咲でテンプレ神様転生 作:ローレルサクラ
『向こうに行っても困らないようにちゃんとした家と両親の所に転生させてあげるからね!ああ!それだけじゃなくって容姿もいい感じにしてその世界で生かせるような才能もあげるからね!それとそれからあれも…』
みたいな妙に近所のおばさん臭い神様に転生させられた僕です。
とんでもなく美人な母親と優しそうな父親のもとに生まれたはいいが最初のうちは訳も分からず日々を赤ん坊として暮らしていました。
うん、特に目的もないまま流されて転生しちゃったもんだから俺Tueeee!とかハーレム作るぜ!みたいな意気込みもなかったんだよね。
そもそもここが何の世界かもわかんないし。くれるって言ってた才能とやらも分かんないし。どないせーちゅうねん。
あーでもどうやら日本っぽいですここ。標識やらなんやらに「奈良県」って書いてあるし。
なるべくなら戦い系のない原作だといいなー。折角生まれ変わったのにもう一度死にたくはない。
ま、今はやれることもないし、癒し系のお母様に癒されるとしましょうか。
さっきから呼んでるし。
「お風呂入りましょうねー」
「あうー(はーい)」
小学生になりました。僕です。
あれから特に何か起こることもなく、平々凡々な生活を満喫していました。
歩けるようにはなったのでありがちな体の下地作りというか、軽めのランニングぐらいはするようにしたけど。
いつ何が起こるか分からないというのは中々に歯痒かったりするけれど、最近はあの人の良さそうな神様がそんな殺伐な世界に送ったりしないよなぁと楽観視したりもするようになった。まぁ人ではないんだけど。
とか言ってたら、来やがりました。原作ってやつが。
そうかー。これかー。
『決まったー!全国出場は阿知賀女子学院!絶対王者晩成を破っての初出場です!』
咲かー。
うん。僕的には全然ありです。
第一に痛くない。だってやることは卓上遊戯ですもん。
それに女の子はみんな可愛いしね!
一応これでも男の子なので将来的には可愛い彼女でもーとか思ってたりもした。
ハーレム?いやいやそんな甲斐性僕にはありませんって。
ということは才能ってのは麻雀の才能ってやつなんだろう。
ルールは大体知ってる。リーチしてロンしてツモすればいいんでしょ?(適当)
ま、まあ覚えれば大丈夫でしょう。うん。
でもなー。お母様も父さんもやんないんだよなぁ、麻雀。
そのうちなにか切っ掛け的な出来事でも起こるのかな?なくても自分から始めればいいか。
とりあえずランニングの量は少しへらすことにしよう。
そんな風に肩の荷を下ろしつつ平和を満喫していたある日の事。
学校も終わってやることもないので軽く流しながら走っていると、風に飛ばされたマフラーが顔面を直撃したのでした。
「へぶっ!」
あー痛くはないけどなんかやるせないわー。やっぱり平和な世界だとわかって抜けてんだろうな僕―とか思っているとその特徴的な色に気付いた。
…これ?松実宥さんのじゃね?
実はひっそりと同学年の同じクラスに所属していたのでした。
ま-完全に向こうは軽い男性恐怖症状態。幼い頃のからかいが原因だろうけど。
そんな相手に話しかける勇気もなかったのでスルーしてたんだけど…。
流石にこれを返さないのは人として気が引けた。
僕的にもマフラーは彼女の象徴的なアイテムだったし。
幸い現在地から松実館は遠くない。さっと届けてビュッとおさらばだー。
そんな風に考えていた時期が、僕にもありました。
「えっと…」
「(ぷるぷるぷる)」
「マフラー、拾ったんだけど…」
「(ピクッ!ぷるぷるぷる)」
「これ…多分松実さんのだよ…ね?」
「(ぷるぷるぷる)」
会話になりませんでしたちくしょう。
なんなんだよ僕が悪い事してるみたいじゃないかよなんか反応しろよぷるぷるすんなよ可愛いなこんちきしょう!
ふぅ。すっきりした。だけど実際どうすべきか。
うーん。マフラーを押し付けて帰っちゃうってのもアリだとは思うんだけど万が一違ったりしたらまたややこしいことになるし…。
しかし会話は通じない…。むむむ…と唸っていると。
「そこのボク!やめるのです!」
将来のおもち天使、松実玄さんがこーりんなされたのでした。
あーなんか面倒なことに。