せめて「ザンボット」や「ダイターン」があればいいのに。
<アリス宅>
朝コンボイはアリスと朝食をとっていた。
コ「・・・・・・・。」
コンボイは昨日の夕食以降から黙りっぱなしだった。アリスも声をかけづらかったが何とかこの空気を変えようと話しかける。
ア「・・・・・・ねえ、コンボイ。」
コ「何だい、アリス?」
今まで黙っていたコンボイは顔をあげてアリスの顔を見る。
ア「せっかくだから今日はどこかに行かない?ほら、コンボイまだ幻想郷に来たばかりなんだし、私が案内するわ。」
アリスは少し気分転換にと思い外出を勧めた。
コ「いいのかい?君は私の事をまだ信用しているわけでもないし……。」
コンボイは戸惑うがアリスはこれも自分の責任と思い何とか言い聞かせようとする。
ア「あ、でも昨日は私からばかり質問していたでしょ!そのせいでなんか苦しい過去を思い出させちゃったようだし、それに少し気分転換をした方がいいわよ。」
コ「そうか。それじゃあ、案内してもらおうかな。」
二人は後片付けをした後出かける準備を整えた。
ア「最初はどこに行く?」
コ「人里も考えたんだが少し目立つからな。そこで最初は博麗神社に行くことにするよ。この世界の結界を管理している博麗霊夢という者にも挨拶をした方がいいからな。」
コンボイの一言にアリスは少し驚いた。リクエストがなかったら人里に行こうかと考えていたからだ。
ア「いいけどあそこの巫女けちくさいわよ。行ったら行ったで賽銭を要求してくるし。」
コ「そうなのか?困ったな、私はこの世界のお金は持っていないし……。」
コンボイは困った顔で言う。
ア「大丈夫。お賽銭なら私が出すから。」
アリスは笑顔で言う。
コ「すまない。」
ア「いいのよ。じゃあ、行きましょう。」
二人は博麗神社を目指して飛んで行った。
<霧の湖周辺の森>
ダ「ダアアアアアアア!」
霊夢とダイノボットの戦いは予想以上に長引いていた。ダイノボットは剣を高速で回転させ、勢いよく霊夢にとびかかる。
霊「威勢が良ければいいってわけじゃないのよ!」
霊夢がダイノボットに向かって弾幕を発射する。ダイノボットは当たることを恐れず回転シールドを高速で回転させ受け止める。回転している剣の先を霊夢に突きつける。霊夢は危ないところで避ける。この繰り返しが何度も続いた。
霊「思っていたよりもやるわね。ならこれはどお!」
これ以上の長期戦は不利と考えた霊夢は懐からお札を数枚取り出し、そしてそれをダイノボットに向かって飛ばす。ダイノボットはいきなりの戦法の変更に戸惑いながらもシールドで受け止めるが何枚かが体のあちこちに付着した。とたん電流のような痛みが全身に走る。
ダ「ぐああああああああ!」
ダイノボットはその場に倒れた。体を何とか動かそうとするが痛みが増し動けない。
ダ「か、体が動かねえ!」
痛みに耐えながらダイノボットは何度も起き上がろうとするが手足が思うように動かない。
霊「流石のあんたでもこれじゃ動けないようね。」
霊夢は矛先を再びチルノたちに向き直す。
ダ「ま、待て!まだ決着が着いていねえ!とどめをさせ!殺せ!」
霊「何言ってるのよ。あんた。」
霊夢はダイノボットのところに戻る。
霊「いい、この幻想郷では殺すという決闘は禁止しているの。だから、あんたが動けなくなった時点で私の勝ちなの。わかった?」
勝ったも同然だと思っている霊夢はわざわざダイノボットの近くにきて言う。
ダ「ずいぶんご立派なことだな。だがな、そんなのクソくらえだ!」
うまく至近距離まで来させることに成功したダイノボットは目のレーザーを最大出力にして霊夢に発射した。
霊「へ?」
霊夢は閃光も中に消えていった。
<博麗神社に向かっていくコンボイ達>
飛行中のコンボイ達からでも、霧の湖近くの森の方から突然の爆発音が聞こえていた。
コ「なんだ?今の音は!?」
コンボイは不思議そうに音がしたほうの方角を見る。
ア「誰かが弾幕ごっこでもしているんだと思うけど・・・・・。」
アリスは普通に言う。このレベルだとまた魔理沙だろうと思ったからだ。しかし、魔理沙の場合ならもっと派手なはずだが・・・。
コ「いや、しかし昨日君に聞いた話ではあんなにすごいとは聞いていないぞ。」
ア「気になるなら行ってみる?」
コ「ああ、あの音だと誰かが怪我をしているかもしれないからな。」
二人は一旦爆発音がした方向を目指した。
<森にいるチルノたち>
チ「やったー!ダイちゃんがあの博麗の巫女をやっつけた!」
チルノは飛び跳ねながら喜ぶ。大妖精は倒れているダイノボットに駆け寄る。
大「大丈夫ですか?」
ダ「ダア、こ、これを取ってくれ・・・・。」
ダイノボットは力ない声で言う。二人はダイノボットについているお札を剥がした。
ダ「ダー、やっと動けるようになったぜ。」
ダイノボットは体のあちこちを確認するように動く。
チ「あのさ。」
チルノは急に真面目な顔になってダイノボットに近寄る。
ダ「なんだ?」
チ「しゃべれるんならさ、なんで今まで黙っていたの?」
チルノは質問した。大妖精はおそらく今まで普通の動物として偽っていたことについて怒っているのだと考え、止めようとする。
大「チルノちゃん!」
チ「大ちゃんはだまってて!」
チルノは今までないような真剣な眼差しをしていた。
ダ「・・・・・・・・。」
ダイノボットは黙ったままだった。
チ「ねえ、どうして?」
ダ「本当は最初っから話したかったがあの時は全システムが衰弱していて発声回路もうまく働かなかったんだ。それで話すことができなかった。」
ダイノボットは真面目に話しだす。
チ「・・・・・・・。」
チルノは黙って聞いていた。
ダ「そのあとお前たちが世話をしてくれたおかげで動けるようになったんだ。それと・・・・・・勝手にいなくなって・・・・・・わるかったな。」
不器用ではあるが彼は彼なりに二人に謝罪する。
大「ダイノボットさん・・・・・」
大妖精は言う言葉が思いつかず困っていたがチルノは彼の顔を見てあることを聞く。
チ「また、友達になってくれる?」
ダ「?」
チ「アタイと大ちゃんとまた友達になってくれる?」
チルノは心配そうな顔で言う。彼女があんな顔をしていたのはダイノボットがもう友達ではなくなってしまうんじゃないかと心配していたからだった。ダイノボットは少し驚いていたようだったが
ダ「・・・・・ああ、友達だ。」
そう言うとチルノは笑顔に戻った。
チ「じゃ、またよろしくね!ダイちゃん!」
そう言うとチルノは左手を出す。
ダ「ああ、よろしくな。」
ダイノボットはチルノと握手する。
チ「ほら、大ちゃんも!」
大「え!あ、よろしくお願いします。」
三人は手を合わせて、笑う。そして、黒こげになって気絶している霊夢に目を向ける。勝ったのは良かったのだが後始末については考えていなかった。
チ「これどうする?」
三人は困った顔で考えた。このまま放置するのはまずそうだし、かといってどこへ連れて行こうにもこの辺で近いのは紅魔館か魔理沙の家、アリスの家ぐらいしかない。そこに黒い球体が接近してくる。そして、球体の状態からルーミアが姿を現す。
ル「焼けたいい匂いがしたからきてみたらよく焼けた巫女がいるのだ~。食べていい?」
ルーミアは唾をのみながら言う。
大「どうします?」
大妖精は困った顔でダイノボットを見る。当然ダイノボットでもどうすることもできない。
ダ「俺に聞かれてもなあ?」
一同は悩んだ。その間でもルーミアはよだれを垂らしながら霊夢を見る。そこへコンボイとアリスが下りてきた。
コ「音がしたのはこの辺だが・・・・・。」
ダ「!コンボイ!?」
ダイノボットはコンボイの姿を見て動揺した。彼は確かメタルスの体のはずだ。なのになぜ元のボディに?そしてなぜここにいるのか分からなかった。当然彼の声に気づいたコンボイも驚いた。
コ「ダ、ダイノボット!お前は確か死んだはずじゃ・・・・・。」
本人の亡骸まで確認したコンボイにとって彼が目の前で生きている方が驚きだった。
ア「コンボイの知り合い?あそこの倒れているのはまさか霊夢!?それにあれは妖精たち・・・・まさか霊夢を?」
アリスは倒れてる霊夢を見るとチルノたちの方を見る。一同は微妙な空気に包まれた。ところが
ル「これ食べちゃだめ?」
ルーミアの一言で緊張感がなくなってしまった。
一同『だめ。』
当然、誰もがそう言った。
ル「う~~」
ルーミアは残念そうに手を引くのであった。
<博麗神社>
あの後、コンボイ達は霊夢を運んで博麗神社に来た。幸い霊夢は軽い火傷(焦げていたのは大半が服だったため)済んだのでアリスでも手当てができた。しかし、その後は三人の説教であった。
ア「つまり、話をまとめるとこういうことになったのはあなたたちというわけね。」
チ・大『はーい。』
二人は正座しながら言う。
ア「わかったけど、盗むのはよくないことよ。」
ダ「ダー、俺のためにやったんだ。もう言わなくていいだろ。」
ア「そうことじゃないの。大した怪我じゃなかったからいいけど、霊夢が結界で防御してなかったら今頃幻想郷は
崩壊していたかもしれないのよ。」
チ・大・ダ『すみませんでした。』
正座するのに三人になった。
萃「やれやれ、また、面白いのが幻想入りしたようだね。」
アリスが説教している傍ら、博麗神社に居候している鬼伊吹萃香は呑気に言いながら酒を飲む。
一方、コンボイは霊夢の目の前で賽銭を入れていた。
コ「仲間が怪我をさせてしまって申し訳ない。」
霊「分かればいいのよ。」
コ「ところで霊夢。」
霊「何?」
コ「アリスからも聞いたのだがこの世界の創造に関わった八雲紫とはどういう人物なのだ?」
コンボイがここに来た理由は彼女の情報を知ることにもあった。しかし、霊夢は困った顔で答えた。
霊「簡単に言えば気まぐれニートよ。」
コ「そんなになのか?」
霊「まあね。もっというと決まった時期を除いてはよく寝てるわ、それでも暇なときは隙間を使ってあちこちに現れるわ。ここもそのうちの一つ。」
コ「そうなのか。」
<三途の川>
そこに隙間を使って八雲紫はあくびをしながら現れた。
紫「最近寝てばかりだから体がなまってしょうがないわ。でも、寝てばかりいると藍に怒られるし、しょうがないから昼寝でもしている死神にちょっかいでも出そうかしら。閻魔様にばれない程度にね。」
そして忍び足で歩いているとどっかしからかレーザーが発射され、紫は慌てて避ける。打ち主はスタースクリームである。
紫「な、何よ!?」
紫はいきなりの攻撃に怒りながら言う。
ス「おい!ここは死んだ奴だけがくるところだぞ!なんで生きてる妖怪がここに来るんだよ!とっとと消えやがれ!」
スタースクリームはどうやら紫を怪しいと感じて攻撃してきたようだ。紫は船頭が変わっているのに驚いた。
紫「あら、今日はいつもの死神じゃないのね。」
ス「悪いかよ。てめえは誰だよ。」
スタースクリームは不愛想に言う。
紫「私?私は八雲紫。どこにでもいるかわいい乙女よ~。あなたは?」
「どう見ても嘘だな」とスタースクリームは思った。どうやらこの女が映姫が言っていた八雲紫らしい。
ス「俺か?今はここの船頭をやっているデストロン軍団の航空参謀スタースクリームだ。」
紫「そう、スタースクリームさんね。まあ、これから会うかもしれないからよろしくね~。」
そう言いながら紫は隙間に戻って消えていった。
ス「全くとんだ邪魔が入ったぜ。さっさと残りの魂も運ぶか。映姫の奴を怒らせたらたまったもんじゃねえからなあ。」
スタースクリームは呆れながら作業に戻る。