ン゛ン゛ン゛ン゛!!と年頃の少女が出すような物じゃない叫びが響けば立花神拳奥義!と続いて聞こえてくる。さらにデースッ!と聞こえれば同時にビームが放たれ爆発が起きる。もう嫌だ、帰りたい。と二十歳を過ぎたのに全世界に宣戦布告するという痛い行動を取った歌姫は剣を六本持ったSAKIMORIに追われる。そしてそれを管制室から見守る忍者もいる。何とカオスな光景と空間だろうか。
「何なのよこれ!切歌と調は変なことになってるし貴方達は聞いてたより遥かに可笑しいし!」
「知るかそんなもの!神妙にお縄につけ!」
「断るに決まってるでしょ!」
ガァンッ!!と槍と剣がぶつかり、火花が舞う。暫しの唾競り合いが起き、二人が同時に離れ、黒色のマントが翼へと放たれ、同時に青色の稲妻が三本の刀から放たれ、爆発が起きる。その爆発の中を突っ切るように槍と剣が一つずつ投げられ、爆煙を抜け、敵の目の前に飛来する。それを二人が同時に掴み取り、マリアは剣を両手で構え、翼は五本の剣を格納し槍を構え煙の中へと突っ込む。
煙の中から何度も金属がぶつかり合う音が響き、二人が煙の中から出てくると同時に再び武器を投げ合うが、当たらず得物が手の中に戻る。
「これで終わらせる!!」
「ハァァ!!」
マリアの槍がフォニックゲインのエネルギーを纏い、翼の剣が紫電を纏う。
『HORIZON†SPEAR』『地獄龍』
ビームと龍の形をした稲妻が放たれ、衝突し、爆発。マリアがマントを振り払い、その風圧で一気に煙を振り払う。が、その時には既に翼は剣を三本片手で持ち、エネルギーを纏わせ突っ込んできていた。
「しまっ!」
「トドメだ!」
「させない!」
突っ込んできた翼と自分との間にマントを無理矢理持ってきて防ぐ。だが、エネルギーの衝撃がマリアへと響き、吹っ飛ばされる。
「やった!」
「だが、防いだ!!」
吹っ飛ばされながらもマリアは槍を構え、矛先を翼へと向けてエネルギーを溜める。
『HORIZON†SPEAR』
そして、もう一度ビームを発射。だが、
「防人にビームなど無意味!!」
六本の剣を構えた翼がビームへ向けて剣を全て振り落とし、ビームを切り裂いた。
「なんてインチキ!?」
マリアが転がりながら着地。圧倒的にこちらの不利。と、言うか相手が可笑しい。雷飛ばしてきたりビーム斬ったり。何時か六本の剣をヘリコプターみたいにぶん回して飛ぶんじゃないかとすら思えてしまう。
「切歌と調は……」
マリアが切歌と調の方へと視線をやる。二人の方でも激戦は起こっていた。
「全主砲、副砲発射デース!それとレッツゴー瑞雲!」
「次から次へと撃って飛ばして来やがって!」
切歌の方は遠距離主体の二人がまさに撃ち合いをしていた。
切歌は時々戦闘機らしいものを腕にシールドみたいな物を召喚して飛ばし、常に背中の砲門からの砲撃を止めない。そして、クリスの方も左手のサイコガンと右手に召喚したガトリングを常に発射し、砲弾と戦闘機を落とし続ける。そして、切歌の方だけが何度か攻撃が直撃したのか、一部ギアがヒビ割れていたり汚れたりしている。
本来のイガリマの戦い方、鎌を主体とする攻撃なら遠距離一辺倒のクリスを自分のペースに乗せて戦うことが出来たかもしれない。だが、変な進化をしたのかそれとも切歌が無茶やったのか分からないが戦艦のような戦い方になった彼女はクリスと同じ土俵で戦っている。
切歌だって訓練はした。だが、ノイズとの戦い、響と翼との戦い、そしてフィーネとの決戦をくぐり抜けたクリスは的確に自分に当たる弾だけを撃ち落とし、切歌へとダメージを与える。時々飛ばす戦闘機、瑞雲もすぐに撃ち落とされる始末。
「埒があかないデス!」
「それはこっちも同じだ!くたばりやがれ!!」
「そうはいかないデスと言うわけでカモンアンカー!」
切歌が横へ飛び退き、クリスのガトリングを躱す。クリスが再照準をする一瞬に右手にミニチュアのような錨を出現させる。ズッシリと金属特有の重みが腕にかかり、錨が出現したと感触だけで確認すると副砲での牽制を行いながら、切歌は走り出した。
錨で殴りつけるただ単純な攻撃。だが、近接攻撃でペースを作れたら、勝率はグンと上がる。常に接近されればクリスだってペースを乱されざるを得ない。なのに。
「どうして笑って……」
「その程度の金属の塊でどうにか出来ると思ったら大間違いだぜ」
クリスは笑い、右手のガトリングを投げ捨て、サイコガンを構えて左手を添える。何故武器を捨てたのか疑問に思ったが、副砲は全て『牽制』で撃っている。当たる弾は極僅か。殆どが当たりそうで当たらない位置を通っていく。それを理解して、弾幕を消し、サイコガンによる一点集中、全力の一撃をお見舞いする。それが、クリスの考え。
「悪いな、アタシの周りにはこの程度の弾幕よりも凄い物を拳と剣でやってくる馬鹿がいるもんで、多少当たったとしても問題ねぇんだよ」
サイコガンにエネルギーが溜まる。ここで切歌は選択を誤った。
もしも、背中に申し訳程度についているブースターを吹かし一気に距離を詰めれば一発殴って狙いをどうにか出来たかもしれない。なのに、切歌は錨を盾のように構えてしまった。
「ぶっ潰れな!!」
クリスの叫びと共にサイコガンからビームが発射される。そのビームは一直線に切歌へと向かう。が、その延長線上に錨を置くことは容易かった。だが、それでもクリスは笑っていた。
何故。と考える間もなくその答えは分かった。
ビームが曲がったのだ。錨に当たる直前、ビームは屈折し、一直線に切歌の顔面へと迫る。
「う、うそっ!?顔は止めへぶぅっ!!」
余裕あったのか咄嗟になのか分からないが顔は止めるデスと叫ぼうとしたが、そんなの気にするクリスではなく、見事にビームは切歌のプニプニしてそうな頬をバッチリ捉えて殴り抜けるように通過し、そのまま切歌は吹っ飛んだ。
「お、女の子の顔を狙うなんて最低デス!」
が、案外平気だったのかちょっと赤くなった頬を抑えて切歌は立ち上がった。だが、そんなの気にする事なくクリスは二発目のチャージをもう終えていた。
サイコガンはクリスの精神をエネルギーとしている。クリスがすぐに撃つと考えればサイコガンのチャージなど一瞬で終わる。しかも、クリスの考えるとおりに弾は動くため、障害物や盲増しなんて関係ない。
「くっ!全砲門発射デス!」
「甘いんだよ!!」
切歌がすぐに背中の砲門全てから砲弾を発射する。が、クリスも叫んでサイコガンを発射。
今度のサイコガンも切歌の予想とは違う弾を発射した。弾は発射された瞬間、分裂し、散弾となり全ての砲弾を破壊。そのまま切歌へと迫る。
「そんな馬鹿なデース!!」
叫んだが何も変わるわけもなく、散弾は全て切歌に命中。爆発が起き、ギャグ漫画のように切歌は吹っ飛び、マリアのすぐ側に顔面から着地した。
「切歌!」
「はらほろひれはれ……」
ひっくり返して確認すると切歌は目を回して気絶していた。ギアも解除されている。これはマズイ。撤退しないとと思った矢先だった。
「ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛ン゛!!?」
「え、ちょっ、しら……へぶっ!?」
切歌を抱えた直後、またオッサンみたいな叫びを上げながらぶっ飛んできた調がマリアを直撃。三人仲良く吹っ飛んでステージの奥の液晶に直撃した。
「ぐへぇ……」
「ご、ごめん……あれは…………無理……」
調は何とかキャッチして衝撃緩和剤になってくれたマリアへそれだけ言うと、気絶。ギアも解除され、マリアの知る調が現れた。
無理ってどういう事だと思って響を見る。そして驚愕した。
「…………あれ、あの子、あんなにムキムキだったかしら?」
そう、なんかムキムキなのだ。日本の漫画の絵が濃いバトル物に出てくる人みたいにムッキムキなのだ。胸がおっぱいなのか胸筋なのか分からないくらいムッキムキなのだ。しかも顔まで濃くなって身長も大きくなっている気がする。確かにアレには勝てない。勝てる気がしない。指先一つでダウンさせられそうだ。
(……うん、これ、喧嘩売る相手を間違えまくったわね)
泣きそうだった。だが、ここでマリアの愛する(家族的な意味で)マムからここで捕まったら計画がおじゃんだから撤退しろ、ノイズだしてサポートするからという旨の通信が来た。
「悪いけど、ここで撤退させてもらうわ!」
「逃がすか!」
「逃がしてもらえるか逃せてもらえないかじゃなく逃げるのよ!」
『HORIZON†SPEAR』
床へ向けてビームを発射。爆発し、粉塵が舞う中、離脱のために調と切歌を抱えて跳躍する。が、粉塵へ我武者羅に攻撃を撃ってるのか、電撃とビームが掠めるように通っていく。「ひぃぃっ」と短く悲鳴を上げながらも被弾することなく無事離脱。その瞬間、緑色の光が分裂増殖型のノイズを出現させた。
「あ、危なかった……」
多分、これまでの人生でワースト十に入る位には危なかった。だが、油断は出来ない。合流地点まで移動しなくてはならない……のだが、実はまだやる事はある。
楽屋に置いてきた備え付けのお弁当。あれを人数分確保してあるので、それを持って帰り、マム、切歌、調にあげなければならない。
育ち盛りの切歌と調……調は一部成長が止まってる気がするが、二人にはいいものを食べさせなければならない。そして、マムももう歳だし、あんまり体に悪い物を食べさせるわけにも行かない。そのため、コソコソっとマリアは合流地点に切歌と調を置いてから楽屋へと向かうのだった。
そして一方信号機トリオ。目の前で分裂増殖するノイズを見てどうしようかと頭を捻らせていた。
「うーん……ガトリング撃ったら破片からまた増えたしなぁ……どうしたものか」
「切り裂くのみ!」
なんて事を言うSAKIMORIだが、この三人の構成は響が肉体言語、翼がSAKIMORI、クリスがツッコミといった感じだ。クリスが合流する前は肉体言語とSAKIMORIが化学反応を起こしてそりゃあもう酷かった。
だが、初期の頃はまだ響が常識人枠だった。なのだが、とある時期から響は肉体言語をするようになった。いきなりムキムキになったのもその時だ。
「落ち着けSAKIMORI。だからあんたはSAKIMORIなんだ」
「なんだと!?どういう意味だ!」
「つまりあんたはSAKIMORIだ」
「ん?……なんだ、褒めてるのか」
翼は照れ照れとしているが、確実にクリスは褒めてはいない。
「防人じゃなくてSAKIMORIだけどな。で、響は何かあるか?」
「……あのフォーメーションでいこう」
クリスに話を振られ、ムキムキの響が答えた。
「まさかアレか?アレはまだ未完成だぞ?あとその格好はもう止めれ。その格好で可愛い系ボイス出されると違和感しかねぇんだよ」
クリスは未完成のそのフォーメーションを本当に使うのか、もう一度響に聞いた。響の方はクリスに言われて現在のムキムキボディを何時ものボディに戻す事にした。
ポンッとコミカルな音を立てて響はさっきまでの世紀末ボディから普通のボディに戻った。響は体を鍛えた時にこの技を会得し、戦う時は世紀末ボディ、普段は何時もの姿という感じになった。
なんでこんな世界線間違った存在になったのかはよくわからないが、響が言うには立花神拳なる謎の拳法を身につけた時に出来るようになったとか。
「本当にやるのか?」
「だが、それしかあるまい。増える前なら何とかなったが、ここまで増えるとなるとやるしかないだろう」
「けど、こいつの体……は、別にいいか。ならやるか」
「え?あのー、私の体もそんなに丈夫じゃないんだけど~……」
「紐無しバンジーをやってあー楽しかったで済む奴が何言っている。ほら、やるぞ」
響が何か言ってるが、元々響の言ったことなので拒否権はない。
二人が響と手を繋ぎ、未だに分裂し続けるノイズを見て、口を開き、歌い出した。
『Gatrandis babel ziggurat edenal. Emustolronzen fine el baral zizzl. Gatrandis babel ziggurat edenal. Emustolronzen fine el zizzl.』
絶唱。奏者への負担を一切無視した超強力な攻撃を与えるまさにシンフォギアの切り札とも言える一撃。だが、負担を一切無視するため、奏者の体はその有り余るエネルギーによりボロボロになってしまう。
強大なフォニックゲインのエネルギーが三人を中心に広まっていき、ライブ会場全てを包み込む。並のノイズはそれだけで消え去り、分裂増殖型もその殆どが消え去り、本体だけが残った。
「大丈夫か、立花!」
「鍛えてますから!」
「その答えはおかしい」
本来は三人ともボロボロになるはずが何故かピンピンしていた。それもその筈。翼とクリスはその過剰なエネルギーによるバックファイアの殆どを響と手をつなぐ事により抑制しているため、体がボロボロにはならない。そして、響自身は某大人に鍛えられたおかげで絶唱程度ではボロボロにならない。融合体であるためある程度の負担は緩和される上にその体のおかげで三人分の負担を一身に引き受けても特に問題は無い。まさに三人だからこそできる芸当だ。
「これでトドメ!」
両手を合わせ、半円状の腕の装備を一つに組み合わせ、左手を抜き取り、右腕を構える。
「コンビネーション、S2CA!トライバースト!!」
そして右腕を大きく天へと突き出す。その瞬間、三人分の絶唱の力が竜巻となり、天へと昇っていく。その竜巻は周りのノイズと分裂増殖型のノイズを跡形もなく消し去り、消えていった。これを見たマリアはマジで腰を抜かした。
「よぉし!勝った!!」
「周り滅茶苦茶だけどな」
勿論、ライブ会場はしっちゃかめっちゃか。これは仕方ない。
翼とクリスが響の体の無事を確認するが、全く問題なし。ただ、ドヤ顔してきたのでクリスがサイコガンで殴った。
「んじゃ、撤収すっか。あんま長居しても仕方ねぇしな」
クリスはギアを解除して左手に義手を取り付けながら言った。
特にここに留まる意味も無いので、回収に来た忍者緒川の車に乗り、三人は家に帰った。のだが、歌い足りないらしく、すぐにカラオケへ向かったのだった。
翼さんのオリジナル技、地獄龍はBASARAの伊達政宗のHELL DRAGONを日本語に直しただけです。オーモーイーガー
そしてビッキーが実は一番のぶっ壊れ。絶唱なんてなんのその。殺したければOTONA持ってこいのレベル。ムッキムキ世紀末状態のビッキーはラオウにビッキーのギア着せて髪型をビッキーの物に変えれば出来上がりです
次回があるならあの中の人杉田の博士が多分大暴れ。おぉ、ひわいひわい