明久side
「ここが生徒会室か。豪勢だなあ」
あの後、学園長に説明を受け僕を含めて5名で生徒会として運営するのだという。顔あわせは放課後なので今の間に場所を把握しなければならない。そう思った僕は部屋にやって来た。
その件の部屋はAクラスをも凌駕する程の設備が整っていた。
キッチンコンロなどを常備した台所に、訪問してきた生徒に対応する応接室、会議を開いた際に使用する会議室、普段の書類を整理する事務室の4つにわけられている。
「おや、明久君じゃないか」
部屋の間取りを確認していたら背後から声を掛けられた。
振り返るとそこには黒髪のストレートヘアの胸の大きい女子生徒が居た。
「来ヶ谷さん?なんで」
「何、君と同じだよ。まあ、入る気はさらさらないがね」
彼女は来ヶ谷唯湖さん。この学校で僕が仲良くしている異性の友達だ。面白い事が好きで、よく僕の事をからかってくる。勉強はとても出来る。そのため基本的に数学の時間は担当から単位をやるから出ないで良いと言われてるため出て居ない。僕と佳奈多さんも言われているが僕らは出るだけ出ている。
「ここで会ったのも何かの縁だ。お姉さんの話を聞かせてやろう少年」
「良いよ別に」
「ブチ殺すぞヘタレ小僧」
来ヶ谷さんは僕に話しに付き合えと暗に言って来たのを断ったら凄まじい殺気を放ってドスの利いた声を発する。理不尽だなあ………
明久side end
来ヶ谷side
あれは、春のある日だ。寮から実家に帰ってゆったりとしていたら電話が掛かってきたんだよ。
「もしもし、来ヶ谷ですが?」
『来ヶ谷さんのご自宅ですか?私、文月学園教頭の竹原と言いますが「どうかしたのか竹原教頭」来ヶ谷か。実はお前に生徒会の一員になって……』断る」何故だ?』
電話の相手は教頭の竹原で私に生徒会に入れと言ってきた。まあ普通に断るがね。
「そんなことをする意義が無い。そもそも私は実力で難関大を受験する気なのだよ」
そう言って私は電話を切ったな。
「はい⁉︎教頭先生の電話断った上に勝手に切ったの⁉︎」
私が回想しながら話すと的確なツッコミをしてくれる。やはり明久君はからかい甲斐があるな。
「そういえば君はどのクラスに入ることになったんだね?まあAクラスだろうがね」
「あはは、色々と諸事情があってね。今年は葉留佳さんとFクラスに所属する事になったよ」
私は少年のクラスがどこか聞いていなかったので聞いてみると笑いながら話した。そう言ってすぐに理由を言ってくれた。
なるほど、あの妖怪ババアか。まあそれならば仕方あるまい、私もアレと付き合うのは御免被るからな。
「そうか、では今年は佳奈多君とコマリマックスを弄ることにしよう」
「誰も弄らないっていう選択肢は、無いんだね」
明久君が諦めたようにため息をつく。
「はっはっはっは、よく分かっているじゃないか。それにしてもその口調だと少年もお姉さんに構ってもらいたいのかね?ならばムヒョッス来ヶ谷ちゃん最高ッスとでも言えば構ってやるぞ」
「いや、やらないし、要らないよ!それにそんなの僕のキャラじゃないからね⁉︎」
うむ、ツッコミのキレも上々だな。それにしても葉留佳君は明久君の部屋に勝手に上がりこんでいたのか。
「おいたが過ぎたな葉留佳君は、お姉さんを差し置いて勝手に明久君の部屋に上がりこむとは、断罪せねばなるまい」
「程々にね。彼女、僕に説教されて、佳奈多さんにも折檻されたから」
ふむ、その辺はきっちりしているな二木女史。ツンデレであるという事を自覚しているのだろうか?お姉さんはハァハァしそうだよ。
「それじゃあ来ヶ谷さん入るなら放課後にね」
「ああ、また放課後だ。明久君」
そう言って生徒会室を出て行く明久君を見送ると何だか急に心がざわめいた。
「悲しい、か。こういうものを言うのだな。全くお姉さんと同じクラスにならず葉留佳君と同じクラスとは何事か少年」
私はそんな言葉を残し生徒会室を出て行った。
来ヶ谷side end
葉留佳side
私は教頭先生に呼ばれ学校に行くと、よく問題を起こすので、そのペナルティーとして生徒会で業務を行うように命じれてしまったあ!
うう〜せっかくはるちんの明久君との夢の学園生活計画が〜!
恨みますよ教頭先生〜、卒業した暁には教頭室にロケット花火放り込んでやりましょうかね。
しかも、振り分け試験の日は気が乗らないからサボって明久君の部屋で遊んでたら明久君帰ってきちゃってその場で説教、さらに追い討ちをかけるようにお姉ちゃんにその事がバレて折檻されてしまいましたヨ。
姉御にもバレてるだろうな〜、何されるか分かりませんよホント。ハア〜それに明久君はきっと姉御やお姉ちゃんにコマりん達と仲良くAクラスで話してるのかな?
そんな事を思いながら歩いていたら見慣れた背中を見つけたのですヨ。
(むむっあれは明久君の背中ですね!腹いせに後ろから抱き付いてやりますよ)
そう思った私はそーっと近づくと明久君に抱きつき両眼を塞ぐ。
「あはは、私はだ〜れだ?」
「葉留佳さん」
「やはは、大〜正〜解!」
聞いたらちゃんと答えてくれる。昔、おじさん達に相手にして貰えず退屈だった。その時の気分を変えてくれたのが明久君なのですよ。イヤーはるちんにとっては本当に大事な人。たとえ、それがお姉ちゃんや姉御、小毬ちゃんと喧嘩する原因になったって私は良い。明久君を、私を1人にしないでくれる人を手に入れるなら皆とだって戦うもん。
はるちんはさ、寂しンボだから1人は嫌だから、友達が出来なくて辛かった日に光を、手を差し伸べてくれた明久君は渡さない。
「何してるの?」
「私は誰でしょうゲーム?」
「脈絡ないね」
「ありがとう!」
「褒めてないから⁉︎」
あはは、この時間が幸せ。
「そういや明久君なんでここにいるの?Aクラスは新校舎ですよ」
「諸事情でFクラスにならざるを得ないんだよ」
そう言って私に理由を説明してくれる明久君。訳を聞いてまた同じクラスなのが無性に嬉しくなった。だってまた明久君と一緒なんだよ?クラスはどうか分からないけど、はるちんはさそれだけでも大満足なのですよ♪
「そっか〜ならまた一緒のクラスだね」
「最早腐れ縁みたいに思えるほどにね」
確かに小学校低学年の頃からずっと同じクラスで中学時代は明久君の隣をぐるっと一周したほどですネ。
「それじゃあ教室にレッツラゴー!」
「let's go.ね」
細かい事は気にしちゃだめっすよ。
そうして私と明久君の手を握ってFクラスの教室へと向かった。
葉留佳side end
佳奈多side
遅いわね。吉井ったらどうしたのかしら?
「あっかなちゃん、おはよ〜」
そう言って笑顔で挨拶してきたのは神北さん。
「おはよう神北さん。今日もセーターなのね」
「おはよう小毬君それに佳奈多君」
「あっゆいちゃんおはよ〜」
「ゆいちゃんは止めてくれ」
このやり取りも見慣れたわね、そう思いながら見守る。
来ヶ谷さんは天然が苦手なのだという。
「そういえば明久君だが」
神北さんとのやり取りを終えた来ヶ谷さんが思い出した様に呟く。
「明久君は諸事情によりFクラスに在籍することになったらしい」
えっ?
「ほ、本当にゆいちゃん⁉︎」
「小毬君、声を落とした方が良い」
確かにそのままの声は非常に不味いわ。
「なら、Fクラスに試召戦争を申し込んで葉留佳君と一緒に移籍してもらうのはどうかね?」
なるほど、そうすれば彼も葉留佳もこっちに来るのね。
ち、違うわよ⁉︎メインは葉留佳であって吉井はついでなのよ!そこでニヤニヤしたあなた風紀委員会の会議室で反省文を書いてもらいます。
「そっか〜明久君をこのクラスに在籍するようにすれば良いもんね。ゆいちゃんすご〜い」
神北さんも同意したし、決まりね。
「うむ、ではこのことは内密にして大義名分が出来たら仕掛けるとしよう」
こうして私達は吉井と葉留佳をクラスに引き込むために行動を起こした。
明久side
「これが教室?廃屋だよね」
「そ、そうですね……」
僕の言葉に葉留佳さんも唖然としながら同意する。
「とりあえず入りましょうか?おっは〜‼︎」
元気良く入っていく葉留佳さんそしてー
「早く座れ、この蛆虫野郎っな⁉︎三枝⁉︎」
ー罵倒される。
「グスッ明久君〜私蛆虫野郎って言われたよ〜‼︎」
『死ねえええ‼︎』
「なっ⁉︎お前ら今日会ったばかりだろ⁉︎」
「喧しい!女子を泣かす奴は処刑じゃー‼︎」
「ヒャッハー‼︎」
「殺っちゃうよ!」
ぞろぞろとFクラスに在籍する生徒たちが葉留佳さんを罵倒した生徒に飛び掛かり、ボコし出した。
「よしよしっ、葉留佳さんは蛆虫じゃないよ。女の子を泣かす奴はただの屑だよ」
「えへへ♪」
「酷い目にあったぜ」
数分後ボロ雑巾になった赤い髪の野性味溢れる男子生徒がこちらに来る。
「自業自得だよ、雄二」
彼は坂本雄二。僕の高校に入ってから出来た同性の友達。昔は神童と呼ばれるほど賢かったんだけどある日を境に悪鬼羅刹と呼ばれる不良に中学からなっている。けれど神童の頃の頭の回転の速さは抜けていない。そして良く面倒事を
「それにしても雄二が代表なんだね」
「バカ、明久の割によく分かったな」
コイツ腹立つ。点数が本来の点数に戻った暁には絶対にボコス。
「それより席は?」
「自由に座って良いぞ」
席も決まってないって………
教頭先生も流石に贔屓は出来ないのか僕の設備もFクラスの生徒とと同じ卓袱台に座布団に畳だ。
どこの昭和の食卓?
「明久君の隣頂き!」
そう言って僕が座った隣にある鞄を放った後そこに座る。
「テメエ三枝!俺がとっていた場所取るか普通⁉︎」
「へへ〜んだ!座ってないのが悪いんですよ〜だ‼︎」
そう言って言い合いをする雄二と葉留佳さん。子供みたいだな。
そんなことを思いながらこれからのことを不安に思う僕だった。
明久side end
書いてて、明久が理樹に見えてきた。