超重武者が往く、遊戯王GX   作:フュージョニスト

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初めまして、フュージョニストと言います。

最近遊戯王で超重武者が好きなので、勢い余って書いてみました。

宜しくお願いします。


第1話 入試

「ここが、受験会場か……」

 

 オレがこれから受ける試験の会場の大きさに、少し圧倒される。

 受け付けは……あ、あった、メガネをかけたちょっときつそうな人だけど……大丈夫かな。

 

「すいません、デュエルアカデミアの入試会場はここであってますか?」

 

「ええ、そうですよ。でも、もう試験は始まってますが……?」

 

「あ、えぇと、来る時にバスが事故を起こしてて……連絡は入れたのですが。あ、これ、遅延証明と受験票です」

 

 入口に居た係員に声をかけて、遅れた理由を説明して証明書を渡す。

 

「確かに、連絡を受けた方のお名前ですね。少々お待ち――」

 

「あ、ここだ、すいませーん! 来る時のってた電車が遅れたんで遅れましたっ!」

 

 渡したそれを見て会場内にいる試験管に話を通しに行こうとした受付の人に、オレの後ろから声がかかる。

 鞄を持って走って来たのは、本人に行ったら悪いと思うけど、クラゲみたいな髪の男だった。

 

「えーと、コレ、遅延証明と受験票!」

 

「こちらも、連絡があった方ですね。分かりました、話を通してくるので少々お待ちください」

 

 あとから来た彼の分の書類ももって奥に行く女性。

 それを見送った後。

 

「なぁなぁ、お前もアカデミア受験するのか?」

 

「ああ、そうだよ。しかし、同じ日のほぼ同じ時間にに電車とバスが事故起こて遅れるなんて、何かの悪戯か?」

 

 その彼が声をかけてきたので、そう返す。

 彼も『だよなぁ!』って言いながら笑って返してくる。

 

「あ、俺、遊城十代。よろしくな」

 

沙凪(さなぎ)鉱太(こうた)。こちらこそよろしく、遊城」

 

「カタいな、十代でいいぜ。オレも鉱太って呼ぶからさ」

 

 軽く自己紹介するオレと遊城――いや、十代。

 と、そこへさっき奥へ行った受付の女性が戻ってきた。

 

「試験官の了解が取れたのでお二人を案内します。付いて来てください」

 

 そのまま先導するように奥に歩いてく受付の人を追いかけるオレと十代。

 そして試験室に着き、そっと扉を開けて中に入るように促す。

 

「残された時間もあまり多くありませんが……試験、頑張ってください」

 

「「ありがとうございました」」

 

 受付の人に遅れた理由を聞いていた試験官は空いている席に座るように言って、問題を手渡してくる。

 さて、残り少ない時間で筆記試験、どこまで解答できるか……。

 

 

 □

 

 

「そこまで!」

 

 と言う試験官の声に、シャーペンを動かす手を止めて顔を上げる。

 時間が少なかった割には、ほぼすべての回答欄に記入できたし、まぁ大丈夫だと思う。

 

 十代はと言うと……寝てたな、アイツ。

 

「午後は実技試験だ。各自、デッキの調整などをしっかりしておくように」

 

 それだけ言って試験室から出ていく試験官。

 それを皮切りに、ざわざわとしだす室内で、オレはこの中で唯一の知り合いである十代と話そうと席を立つ。

 

「十代、筆記試験の出来はどうだ?」

 

「あ、鉱太か。いやぁ~、全然わからなかったぜ」

 

「だと思ったよ、そうでなきゃ、あんなふうに爆睡できるわけないな」

 

「あははっ、まぁ、午後は実技試験だろ? そっちで取り返せばいいさ!」

 

 ……随分と、楽天的だな。

 けど、その前向きさは見習いたい物だな。

 

「十代、昼飯はどうする?」

 

「……いっけね、電車が遅れたから買うの忘れてた」

 

「おにぎりでいいならあるが、食うか?」

 

「いいのか!?」

 

「腹が減ってはなんとやら、だ。ほら」

 

「サンキューな、鉱太!」

 

 十代にラップに包まれたおにぎりを渡し、オレも自分の分を取り出して食べ始める。

 食べながらオレは、今ここにいる自分の事を考える。

 

 

 名前は沙凪鉱太、年齢は15歳。

 

 オレは所謂"転生者"って言う者らしい。

 『らしい』って言うのは、オレが転生する前のおぼろげながら記憶を持ってるからというのと、オレが使うデッキが本来であればこの時代――『遊戯王GX』の世界には存在しないであろうカテゴリに属しているからだ。

 

 ただ、死因はよくある二次創作にある『神に殺された云々』じゃなく(まぁ神様らしい人には会ったけど)、『小さい頃から患ってた病による病死』で享年は17だ。

 昔は体が弱く入院することも多かったオレだが、転生してからは特に怪我も病気もしないで問題なく過ごせているのは、転生する際に神様が叶えてくれた小さな『願い』のおかげだと思う。

 

 前世で体が弱かったオレがやっていた、数少ない趣味がこの"遊戯王"だった。

 その中で前世でオレがよく使っていたこのデッキは、オレが転生するのがこの世界(遊戯王GX)と知って、神様が気を利かせて一緒に送ってくれた。 

 

 この世界での家族はカードデザイナーの父と元プロの母と、1歳上の姉と1歳下の妹がいる5人家族で、姉はアカデミアに居る。

 妹も来年アカデミアに行く、と言っているから兄妹が揃えばいいと思う。

 

 

「――た、――た」

 

 そしてもう2人、オレにとって相棒と言えるのが――。

 

「――鉱太!」

 

「!?」

 

 そこまで考えたところで、肩を揺さぶられ十代に呼び掛けられる。

 気づいた時には周りにはオレと十代以外には誰もいなかった。

 

「急にボーっとしてどうした? そろそろ実技試験始まるぜ?」

 

「あ、あぁ、悪い。緊張してたみたいでさ」

 

「ふーん、そっか。それより、早く行こうぜ」

 

 席から立つ十代に続いてオレも立ち、鞄とデッキ、それとデュエルディスクを準備する。

 一緒に歩く十代から、オレと十代の二人は遅れて試験に来たため、実技試験は最後に回されるらしいと聞いた。

 

「っと、ここが試験場らしいぜ」

 

「入ってみるか……って、広いな!」

 

 十代と共に試験場に入ると、デュエルフィールドが3つほど並んで入っている広いスペースに出た。

 この中でデュエルするのか……何と言うか、緊張もするが楽しくなりそうだな。

 

 しばらく試験生のデュエルを見て十代と感想を言いあっていると、コートとデュエルディスクが一体となった服を身に着けた人がデュエルフィールドに上がる。

 それから、放送が入る。

 

≪受験番号3番 沙凪鉱太さん。試験を開始します。デュエルフィールドに上がってください≫

 

「っと、もう出番なのか。と言うわけだ、行ってくる、十代」

 

「おう、頑張れよ!」

 

 サムズアップで送ってくれた十代にサムズアップを返す。

 

「ワタクシーは、デュエルアカデミア実技最高責任者、クロノス・デ・メディチなノーネ」

 

「受験番号3番、沙凪鉱太です。よろしくお願いします」

 

 変な口調の人だな……と言うか、入試に実技最高責任者何て出すのか、普通?

 

「事前に連絡があったとはイーエ、遅れたことに変わりはないノーネ。そこの所、分かっているのでスーカ? ドロップアウトボーイズ?」

 

「確かに、連絡をしていたとはいえ、遅れたことは申し訳ないです。でも、それだけでドロップアウトと呼ばれるのは……心外です」 

 

 決めた、このクロノスって人、全力で叩き潰す!

 

「では、掛かってくるノーネ!」

 

「全力で、倒します」

 

 

「「デュエル!」」

 

 

「オレのターン。モンスターをセット、ターンエンド」

 

 鉱太 LP 4000

 ・手札 4枚

 ・モンスター

  伏せ×1

 ・魔法罠

  無し

 

 初手は悪くない……さて、何が来る?

 

「ワタクシのターン、ドローナノーネ。ワタクシーは永続魔法《古代の機械城(アンティーク・ギア・キャッスル)》を発動し、《古代の機械兵士(アンティーク・ギア・ソルジャー)》を召喚するノーネ。《古代の機械城》はモンスターが通常召喚されるたびにカウンターが乗り、『アンティーク・ギア』モンスターの攻撃力を300ポイントアップするノーネ」

 

 古代の機械城 カウンター 0 → 1

 古代の機械兵士 ATK 1300 → 1600

 

 歯車仕掛けの巨大な城と、それを守るように立つ歯車仕掛けの兵士が現れた。

 アンティーク・ギア……確か、攻撃時に魔法・罠カードを発動できない効果だったはず。

 

「バトルナノーネ。《古代の機械兵士》でセットモンスターに攻撃」

 

 腕に着いた銃でオレの場のモンスターを撃ち抜く古代の機械兵士。

 鳴き声を上げて撃ち抜かれて破壊されたのは、有り得ない大きさのネズミだった。

 

「戦闘で破壊された《巨大ネズミ》の効果発動、効果で攻撃力1500以下の地属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚する。動かざること、山の如し。不動のデュエル、今見せん! オレはデッキから――《超重武者 ビッグベン―K(ケー)》を特殊召喚! ビッグベン-Kは召喚・特殊召喚された時、効果で表示形式を変更できる。この効果でビッグベン-Kを守備表示に」

 

『儂、参上でごわす!』

 

 超重武者 ビッグベン―K ATK 1000 → DEF 3500

 

 オレの場に現れたのはこのデッキのエース。

 武蔵坊弁慶をモチーフにした『超重武者』、その中核を担うモンスターの『ビッグベン-K』。

 ちなみにカードの精霊と言うヤツらしく、オレの事を『お館様』と呼んでくる。

 

「何かと思エーバ、ただ守備力が高いだけナノーネ。カードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

 クロノス LP 4000

 ・手札 2枚

 ・モンスター

  古代の機械兵士(攻)

 ・魔法・罠

  古代の機械城(カウンター×1)

  伏せ×2

 

 何と言うか、この時代の『攻撃力がすべて』みたいな考え方はあまり好きじゃない。

 攻撃力が低くったって、戦う手段はいくらでもあるんだ。

 

「オレのターン、ドロー。《超重武者装留 ダブル・ホーン》をビッグベン―Kに装備。これによりビッグベン-Kは1ターンに2度の攻撃が可能。そしてビッグベン―Kが居る限り、オレの『超重武者』モンスターは守備表示で存在する時、守備力を使って戦闘できる! バトル、ビッグベン-Kで《古代の機械兵士》を攻撃!」

 

『喰らうでごわす!』

 

 ビッグベン-Kの両肩に、巨大な角の付いたアーマーが装着される。

 これでビッグベン-Kの腕とかの可動範囲は狭くなってないんだから、ソリッドヴィジョンてすごいよな……。

 

「と言う事ーハ、ビッグベン-Kは実質攻守3500と言う事でスーノ!? マンマミーヤ!?」

 

 クロノス LP 4000 → 2100

 

 ビッグベン-Kが古代の機械兵士を手に持った刺叉で突き刺して破壊し、壊れた余波でクロノス教諭のライフが減少する。

 まだビッグベン-Kには攻撃権が残ってる……けど、これで終わるわけないよな?

 

「ビッグベン-Kの2回目の攻撃、ダイレクトアタック!」

 

「罠発動、《ガード・ブロック》。戦闘ダメージを0にして1枚ドローするノーネ!」

 

 やっぱり決まらなかったか……。

 

「ターンエンド」

 

 鉱太 LP 4000

 ・手札 4枚

 ・モンスター

  超重武者 ビッグベン―K(守)[2回攻撃]

 ・魔法・罠

  超重武者装留 ダブル・ホーン[対象:ビッグベン―K]

 

「ワタクシのターン、ドロー。《テラ・フォーミング》を発動。デッキからフィールド魔法、《歯車街(ギア・タウン)》を加えて発動。《古代の機械城》は乗っているカウンターの数のリリースの代わりとなり、《歯車街》は『アンティーク・ギア』を召喚するためのリリースを1体減らす事が出来るノーネ。《古代の機械城》をリリースして、アドバンス召喚! 見るがいいノーネ、ワタクシの切札――《古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)》!」

 

 古代の機械巨人 ATK 3000

 

 フィールドが歯車仕掛けの街に変わり、クロノス教諭のフィールドから歯車仕掛けの城が消えたかと思うと、次に現れたのは、さっき破壊した古代の機械兵士の数倍の大きさの巨大なゴーレムだ。

 後ろの方で見てる十代は『カッコいいな!』って言ってはしゃいでるよ。

 

「さらに《ダブル・サイクロン》を発動、ダブル・ホーンと《歯車街》を破壊。《歯車街》が破壊された時の効果でデッキから《古代の機械巨竜(アンティーク・ギア・ガジェルドラゴン)》を特殊召喚するノーネ!」

 

 古代の機械巨竜 ATK 3000

 

 今度は歯車仕掛けの街が崩れたかと思うと、それらが組み合わさって古代の機械巨人を並ぶ大きさの機械のドラゴンが現れる。

 まさか、1ターンでアンティーク・ギアでも最大級の2体が揃うなんてな。

 

「《古代の機械掌(アンティーク・ギア・ハンド)》を《古代の機械巨人》に装備」

 

 古代の機械巨人の右手に古ぼけた機械の手甲が装備される。

 あのカード、攻撃力を上げるわけでもないのか。なら、装備されて一体何が起こる……?

 

「バトル、《古代の機械巨人》でビッグベン―Kを攻撃」

 

 クロノス LP 2100 → 1600

 

 それを考える間もなく、手甲を装備した古代の機械巨人でビッグベン-Kを攻撃してきたクロノス教諭。

 殴りかかってくる古代の機械巨人をビッグベン-Kが刺叉で弾き、突きで押し返す。

 

「《古代の機械掌》の効果発動、ダメージステップ終了時に戦闘を行った相手モンスターを破壊するノーネ。これでビッグベン―Kを破壊。《古代の機械巨竜》でダイレクトアタック」

 

『すまぬ、お館様!』

 

「ビッグベン-K!? ぐあっ!?」

 

 主人公 LP 4000 → 1000

 

 ビッグベン-Kが破壊され、がら空きになったオレのフィールド、そんなオレを見下しながら古代の機械巨竜が大量の歯車を俺に向かって吐き出す。

 もろに受けたオレは後ろに倒れ、慌てて十代が『大丈夫か!?』って聞いてくる。

 大丈夫だ、と手を振って返しクロノス教諭に向き直る。

 

「メインフェイズ2で、セットしていたアドバンスドロー発動、レベル8の古代の機械巨竜をリリースして2枚ドロー。カードを1枚伏せターンエンド」

 

 クロノス LP 1600

 ・手札 1枚

 ・モンスター

  古代の機械巨人(攻)

 ・魔法・罠

  古代の機械掌[対象:古代の機械巨人]

  伏せ×2

 

(伏せカードは《奈落の落とし穴》に《聖なるバリア―ミラーフォース》。守備モンスターを出しテーモ、《古代の機械巨人》には貫通効果があるノーネ。もし《古代の機械巨人》がやられテーモ、手札には《死者蘇生》があるカーラ、負けはないノーネ)

 

「オレのターン、ドロー。……モンスターをセット、ターンエンド」

 

 鉱太 LP 1000

 ・手札 4枚

 ・モンスター

  伏せ×1

 ・魔法・罠

  無し

 

 今の手札に攻撃を防げるカードは1枚しかない。

 このセットモンスターで耐えられるか……?

 

「ワタクシのターン、ドロー。ワタクシーハ《死者蘇生》を発動、墓地の《古代の機械巨竜》を特殊召喚スルーニョ。バトル、《古代の機械巨人》で伏せモンスターに攻撃。《古代の機械巨人》には貫通効果があるーノ。これで終わりなノーネ!」

 

「終わらせてたまるかっての! 手札の《虹クリボー》の効果発動。相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを相手モンスターに装備し、装備されたモンスターは攻撃を行えなくなる」

 

『クリクリィ~っ!』

 

 オレの魔法・罠ゾーンに、体が虹でできたような小さなボールみたいなモンスターが出てきて、巨人の動きを止める。

 《虹クリボー》、コイツもカードの精霊って奴で――オレのもう1人の相棒だ。

 

「グヌヌヌ……なら、《古代の機械巨竜》でセットモンスターに攻撃ナノーネ!」

 

「破壊された《超重武者 ツヅ-3()》の効果発動。このカードがフィールドで破壊された時、墓地の『超重武者』1体を復活させる。墓地からビッグベン―Kを特殊召喚!」

 

『汚名返上のために、帰還したでごわす!』

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

 クロノス LP 1600

 ・手札 0枚

 ・モンスター

  古代の機械巨人(攻)

  古代の機械巨竜(攻)

 ・魔法・罠

  古代の機械掌[対象:古代の機械巨人]

  伏せ×3

 

(今伏せたカードは《リミッター解除》。これで攻撃してきても返り討ちなノーネ!)

 

 周りからは『攻撃力3000が2体も!?』『終わったな、あの受験生』とか聞こえてくる。

 それに、あの3枚のカード……怪しいけど、そんなのを怖がっていられるか!

 

「オレのターン、ドロー。オレの墓地に魔法・罠が存在しないことにより手札から《超重武者 ヒキャ-Q()》を特殊召喚。ただし、この効果で特殊召喚したターン、オレは『超重武者』しか特殊召喚出来なくなる」

 

 超重武者 ヒキャ-Q ATK 1200

 

 江戸時代に居た飛脚、それをモチーフにしたモンスターが現れる。

 口の部分に咥えたキセルがいい感じの雰囲気出してるな。

 

「ヒキャ-Qの効果発動。このカードをリリースして、手札のモンスターを2体まで相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、その枚数までカードをドローできる。手札からクロノス教諭のフィールドに《超重武者装留 イワトオシ》を特殊召喚し1枚ドロー」

 

「わざわざワタクシのフィールドに?」

 

 超重武者装留 イワトオシ DEF 0

 

 ヒキャ-Qがクロノス教諭の場にバリスタの様な超重武者装留を置き、オレにカードを1枚手渡して姿を消した。

 ヒキャ-Qのくれたカードは……ありがたい!

 

「《超重武者 テンB()-N()》を召喚。テンB-Nの効果、召喚・特殊召喚成功時に墓地のレベル4以下の『超重武者』1体を特殊召喚できる。《超重武者装留 ダブル・ホーン》を墓地より特殊召喚」

 

 超重武者 テンB-N ATK 800

 超重武者装留 ダブル・ホーン DEF 300

 

 長い棒の両端に皿を吊るした天秤を両肩に掛けるように持ったモンスターが現れ、テンB-Nの天秤から墓地に居たダブル・ホーンが呼び戻された。

 テンB-Nの天秤……やばい、自分で言ってて寒くなったわ。

 

「そして手札の《超重武者装留 マカルガエシ》をテンB-Nに、フィールドのダブル・ホーンをビッグベン-Kに装備。ビッグベン-Kは再び2回攻撃を得る」

 

 ビッグベン-Kの両肩にもう一度ダブル・ホーンが合体し、さらにテンB-Nが機械でできた数珠を首から下げる。

 昔見てた遊戯王シリーズのアニメ風に言うなら『勝利の方程式は揃った』ってな!

 

「バトル、テンB-Nでイワトオシに攻撃」

 

「何かあると分かっていて、通すわけがないノーネ! 罠カード、《聖なるバリア―ミラーフォース》発動ナノーネ! これでテンB-Nは破壊ナノーネ」

 

「無駄だ! 《超重武者装留 マカルガエシ》を装備したモンスターは、1ターンに1度だけ効果で破壊されない! よって攻撃は通る! さらにフィールドからオレの墓地に送られたイワトオシの効果発動。デッキから『超重武者』1体を手札に加える。オレが加えるのは《超重武者装留 バスター・ガントレット》!」

 

 テンB-Nが天秤の付いた棒でイワトオシをぶん殴った。

 ……そんな風に使って大丈夫なのか、天秤。一応、商売道具っぽいんだからさ……。

 そんな事を思いながら、イワトオシの効果でこのデュエルを終わらせるための手札にモンスターを加える。

 

(攻撃してくるがいいノーネ! 《リミッター解除》で返り討ちにして、戦闘ダメージで終わりにするノーネ!)

 

「(あの表情、何かある――けど!)《超重武者 ビッグベン-K》で《古代の機械巨竜》に攻撃!」

 

「かかったノーネ! ワタクシーハ、ダメージ計算前に速攻魔法《リミッター解除》を発動するノーネ! これでワタクシの機械族の攻撃力は倍になりまスーノ!」

 

 古代の機械巨人 ATK 3000 → 6000

 古代の機械巨竜 ATK 3000 → 6000

 

 2体のアンティーク・ギアモンスターのギアの回転数が上がって行くのが分かる。

 あれだけ伏せたカードをチラチラとみてれば、大体予想は出来たけど、やっぱりあったのか!

 けど、それはオレも同じだ!

 

「なら同じくダメージ計算前、手札の《超重武者装留 バスター・ガントレット》の効果発動! オレの墓地に魔法・罠が存在しない時、『超重武者』が戦闘を行うダメージ計算前にこのカードを手札から墓地に送ることで、戦闘を行う『超重武者』の元々の守備力をそのターン中のみ2倍にする!」

 

『ぬおおぉぉおぉっ! 力が、滾る!』

 

 超重武者 ビッグベン-K DEF 3500 → 7000

 

「守備力、な、7000デスート!?」

 

 ビッグベン-Kが右腕にバスター・ガントレットを装着し、巨竜に向けて突撃する。

 歯車のブレスを吐くもビッグベン-Kは全てを受け切り、刺叉で袈裟がけに斬り裂いた。

 

「《古代の機械巨竜》、撃破!」

 

 クロノス LP 1600 → 600

 

「そしてビッグベン-Kはダブル・ホーンの効果でもう1度攻撃できる。《古代の機械巨人》を攻撃!」

 

 二度目の攻撃で、今度は巨人に対して刺叉で――と思ったら、刺叉を地面にぶっ刺して巨人と殴り合いを始めやがった。

 何度も打ち合い、最後の最後に古代の機械掌とバスター・ガントレットを装備した右拳同士がぶつかり合って――先に限界を迎えたのは巨人の腕と体の方で、大爆発を起こした。

 

「ペペロンチィ~ノ~!?」

 

 クロノス LP 600 → 0

 

 そして、その余波でクロノス教諭の残りライフが吹き飛んで――。

 

「ふぃ~……ありがとうございました」

 

 ――無事、勝利したぜ。

 

 

 

 そのままデュエルリングから降りると、十代が目を輝かせて走り寄って来た。

 

「鉱太、お前のモンスタースゲェな! 守備表示で戦えるのか!」

 

「ああ、これが超重武者たちの力だ。次は十代、お前の番だぜ」

 

「おう、行ってくるぜ!」

 

 そう言い、入れ替わりでデュエルリングに上がる十代。

 クロノス教諭は、オレに負けた汚名を十代で晴らそうと続けてデュエルを行い――。

 

 

 ――数分後、《摩天楼―スカイスクレイパー》の効果を受けて攻撃力の上がった《E・HERO フレイム・ウイングマン》の攻撃を受け、《古代の機械巨人》が崩壊して十代の勝利で幕を閉じた。

 

 そして、戻ってきた十代とハイタッチし、お互いの連絡先を交換して別れた。

 

 アカデミア、合格してるといいな。

 




と言うわけで遊戯王GXの最初のデュエル、vsクロノス戦でした。

今思うと、アンティーク・ギアの魔法・罠封じって、超重武者にはほぼ効かないですよね。
ただ、守備表示な事が多いので古代の機械巨人の貫通は危ないかも。

次回も、よろしくお願いします。
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