弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』 作:ちゃるもん
朝香くんと香住ちゃんが再会すぐ後辺りからです。
後日談となります。
絶望?んなもんねえよ。ここにあるのは希望だけだ。
では、どうぞ!!
「良かった……じゃああの後里への被害は無かったんだね。本当に良かった……」
香住さんにあの異変の後の事を聞き安堵する。
僕が修行している時も何度か異変はあったようだが、そちらに関しても殆ど被害は出ていないらしい。
「にしても……意外と見られるものだね」
「しょうがないよ。だって……さっきまで死んでる、って思われてたんだもん。身長が伸びても分かる人には分かるんじゃないかな」
それもそうか。と、納得をして二人で歩く。
こうして話していると香住さんのあのたどたどしかった言葉も今では大分改善され、少し寂しく思ってしまう。彼女も頑張ったのだろう。と、分かっていても、香住さんの力になれなかった。と言う思いの方が強かった。
とまあ、簡単な世間話やら、この五年間なにがあったのかを聞いているうちに目的地へと付いた。
少し古びたかな?でも、あの時のままだ。と、懐かしい記憶を掘り返していると目頭が熱くなる。
「行こ?」
香住さんの優しい声が響く。その言葉に押されるかのように引き戸の取っ手に手を掛け開いた。
ガララと言う音と共に、懐かしい匂いが鼻を燻る。中には二人の大人が一人の女性と話に花を咲かせ、奥からは一人の青年が出てきた。
『おう!いらっしゃ……い……』
『あ……ッ!!』
『お、おま……え?本当に……』
『お?おーアタイの勘も意外に当たるもんだねぇ』
「えっと……ただいま」
『『『お帰りなさい!!』』』
・
「いやはや……まさか生きててしかも賢者様の式になってたとは……どんな人生してんのお前?」
「いや、それは僕に聞かれても」
あの後、父さん母さん、奨にもみくちゃにされながらの質問攻めを受けた。
事情を話し終え、父さん母さんが気を聞かせてくれ、今は僕、香住さん、奨の三人で話している。
小町さんは下でお酒を飲んでる。今頃父さん母さんの話し相手になっていることであろう。
「そう言えば奨は今何してるの?」
「俺か?俺は今実家の酒屋を継ぐために勉強中だ。親父が厳しいんだよなぁ~」
「へぇ~。香住さんは?」
「えっと……その……」
香住さんは人差し指を下に向けた。
僕はどういう事なのか分からないでいたが、奨が補足してくれた。
「そのまんまだ。この下にある居酒屋。つまりお前ん家で働いてんだよ」
いや……なぜ恥ずかしがる必要があるのか……
「いや……朝香……もうちょっとこう……何か無いのか?恥ずかしがるとか、赤面すらしないってのは……」
「だって告白もちゃんとでは無いにしろしちゃってるし……」
「よせ……いや、もういい。どうせだから乗ってやる……お前らいつ結婚するんだ?」
「へ?」
因みに今のは香住さんの声である。
今はさっきと違って昔の様にたどたどしいしゃべり方になっており、外と家とで使い分けているのだろう。心を許している。そう考えると嬉しかった。
「そこなんだよね……僕としては何時でも良いんだけど……そしたら多分香住さんも紫様の式か何かに成らないと行けなくなる可能性があるんだ」
「ちょ……ちょっと……わたわたしを置いて」
「あー成る程……でも良いんじゃねえの?別に酷い待遇を受けてる訳じゃないんだろ?」
「でもさ、無理にこっちに誘ってしまうのも何かね?」
「だから……わたしを置いて……私の話しも」
「何だ?香住は朝香の事が嫌いなのか?」
「そうじゃ……ないけど……でも、朝香くんの気持ちも……」
今更香住さんは何を言っているにだろうか?もう告白紛いな事もしていると言うのに……
「えっと、じゃあ改めて……僕は柊香住さんの事が好きです。僕と結婚してください。必ず幸せにしてみせるから」
「あ、へ……あ、あうー」
「バカだなコイツ……邪魔物は退散しますかね」
そう言い残し部屋から出ていく奨。そして部屋には僕と香住さんだけが残った。
しばしの静寂の後、香住さんが口を開いた。
「もう……私を置いてどっかに行ったりしない?」
「それは約束出来ない……かな」
「そう……だったら、絶対……絶対、私のところに帰ってくる?」
「約束する。絶対香住さんの所に帰ってくる」
僕は即答した。
すると彼女はポロポロと涙を流し
―――よろしくお願いします―――
と、掠れた声で答えてくれた。
お読みいただき有難うございます!!
はい。王道結婚ルートでした。いや~意外と書くの楽しい……
奨くんは……えっと……うん……いい人を見つけるんじゃないかな?
この時の奨くんに色々妄想設定付け加えると楽しいよ!!
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
新作『東方赤ずきん』も投稿しております。
よろしければそちらも。
では、また次回~