたがそれは許してください。だってそこまでこと細かく書いたらもんのすごい長くなるんですもん。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
後神ってのと悩んだ。
だって、(条件有りで)最強だって書いてあったんだもん……
では、また次回~