真央霊術院の最強先生 作:ザクみたいなホロウ
25
卒業おめでとう。一心くん。
君も大変だろうが頑張りなさい。何かあったらボクに相談するといい。大体のことは解決できるから。
勿論遊びに来てもいいし、授業を受けに来てもいい。
君は、これからが本番だ。
今は無理だろうがいづれ時は来る。耐え忍ぶこともまた人生だ。
なんてね。
まあ、君が今まで授業妨害のように持ってきたエロ本は全部ご実家の方に送らせてもらった。
はっはっは。
そんな喜ぶなって。
ちょっとした茶目っ気じゃないか。君がボクの授業にそんなもの持ってくる罰だ。
ああ。
それじゃあ、またな。
26
珍しいじゃないか銀嶺。
ボクの所に来るなんて。えっ、相談?
はー、本当に珍しいこともあったもんだ。
なに、娘婿とったの。ふーん。で?
響河くん!?
まあ、うちの卒業生だけど・・・。いや、ボクの授業は受けてない。
尸魂界の反乱分子を制圧、ね。
まあ、確かにそれだけの実力はあると思うよ。
・・・。
あー銀嶺。
君は変なところで不器用なんだね。
教育者として言わせてもらうなら、人に何かを教えるときはまっすぐ伝えな。
聡明だから?
力を持ってるから?
そんなの関係ない。
よく言うだろ、大切なことは言葉に出せってさ。
皆いづれ気づくとか考えてるから、時すでに遅しってなんの。
雰囲気でわかるのは何をしたいかのみで、気持ちが分かるのは長い時間をかけて出来た信頼関係のもとで対等な間柄だけなんだよ。
義理のお父さんで上司なんて壁ができるに決まってんでしょう。それに誰だってまずお義父さんに気に入られるためにがんばろうと思うでしょ。
期待されて自分の最善の方法で片付けたら怒られるって理不尽すぎるよ。しかも答え言わずに立ち去るって、疑問しか残らないじゃん。
ボクだったら息苦しくてしょうがない。
何かをわかってほしい時は何をして欲しくて何を学んで欲しいかを明確にしな。
一人ひとり考え方が違うんだからさ、理解できないもんってのは必ずあるんだよ。特に人の価値観とかはさ。
君は大切なことほど言葉が足りなすぎる。
響河くんも頭が硬いところがあるし、下手に力を持ってるもんだから自分以外に頼るなんてことしてこなかったんだろうさ。だから、わからない。
彼は、言うなら子供だよ。
誰かに認められたいって思ってる自分の力を自慢したい子供だよ。だから、過信する。増長する。
まあ、近いうちに響河くんに会っておくよ。
霊術院から犯罪者を出すわけにはいかないからね。
これでも、先生だからな。
27
やあ、久しぶりだね。朽木響河くん。
ボクの名前覚えてる?
まさか再会場所が牢屋なんて思いもしなかったよ。
確か同胞殺しだっけ。
はは、そんな吠えるなよ。誰も君がやってないのはわかっているさ。
うん。どうして僕がいるって?
そうだね。いろいろ疲れているだろう君の話し相手にでもなろうと思ってね。
おいおい。そんなこと言うなよ。
とりあえずこっから出させてやるから。
・・・。
おっと!!
後ろから斬りかかるなんて危ないじゃないか。
ん?
君は斬魄刀かい?
実体化出来るなんて珍しい。
そりゃ、死神だったら斬魄刀か死神かなんて簡単に見分けつくでしょう。
はあ。君らめんどくさすぎ。
それじゃあ、早く場所を変えよう。許可はとってあるから、さっさと行くぞ。この牢獄寒すぎ。
28
さて、ここは学院の戦闘場だ。
久しぶりだろう。
そんな辛気臭い顔すんなよ。まあ、落ち着けって。
君のことは銀嶺から聞いてる。
ええ、呼び捨てにすんなって?
んな言われても、そんくらい仲いいし、てか君銀嶺嫌い・・・じゃなさそうだな。
あーもう、ともかく。
君のことはよく聞いてる。
たしかあれだろ、功績上げて若くして六番隊第三席になったんだろ。しかも、銀嶺の娘婿にもなったそうじゃないか。嬉しそうな顔で言ってたよ。
嘘じゃないって。
なんでここまで疑心暗鬼になってるかなー。
今銀嶺は君を欺いた連中を炙りだしてる。そいつらが反乱分子の黒幕の可能性が大きいからだ。そして、君を助けるために、ね。
いいかよく聞け、銀嶺は期待している奴ほど多く言わない。
それは自分で考える人間になって欲しいからだ。
そして銀嶺は期待している奴ほどあまり褒めない。
褒められて、そこで満足する人間になって欲しくないからだ。
わかるか。
やつが君を突き放すのは君がそれでもへこたれない人間だと思ってるからだ。そう信じているからだ。だが君はその信頼に答えれていない。
自分の中だけで答えを出そうとして、結局分からないまま一人で閉じこもった。自己完結してしまったんだよ。
どうすれば良かった、なんて今更言うか?
お前は誰にそれを相談した。
誰にも言わなかっただろう。銀嶺相手にだって答えを聞きに行かなかった。ぶつかっていかなかったろ。
よく聞いてよく理解しろ。
一人で出来ることなんてたかが知れてんだよ。悩み一つ解決できてねえのに自分ひとりで何でも出来るなんて思ってんじゃねえよガキが。
銀嶺は言ったぞ。
力を持つ者が必要なのは、心だと。心を理解しろ、と。
心ってのは誰かと会って初めて生まれるもんだ。
志波海燕曰くな。
誰だって?
誰でもいいだろ。
心を理解するってことは自分自身をかえりみて、他人を受け入れる隙間を作るってことだ。
自分はこう思ってる。でも他人はこうも思っている。
それを知って、解かって、出来て、少しずつ自分の世界を大きくしていく。そうして大きくなった世界の分だけ、余裕ってもんが生まれるんだよ。
力ってのは不安定なもんだ。それは気持ちが不安定だからだ。
余裕ってのは気持ちを安定させる。
君にはその余裕がない。大きな力を持っているのに、だ。
いつも何かに揺れ動いて、自分自身の心と向き合えていない。斬魄刀ともな。
自分を理解していないくせに他人に理解を求めて、他人のことを理解しようとしていないのに、自分のことを理解して欲しいなんて無理に決まってんだろ。
寝言は寝て言えバーカ。
しかもなんだよ。その周りが自分の力を妬んでいるとかいう過大妄想。
誰が君みたいのを妬むかよ。自意識過剰過ぎてみてて痛いわ。
あん?
ほう?
ボクに喧嘩売るなんていい度胸だ。
随分と驕りが過ぎてるみたいだな。
いいだろう。ここは丁度戦闘場。
全力でかかってこい。力の差を教えてやる。
29
大事な会議中、失礼します。中央四十六室の皆さん、こんにちは。
久しぶりですね。
おやおや、随分と大きい態度で。
あなた方がボクに意見できるとでも?
ふふふ。この前はよくもボクに隠密機動全軍を差し向けてくれましたね。
まあ、大したことなかったんで一つ貸しでいいです。
ええ、皆さんが大人しくしていればボクは何もしませんよ。
あなた方の弱み、いえ秘密を流しません。
さて、僕がここに来たのは、朽木響河のことに関してだ。
あの子はボクが預かることにします。
まあまあ。
あなた方が気にしているのは斬魄刀、村正の暴走でしょう?
その点僕ならあなた方が知ってのとおり、何も問題要らないでしょう。
力だってボクのほうが上ですし。
なにかほかに問題点は?
ええ、朽木響河は護廷十三隊から追放。
その代わり、平野将が監視の下、霊術院のボクの助手として働いてもらいます。
30
やあ、銀嶺。
君と酒を飲むなんていつ以来だろうか。
かー、美味い。
そういやあれからもう数ヶ月たったんだね。
響河くん?
響河くんはすっかり毒気が抜けて、綺麗な響河くんになって頑張ってくれてるよ。
うん?
別に礼を言われるほどじゃない。丁度助手、欲しかったし。
あー。
てかさ、君の娘もこっちで響河くんと暮らしてるんだけど・・・どゆこと?
だって、響河くん朽木家からも追放されたんでしょ。
・・・。
君の娘も家を出て響河くんについてった訳ね。毎日毎日イチャイチャしやがって。
銀嶺、会って空気凍らせてこい。
熱がすごいんだよ。あいつら。
なんか、地位とか名誉とか失って初めて自分を大切に思ってくれている存在に気づいたとかなんとかでさ。もう、話を聞くと、てか勝手に話すんだけどイチャイチャイチャイチャうるさいんだよ。
ボク初めてその時後悔したもん。
はあ。
そういや、響河くんを欺いた奴らはどうなったの。
三人も隊長格が参加してたのかよ。んで全員降格で最前線行きか。
まあ、妥当じゃない。実力あれば戻ってくるだろうし。
まっ。無理だろうけど。
酒を飲み交わす。その酒は、深くほろ苦い。