長門の視線 ー過去編開始ー   作:電動ガン

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建造の時間は原作ゲームガン無視です。


page22 私とスパナ

やぁ諸君。長門だ。いきなり悪いがちょっちピンチすぎや。

 

「寄せ!陸奥!!早まるんじゃない!!!私はお前をそういう風に育てた覚えはないぞ!!!」

 

「例え姉さんの言うことでも聞けないわ。大人しく諦めて。」

 

「くっ・・・鳳翔!!」

 

「私も聞けません。これは・・・正当で、至極当然な判断です。往生際が悪いですよ。」

 

「鳳翔まで・・・!!ならば、天龍!!!」

 

「すまねぇ・・・俺一人じゃあ・・・どうすることも出来なかった・・・」

 

「そんな・・・そんな!!!提督!あんまりじゃあないか!?私は・・・伊達や酔狂で英雄を名乗っているわけではない!!それを・・・それをこんな形でッ・・・!」

 

「こうでもしないと長門さんはまた・・・な?とてもじゃないがもはや長門さんの口約束は信用出来ない。」

 

「あ・・・あぁ・・・夕立・・・夕立は私の、ママの味方だよな?なっ?」

 

「ママには・・・少し眠ってもらうっぽい。」

 

「あぁ・・・あああああああああああ!!!!」

 

せっかく来た私の艤装が!!!!接触厳禁のテープと!!!注連縄とお札で封印されていく!!!!!やめろ!!!!これから鎧袖一触「頭にきました。」出来ると思ってたのに!!!なんで艤装を封印されなければならないのだ!!!!

 

「おいぃ!!私を戦線離脱させるな!!!戦わせろ!!!!」

 

「ちょ、それは俺の台詞だろうが!!!」

 

「うわあああああああやめてええええええ!!!!しまわないでぇぇぇぇぇ!!!!」

 

なんということだ。私が勝手に戦場にでないように監視するのにここまでする必要があるのか!?いやない!!!

 

「正直、生身でも戦えるとわかってしまったからな・・・これは横須賀の長門さんの友総出での希望である。」

 

「提督の鬼!悪魔!!ち○ひろ!!!」

 

「俺は博則だが?」

 

「ああぁぁんまぁぁぁぁりだあああぁぁぁぁ!!!!」

 

重たい音が響き、コンテナが閉じて私の艤装が収容された。工廠の床下に轟々と音を立てて収納されていく。は、はは・・・はははははは!!!

 

「・・・。」

 

「・・・燃え尽きてるわ。」

 

「大丈夫っぽい。今度こそママは夕立が守るっぽい。」

 

「ま、まぁ長門、気を落とすなよ。上位深海棲艦が確認されれば封印は解けるんだから。」

 

「・・・ブツブツブツブツ・・・」

 

「あん?」

 

「どうしました長門さん?」

 

「これでは夕立と一緒に出撃出来ないこれでは夕立の勇姿を拝めないこれでは夕立のあられもない姿を見られないこれでは・・・」

 

「ヒェッ」

 

「あらららら・・・」

 

なんて・・・なんてひどいことをするのだ・・・私の・・・私の艤装・・・私の艤装・・・ニ○ンのカメラも用意したのに・・・夕立アルバムに新たな章を刻めると思ったのに・・・・ひどい・・・ひどい・・・

 

「こうなったらしばらく戻らないわねー・・・夕立ちゃん、お姉さんと一緒に訓練に行くわよ?」

 

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「私が勝手に出撃しない為に艤装が封印処置されたエックスデーから数日たった。」

 

「誰に言ってるんですか長門さん。」

 

「さてな・・・」

 

「そこにずーっといても私は艤装出せませんよ。」

 

「知っている。」

 

「はぁー・・・大型建造もうまくいかないし・・・デッカイ人は居座るし・・・もう・・・」

 

「明石お前なかなか辛辣だな。」

 

「長門さんのことは扶桑さんから聞いてますので。」

 

「ほぅ・・・そうか。扶桑はなんと?」

 

「・・・死に急ぐ危険な人だと。」

 

「そんなこと言ってたのかアイツ。それなら扶桑は武器オタクな工廠泣かしだ。通常なら気づかないような砲塔の軋み音で何時間もメンテ増やしてたからな。」

 

「帰ってきてくれるだけマシですよ。私は特に、ちゃんと帰ってきて修理を受けてもらわないと困る身ですからね。だから死に急ぐなんて噂が立つ人は嫌いです。」

 

「厳しいな・・・出来ることをしているだけで嫌われるとは・・・」

 

「ま、私のわがまま・・・」

 

「明石、いるかい?今日の建造なんだが・・・長門さんもいるのか。」

 

「やあ提督。」

 

「あーまたですか長門さん。居座っても艤装は出しませんよ。」

 

「大淀め・・・いまもう明石に言われたところだ!」

 

ぐぬぬみんな私をばかにして!!だって艤装が使えないと不安になるだろう?ならない?んなばかな。まぁいい。艦娘の装甲服も着られないから臙脂色の浴衣だがオイルで汚すと大変だ。

 

「そういえば提督、大型建造の方はどうだ?大和型はできそうか?」

 

「それが・・・」

 

「提督、見てもらった方が早いと思うのですが。」

 

「・・・そうだな。付きそう艦娘によって建造可能かどうか変わるなんて話も聞くくらいだ。長門さん、ちょっと付いてきてくれ。」

 

「あ、ああ?」

 

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「まぁ・・・これだよ。」

 

「ほぉ・・・デカイな。通常の三倍はあるか?」

 

「素体を建造するシリンダーだけで通常の三倍。艤装を作るスペースはおおよそ二十畳。うちの規模じゃあ二つが限界だった。それで難航してる理由はあれだ。大淀、開けてくれ。」

 

「はい。」

 

大淀がモニターを数回叩くとガガガッと重そうなシリンダーの蓋が開いて窓が・・・おおう。

 

「すごい輝きだ・・・もしかしてこれが大和型の?」

 

「うむ。間違いない。大和型の船魂だ。ここから建造に移るんだけども・・・」

 

「なら簡単じゃないか。資材をぶち込め。大本営からしこたま送られてきてるんだろう?」

 

「そうすりゃいいけどな・・・ほれ。」

 

「・・・おいおいおい!桁が一個増えてるぞ!!!大型建造はこんなに使うのか?!」

 

「そうなんだよ。通常の建造の十倍資材を使う、大湊の貯蔵量を超える資材が送られてきているが一日に二回もすれば消えて無くなる。資材集めがどれだけ大変か、うちはよくわかる・・・大和型建造は先が長いかもな・・・」

 

「ふううむ・・・」

 

「長門さーん何か建造のコツみたいなの知りませんか?明石もそんなんあったら苦労しないと言われちゃって・・・」

 

「そうだなー・・・横須賀にいた頃は・・・今日は無理だなと思ったら建造、開発は一切やらなかった気がする。勘だよ勘。結局はここに頼るしかない。」

 

「勘ですかー・・・」

 

「俺も昔は戦艦や空母を狙った資材量をぶちこんだが・・・ま、御覧の通りだしな。神のみぞ知る・・だな・・・」

 

「じゃあ試しに私がやってみてもいいか?一度建造してみたかったんだ!横須賀のあいつは建造ドックに近づかせてもくれなかったからなぁ・・・」

 

「お、わかった。艦娘に建造させるなんて話は聞いたことないしな・・・今日はまだ一回も試してないし。」

 

「ふふん・・・!戦艦が建造すれば戦艦が出来るだろう。刮目せよ!!資材量はこれだ!!!」

 

モニターにぽんぽんと数字を入れるが・・・この数字はすこし恐ろしいな。一度で連合艦隊が動くような資材量が消えるとは・・・怖くもあるがわくわくするぞ!!

 

「ん~・・・これくらいだな。これでいくぞ提督。」

 

「3500、3500、6000、6000・・・?この数字はどのような意味が?」

 

「勘だ。この数字が良い。」

 

「長門さんが言うならこれにしよう。」

 

「開発資材は百個使うぞ!!!」

 

「ひぇっ・・・」

 

「世界最大の戦艦だぞ?けちっても良い結果は出ない!!豪快に行こうではないか。」

 

「な、長門さん!!いくらなんでも無駄遣いしすぎですよぉ!これで失敗してしまったら・・・私達大本営に島流しされちゃいます!!」

 

「いや・・・大淀、やってみよう。今までのやり方では結果は出なかった。まぁ・・・先は長いから。すまないな大淀。」

 

「わ、わたしは知りませんからね!!とっりあえず、補給とかは問題無いんですが・・・予定していた対潜装備の開発は先延ばしに・・・」

 

この大型建造のモニターをみた時に・・・頭の中に何かが浮かんだ。この数字じゃなければダメなんだ。こう・・・大型建造はばーってやらないと・・・こう、自由で、解放されなければダメなんだ。

 

「よし、まだどの艦娘になるかはわからないが・・・この戦艦長門が建造してやっただんだ。元気に出て来るんだぞ。」

 

シリンダーの窓を撫でて、蓋が閉まるのを見届ける。妖精さんが忙しく動き始めるのをみるととりあえず問題無く始まったんだろう。

 

「・・・建造時間は・・・?」

 

「ヾ(´c_,`*)ヾ(´c_,`*)ヾ(´c_,`*)」

 

「6週間・・・!?」

 

「お、おおおお!長門さん!やりましたね!!この長い建造時間は間違いなく大和型ですよ!!!」

 

「お、大淀、わた、わたしも驚いてる・・・」

 

「島流しにならずに済むな・・・」

 


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