東方ビーストウォーズ(再編集版)   作:赤バンブル

28 / 36
旧題「こいしとゴモロックの約束」


第二十八話「少女と怪獣の約束(前編)」

<?>

 

コ「はあはあ・・・。」

 

コンボイは嵐の中、見知らぬ草原を歩いていた。ただひたすらと。

 

コ「はあ・・・はあ・・・・!」

 

彼はふと立ち止まり目の前で恐ろしい光景を見る。それは仲間の死体だった。体をバラバラにされ惨殺された霊夢。血まみれで動かない魔理沙。首がない早苗。そして上半身、下半身を切断されたアリス。コンボイはただ恐怖

を感じた。

 

コ「あ・・・あ・・・。」

 

そのとき足を何かが掴んだ。コンボイは恐る恐る下を見る。そこには下半身がないアリスが・・・・。

 

ア「コン・・・ボ・・・イ。」

 

コ「ああ・・・・。」

 

アリスの体はボロボロだったが切断された電流がバチバチを音を立てていた。

 

ア「酷いわ・・・私の体をこんな風にして・・・」

 

コ「ああ、あああ・・・。」

 

ア「助けてよ・・・・痛い・・・・助け・・・・」

 

アリスは泣きながらコンボイに縋り付く。

 

コ「うわあああああああ!」

 

その姿にコンボイは叫び声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コンボイ達の臨時基地>

 

コ「はあ!?」

 

ア「コンボイ!」

 

コンボイは目を覚ます。目の前ではアリスが心配そうな顔で見ていた。

 

コ「あ、アリス・・・。」

 

コンボイは周りを見て落ち着く。

 

ア「大丈夫?なんかスリープモードを解除したら酷くうなされていた様だけど?」

 

アリスは心配して言う。

 

コ「だ、大丈夫だ。」

 

コンボイは落ち着いてアリスを見る。夢とは違いまだ、普通のままだ。

 

コ(夢だったか・・・・。しかし、あれは本当に起こるかもしれん・・・。)

 

コンボイはあの恐ろしい夢を思い出していた。

 

ア「コンボイ?」

 

アリスは振り返る。

 

コ「うん?あ、ああすまない。ところでみんなは?」

 

ア「霊夢たちは基地にいるわ。でも、早苗がこいしとゴモロック、Zコンボイ、フェアリーミューテイトを連れて偵察に出たわ。」

 

アリスは説明する。

 

コ「何か嫌なことが起こらなければいいが・・・・」

 

コンボイは頭を抱えながら思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<デストロンのドローン生産工場>

 

早「きゃあ~~!来ないでください!」

 

ドロ「デス!デス!デス!デス!」

 

テ「カアア~~~!待つザンス!」

 

早苗はテラザウラー率いるエアロドローン部隊に追い掛け回されていた。本来は敵の工場から兵器のデータをとることが目的だったのだがこいしがうっかり警報を押してしまい、テラザウラー、クイックストライク、インフェルノが引き連れたドローン部隊を相手にすることになってしまった。フェアリーミューテイトはクイックストライクをZコンボイはインフェルノを相手にしていた。一方のこいしとゴモロックは兵器のデータを取るべくコンピュータを操作していた。とは言ってもゴモロックはそんな細かい作業はできないのでほとんどはこいしが入力をしていた。

 

ゴ「うう~俺、ゴモロック。俺も戦いたかった。」

 

こ「そんなこと言わないでよ。私だって本当は他の事をしたいんだから。」

 

こいしは自分の失敗の事もあり、ゴモロックの文句を聞きながら作業を急ぐ。そんなことをしている中Zコンボイはインフェルノのタンク軍団に追い込まれていた。

 

イ「ごおつごつごっつんこ。お前の命もここまでだごっつんこ!」

 

Z「どうしよう・・・・。」

 

実はZコンボイは弱いから追い込まれているのではない。武器をまともに使うことができないから追い込まれているのだ。

 

Z(本来ならビーストモードで火球を使ったりしたいけど威力が強すぎてここを吹き飛ばしてしまうし、僕の武器はみんな火力が強すぎるからここでは使えないし・・・)

 

いざというときはテレポートをすればよいのだが仲間を見捨てることはできない。そのとき、工場の生産ラインの電磁ゲートが目に映った。うまく利用すれば相手を大量に捕縛することができる。Zコンボイは悟られぬようゲートまで敵を引き寄せる。

 

ゴ「お!Zコンボイ危ない!俺助ける!」

 

ゴモロックは様子を見るやビーストモードになり動き出す。

 

こ「これでデータは・・・・あれ?ゴモロック?」

 

こいしが作業を終えたときはすでに隣にゴモロックはいなかった。一方のZコンボイはうまく誘導に成功していた。

 

Z「もうすぐで・・・・」

 

ゴ「Zコンボイ。俺ゴモロック、今すぐ助ける!」

 

Z「え?」

 

次の瞬間Zコンボイはゴモロックに突き飛ばされ自分が電磁ゲートに掛かってしまった。

 

Z「バビビビビビビ!」

 

ゴ「グウオオオオオ!」

 

痺れているZコンボイをよそにゴモロックは超振動破でタンク軍団をインフェルノを含めて吹き飛ばす。

 

イ「ごっつんこー!嫌な感じ~!」

 

しかし、そのショックで組み立てるためのシステムが起動してしまいドローン兵の量産を始めてしまった。

 

こ「た、大変だ!」

 

こいしは急いでコンピュータを操作し始める。工場内はドローンが急に増えたことにより大混乱になった。なんと敵味方関係なく攻撃を始めたのだ。

 

早「きゃあ!」

 

フェ「うわあ!」

 

ドローンの攻撃をまともに喰らう早苗とフェアリーミューテイト。

 

テ「カア~!ざまあ、見るザンス!」

 

ク「ギッチョ~ン!俺様達に掛かれば・・・・え?」

 

矛先は二人にも容赦なくはなった。

 

テ「なんでこうなるザンスかー!」

 

ク「ギッチョ~~~~ン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<メガトロンのアジト 司令室>

 

司令室ではメガトロンがモニターで工場の様子を見ていた。

 

メ「もういい!アイツらにドローンの指揮権を与えたのが悪かった!ここからは俺様が指揮する。サウンドウェーブ!」

 

サ「了解。」

 

サウンドウェーブは操作用のヘッドギアをメガトロンにかぶせる。これはもしもの時の備えてアジトにいるメガトロンでも指揮が取れるようにタランスが作っておいたのだ。

 

メ「たかが四人さえも片づけられないとは・・・こうなったらあれを早く使えるようにするしかないな・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<デストロンのドローン生産工場>

 

こいしは急いでコンピュータをいじっていた。しかし、彼女ができるのはあくまでデータを取るやり方ぐらいで止める方法を知る由もなかった。

 

こ「えっと・・・これかな?」

 

こいしはボタンを一つ押す。ドローンの生産が加速した。

 

こ「間違えちゃった!えええっと~~~」

 

そんなところへ戦って満足したのかゴモロックが上がってきた。

 

ゴ「おお!今度はこいし困ってる!俺ゴモロック、今度はこいしを助ける!」

 

ゴモロックは早速ボタンを適当に押し始める。それが原因で更に生産が8倍加速になってしまった。

 

ゴ「あれ?俺うっかりしていた。こっちだ!」

 

今度は右のレバーを引く。今度は分解したと思いきやまた組立はじめ訳の分からないドローンが次々と出来上がってしまう。

 

ゴ「あれ?これも違う。えっと次は・・・・」

 

こ「ああ~~~!誰か止めてよ~~~!」

 

そんなことも知らずにコントロール権がメガトロンに渡ったエアロドローンとモータサイクルドローンが迫ってい

た。

 

エ「デス!デス!デス!デス!」

 

モ「バリバリバリバリヨロシク!」

 

二人は気づく間もなく総攻撃を喰らってしまった。そのせいで二人とも大量の電撃を浴びる羽目になってしまった。

 

ゴ・こ「バビビビビビビビビビ!」

 

ところがこの電流がデストロンシティのあちこちに回り次第にはメガトロンのアジト、メガトロンがつけているヘッドギアまで流れてしまった。

 

メ「ビビンバ、ビバビバ~!」

 

生身の肉体でもあるメガトロンにとってそれはたまらぬものだった。更に電流は基地中に流れ、メディカルルームで治療中だったブラックコンボイや機器をいじっていたタランスとブリッツウィングなど基地にいた全員があびるはめになった。しかし、これを機に早苗たちは工場から脱出することに成功したのであった。

 

メ「はあ~~~~ビバビバ。」

 

その後、唯一機器を触らなかったため軽傷で済んだサウンドウェーブを覗いて全員治療カプセルに入ったのは言うまでもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コンボイ達の臨時基地>

 

基地では早苗が二人に対して説教をしていた。

 

早「私は敵の情報を集めるだけって言ったのにいったいあなたたち二人は何をしているんですか!」

 

こ「・・・・・・・」

 

こいしは黙っていた。

 

ゴ「俺、ゴモロック。Zコンボイ危なかった。だから助けようとした。」

 

Z「それで怪我したの僕なんだけど・・・・。」

 

Zコンボイはさりげなく言った。

 

こ「ゴモロックをしっかり見ていなかった私のせいだよ・・・・。」

 

こいしは落ち込みながらも答えた。

 

こ「だからゴモロックは何も悪くないよ・・・。」

 

流石にこんな答え方をされたら誰も言い返せなかった。

 

早「取り敢えずこのことはコンボイさんに伝えておきます。以上!先生はもう怒りましたよ!」

 

そう言うと一同は解散した。

 

フェ「こいしちゃん、大丈夫?」

 

フェアリーミューテイトは心配そうに聞く。

 

こ「うん。大丈夫だよ。」

 

こいしは振り返らず答えた。

 

ゴ「俺・・・こいしに悪いことした・・・」

 

ゴモロックはそっとこいしの後を追った。

 

こいしは誰も入ってこない部屋で一人こっそり泣いていた。

 

こ「お姉ちゃん・・・・うう。」

 

こいしはしゃがみこんで泣いていた。ゴモロックは後ろから声をかける。

 

ゴ「姉ちゃんってこいしの大事なものなのか?」

 

こ「うん。でも、今捕まっているの。」

 

ゴ「どこにいるんだ?」

 

こ「たぶんメガトロンのお家・・・。」

 

ゴ「わかった。」

 

それを聞いた途端ゴモロックは動き出す。

 

こ「ちょっと、どうするの?」

 

ゴ「そのお姉ちゃんという奴助ける。」

 

こ「え!?だって今捕まっているって。」

 

ゴ「任せろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<コンボイの治療室>

 

コンボイは早苗の報告を聞いていた。

 

コ「それで怒ったということか。」

 

早「はい・・・。ちょっと言い過ぎたと思います。」

 

早苗はこいしに申し訳なさそうに思っていた。

 

コ「まあ、昔私の仲間の中でもそういうことがよくあったものだ。後で謝ればいい。」

 

早「コンボイさんって本当に仲間思いなんですね。」

 

コ「ああ、だから一番なくしたくないものだ。」

 

そのとき霊夢が慌ただしく入ってきた。

 

霊「早苗、こいしとゴモロック見なかった?」

 

早「え?いえ。私は怒った後一度も。」

 

霊「基地中探しても見つからないのよ!」

 

早「え~~~!」

 

コ「霊夢、もう一度基地の中をよく探してくれ。」

 

コンボイは冷静に指示を出す。

 

霊「わかったわ。」

 

魔「みんな大変だ!」

 

今度は魔理沙が慌てて入ってきた。

 

コ「今度はどうした!?」

 

魔「これを見てくれ!」

 

魔理沙は一枚の紙切れを見せる。それには汚いが大きな字で

 

 

 

 

こいしの姉ちゃん助ける  ゴモロック

 

 

 

 

と書いてあった。

 

コ「どうやらまずいことになったな・・・。」

 

コンボイは困りながら言う。

 

早「私が探してきます!こうなったのも私があんな風に責めたから・・・。」

 

霊「一人じゃ無理よ。」

 

魔「私も行くぜ。」

 

コ「三人とも気をつけてくれ。もしもの時は連絡をくれ。」

 

霊「わかっているわよ。」

 

三人は部屋を後にする。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。