葉山「なあ。ヒキタニくん。」
3年になり、またもや同じクラスになった、葉山隼人はわざわざぼっちの俺に声をかけてくる。こいつ、俺が1人でいることが好きだってこと知ってるよな。まあ、このクラスにヒキタニくんなんて人はいないからな。無視しよう。
そうして、俺が無視し続けていると、葉山は真剣な顔つきになり、再度名を呼んだ。
葉山「なあ。比企谷。」
八幡「んだよ。今を生きるイケメンリア充のお前が、ずっと前から死んだ目非リアぼっちの俺に何の用だよ。」
葉山「相談がある。いいか?」
八幡「嫌だよ。お前が持ってくる相談事なんてろくな事が無い。」
そう。俺は過去に、戸部と海老名さん関連の事で相談を受けたことがある。その所為で、奉仕部は1度崩壊の危機を迎えた。
葉山「今回は前回のような相談はしない。それに今回は俺と比企谷2人で解決できるような相談だ。」
八幡「は?どういうことだよ。しゃあない。聞いてやるよ。」
葉山「悪いね。じゃあ少し長くなるかもしれないよ。再来週に3年生でクラス対抗の球技大会があるのは知っているだろう。」
八幡「ああ。あれか。」
そう。球技大会なんてリア充が女子に自分がスポーツを出来ることを見せたくて頑張るが、力が入りすぎて空回りして笑い者になるっていうものだ。
ソースは俺。
葉山「それに、俺と戸部と一緒にバスケの3on3に参加しないか?」
八幡「はあ?なんで俺がそんなものに参加しなきゃいけないんだよ。」
俺はずっとベンチで本当に幻の6人目(シックスマン)になって、試合中にずっと消えるドライブ(バニシングドライブ)してるような状態になりたいのに。
葉山「最初に参加しようとしてた奴が前の試合で怪我をしてしまってね。他の部員は他のチームとして参加することになってしまったんだ。君が無理なら諦めて次は戸塚辺りに声をかけてみるよ。」
八幡「戸塚がもし怪我をしたらどうするんだ!戸塚にはチームのマスコットキャラみたいな存在でいてもらえるなら、俺はその相談を受けてやる。」
葉山「そうか。じゃあ、戸塚に聞いてみるよ。」
俺がまた狸寝入りをしていると葉山がまた声をかけてきた。
話の内容を聞くと、戸塚は俺の活躍が見れるかもしれないならチームのマスコットにでもなんでもなると答えてくれたそうだ。
フッ。中学の球技大会で前年に失敗して出してもらえなかったが、その時ずっと練習していたシュートとドライブを披露する時がきたか。戸塚が期待しているんだ。
ウオオオオオオアアアアアアアアアアアアアーーーーーッッッッ!!!!!
俄然やる気が出てきたアアアーーー!!!!
球技大会当日......
俺はあの後、前よりも多い量の練習を重ね、中学時代を遥かに超える技術を習得していた。
葉山「さて、今日は球技大会当日だぞ!戸部!比企谷!戸塚頑張ろう!!」
戸部「べー。まじべー。サッカーの試合より緊張するんだけどー!」
戸塚「八幡!頑張ってね!」
八幡「おう!」
うわぁ。やっぱり戸塚は天使だなぁ。
ゾクッ
なんだか今、視線を感じた。それは怒りと嫉妬を込めたような目線だった。
まあいい。
そして、試合が始まった。
1試合目
俺の3Pが予想上に入り圧勝。
2試合目
葉山、戸部のパス回しからのシュートで相手を翻弄し圧勝。
そんな調子で、勝ち進んでいき決勝。
相手はJ組の留学生達。
葉山「比企谷。この試合に勝ったら、君に伝えたいことがある。」
は?なんだこのセリフ。よく聞く死亡フラグの俺、この~~が終わったら、~~と~~するんだってやつとか、この~~勝ったら~~してくれ!ってやつに似てねえか?
J組の応援席を見るとそこには、雪ノ下雪乃がいた。
あ、男子に話しかけられた。男子泣いて逃げてった。
おい、何言ったんだよ雪ノ下。
結衣「あ!ヒッキーと隼人くんととべっちじゃん。3人共3on3出てたんだ!ヒッキーなんで出たの?」
おいおい。由比ヶ浜さんや。その言い方だと、なんでここにいるの?ここお前の居るべき場所じゃないだろ?って言われてる気分になっちゃうだろ。
結衣「あ、ゴメン!!ヒッキーどうして出たの?なんかヒッキーにしては珍しいというか。」
八幡「ああ。それはだな葉山のやろうが、俺が出なければ戸塚が危険な目にあうことになるぞとか言って脅してきたんだよ。」
葉山「おい。俺はそんな人聞きの悪い酷いことは言ってないだろ。」
八幡「そうか?俺にはそう聞こえたが。」
結衣「うわっ!ヒッキーの卑屈さがあんまり見ない間に悪い方向に転がってる!?」
現在、奉仕部は自由参加という事になっているため俺はあまり参加していないのだ。あ、喧嘩とかいうわけではないからな。
ただ、もうそろそろ受験だし勉強するしかない中で強制参加にして個々の勉強の邪魔をしないようにしているだけだから。由比ヶ浜とは同じ文系コースだが、3年のクラス分けで別クラスという事になってしまった。少し細かく言うと、由比ヶ浜、三浦、海老名さん、童貞風見鶏、大和?、川……川なんとかさんとは別クラスになってしまった。
さて、それから試合は始まりはしたが試合は残り1分で13対9で負けている。
そして、現在は俺達の攻撃だ。葉山から戸部へのパスの間に俺はなるべく遠めの位置に行った。その動作を見た戸部からパスが来た。俺はこれを狙っていた!!!
パスを受け取りシュートを放つ。これぞ、俺が中学時代から隠し続けていたシュートだっ!!!
八幡「完全無欠のシュート(パーフェクトポイント)!!!」
そして、スコアは1点差。この敵の攻撃を抑えて、俺達が点を入れれば勝てる!
八幡「戸部!葉山!止めるぞ!」
葉山・戸部「「おう!」」
やはり留学生の外国人ともなると力の差がありすぎる。運動部で鍛えている葉山や戸部が2人でかかっても抑え切ることが出来てない。
おいおい。あの留学生、イケメンで運動できて勉強まで出来るとか、もう俺が勝てるところねえじゃねえか。
ピーーッ!!!
そこで、笛がなった。
それと笛がなる直前に俺の頭にものすごい衝撃が走った。
葉山「比企谷っ!!!」
なんとなくだが葉山の声が聞こえてきた。そして、俺は意識を失った。
目が覚めた俺は一言こうつぶやいた。
八幡「知らない天井だ。」
いや、ここは保健室か。
え、あ、うん。1度は言ってみたかったセリフだな。これは。
そして、足の方に違和感があり、少し汗臭いがしているから見てみることにした。
葉山「」スースースー
え???
なぜ、俺が寝ていたベッドの足元に葉山が???
八幡「おい。葉山。起きろ。おい!」
葉山「ん?あ、ああ。ん、比企谷か。比企谷!?おい!大丈夫なのか!?」
八幡「うるせえよ。頭に響くから静かにしてくれ。」
葉山「すまない。で、大丈夫なのか?」
八幡「ああ。まあ一応。試合はどうなったんだ?」
葉山「ああ。中止になったよ。後で君にエルボーを喰らわせた留学生が謝りに来るそうだ。」
八幡「そうか。悪かったな勝てないようにさせてしまって。」
葉山「いや。いいんだ。もう試合の結果が関係なくなった今、俺は君に伝えたいことがある。」
八幡「んだよ。」
葉山「君とは、嫌いだ苦手だ。とは言いながらもいっしょにいることがおおくなっただろ?」
八幡「まあ。」
葉山「そこで、俺は気づいたんだ。俺は比企谷の事を嫌いなんかではない。寧ろその反対だとも思える。」
八幡「は!?何言ってるんだお前。熱でもあるのか?」
葉山「いや、ないよ。よく言うだろ?嫌よ嫌よも好きの内って」
八幡「いや、まあそうだが。」
八幡「君ももしかして俺の事が好きなのか?」
八幡「んなわけねえだろ。なんでそんな腐った奴らの材料にされそうなことを言わなきゃならないんだよ。」
やべえよこいつ。いきなり何言い出してんだよ。
は?葉山は俺の事が苦手で嫌いの反対?ってことは、好きってことになるんだよな。怖い。やめろ。海老名さんが喜ぶだろうが。
その日は俺にエルボーを喰らわせた、留学生が謝りに来てすぐにお開きになった。
ってかあんなやつのエルボーまともに喰らってよく生きてたな俺。あいつ本当に高校生かよ。腕とか俺の2倍くらい太さあったぞ。
それからというもののの、葉山はことある事に俺の所に来るようになった。
俺がトイレに行ったり、購買に行くときはついてくるか、教室の俺の机で突っ伏して寝ている。
本当に怖いからやめてもらいたい...
あの試合から3日ほどたったある日、奉仕部に召集がかかった。
この時の召集の意味は上位者が雪ノ下と由比ヶ浜。下位者が俺だ。
八幡「で、なんで召集なんてしたんだ?」
雪乃「ええ。それは、たまにはこういうふうにして、全員で集まるのもいいかと思って。試合中にシュートに名前をつけて、それを叫んだ後すぐに倒れて運ばれた恥谷はじがや君。」
結衣「そうそう!私とヒッキーのクラス変わっちゃってから会いに行くのも嫌だし!」
本当なんであの時あんなこと叫んじゃったんだろ。やめて!そのことには触れないで!
最近廊下でヒソヒソされるとその事言われてるのかとヒヤヒヤするから。多分その事言われてるんだろうけどね。
それと、由比ヶ浜さん。なぜあなたは最近俺に対して毒を吐くんですか?
コンコン
???「失礼しまーす。平塚先生に聞いて来たんですけど...」
ノック音が聞こえてドアが開いたと思ったら、冴えない普通の高校生って感じのやつが入ってきた。
ねえ。なんで俺が来たら人きちゃうの?ねえ。どうして?
俺って招き猫の能力でもあるの?やだ俺って商売に向いてるかも!
はい。ごめんなさい。教室で俺に近づいて来るやつなんて、戸塚か葉山しかいませんでした。
雪乃「A組の寒川君ね。」
え、なんで名前わかるの?もしかして、去年から成長して全校生徒の名前でも覚えたの?
寒川とやらは何故か雪ノ下を見て、気まずそうな顔をしていた。
八幡「で、依頼はなんだ?」
寒川「あ、えと、C組の三浦さんに告白したいんですけど、アドバイスとかが欲しくて...。」
八幡・結衣「「は?」」
由比ヶ浜と声が重なった。
八幡「三浦って、三浦優美子か!?」
寒川「はい。そうです。」
雪乃「はあ。あなた懲りないのね。」
寒川「いえ、あれに懲りたから、こうやってアドバイス貰ったりするんじゃないですか!」
八幡「雪ノ下。知り合いなのか?」
雪乃「ええ。高1の時に、告白してきたから振ったの。それでも諦めずにずっと告白してきたのだけど、振り続けたら遂にストーカー行為に出たのよ。」
寒川「ええ。まあ。お恥ずかしいかぎりで。」
八幡「で、どうしたんだ?」
もはや俺は寒川が三浦を好きとかそんな事よりも、雪ノ下にストーカー行為をした時の罰が聞きたくて仕方なくなっていた。
雪乃「ええ、それは。まず姉さんに報告したわ。」
八幡「お疲れ様。寒川。大変だったな。」
寒川「はい。」
雪乃「ちょっと、2人とも最後まで話してないのだけれど。」
八幡「あ、すまん。つい。」
雪乃「姉さんはすぐに動いてくれたわ。さらに父や母に知られるのは嫌だと言ったら、父や母に言わずに動いてくれたわ。姉さんをあの時程頼もしいと思ったことはないかもしれないわね。まず、寒川君は姉さんに拉致られたわ。そうよね。」
寒川「はい。」
八幡「寒川。何処に拉致られたんだ?」
寒川「なんか、もう使われてないような工場っぽいところでした。」
うわっ。そんなとこに拉致られたのかよ。由比ヶ浜なんて目が点になって悶絶してるぞ。
雪乃「そして彼は姉さんに拷問をされたわ。」
八幡「ちなみどんな?」
寒川「正座させられたところに煉瓦を乗せられて足が折れる寸前までいきました。いや、あれは潰れると言った方がいいかもしれないです。その後は手足を縛られて目隠しをされ、椅子に固定された状態で、ずっと耳の横で鋏で何かを切ろうとするような音や、カッターの歯を出す時のような音を聞かされ続けました。」
うわ。恐ろしい。絶対にそんな経験したくない。最初に肉体的ダメージを受けてその後、精神的ダメージを受けさせられるなんて。
てか、よくこんなふうに戻れたな。普通なら精神がもとに戻らなかったりしそうなのに。
由比ヶ浜は本当に何も言えなくなっていた。まあそんなとこに全く縁のなさそうな奴だしな。仕方ないことだろう。
結衣「ハッ。ゆきのん、ヒッキー、寒川君ストップ!依頼の話に戻ろ!」
雪乃「ええ。そうね。」
八幡「ああ。とりあえず雪ノ下さんが恐ろしいということはわかった。」
寒川「はい。あの時は本当に怖かったです。ここで死ぬのかなとか思いましたよ。」
八幡「あー。三浦に告白したいだっけ?多分OKされないと思うぞ。あいつは葉山一筋のやつだから。」
雪乃「確かにそうね。文理選択も彼女は葉山君と同じようにすると言って相談しに来たものね。」
八幡「あー。あの時な。三浦と雪ノ下が掴み合いになった時な。」
雪乃「余計な事まで思い出さないで頂戴。」
寒川「振られるなら、思いっきり振られたほうがいいですから、お願いします。比企谷君。」
八幡「まあ、依頼人がそう言ってるしなー。雪ノ下どうする?」
雪乃「いいわ。その依頼。受けましょう。三浦さんに告白する事のサポートをすれば良いのよね?」
寒川「はい!お願いします!」
雪乃「では、今日はもう時間なので明日から活動し始めましょう。」
八幡「じゃあ明日からは2人で頼むわ。」
雪乃「はい?今なんて?」
八幡「いや、なんでもないです。ごめんなさい。」
怖っ!なんだよあの目と口調。もう何人も雪山の小屋で殺してそう。
寒川「いつもこんな感じなんですか?」
結衣「あははー。まあねー。」
そして個々の家に帰り、その日は終了となった。
翌朝、俺は小町の声で目を覚ました。
俺は着替えて朝飯を食うために下に降りた。
小町「おはよー。お兄ちゃん。ご飯出来てるよ。」
八幡「おう。おはよう。いやー、いつも悪いねえ。」
小町「いえいえ、お兄ちゃんのためならいくらでも頑張れるよ!あ、今の小町的にポイント高い!」
八幡「ああ高い、高い。」
小町「およ?なんか最近のお兄ちゃんは目の腐り具合が酷くなってる。どうしたの?お兄ちゃん。小町に吐いゲロッちゃったほうが気が楽になるよー。」
そうだな。相談してみるか。
八幡「ああ。俺、この間告白みたいなのされたんだ。」
小町「ふーん。うぇ!?まさか、雪乃さんか結衣さん!?」
八幡「いや、ちがう。」
小町「じゃあ沙紀さん?」
八幡「それも違う。」
あー。その辺ならどれだけ気が楽だろうか。別に告白されたいわけじゃないんだからね!
八幡「もういいや。正解を言う。多分小町じゃ当たらない。」
小町「ふーん。じゃあ小町が驚くような正解じゃないとこれからご飯抜きだからね!」
八幡「ああ。葉山だ。」
小町「..................。ふ、ふーん。こ、小町全然お、驚いてないんだからね。」
いや、嘘だ。絶対嘘だ。多分驚かない奴はいない。いないとしたらその人は、よく鼻血をだしてて眼鏡かけてるもと同じクラスの女子くらいだろう。
小町「ま、まあ愛の形は人それぞれだからね。じゃ、じゃあ小町先に行くねー。」
八幡「おい!小町ーー!」
小町「行ってきます!」
バタン
八幡「小町ーーーーー!!!!」