目的のためなら、どんな非道にも目を瞑れるようになるだろうと思っていた。
たとえ、知り合いが襲われていたとしても。幼子が窮地に陥っていたとしても。
しかし、実際自分は悲鳴に対して耳をふさぐことはできなかった。
たとえ、それがあいつの思惑通りだったとしても。
いいだろう、ならば踊らされてやる。
私は、それでももう、失いたくないのだから。
***
雨音が胸騒ぎを起こさせ、クラリスとダンテは自然事務所へと足を速めた。
最近流行の通り魔の悪魔は夜にしか姿を見せないはずだが、夜のように暗い昼に関してどうなのかは2人も知らない。
そして、影の悪魔がぼろ雑巾のようにずたずたにした少女をどこかに拉致しようとした姿を見て、クラリスは思わず駆け出そうとした。
しかし、彼女が足を踏み出す前に銃弾が悪魔を捉えていた。
「悪いが、そいつはテイクアウト禁止だ。代わりにこれでも貰っていきな!」
銃弾を避けるために投げ出された少女を守るため、今度こそクラリスは走る。目の前で知人が死ぬのは、二度とごめんだ。
朦朧とした意識の少女は、2人の姿を見たことで安心したように気を失ってしまった。
だが、ほっとしたのも束の間、背後から膨れ上がる殺意にクラリスは咄嗟にカリバーンを取り出し何かの攻撃を弾いた。
まるで滝のように降る雨に、視界は白く煙っている。
その白の中に、黒々と豹を思わせる四足の影2つあった。
「おいおい、そっちの猫はお前のペットか? 躾がなってないなら外に出すのはやめるんだな」
ダンテの軽口はいつも通りだが、その声にいつもの余裕がない。
クラリスは直感した。
彼は焦っているのではない。彼は、怒っている。
間髪いれず襲い掛かってくる黒豹形の悪魔の爪を打ち払いながら、横目でダンテの姿を追う。
「やめるついでに、その姿もやめてもらおうかっ!!」
一歩を踏み出し瞬時に距離を詰める影に、ダンテは決して惑うことなくリベリオンで受け止める。
クラリスから見たらどこから来るか分からない一撃を、的確に受け流し、間髪入れず押し切るようにリベリオンを振り下ろす。
完全に力任せの斬撃に面食らったのか、影は体勢を崩す。
バキン、と金属を無理矢理へし折ったような音は、影の持つ2本の剣のうちの1つが折れた音だ。
「(次元が違う……)」
同じ力任せでも、カリバーンの推進力があったとしても、クラリスにはあの一撃はできない。
決して自分の剣が軽いほうだとは思わないが、同時にダンテに敵うほど重いとも思えなかった。
彼の技に感嘆している隙に、クラリスが相手をしていた猫型の悪魔が襲い掛かる。
姿かたちは猫のそれであり、実際動きも猫に近い。だが、猫は大きくなると始末におえないことをクラリスは嫌というほど知ることになった。
しなやかな身のこなしで、2匹の影猫はクラリスを翻弄していた。
上から飛び掛る悪魔をカリバーンで打ち払えば、下からすかさず牙と爪でもってもう1体が襲い掛かる。
それを片足を軸に勢いをつけて蹴飛ばす。
回転蹴りはできなかった。
その方が威力が出ることは重々承知だが、2体を相手にしているときに背中を一瞬でも見せるのは得策ではない。
予想通り、勢いは十分ではなかったらしく、くるりと空中で一回転し、影の獣は難なく地面に舞い降りた。
「(後ろに下がれるなら、或いはもっと広く動けたら……いや、それはできない)」
彼女の背後には意識を失っている少女がいる。血だらけになり、今も苦悶に顔を歪ませている彼女を敵に晒すわけにはいかない。
まして彼女はどこかへ連れ去られようとしていた。ならば、尚更彼女を隠すように戦うしかないのだ。
圧倒的な不利。だが、クラリスは笑みさえ浮かべられた。
私は、まだ誰かを守ることができる。大事な者を守ることができるのだ。
今まで悪魔の力の暴走を恐れるあまり意識したことがなかったが、事ここに至ってはっきりと彼女は理解した。
確かに身のうちに流れる悪魔の力は恐ろしい。
だけど、それを守る力に変えることはできる。
それは自分次第だと1年前にかけられた言葉の意味を、経験を以って彼女はかみ締める。
交互に襲い掛かる影の獣は、あの手この手でクラリスの防御を崩そうとする。
何度目かの脇に食らいつこうとする獣の牙を、自らの拳で豪打することで追い払った時、続けざまに襲い掛かっていた敵の襲撃がないことに彼女は気がついた。
片目で先ほどまで飛び掛っていた悪魔を睨みつつ、もう片方の目で片割れの悪魔を探す。
それは、少し離れた所にいた。しかし、先ほどとは明らかに姿が違う。
まるで悪魔の核を晒すように球形の姿をしていた。
好機と見て一気に攻めるべきか。それとも守りに徹するべきか。
瞬時迷うクラリスの足元に、黒い影が蠢いた。
「(……棘!?)」
それは、まさに一瞬にしてその場に生えたといって相応しかった。
死角でもある足元から黒い棘が、掬い上げるように彼女を貫かんとする。
回避は間に合う。
だが、ここで自分が動けば背後にいるルーナは無防備となる。更なる棘が彼女を襲うかもしれない。或いはもっと最悪の事態が待っているかもしれない。
それだけは、許せなかった。
「―――ぅっ!!」
だからこそ、敢えて避けずに受け入れる。
床から突き上げる勢いで吹き飛ばされそうになるのを必死に堪えて、腹に大穴があいても、それでも彼女はその場を動かなかった。
「――この程度で、私が倒れると思ったか」
最初はその無様さを嗤うように彼女の周りを跳ね回った影の獣たちも、腹から血を流しているのにも関わらず、獲物を見つけた獣のように凄絶に笑う彼女の気迫に、思わず動きを止める。まるで、怖気づいたようにそれらはじりじりと後ずさった。
「かかってこい、貴様ら。この子には指一本、触れさせない!!」
クラリスの体から陽炎のように赤黒い気が渦巻いていることを、その目が赤く光り始めていることを、しかし彼女は気がついていなかった。
ただ、彼女を突き動かしているのは守りたいという衝動だけ。
決して後ろの少女は自分に感謝しないだろうことも理解している。
だが、悪魔に家族も心も壊された、それでも優しさは失わなかった少女が傷ついていい理由なんてない。
だから、自分は騎士になる。
妹を守る、姉という騎士になる。
そう、クラリスは胸中で声高に叫んだ。
***
剣を一本折られても、影の悪魔はすぐさま自らの影で剣を作り出し依然として攻撃を仕掛け続けていた。
しかし、クラリスやルーナには通じた速さもダンテの前では戦局を揺るがすものではない。
斬りつけても斬りつけてもリベリオンで弾かれ、或いは僅かな動作でかわされる。大柄な男を相手しているとは思えないほどに、ダンテの動きは隙がなかった。
「(ずいぶんと粗雑な真似だな)」
軽口は叩かない。
叩く価値すら目の前の影にはないとダンテは感じていた。
理性もなければ知性も感じられない。ただ、与えられた指示をこなすだけの機械のようなものだった。機械に意思はないのに、悪魔は中途半端に意思がある点がより嫌悪感を増す点でもある。
決して影の攻撃は単調ではない。
下からの斬り上げは咄嗟に回避をしたから前髪を数本持っていかれるだけで事なきを得た。何度か懐に潜り込まれそうになった。
だが、根本としてダンテは物足りなさを感じていた。
「(あいつならもっと、困惑させてくるはずだ)」
接近戦をしていたと思ったらいきなり距離を置いて銃撃戦に持ち込み、気がついたら懐にもぐりこまれて刺突を繰り出してくる。
そんな自分のペースで相手を翻弄するような戦い方が好きなやつだった。
見た目は似ていても何もかもが違う。
そのことが尚更彼を苛立たせる。
その頭の隅を焼く苛立ちを無理矢理押さえつけ、ダンテは攻撃へと転じた。
距離を置いていた影の悪魔にダンテから高速で接近する。
右上段からの一撃、振り下ろしてからの再度の斬り上げ。その斬撃は一切の迷いなく影を切り裂いた。
低級の悪魔を斬るような、確かな手ごたえは感じられない。硬い殻を削っているような感触は、恐らく魔力で咄嗟に装甲を練り上げたからだろう。
その判断は的確であったが、ダンテの連撃はそれで留まらなかった。
2度目の振り下ろしからの薙ぎ払い、1度では当然済まず往復する薙ぎ払いが影の胴を真っ二つにせんと獣の牙の如く襲い掛かる。
それでも削れない魔力の殻を、腕を捻るように動かすことでリベリオンを上段に持ち直し、一気に振りおろすことで砕かんとする。
勢い余って吹っ飛びかかった悪魔を縫い止めるように、高速の突きが影のなけなしの装甲を削り、砕き、磨り減らしていった。
かける言葉もなく、高速の突きからの勢いを殺さずリベリオンを振り下ろそうとした時、瞬時目の前の影と――かつて知人だった男の顔をした悪魔と目が合った。
「ワタシヲ……コロスノデスカ? カレノヨウニ……!」
ノイズ混じりの、しゃがれた声がダンテの耳に届く。
無視して振り下ろすこともできたはずの言葉に、しかしダンテの腕はほんの数秒、止まってしまった。
無意識に止まった自分の腕に、数瞬遅れて気がつく。ダンテはそんな自分の迷いを内心で激しく叱咤する。
しかし、影の男は醜悪な笑みを浮かべて、その隙を逃さなかった。その輪郭を歪ませ、自身の影でダンテを包み込まんとする。
連撃の締めとなる一撃を与えようとしていたダンテの姿勢は実際隙だらけに見えた。好機を逃さんと影が襲い掛かろうとした刹那、
「私の姿で、そんな気色悪いこと言わないでくれませんか」
影の悪魔の胴が真っ二つに裂けた。
ダンテの連撃を受け止めるために魔力を前面に集中していたためか、背後からのその斬撃に耐えることができず、影の胴と足は文字通り2つに分かたれた。
降り続ける雨よりもずっと冷たい声の持ち主が、いつの間にか悪魔の背後にいた。
そしてその顔が、今まさに崩れ落ち雨の中に消えていく悪魔とまったく同じであることに、遅まきながらダンテとクラリスは気がつく。
現れた男の顔は、影の悪魔とはまったく異なる表情を見せていた。
それは、激しい怒り。
覚悟をしていない者が見たら逃げ出したくなるような殺気に、思わずクラリスも息を呑む。
「真似るならもっとうまく真似てください。腹が立ちます」
淡々と怒りなのか愚痴なのか分からない言葉を、男は低く漏らした。
その言葉が終わる間もなく、影の悪魔はその姿に相応しく空気中へと溶け、消えていった。
影を倒したことでそこから生み出された影の獣たちも姿を消し、漸くクラリスも一息ついて事態を見つめなおすことができた。
土砂降りの雨の中、血だらけになっているのは自分だけ。
ダンテも目の前の闖入者も呼吸1つ乱さず、互いが互いを見つめていた。
そこに漂うのはただただ痛いだけの静寂。
視線を先に逸らしたのは闖入者の男の方だった。
ダンテは何か声をかけようとしたのか、口を開きかけたが、何も言わずに視線を僅かに下に向け立ち尽くしていた。
何を考えているのか、どんな顔をしているのか、クラリスの位置からは彼の表情は読み取れなかった。
イレギュラーがあったが漸く戦闘の終結に安堵し、クラリスは横たわっている妹を抱きかかえた。傷はまだ塞がっていないのかもしれないが、先ほど負ったもの以上の外傷はない。
そう分かり胸をなでおろした時、不意に剣戟の音が通りに響いた。
ぎょっとした彼女が顔を上げたその先には、ダンテが乱入してきた男に刃を向けている姿があった。
「な……まさか、そいつも悪魔だというのか!?」
「さあな。だが知り合いがそ知らぬ顔をしてタイミングよく現れるときは、大抵裏があるっていうのが相場ってやつだ!」
横なぎの一撃はまさに刃の暴風だ。
剣撃が雨を切り裂き、その空間だけ一瞬雨が途切れる。そんな一撃を、乱入してきた男は二振りの剣で弾いてみせた。
しかし、あまりの重さに耐えかねたのか、たたらを踏み姿勢を崩す。
止むことのない上段からの連撃を、咄嗟に男は片手の剣で防ごうとする。
だが、両手で何とか受け流せるようなダンテの攻撃を、片手で防ぎきれるわけもない。バギィンッという金属が折れる耳障りな音と、肉を断つ生々しい音が同時に響いた。
ダンテの攻撃を受け切れなかった片腕から血を流しながら、目の前の男は距離を置くため数歩後ずさる。
「ダンテ!!」
彼は本気だ。遊びでなく、本気で目の前の男を殺そうとしている。
昨日見た写真の中の2人の姿が脳裏を過ぎる。
咄嗟にクラリスが叱責するように叫んだ。しかし、呼びかけられた男は止まらない。
ダンテは思う。
確かに目の前にいる男は、嘗ての知人と同じ顔をしている。
だが、それが何だと言うのだろうか。
悪魔の手先となって身内がわが身を襲ったことを、ダンテは忘れていなかった。そのときに失われた犠牲者の数を、忘れることはできなかった。
モリソンが命を落とすところだった。
パティがあわや首を落とされるところだった。
ルーナが、今意識を失っている少女は、悪魔に弄ばれて死ぬよりひどい目に遭うところかもしれなかった。
あの影の悪魔が、全てしたことかもしれない。
でも、可能性は目の前の男にもある。
それだけで、眼前の存在を倒さなければならない理由は十分だった。
過去の情景が、犠牲者たちの無残な姿が、ダンテの背中を後押しする。瞼の裏に焼きついた惨劇が、ダンテの剣を駆り立てる。
「構いませんよ。……あなたにはそれだけの理由が、あるのでしょうから」
男は傷を負った片手を庇うこともなく、まるで死を受け入れるかのように無防備な姿でそこにいた。
彼が浮かべる微笑は写真の中のものとまったく同じだとクラリスは気がつく。諦めと寂しさを混ぜたような笑顔。その顔が、ふっと目を離せば消えてしまいそうな、脆さを併せ持っているということも。
「……少し、残念ですけれども」
そう言って曖昧な笑みを浮かべる顔は、きっと1年前の自分と同じのだろうとクラリスは感づく。
1年前の自分も同じような顔をして、ダンテに、バージルだと勘違いしたあの男に剣を向けていたはずなのだから。
降りしきる雨が、男の足元に赤い水溜りを作っていく。
意を決したようにダンテの足が動きかけたとき、思わずクラリスは声をかけた。
「……ダンテ、よせ」
「クラリス、ルーナを連れて部屋に入っていろ」
「確証もないのに殺す気か?! お前らしくもないっ!!」
クラリスはルーナを再度横たえ、傷だらけの重たい体を引きずるようにしてカリバーンを手に立ち上がった。
それは、もしこれ以上ダンテがリベリオンを振るうようなことがあったら、刺し違えても止めるという覚悟の表れでもあった。
「……悪いが、もうそっくりさんの登場はごめんだからな」
「それがお前にとって正しいことだというのなら、何でそんな顔をしているんだ!!」
ぼろぼろの体を何とか立たせ、クラリスは血を吐くような叫びをぶつけた。
あの時クラリスを助けるダンテには迷いがなかった。
だが、今の彼は焦燥のあまり見えるものも見えなくなっている。そしてそのまま何かとんでもない間違いを犯そうとしている。きっと、取り返しのつかないことになるくらいの、だ。
自分の力を恐れてキリエの両親らを見殺しにしてしまった時のように、彼が後から振り返り選択を後悔するものとなってしまう。
だから、クラリスは声を張り上げる。
「……Devil never cry. お前はルーナにそう言ったそうだな」
ダンテは答えない。
クラリスは構わず続ける。
「お前の目は節穴になったのか! 私には悪魔があんな顔ができるとは、到底思えない!!」
クラリスがカリバーンで指した先にいる男の顔を、ダンテはその時はっきりと見た。
彼は、そこにいた。
影の男を斬ったときの他を圧倒するような気配はすっかりナリを潜め、そこにはダンテのよく知る友人の男の顔があった。
小さい頃、悪戯をしたら口うるさく叱ってきた少年の顔だった。
再会した兄の傍で、途方に暮れて戸惑っていた青年の顔だった。
「お前は、目に見えるものしか信じられないのか!!」
目の前で差し伸べた自分の手を振りほどいた時の、海へと落ちていった男とまったく同じ、自身の感情の全てを剥き出しにしたような顔だった。
その顔は、涙を決して見せようとしない彼の最大限の悲しみの表現だと、自分は知っている。
知っている、はずだったのに。
剣を振り下ろす前に、ダンテは漸くそれに気がつくことができた。
ダンテは無言でリベリオンの切っ先を下げた。クラリスは深くため息をつき、自身もカリバーンを下ろした。
無言で踵を返し、気絶しているルーナを抱えるダンテをクラリスは視線で見送る。
やがて、2人が事務所に消え、クラリスは2度目のため息をついた。
「……よかったのですか、ダンテの言うとおり私は先ほどの悪魔と手を組んでいるかもしれませんよ」
「本当にそうなら、そんなことは言わないだろう。それに私は、裏切りを恐れるあまりに他人を寄せ付けないぐらいなら、信じて裏切られる方がいいと思うからな」
そうじゃないと、あの子に顔向けできないから。
そう続けたクラリスの独り言の意味は分からなかったらしく、男は軽く首を傾げてみせた。
そして不意に自分の顔に手をあて、
「……そんなに変な顔をしていましたか?」
「いや、とても人間らしい顔だったさ。かっこよくは、なかったがな」
雨に紛れて、なかなか気づけなかった。だが、間に合ってよかったとクラリスは思う。
彼が何故あんな顔をしたのか、その理由は分からない。何故ダンテの誤解を自ら解こうとしなかったのも、クラリスの理解の外だ。
けれども、ダンテは自らの友人をその手で殺さずに済んだ。ならそれで十分だ、と彼女は思う。ネロを殴り飛ばしてしまったときのような痛みを、彼は感じずに済むのだから。
安心したのも束の間、クラリスは腹からの鈍痛に顔を顰めた。
自分の腹部に大穴が開いていることを先ほどまで失念していたが、今になって痛みがぶり返してきたのだ。
そんな姿の彼女に気がつき、男は無言でクラリスに肩を貸した。
「ああ、すまない。お前も怪我をしているのに」
「彼のやんちゃには慣れていますよ。……まあ、この後どんな顔で会えばいいのか分かりかねますがね」
嘆息する男の横顔が、まるで喧嘩をした子供のそれに似ていてクラリスは内心くすりと笑みを零した。
当初なかったシーンが半分を占めてしまったという、そんな話です。
影の悪魔ことドッペルゲンガーさんよりもシャドウに苦戦するクラリスの話になってしまったような……。
エドガーさんは漸くここにきて正式登場して早速負傷するという体たらくです。私の作るキャラは登場する回で血を浴びるという法則でも持ってるのでしょうか。
ダンテがらしくない行動をするのは、彼にとってもトニー時代に起きたギルバ関連の事件が心の傷として残っているのではないか、と思い結果としてああなりました。
自分の知り合いが、相方と信じていたはずの者が、次々と親しい者を奪っていく状況はあまりに酷似しすぎて、ダンテから冷静さを奪っていったのだと考えています。
結果としてクラリスが彼を諌めるというやや意外な展開となってしまいました。この話の主役と言ってもいいでしょう。
あと1本で終わると思ったらノリにのってあれこれ書いたせいでもう少し続くことになりました。申し訳ありませんがしばしお付き合いいただければ幸いです。