<外の世界>
この世界ではかつて二つの勢力が争っていた。一つは炎の総司令官ファイヤーコンボイ率いる正義のサイバトロン。もう一方は闇の破壊神ギガトロン率いる悪のデストロンガー。双方は激突の末サイバトロンの勝利に終わり、ギガトロン率いるデストロンガーはセイバートロン星に連行され世界は平和になった。(ただし、一人だけゲルシャークという例外がいる)
あれから数年の月日が流れ、かつてサイバトロンが活発に活動していた街はデストロンガーとの戦いが嘘のように平和になっていた。そんな街のある一角で一人の学生がある場所に向かっていた。彼の名は大西ユウキ。かつてサイバトロンたちと共に行動していた少年だ。そんな彼も今では高校生になっていた。ちなみに彼は今でもサイバトロンとの交流を続けている。
ユウキ「今日もサイバトロン基地で勉強させてもらおうかな~。」
彼はそんなことをぼやきながら歩いていた。高校に入ってからは部活との両立が難しく勉強に関してはサイバトロン基地のオペレートプログラムである「アイ」に手伝ってもらうぐらいだった。ちなみに母親には部活での付き合いと言っておいてある。ファイヤーコンボイは普段消防車としてレスキューにでているため、最近は顔を見ていない。
ユ「はあ、今思うとデストロンガーたちとの戦いが嘘のようだ。」
今になっては小学生の時いきなり父親がギガトロンに誘拐されたり、ブラックコンボイに捕まりブレイブマキシマスの制御ユニットにされていたことが懐かしいと思えるぐらいだった。
ユ「昔はよく『熱い心には不可能はない!』って言っていたけど流石に最近はきついなあ~。現実は甘くないか・・・」
?「ちょっと、よろしいかしら?」
ユ「ん?」
後ろから声をかけられユウキは後ろを向く。後ろには金髪でこの町では似合わない洋風の服を着た女性が立っていた。こんな自分に何の用かとユウキは気になった。
ユ「ぼくに何か用ですか?」
?「あなた、大西ユウキ君でしょ?大西博士の息子さんの。」
ユ「はい。あなたは?」
?「八雲紫。ちょっと、あなたに聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」
この紫という女性をユウキは少し怪しいと思った。父に用事があるのなら普通は自分を訪ねてくるわけがないからだ。ここはさっさと断ったほうがよさそうだと思った。
ユ「言っておきますけど父の用事なら・・・」
紫「あなた、今サイバトロンの基地に向かっているのかしら?」
ユ「え?」
ユウキは驚いていた。サイバトロンは基本的に表向きな活動はしていない。(スピードブレーカーのナンパは除く)それなのに紫はなぜサイバトロンを知っているのだろうか。
ユ「あの・・・サイバトロンのことはどこで?」
紫「テレビでね。それで少し知りたいことがあるのよ~。」
ユ「はあ。」
ユウキは悩んだ。こんな正体がわからない人をサイバトロン基地に連れていってよいのだろうか?しかし、流石にデストロンガーにも見えないので案内することにした。
ユ「いいですよ、では僕について来て下さい。」
<とあるビルの地下駐車場>
二人は歩いてあるポイントについた。
ユ「ここが基地の入り口ですよ。」
ユウキは指を指す。
紫「何もないようだけど?」
ユ「見た目はね。」
しばらくすると床が動き基地の入り口が現れた。紫は「おおう」と言いそうな顔で驚いていた。
ユ「僕も最初に頃は驚いていましたよ。」
紫「ふ~ん。ところでユウキ君はここで何をしているの?」
ユ「ギクッ(゜゜;)?」
紫は興味本位で聞く。ユウキは思わぬ質問に顔を赤くした。
ユ「えっと・・・・勉強を教えてもらっています。」
紫「そうなの。」
紫はおもしろいのか笑っていた。
ユ「ところで紫さんは普段はどういう生活をしているんですか?モデルとかの仕事でも?」
紫「あら、私がそんな風に見える?」
ユ「え?違うんですか?」
紫「そうね~。普段はいつも自分の屋敷で寝ているわ。」
ユ「は、はあ・・・・。」
ユウキは思わず思ってしまった。
この人、一体普段どんな生活しているのだろうかと。
<サイバトロン基地内>
施設の中を歩いて行くと広い場所に来た。
ユ「ここが司令室で主にミーティングとか作戦を考える場所です。」
紫「へええ。でも誰もいないようだけど?」
紫は不思議そうに言う。
ユ「普段は外で活動をしていますからね。すぐ人を呼びますから。アイちゃん、アイちゃんいる?」
すると昔みたいに円盤状の物が出てきてホログラムが・・・・と言う訳でもなく近くのドアから女性が出てきた。
彼女がアイだ。ユウキが小学生の頃はホログラムで姿で出すだけであったがそれだとさすがにやり取りに不便な部分があったのでセイバートロン星から持ってきたアンドロイドボディを使うようになった。
アイ「あら、ユウキ君。今日はずいぶん遅かったじゃない?」
ユ「ああ、この人を案内していたら遅くなちゃって。」
アイ「その人は?」
アイは紫を不思議そうに言う。
ユ「彼女は八雲紫さん。サイバトロンについて知りたいことがあるんだって。」
紫「紫です。」
アイ「この基地のオペレートをしているアイです。知りたいことがあるのならお答えますが。」
サイバトロンの事についてなら大抵のことはアイに聞けばすぐにわかる。ところが
紫「できれば彼に聞きたいのよ。司令官のファイヤーコンボイに。」
アイ「ファイヤーコンボイにですか?」
アイは少し驚いた顔で言う。
紫「できれば司令官本人に聞きたいのよ。」
アイ「はあ。」
アイは仕方なくファイヤーコンボイにエマージェンシーをかける。司令室のモニターにファイヤーコンボイの顔が映し出された。
ファ「どうしたんだ、アイ?」
ファイヤーコンボイは不思議そうな顔で聞く。
アイ「実はファイヤーコンボイにお客人が来ているんです。」
ファ「私に?わかった、今の仕事が片付いたらすぐに行く。」
ファイヤーコンボイは通信を終え、数十分後には基地に戻ってきた。そして、アイから事情を聞き紫に視線を向ける。
ファ「君が紫さんか。私に何の用事かな?」
すると今まで余裕の表情だった紫の顔が真剣になった。
紫「私の聞きたいことは・・・・ブラックコンボイの事よ。」
ファ「ブラックコンボイ!?」
紫の言葉にファイヤーコンボイは愚かアイやユウキまで驚いてしまった。
ファ「一つ聞いてもいいかな?」
紫「どうぞ。」
ファ「君は一体何者なんだ?」
紫「改めて言うわ。私は八雲紫、妖怪よ。」
ユ「妖怪って空想じゃないの?」
ユウキが言うのは無理もない。
紫「ユウキ君、あなたが言うのは無理もないわ。でも、これを見ても空想と言えるかしら?」
紫は自分の背後に隙間を出す。流石にこれでは反論のしようもない。
ファ「君の言うことは正しいようだな。しかし、妖怪であるあなたがどうしてブラックコンボイの事を?彼は既に数年前セイバートロン星に連行されてもういないはずだ。」
紫「殺されかけたのよ。彼に。」
紫は三人に幻想郷のことについて話した。幻想入りしたコンボイ率いるサイバトロン。改造されて生まれたデストロン戦士。そして、自分の式神から復活したブラックコンボイ。そして、メガトロンの手に堕ちた旧都。これらの話を聞きファイヤーコンボイは一つの結論に達した。
ファ「つまり、あなたは幻想郷の危機に我々の力が必要だと言いたいんですね?」
紫「今、コンボイ達が戦っているけど彼らだけでは心配だわ。あなたたちにはあなたたちの仕事があると思うけどどうか力を貸してはくれないかしら?」
紫は無理を承知で頼んだ。流石に自分たちの所まで助けてくれなど都合がよすぎるからだ。
ファ「わかった、引き受けよう。」
紫「え?本当にいいの?」
ファ「いくら自分の知らない世界といえど見捨てるわけにはいかない!アイ!」
アイ「はい!」
ファ「至急、集められるメンバーにエマージェンシーをかけてくれ。それとセイバートロン星に通信を入れゴッド
マグナスとコンタクトをとってくれ。」
アイ「ラジャー!」
アイは早速パネルを操作し招集をかける。
ファ「それで紫、そのウィルスのワクチンは?」
紫「向こうで専門家が用意しているわ。」
ファ「よし。」
紫「でも本当にいいの?もしかしたら戻ってこれないのかもしれないのよ?」
ファ「熱い心に不可能はない!必ずあなたの幻想郷を救って見せますよ。」
ユ「流石ファイヤーコンボイ!ねえ、僕も・・・」
アイ「ユウキ君は勉強でしょ?」
ユ「アイちゃ~ん。」
ファ「はははは!アイ、私が留守の間は基地を頼んだぞ。」
アイ「ラジャー!」
<サイバトロン基地>
基地にはカーロボ三兄弟の他にスパイチェンジャー、チーム新幹線、ビルドマスターが集合していた。ファイヤーコンボイは紫の話を全員にはなし今回の任務について説明をした。全員はそれを聞くなりすぐに納得した。
ファ「以上が今回我々の任務だ。厳しいかもしれないがみんな頑張ってくれ。」
ス「ところでファイヤーコンボイ、今回はマグちゃんは来ないの?」
スピードブレーカーは聞く。マグちゃんとはゴッドマグナスの事だ。
ファ「何しろセイバートロン星からの距離が遠いからな。でも、地球に到着し次第合流すると返信してきたよ。」
ス「そうなんだ。それなら大丈夫そうだなあ。」
ファ「それでは紫。準備はいいか?」
紫「ええ、いつでもどうぞ。」
紫は巨大な隙間を開く。
ファ「サイバトロン戦士、トランスフォーム!」
全員車などに変形し隙間に入って行った。
ファ「アイ、ユウキ君。基地を頼んだぞ。」
アイ「了解。任せておいて、ファイヤーコンボイ。」
ユ「気をつけてね。」
ファ「ああ。」
ファイヤーコンボイも消防車に変形し隙間の中へ入って行った。
「サイバトロン戦士、出動!」