長門の視線 ー過去編開始ー   作:電動ガン

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page14 私と超変身

やややややぁ諸君な、長門だ。聞いてくれ。わた、私のむす・・・じゃない夕立が超変身した。こんなもの見たことも聞いたこともない。とある鎮守府の明石が物質転送装置を開発したとか聞いたが実験に参加した提督が紛れ込んだハエと混ざり合って合体してえらいことになったとかならないとか。いや今はそんなのどうでもいい。夕立だ夕立。

 

「あれー?お姉さん行かないっぽいー?」

 

「んんん!?もうチョコ食べたのか!?ほ、ほらぁ飴とポテチのホタテ味だぞー」

 

「んふふー!お姉さん今日はふとっぱらっぽい。」

 

「あ、あはは・・・だから!提督!ほんと!ほんとなんだって!夕立の艤装が!なんにもない空間から出現したのかも!」

 

『長門さん!落ち着いて口調!口調が他所の子のになってる!』

 

「ぎゅーんって!ばばーっ!ぼっー!って艤装が現れてがっきーんって装着されて!」

 

『とにかく!今からそっちに大淀と行くから・・・』

 

「夕立!いっきまーす!」

 

「うわああああああああ!!!まって!!!待って夕立!!!」

 

「ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙ヾ(゚Д`;≡;´Д゚)ノ゙」

 

「なにぃ!?夕立の艤装は独立していて・・・妖精が必要ない・・・!?」

 

「わっははー!」

 

夕立がドックから飛び出して海上に出て・・・て速っ!そこらの駆逐艦より圧倒的に速いぞ!!!小さくて身軽だからか・・・!?

 

「水偵!行け!夕立を追うんだ!!」

 

「ヾ(・∀・)ノ」

 

「ぽいぽーい!!」

 

「天龍!天龍聞こえるか!!!」

 

『・・・なんだよ長門!声がでっけぇって!』

 

「夕立が!私の夕立がぁ!!!」

 

「長門さん!」

 

「夕立は!」

 

「提督・・・大淀・・・!夕立が海上に出た!」

 

「なんだって!?どうやって!!」

 

「さっき言ったかも!水偵で追っかけてるかも!?」

 

「長門さん!はいティッシュ!」

 

「うわぁぁああん!大淀ぉ!」

 

『提督!何があったんだよ!』

 

「天龍!夕立を捕まえてくれ!」

 

『ああ!?夕立!?どこに行ったってんだ、残ってるやつで・・・』

 

「海上だ!海上に出たんだ!!」

 

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「ぽいぽ-い!ぽっぽぽーい!」

 

「こらぁー!夕立ぃー!」

 

「ぽいぃ!?」

 

「一人で行っちゃダメだろ!長門はどうしたんだ!」

 

「あ、てんりう。お姉さんはまだ来てないっぽい。」

 

「まだ来てないじゃないだろ・・・一人で行ったら迷子になるだろう?迷子になったらもうみんなとも長門とも会えなくなっちまうんだぞ!?」

 

「ぽいぃ・・・」

 

「天龍ー!急にどこに・・・夕立!?」

 

「曙ぉー!待って・・・」

 

「あーすまんお前ら・・・今日は訓練中止だ。見ての通り、緊急事態だ。」

 

「夕立の艤装が・・・!?」

 

「あれ?なんで夕立ちゃんがいるの?」

 

見つけた。良かった・・・水偵君よくやったぞ!!!天龍達と合流出来たか・・・くそぉこんな時自分が低速戦艦なのが悔やまれる!!

 

「ん?ありゃあ水偵・・・長門のか。」

 

『天龍!聞こえるか!?』

 

「っだぁー!声がでけぇって!聞こえてるよ!」

 

『今!今行くから!!!夕立を離さないでくれよ!お願いかも!!!』

 

「はいはい!・・・ほら夕立、お前が一人で出てきちまったから長門がめちゃくちゃ心配してるじゃねーか。キャラ崩壊してるぞ。」

 

「お姉さぁん・・・ごめんなさいっぽい・・・お姉さんと遊べると思って楽しくなっちゃったぽい・・・」

 

『わかったよぉぉぉぉ夕立ぃぃぃぃそこで良い子にしてるんだぞぉぉぉぉ!!』

 

「わかったぽいぃ・・・」

 

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「はぁー・・・何事もなくてよかった・・・」

 

夕立が勝手に飛び出していった時は本当に肝が冷えた。もうあんな思いはしたくないね。夕立が傍にいるならミッドウェーに一人で行けと言われて喜んで飛び出してやる。いや、これでは夕立と一緒に入れないな。

 

「しかし・・・あの夕立は何者なんだ・・・明らかに人類が開発した艦娘用艤装とは違う・・・」

 

「不思議な感じですね・・・艦娘も妖精もほんの昔はオカルトの類いだったのに・・・オカルトは尽きませんねぇ」

 

私はオカルトは苦手なのだ。エスパーとかUFOとかそんなの無理。夕立はエスパーだったのか・・・ロシアとかが作りそうだ。エスパー艦娘。

 

「にしてもどうしよう提督!!夕立はロシアの艦娘だったのかぁ・・・うう~」

 

「どうしてそうなったんだ・・・」

 

「とりあえずデータ収集の為に私も水偵飛ばすので長門さんもでてもらえませんか?」

 

「わかったかも・・・」

 

「いい加減元に戻れ。」

 

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「あ、何か飛んでるっぽいー」

 

「ん?んおぉ!?なんだあの数の水偵!?」

 

「曙!なんかいっぱい見られてるよ!」

 

「何かあったのかしら・・・」

 

「おおーーーーーーーい!!」

 

「あ、お姉さんっぽーーーーーい!!!」

 

ああぁ!夕立!かわいい!じゃない。落ち着け。危ない。ロリやばい。あっというまにながもん化する。意識をしっかり保て。私は戦艦長門・・・私は戦艦長門・・・でもぎゅーっとしちゃえ。

 

「夕立ぃ!勝手に一人で行ってはいかん!海は怖いところなのだ!」

 

「ごめんなさいっぽい・・・」

 

「太平洋の英雄が言うと重いねぇ・・・」

 

「ほんとね・・・」

 

「まったく!保母やってんならちゃんと面倒みないとダメじゃねぇか!いいか!こんぐらいちっちゃい奴だと目離してなくてもすぐどっか行っちまうんだからな!手つないでろ手!俺はいつも皐月と文月は捕まえたまんまなんだぞ!」

 

「は、はい・・・」

 

「卯月との訓練も大変だったが弥生も大変だった・・・あいつ無表情ですぐいなくなっちまうからな・・・泊地攻撃するときより緊張したぜ・・・」

 

「はい・・・」

 

なんだか天龍のスイッチが押されてしまったらしい。何人ものちびっこを見てきた天龍は扱いを心得ているのか・・・んむむむ・・・

 

「おっととこんなことしてる場合じゃねぇな。」

 

『こちら提督。聞こえるか?』

 

「ん?おうこちら天龍。聞こえるぜ。」

 

『今から大淀を加えて天龍を旗艦に長門、朧、曙、夕立で試験艦隊を編成し、夕立の戦闘力試験を行え。査定は大淀、長門の水偵で行う。』

 

「お、おう・・・?」

 

『夕立?聞こえるか?提督だ。』

 

「ぽいー?」

 

『いいか夕立?今からそこにいるみんなで遊ぶんだ。艦隊ごっこだ。全力全開だ。』

 

「みんなで遊ぶっぽいー?」

 

『そうだ。全力全開だ。』

 

「全力全開っぽい?」

 

『全力』

 

「全開?」

 

『そう』

 

「そう?ぽい?」

 

「なげぇよ!!はじめっぞオラァ!!」

 

「ごめんなさーい!遅れましたー。」

 

「よっしゃぁ!始めるぞ!模擬戦だ!俺、曙、大淀と長門、朧、夕立のチーム分けにするぞ!」

 

天龍のかけ声でチームごとに並んだ時夕立はやる気に満ちあふれ目を輝かせているように見えた・・・いや皆様はこの展開を予想出来ただろうか。私は第二の驚愕する出来事に遭遇をした。夕立の目は輝いているように見えんじゃない、実際に輝いていた。入渠ドックで見たこの模擬戦の映像。この並んだ瞬間みんなの驚いた顔は一生忘れないだろう。

 


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