力が無ければ生き残れない、しかし力と言っても簡単に手に入る物じゃない。人というのはどうしても脆弱であるのだ。必死の努力をしようとも報われるわけじゃない、手を伸ばそうとも届かないことがあるだろう、それでも世界は回っていく。
これはそんな世界に生まれ落ちた男の半生である。
なお原作開始時、主人公の年齢は41歳。おっさんである、外見のモデルは團琢磨。ここまでが設定。
気が付いたら、そこはONE PIECEの世界でした。
やったー! これはいわゆる転生って奴ですか? 悪魔の実? それとも六式? ヒャッハー!
なんて風に考えていた時期が、確かにあったんだ。
どういうことかって? うん、よく考えてみよう。転生したはいいものの、実際にあの動きは可能かどうかって。
俺もさ、それなりに努力はしてきたつもりだよ、それなりに頑張ってきたつもりさ、実際に六式もできるんだよ紙絵と鉄塊だけ。それ以外? 出来る訳ねーだろ、現実見ようぜ。いや一番意味不明な紙絵が出来ている俺が言えることじゃないけどさ。
とりあえず、俺の生い立ちから言おう。四つの海の中で最も平和な東の海で生まれた俺は、まだ夢に明け暮れてきた。転生を自覚したのは4歳、それからは近所のガキの中でもなんでも俺が一番だった。
世界はゴールド・ロジャーだとか、白ヒゲがなんだとか大変だったが、そいつらはグランドラインでなんかやってて、東の海は平穏そのもの。
けど、俺は知ってる。この後なんだかんだあって、大海賊時代が始まるのを。
だからこそ俺は力を欲したし、安全な日々がほしかった。だからこそ、俺が門を叩いたのが海軍だった。
え? 海賊? 浪漫とかどうでもいいよ、世の中なんだかんだいって安定した生活が一番だぜ?
なんだかんだ言って驚いたのが、俺が海兵になってようやくゴールド・ロジャーが死んだことだ。いやー、あの出来事は忘れないぜ、何せ俺が海兵になって初めて配属されたのがローグタウン。
うん、あのゴールド・ロジャーを殺したの俺なんだ、ちなみに左側にいた。うん、体格は良かったんだ。
まあ、ロジャーのことはいいだろう、何気にあの舞台に立てたことは満足だった。けど、問題もあったさ。
ゴールド・ロジャーが犯罪人なのはいい、奴さんだってその自覚はあるだろう。問題はその後だった。
ロジャーの親族の処刑、何気にこれがきつかった。
女子供、中には妊婦もいたが、全部殺した。俺が殺した。
そんでもって付いた異名が『処刑人』。海軍内部で俺のやり方を知っている奴はこう言う。『首狩り』ザッハトルテ。ひどくね?
刑罰者の為に出来るだけ苦痛をなくそうとギロチンで首切り落としまくったらそういわれるんだぜ? やってらんねぇよ。ちなみに右側の相方は親族の処刑の方には立ち会わなかった、それどころか、ロジャー処刑後にさっさと昇進してどっかいった。
俺の方もロジャー親族首切りパーティー(結構ショッキングだったんでわざと明るくしてる)が終わった後に昇進したよ、海軍支部少尉。
やったね、ザッハトルテ。ねんがんのかいぐんしょうこうだ!
本部じゃないのって? 座学の成績は良かったんだけど、実技があんまり良くなかったんだったんだよ。大体中の下さ、その分座学は首席だったけど。いやー、ヴェルゴさんは強敵でしたよ、大体ワンパンでやられてたけど。
ちなみに支部のは第77支部、上司のプリンプリン大尉はぐう聖だった。
首狩りの異名に恐れをなしている新兵をなだめて、俺のこともよく気にかけてくれたよ。ちなみにこのときに紙絵を覚えた、苦節16年の悲願、六式を覚える。その六分の一が終わった瞬間だったよ。ヴェルゴさんは訓練兵時代に4つ使えていたけどね。ははは、涙が出てくらぁ。
後の話になるが、この後第77支部では紙絵が流行る。プリンプリン大尉は10年でこれを習得したよ。やだ、超有能。一番遅い奴は14年で覚えた。この支部天才しかいねぇ。
そして、俺が支部に来て5年。俺はついにそれを見つけた。
そう、転生者なら特典としてもらえる筈の 悪 魔 の 実 だ!
一も二もなくかぶりついた。葛藤? なかったね、だって俺同期の海兵の中で一番泳ぎ遅かったし、何より弱かったもん。生存力を上げるためや、鹵獲品ということに目をくれずかぶりついた。初めての命令違反だった。勝利の味がした、部下の海兵が何か叫んでいたが気にしなかった。
プリンプリン中佐(なお、当時俺は大尉)の泣きながらの説教は心が痛みました。だってあの人一番最初に俺の身を案じるんだもん、あれは男が惚れるタイプの人間だね。
まあそんなことより、能力だ能力! そう思って発動した能力がこれだ。
ペラペラの実、紙人間。自分の肉体、触れたものを紙にする。
苦労して習得した紙絵が産廃となった瞬間であった。
ちなみに5年かかっても六式は新たに習得できませんでした。鉄塊が出来なきゃ応用の指銃は出来ないし、剃が出来なきゃ月歩も嵐脚も出来ない。足の速さは同期の中で中の下。なおヴェルゴさんはトップでした。東の海は最弱、その言葉を確信した時でした。
けど、それなりに俺の能力は重宝したんだよ、敵海賊船の鹵獲とか、縄が足りない時は紙にしてまとめて縛ったり、武器庫の火薬とかの危険物を紙にしたり、経費削減に大分貢献したさ。
そんなデスクワークが評価されて、原作開始時点では海軍支部中佐になっていた。プリンプリン准将は准将じゃなくて少将になっていた。何気に77支部では軍歴など込みでナンバー2だ。俺はそんな少将付きの参謀だった。
そして何より、原作開始前の5年前にはやっと鉄塊を覚えた。やったぜ! なおプリンプリン少将は何故か応用技の指銃も覚えて、何気に得意だったのか遠距離技の撥まで覚えやがった。解せぬ。
そして俺たちはとある島に向かっている。その島の名前はコノミ諸島、ココヤシ村。あの元タイヨウの海賊団幹部アーロンが根城を張っていると聞き、俺たちは向かうこととなったのだ。はっきり言おう、死亡フラグである。
行きたくなかった、でもいかなきゃならない。だって俺たち民衆に愛される海軍だもん。公務員だもん。税金ドロボー呼ばわりされるのは嫌だもん。少将、悪人面の癖に物凄く熱い熱血漢だもん。
なんだろう。原作介入って、もっとヒャッハーしてるものだと思ってた。初っ端から死亡フラグとかワロスwwwワロス・・・・・・。
鉄塊と産廃紙絵をもつ後方特化の悪魔の実の能力者になぜか指銃と鉄塊と紙絵が使えるプリンプリン少将。そして、紙絵を使いこなし、一部に至っては同じく鉄塊を使用する歴戦の一般兵士諸君。
これに対し相手は体がなまりになまった、アーロンパークの魚人たち。一体俺たちは勝つことができ・・・・・・でき・・・・・・そうじゃないこれ?
いや、慢心はいけない。だって僕らは噛ませな海軍支部。安全な老後の為に、俺たちは戦うしかないのだから。
これは後に、本部付きの将校となる指揮官プリンプリンと参謀ザッハトルテが立案した『対魚人戦マニュアル』となる戦場記録となり、海軍において唯一あの麦わらのルフィと海軍が共闘した重大な記録になることを、ザッハトルテは知ることはなかった。
小ネタ、海軍最強の中将
モモンガ「我が名はアインズ・ウール・ゴウン」
ダルメシアン「おっ、ヨミヨミの実かな?」