遊戯王ARC-V エクシーズ・ディメンション 作:YASUT
だがランクアップはしない(=続きは書かない)。瑠璃喋らないかなー。
というか喋ろ。
話せ。
瑠璃ィィィィ!!!!
*アニメオリジナルカードが二枚
GXより《テイク・オーバー
ARC-Vより《
――デュエル・モンスターズ。
プレイヤーは魔術師となり、カードに封じられたモンスターを使役し戦わせる
ソリッド・ビジョンによるショーとしての人気も高く、誰もが一度は目指し、そして挫折する。この狭き門をくぐり抜けた者のみが、プロとして世界に羽ばたく権利を得る。
そう、ここまでしてようやく
けれど、そんな彼らに全てを賭ける学び舎があった。
通常教育に加え、デュエル・モンスターズの教育も施す特殊な機関。
それがこの“デュエル・アカデミア”である。
◆
デュエルアカデミアの門は狭くない。将来のプロ育成に力を入れているため、一般の
この学園に入学するための条件は二つ。
一つは学生であること。
もう一つは、デュエルにおいて突出した腕前を誇ること。
……これを証明する方法は何でも構わない。たとえ、根拠のない
この学園の門を潜る方法は大きく分けて二つ。
一つはデュエル・モンスターズの大会で入賞すること。わかりやすく結果を残せば、それだけで資格を得ることができる。
もう一つは、毎年行われる抽選に当たること。デュエルアカデミアでは毎年、新入生入学の時期に特別な抽選を行う。一般の入学希望者の中からランダムにクジを引き、当たった者を“
抽選に当たった
“認められる”の基準はそれぞれだが、大雑把に言うなら勝てば入学、負ければ退学ということだ。
強運を引き寄せる――即ち、“土壇場でカードを引き寄せる力”があっても、勝てなければ実力は認められない。
……ここまでが表向き。一般に認知されているデュエルアカデミアのシステム。たとえ一般人であってもプロになれる可能性はゼロではないという、淡くも儚い夢だ。
実際に勝利し、デュエルアカデミアに入学できる
「……今年も、ついにこの時期が来てしまったノーネ」
白人の教師――クロノス・デ・メディチは溜息混じりに呟いた。デュエルアカデミアの実技最高責任者である彼は、毎年抽選者と
最初に明言しておくと、彼はこの抽選システムが嫌いだ。採用された当時は可能性を感じて賛同したクロノスだが、ただの見世物となってしまった今では誰よりも嫌悪している。
「でも、やるしかないノーネ。過ぎた情けは相手への侮辱。プロの世界の厳しさを教えてやるノーネ……セニョール“ユート”」
教師用の大型デュエルディスクを抱え、デッキをセット。控え室を出た後、デュエルリングへと歩を進めた。
周囲の観客席には予想通り、デュエルアカデミアの生徒が跋扈していた。ここに集う
クロノスと対面しているのは紫髪の少年。物静かな雰囲気を纏っており、実年齢より少々大人びた印象を受ける。
「待たせたノーネ、セニョールユート。私はクロノス・デ・メディチ。デュエルアカデミアの実技最高責任者でアーリ、今回の入学試験の試験官でもあるノーネ」
「ああ……――いや、はい」
「気張る必要はないノーネ。私の仕事は、貴方のポテンシャルを見極めること。今年も観客は多いようですガ、気にせずありのままのセニョールを見せて欲しいノーネ」
「……ああ、分かった」
今のやりとりで緊張は些か解れたらしい。ユートはリラックスした表情でディスクを構え、デッキをセットした。
少年の闘志にクロノスは頬を緩め、高らかに宣言する。
「これより、特別入学試験を開始するノーネ!
セニョールユート! 貴方の入学条件はこの私を倒すこと! もしくは、そのポテンシャルを存分に魅せつけること! 遠慮は要りまセーン、存分にかかって来なサーイ!」
◆
「「
ユート
LP:4000
クロノス
LP:4000
「特別ルールにより、先行はチャレンジャーに与えられるノーネ。セニョールの力、見せてもらうノーネ」
「ならば行かせてもらう、俺のターン。
――俺は《
《
星3/闇属性/戦士族/攻 800/守1000
「更に、自分の場に《
《
星3/闇属性/戦士族/攻 200/守1200
一ターン目であるにも関わらず、ユートの場に二体のモンスターが出揃った。
どちらも亡霊を纏った遺品であり、一体一体は大した力を持たない弱小モンスターだ。だが少年のデッキは、同レベルモンスターが二体揃うことで真価を発揮する。
「俺は、レベル3のダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイ!」
ユートの足元に漆黒の渦が現れ、中央へと二体が吸い寄せられた。
魂と魂が爆発を起こし、新たな武器がフィールドに降臨する。
「戦場に倒れし騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!
エクシーズ召喚! 現れろ、ランク3! 《
《
ランク3/闇属性/戦士族/攻2000/守1000
巨大な剣を持つ騎士。しかし剣先は欠け、頭部はない。生物と呼ぶには遅すぎた存在。
その姿はまさに亡霊――否、幻影。死してなお倒れぬ鉄の騎士だ。
「……エクシーズ召喚。同レベルモンスター二体を素材に行う特殊召喚。それを一ターン目からこなすとは、中々やるノーネ」
「実力を見せろ、と言ったのは貴方だ。俺は最初から全力で行かせてもらう。カードを三枚伏せて、ターンエンドだ」
「フフン、その威勢の良さは買ってやるノーネ。私のターン、ドロー。
《イエロー・ガジェット》を攻撃表示で召喚!」
《イエロー・ガジェット》
星4/地属性/機械族/攻1200/守1200
クロノスの場に黄色の歯車モンスターが召喚された。
ガジェット。このモンスター郡は名前・デザイン・効果、どれをとっても歯車だ。一つでも動けば、他の
「このモンスターの召喚・特殊召喚に成功したトーキ、デッキから《グリーン・ガジェット》を一体手札に加えるノーネ。
更に
これにヨーリ、先程手札に加えた《グリーン・ガジェット》を召喚ナノーネ!」
《グリーン・ガジェット》
星4/地属性/機械族/攻1400/守 600
「《グリーン・ガジェット》の効果発動! デッキから新たに《レッド・ガジェット》を手札に加えるノーネ」
「……レベル4のモンスターが、二体」
その手際の良さに、ユートは舌を巻く。
同レベルモンスターが二体。ならば、次の手は自ずと決まってくる。
「エクシーズ召喚が行えるのはセニョールだけではないノーネ! 私は、二体のガジェットでオーバーレイ・ネットワークを構築!
エクシーズ召喚! 現れるノーネ、《ギアギガント
《ギアギガント
ランク4/地属性/機械族/攻2300/守1500
二体の低級モンスターを素材に召喚されたのは、歯車を背負った機械仕掛けの男。
その能力は外見通り。このモンスターもガジェット同様、歯車のような効果を備えている。
「《ギアギガント
「レベル4……次のターン、二体目のエクシーズモンスターを召喚するつもりか」
「察しがいいノーネ。ですがそれハ、貴方に次のターンが回ってくれば話デース!
手札から装備魔法《デーモンの斧》発動! 《ギアギガント
《ギアギガント
攻2300 → 攻3300
「更に速攻魔法《リミッター解除》! このターンのエンドフェイズまで、機械族モンスターの攻撃力を二倍にするノーネ!」
「何っ!?」
《ギアギガント
攻3300 → 攻6600
「攻撃力6600……!」
「左様。ブレイクソードの攻撃力はわずか2000。この攻撃が決まればライフはゼロ。よって、貴方の敗北ナノーネ」
「……あーあ。終わったな、これで」
見学していた生徒の一人が気だるげに呟いた。
デュエルが開始してわずか二ターン。こんな序盤で勝負が見えてしまえば、退屈なデュエルと断定するのも無理はない……が、それは、ここで勝負が決まってしまえばの話だ。
クロノスは敢えてチャンスを与えた。本来《リミッター解除》は戦闘を行う直前に発動し、相手の不意を突く速攻魔法。バトル前に発動したのは、ユートがこの状況を乗り越える過程を見たかったからだ。
ただし、乗り越えられないのならそれまで。その程度の実力なら、アカデミアに関わらない方がいい。
「覚悟するノーネ、セニョールユート! 《ギアギガント
「
《突進》の効果により、ブレイクソードの攻撃力は700ポイントアップする!」
《
攻2000 → 攻2700
「更に《非常食》の効果! 発動後の《突進》を墓地に送り、ライフを1000回復する!」
ユート
LP:4000 → LP:5000
《ギアギガント
ユート
LP:5000 → LP:1100
「……あの新入生、思ったよりやるじゃないか」
「今のは確か、新入生テストデッキの最強攻撃パターンだったな」
「ああ。あれを一ターン目から仕掛けるクロノス教諭は流石だが、新入生も悪くはないな」
外野の呟きを耳に入れつつ、クロノスはほくそ笑んだ。
最後の最後まで何が起こるか分からない。それがデュエルの奥深さなのだ。
「この瞬間、ブレイクソードの効果発動! エクシーズ召喚されたこのモンスターが破壊された時、墓地の同レベルの《
甦れ、《
《
星3/闇属性/戦士族/攻 800/守1000
《
星3/闇属性/戦士族/攻 200/守1200
「そして、この効果で特殊召喚されたモンスターはレベルが一つ上がる」
《
星3 → 星4
《
星3 → 星4
「倒されてもまた復活するトーハ……全く、しぶとい亡霊どもナノーネ」
「《
「フン、強がるんじゃないノーネ。既に貴方のライフは虫の息。次のターンで決めてやるノーネ。私はカードを二枚伏せて、ターンエンドナノーネ!」
「だがこのターンのエンドフェイズ、《リミッター解除》の効果を受けた機械族モンスターは、全て破壊される」
《ギアギガント
二枚の
「俺のターン! 俺は、レベル4となったダスティローブとサイレントブーツで、再びオーバーレイ!」
「!?」
ユートが新たなエクシーズモンスターを召喚する瞬間、クロノスのデュエルディスクのランプが点滅し始めた。
「この反応……そうデスカ。セニョールユート……まさか貴方が――」
それに気づいた者はクロノスを除いて誰一人いない。これまでに一度もなかった奇妙な反応に、クロノスは困惑し――そして、意味ありげに微笑んだ。
「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ!
エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! 《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
召喚されたのは、巨大な逆鱗を持つ漆黒の龍。その瞳には、強者に屈さぬ鉄の意思が垣間見える。
「スプレンディード。素晴らしいノーネ、セニョールユート。ですが、私とてデュエルアカデミアの教師。そう簡単にやられるわけにはいかないノーネ!
永続
《機動砦ストロング・ホールド》
星4/地属性/機械族/攻 0/守2000
「だがその守備力では、この攻撃を止めることはできない!
バトルだ! 行け、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》! “反逆のライトニング・ディスオベイ”!」
召喚者の命令を受け、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》は牙を立てる。
眼光を光らせ、全身に紫電を纏い、漆黒の龍は砦を崩すべく突撃した。
「――何?」
だが、ストロング・ホールドは崩れなかった。
機械の両腕が牙を受け止め、
「爪が甘かったノーネ、セニョールユート。私は貴方が攻撃宣言した時、この永続
「……《宮廷のしきたり》、か」
「ストラーダ。この永続
「……これでバトルを終了する。
俺は
「私のターン、ドロー。私は先程手札に加えた《ブリキンギョ》を召喚するノーネ」
《ブリキンギョ》
星4/水属性/機械族/攻 800/守2000
「《ブリキンギョ》のモンスター効果により、手札からレベル4モンスターを一体特殊召喚できるノーネ。私は《レッド・ガジェット》を特殊召喚」
《レッド・ガジェット》
星4/地属性/機械族/攻1300/守1500
「《レッド・ガジェット》の効果により、デッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加えるノーネ」
「……また、レベル4のモンスターが二体」
「ノン! 二体ではありまセーン、
「何!?」
「覚悟するノーネ、セニョールユート! 私はレベル4の《レッド・ガジェット》、《ブリキンギョ》、そして《機動砦ストロング・ホールド》でオーバーレイ! ナノーネ!
運命に翻弄されし醜き勇者! 仲間の呼び掛けに応え、今こそ覚醒すルーノです!
エクシーズ召喚! 現れるノーネ、《覚醒の勇姿ガガギゴ》!」
《覚醒の勇姿ガガギゴ》
ランク4/水属性/爬虫類族/攻2950/守2800
現れたのは巨大な爬虫類族。強靭な四肢と鋼の鎧。敬遠されがちな種族だが、その風貌は勇者に相応しい。
このモンスターは特殊効果を持たず、機械族がメインのテスト用デッキとはなんのシナジーもない。だが、ある意味ではこのモンスターこそが“エクシーズ”の象徴と言えるだろう。
――デッキを選ばずに投入できる。それがエクシーズ召喚の強みなのだ。
「バトルナノーネ! 《覚醒の勇姿ガガギゴ》で、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を攻撃!」
「くっ……!」
勇者の鉄拳を受け、漆黒の龍が討伐された。大型モンスター破壊の余波が召喚者を襲う。
ユート
LP:1100 → LP:650
「今度こそ終わりかな」
ライフが四桁のボーダーを超え、どうなるか分からないと期待していた観客席に諦めと嘲笑が漂い始めた。今年も終わり。あの少年もまた、夢見がちな一般人に過ぎなかったのだと。
「いや……まだナノーネ」
ただクロノスは、この短時間でユートの本質を見抜いていた。
エースは倒され、手札もなく、残されたのは
ならば、まだ何かが起きる。起きて欲しい。覆して欲しい。クロノスの胸中には、そんな想いが渦巻いていた。
「私はカードを一枚伏せてターンエンド。セニョールユート。貴方のラストターンナノーネ」
「ラストターンか。確かに、そうかもしれないな。
――そう。俺が勝って終わりだ」
その宣言に、生徒たちは息を呑む。同時に思った。何を言っているんだコイツは。この状況で何ができるのだ、と。
対照的に、クロノスの表情に再び笑顔が浮かぶ。このままでは終わらないと確信したからだ。
「宜しい、ならば全力で来るノーネ! 貴方の力、この私が裁定してあげルーノです!」
「行くぞ、俺のターン! ここで、墓地の《テイク・オーバー
ドローした二枚のカードを確認し、ユートの脳内にラインが繋がる。
それは勝利へのルート。カード達が繋げた一筋の光。
「
そして墓地の《
《
星3/闇属性/戦士族/攻1000/守 500
「更に、《テイク・オーバー
《
星3/闇属性/戦士族/攻 200/守1200
「レベル3のラギッドグローブとサイレントブーツでオーバーレイ!
戦場に倒れし騎士たちの魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!
エクシーズ召喚! 現れろ、ランク3! 《
《
ランク3/闇属性/戦士族/攻2000/守1000
「フン、なんともしぶとい剣士ナノーネ」
「ラギッドグローブのモンスター効果! このカードを素材にして闇属性エクシーズモンスターを召喚した時、攻撃力が1000アップする」
《
攻2000 → 攻3000
「残念ながらそうはいかないノーネ!
「何っ!?」
足元に落とし穴が開かれ、緑の巨人がブレイクソードを引きずり込んだ。
穴が閉じた瞬間、断末魔と共に剣士が破壊される。
「だが、ブレイクソードの効果発動! 墓地の《
《
星3 → 星4/闇属性/戦士族/攻1000/守 500
《
星3 → 星4/闇属性/戦士族/攻 200/守1200
「そして、レベル4となったラギッドグローブとサイレントブーツで、再びオーバーレイ!
漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙! 今、降臨せよ!
エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! 《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
龍は翼を広げ咆哮する。
眼前には
「ラギッドグローブの効果は一ターンに一度のみ。既にブレイクソードに使ってしまった以上、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の攻撃力は2500のまま。それでは私のガガギゴは倒せないノーネ」
「それはどうかな。ここで俺は、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の効果発動! オーバーレイ・ユニットを二つ使い、相手モンスター一体の攻撃力を半分にし、その数値分をダーク・リベリオンの攻撃力に加える! “トリーズン・ディスチャージ”!」
翼から電撃が発せられ、ガガギゴに直撃した。敵モンスターの攻撃力を吸収し、逆鱗の龍は更なる力を得る。
《覚醒の勇姿ガガギゴ》
攻2950 → 攻1475
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
攻2500 → 攻3975
「マンマミーヤ!? ガガギゴの攻撃力が!?」
「まだだ! 《テイク・オーバー
更に
「なんデスート!?」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の周囲に、新たなオーバーレイ・ユニットが二つチャージされる。
――これにて、第二弾が装填された。
「《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》の効果を再び発動! “トリーズン・ディスチャージ”!」
《覚醒の勇姿ガガギゴ》
攻1475 → 攻738
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
攻3975 → 攻4713
「そして、装備魔法《ファイティング・スピリッツ》! 装備モンスターの攻撃力は、相手モンスター一体につき300アップする。よって、ダーク・リベリオンの攻撃力は――!」
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
攻4713 → 攻5013
「攻撃力5013ポインツ!? もう何が何だか分からないノーネ!」
「バトルだ! 《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》で、《覚醒の勇姿ガガギゴ》を攻撃! “反逆のライトニング・ディスオベイ”!」
「ペーペロンチィィィーノ!!」
クロノス
LP:4000 → LP:0
紫電の牙がガガギゴの胴体を貫き、決着する。クロノスはというと、奇妙な絶叫と共に派手に吹っ飛ばれていた。
その光景に、アカデミアの生徒達は驚愕した。
抽選で選ばれた
この日を堺に、少年の運命は劇的に変化する。
けれど、今はただ祝福を。プロへの道は長く険しく、だからこそ得がたいものになると信じて。
◆
「手続きはこれにて完了ナノーネ。お疲れ様ナノーネ、セニョールユート」
「いえ、俺は別に。先生の方こそお疲れ様です」
「これくらい何でもないノーネ。さあ、今日はもう帰っていいノーネ。セニョールはこれからの日々に胸を躍らせながら、ゆっくり休むノーネ」
「はい……ありがとうございました」
「お大事にー、ナノーネ」
クロノスはヒラヒラと手を振り、ユートの姿が見えなくなるまで見送った。
どれだけデュエルが強かろうと、所詮はまだ子供。その背中は余りにも小さい。
そんな彼らを人として、
「……彼はどうでしたか。クロノス教諭」
クロノスに話しかけたのは一人の教師。
専用の制服に立派なおヒゲ。そしてつるっとした頭が特徴的だ。
「鮫島校長、お疲れ様ナノーネ」
「クロノス教諭こそ。それより彼は……ユート、でしたかな」
「はい――ようやく見つかったノーネ」
「見つかった? ということはまさか……」
「そうナノーネ」
クロノスはうんと大きく頷いた後、
「彼こそがこの次元の希望。我々ハグレモノの手で、大切に育てなければならないノーネ」
ありったけの願いを込め、光り輝く次元の未来を見据えて、そう誓った。
後々設定集的なものを書くかもしれないし、書かないかもしれない。