星くずWaltz   作:碧兎

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おはこんにちばんわ、今回はちょっぴりメンヘラ?束縛の強そうな女の子のお話ですよ。

それでは是非最後までお楽しみくださいませ。





理想の彼氏

優しくて、包容力があって、頼りになって、一番怖いものから暖かく守ってくれる……きっと女の子の理想の彼氏ってそういう人なんだろう。

 

そして私、春野ふうにはそんな彼氏がいる。

 

「いーよね、ふうは。私も彼氏欲しいよー…」

 

友達はそうやって私を羨むけれど、その友達にも彼氏はいたと思う。

だって部屋行った時に会ったもん。あれは充分彼氏でしょ……。

 

そう言ったらその子には、「アレが彼氏?!ないない!嫌味なの?!」と否定されてしまった。

 

大切なものはいつも案外一番近くにあるというのに…彼を認めてあげないとは、悲しい話だ。

 

「いーじゃない、素敵だと思うけど……」

 

「ふざけないでよー……」

 

……よっぽど嫌らしい。

 

でもこれは、嫌いは好きの裏返しというやつなんだろう。

私の話を聞いて素敵だと思うなら、あの彼のことが嫌いなはずがない。

そりゃあ容姿は違うけれど、彼に似てるところもいっぱいあったように思うもの。

 

現にしょっちゅう一緒に寝てるのを私は知っている。

 

最近はやりのツンデレってやつなのかな?

 

 

私は今日も彼に会うために家に帰る。

彼とは一年前から同棲していて、家に帰るといつもベッドに座って待っていてくれているのだ。

 

「ただいま…疲れたぁ…」

 

皆にこのことを話すと、彼のことをヒモだとかニートだとか言うからこれは誰にも言っていない。

 

私は彼に仕事をして欲しいとかそんなこと求めていない。

ただ疲れて帰る私を癒してくれればそれでいい。

いつでもお腹いっぱいにしてあげるし、綺麗な服を着せていてあげる。

 

「今日はね、貴方に似た友達の彼氏と会ったのよ」

 

そう言って抱き着くと、とても冷たく接される。

……いつもなんだ。

彼は機嫌が悪いのか、帰ってすぐはいつもやけに私に冷たい。

でもしばらくくっついたままじっとしているとすぐにいつもの暖かい彼に戻る。

朝なんか簡単には離してくれない。

 

きっと私が出ていくのが寂しいんだと思うと、とても愛しく思えた。

嗚呼、私って本当愛されてる。そう感じて、幸せな気分に浸る。

 

これだから他の人には絶対会わせたくない……。

彼は私だけのモノなんだ……。

 

そんな私だけれど、私に出会ってからの彼を唯一会わせた人がいる。

 

私のお母さんだ。

 

お母さんに、これが今の彼氏だよ、と彼を紹介すると、お母さんは怪訝そうな顔で私に言った。

 

「あんた、何を言ってるの?コレが彼氏?」

 

その後彼の方を向いて、こうも言った。

 

「大変なのにもらわれたわね…」

 

大変なわけないじゃない。彼は幸せよ。

私は彼をちゃんと愛して、浮気もしなくて、養っているのに。

 

いらいらする私に、帰り際のお母さんは言い捨てた。

 

「あんた、今度お母さんにこの人が彼氏って言う時は、ちゃんと人を紹介してよね」

 

なんでよ…良いじゃない、人じゃなくても…。

優しくて、包容力があって、頼りになって、一番怖い寒さから暖かく守ってくれる……お布団は、そんな女の子の理想の彼氏なんだから。






如何でしたか?
お布団って本当、素敵な恋人だと思うんです(非リアの戯言

これからもうちの彼氏くん(布団)を大切にしていこうと思います(非リアの戯言
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