GOD EATER-BURST~縋る神なきこの世で~   作:A-Gyou

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イリヤの日常の環境は、他の人間から隔離されがちなものだった。

文句は無い。自分のやった結果、その延長だ。

そんなある日のこと……


再び 前

イリヤが、正式に神機使いになってからすでに1週間が過ぎていた。

 

飯、座学、訓練、飯、訓練、反省、飯、自室で待機。

 

彼の1日のルーチンはこんなものである。多少の自由時間は認められているが、何せ前科未遂者の身のためか、他の神機使いに対して制約が多い。

 

同期入隊した、藤木コウタという少年もいたが、座学以外ではほとんど関わる機会が無い。

 

今のところ、イリヤの扱いは“危ない奴”、“不審人物”、などといった、居心地の良いものでは無かった。

 

そして、何より彼を“怪しい奴”に仕立て上げている原因は、彼に与えられた神機にあった。

 

彼に与えられた神機は、いささか特殊な経歴を持つ“ミナシゴ”のあだ名を持つものだ。

 

何故そんなあだ名がついているのか、由来を聞いたことは無いが、恐らくろくな理由では無いだろうとイリヤは予想していた。

 

その神機は、あだ名が変わり者であれば、神機としても変わり種であった。

 

与えられた型番は「(Y)2ndSeries-Type01A6」

 

他の神機使いが使用している物とは違う機体である。

 

現在普及している第1世代神機は1芸特化型であり近距離型と遠距離型とそれぞれ別の種類となっていたことが、最大の特徴であり欠点でもあった。

 

この場合、部隊行動においてそれぞれの役割を明確に分けることを可能とさせて連携の円滑化を図る、と言う面においては優れていたが、誰か1人、特に近距離型の人員が戦闘不能に陥ったときに、戦闘の継続が極端に困難になる、という脆弱さも孕んでいた。

 

この問題は、第1世代神機が各支部の神機使いに運用されるようになってから表面化してきた。

 

そこで、次世代の神機は遠近両面の戦闘が可能な汎用性に優れたものにするという方向性で、新しい世代の神機の開発に着手した。

 

そうして出来上がったのが、俗に言う“新型神機”だ。

 

特徴は、ブレードフォームとガンフォームのタイプチェンジ機構の搭載、第1世代近距離型神機の特徴であったシールド展開機能と捕食機能の搭載。そして、自分でOPの補充が出来るという自己完結性にある。

 

ただし、新型だからという理由でイリヤの神機が変わり種呼ばわりされるには、いささか無理がある。

 

運用数こそ少ないが、正統派第2世代神機は他の支部でも運用が開始されている。

 

ならば、何故変わり種なのか。

 

彼の神機は、確かに第2世代神機の特徴を全て含んでいる。いるのだが、細かく見ていくと正統派の機体とは所々違う部分が見受けられる。

 

ブレードパーツはバスタータイプのみという極端さ。シールドは、本来ならばブレードの刃の面に対して垂直になるように展開するが、彼の場合右側面に常時展開した状態で、しかもガンフォームの時でも展開が維持されているという使用だ。

 

いわば、“かなり人を選ぶ”神機なのだ。

 

とは言え、イリヤはそんな事情など知るよしも無い。

 

ただ、彼が最初に自分の神機のことを“ミナシゴ”とあだ名されたとき、何故か。何故か、倉橋のことを思い出した。

 

そして、

 

「そう言うのはやめてくれ」

 

と、軽くあしらった。

 

神機“ミナシゴ”。その由来は、いつからあったのかどこから来たのか、前の使い手が誰だったのか、と言う様々な出所の怪しさからきていた。

 

 

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___エントランスロビー

 

エレベータが止まり、中から妙齢の美女が出てきた。

肩より少し下まで伸ばした、艶と少しクセのある黒い髪。

どうだと言わんばかりにバストを絶妙にはだけさせ(上乳とも言う)、全身を包む白い衣装は、背中やら、脚のサイドラインをそこはかとなく見せつける。

 

だが、彼女の正体を知る者であれば、その姿に鼻の下を伸ばすことなど出来ない。出来るわけが無い。

そんな覚悟を持ち合わせておりません!!!

 

雨宮ツバキ。年齢不詳(訊こうとしたコウタがしばらく行方不明になった)。極東支部のエース、雨宮リンドウの姉であり、自身も現役時代は遠距離型として活躍していた。

現役を引退後は、教官として後進の育成に励んでおり、その教鞭は「厳しさの中に厳しさを垣間見、そのほんの隙間から厳しさを感じる厳しさ」と評価されている。

 

つまり、鬼教官。

 

「イリヤ2等兵!!! いるか!?」

 

低く良く通るツバキの声が響く。

 

「はい、自分はここです、ツバキ教官」

 

この日は珍しくイリヤは非番を与えられ、尚且つアナグラの中であれば自分の権限でいける限りの場所を動いていても構わない、と行動の自由を与えられていた。

 

とは言いつつ、何をどうしたいという気分でも無かったので、アナグラの中を適当に回ってそのままエントランスロビー2階のソファに座り込んでいる、と言う状況になる。

 

イリヤの周りには、誰もいなかった。

 

そのことに、ツバキは内心で苦い思いをしつつも、顔には出さず、いつも通りの口調でイリヤに話を始めた。

 

「つい先程、治安維持部門の方から貴様に連絡が入ってな。まぁ……貴様も心当たりがある案件があるだろ。それに関して、確認したい事項があるらしくてな。本人に直接赴いて欲しい、とのことだ」

 

「あぁ、はい。何のことかは分かります。で、自分はいつどこへ行けばよろしいのでしょうか?」

 

「本日1330に治安維持部門の方へ直接行け。詳しいことは向こうで教えるつもりらしい。質問は?」

 

「了解しました。質問もありませんよ」

 

「よろしい。忘れるなよ」

 

最後まで事務的な態度を崩さずに、ツバキは立ち去った。

 

(俺がしばかれた日のことだよな……面倒臭ぇな)

 

そう思いながら、彼はソファから立ち上がりエントランスロビーを出て行った。

 

 




ん~♪

この後どうなるんでしょうね?

楽しみにしていて下さい!!!

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