弱いから誰かを守ってはいけないんですか? 『完結』   作:ちゃるもん

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投稿です!!

奨くんSEED!!
出番はあるんやで。

では、どうぞ!!


勇気を持って進みなさい

……いない……やっぱり……いない……

 

村にある避難所を見渡しながら探した人を探す。

避難所内はそれなりの広さで、百数十人が集まってもそれなりの空間があった。

 

ただ、その中を幾ら探しても俺の探している二人は居なかった。

 

……つまり、そう言うことなのだろう……

アイツらは……朝香と香住は……避難をしていない。

 

兎に角二人の親御さんの所に行ってみよう。

 

また避難所内を探す。

今度は簡単に見つかり、丁度良い事に朝香と香住の親御さん。それに加え上白沢先生もいるようだ。

 

「すいません」

『ああ、奨君じゃないか……どうかしたかい?』

「朝香と香住、避難してませんよね?」

 

俺がそう言うと、皆が皆苦い顔をした。

 

やっぱり……

 

「上白沢先生は探しには行けないんですか?」

「立場的にも行くことは出来ない……私は守護者として小より大を取らなければならないのだ……」

「だったら俺が、一ヶ所だけ行っていそうな場所を知っているんです!!」

『奨君。私達も探しに行きたいんだ……でも外は紅い霧が掛かっている。何より……』

 

そう言って、朝香の父親は上白沢先生を見た。

そして上白沢先生は一度頷き、口を重たそうに開く。

 

「今……外には大妖怪がいる……」

「は?」

「確かに私の能力は大妖怪にとっては天敵と化すが、あれは満月の時にしか使えない」

「いやいやいや、え?大妖怪?」

 

俺の問いに、上白沢先生は頷き、親御さんたちは目を伏せた。

 

大妖怪。

物理的にも精神的にも死ぬことがない存在。

そして、妖怪達の祖となる存在でもある。

 

言わば、下級、中級の妖怪は巨木の葉、大妖怪は巨木。土台となるのは人間の感情だ。

例えどれだけの木の葉が押し寄せようと、巨木は決して折れることも倒れることもない。

 

詳しいことは分からないが……大妖怪は世界の心理?とか言うものらしい。

殺す方法も有るらしいが……到底実現できないもので教えれてすらない。

 

「大妖怪の恐ろしさは授業で教えたはずだ。分からない訳じゃないだろう?」

「………」

 

俺は答えることが出来なかった。

 

『奨』

 

後ろを振り返る。

そこには俺の父親と母親がいた。

 

「父さん」

『行ってこい……二人を連れて帰るまで帰ってくるな』

「…………」

『勇気を持って、進みなさい』

「母……さん」

 

俺は無我中でその場を飛び出した。

外には紅い霧が掛かっておりまともに視界を確保できない。

 

ただ、あの小さな森に行ったのは確信できた。

アイツがあれ以上の危険な場所を選ぶはずがない。香住を連れていれば尚更だ。

 

 

 

 

「何をしたのか……分かっているのですか!!?」

 

避難所内を怒鳴り声が響き渡る。

 

『……本当に……何をしているのでしょうな。私達は。でも、上白沢先生。何もしないで後悔するよりは、何かをして後悔した方がいい』

「そんな事のためだけに……子供を死地へと向かわせたのか!?それが両親のすることなのか!?」

『……そんな事のためだけに?ふざけないでいただきたい。ここで奨が行かず、二人が死んでいたら……奨はどうやって前に進めばいい!!自分が行っていればと!自分自身を苦難して!安全な道のはずなのに動くことさえままならない!!そんな事は二人も!私達も!奨だって!誰も報われない道を選べと言うのか!!貴女は!!』

 

男の手は強く握り締められ、血が滴り落ちている。

男だけではない。

隣に佇み、口を開かない女の拳からも、赤い血が滴り落ちていた。

 

「だが、それで三人が死んでしまったら……本末転倒ではn」

 

声が止まる。

 

血が止まる。

 

ざわめきが止まる。

 

 

 

―――全てが……止まる。

 

 

 




お読みいただき有難うございます!!

奨くんは、大切な友の為に走り出す。
慧音先生の最後の言葉……奨パパが言っていた、仮に朝香くんと香住ちゃんが死んだら進めない。と同じ事を言っている。
それだけ切羽詰まっていたのか……それとも、止められなかった、守ることのできない自分への怒りなのか……

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあればよろしくお願いします。

次回は……霊夢SEED

では、また次回~
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