俺はラムちゃんのことが好きだけどロリコンなわけじゃない 作:ふーあいあむ
「ーーーーってわけだ! わかったか、俺はロリコンじゃない!」
俺は目の前に座る女の子ーーーー天王星うずめに
「いやぁ……う~ん……どうだろうなぁ……」
しかしそれを聞いても渋るうずめ。
こいつ……ッ!
「だから! 俺は“ラムちゃんが”好きなのであって幼女が好きなわけじゃない! いや幼女も可愛いとは思うけど!」
「……ほら、やっぱりロリコンじゃねーか」
「だーかーらーッ!」
違うと言ってるだろうが!
「好きになった相手がたまたまロリだっただけだ!」
「……ま、いいんじゃないのか。お前が幸せならそれで……アイツは悲しむかもしんないけどなー」
「ご先祖様は関係ないだろ」
遠い昔、うずめはプラネテューヌの女神だったらしい。
その時に彼女をサポートしていたのがうちのご先祖様なんだとか。
ま、その頃はまだ俺は生まれてすらいないからよく分からないんだけどな。
「いーや、関係あるね。アイツの子孫である以上、俺にはお前の行く末を見守る義務があるんだ」
「何だそりゃ……」
うちの家系は代々プラネテューヌの教会に勤めている。
もちろん、俺も例外ではないが……訳があって辞めてしまった。
「……で? 今日もクエスト行くのか?」
「いや、今日は家でゆっくりするよ」
「そうか! そいつはよかった! 俺的にはあんまりお前に危ないことして欲しくないからな! ……いや、でも外に出ないで室内に引きこもってるっていうのはそれはそれでだめなんじゃ……?」
「母親か、お前は」
誰目線なんだよ。
それと、別に俺は引きこもってるわけじゃない。
「……まぁいいや。で、俺がロリコンじゃないのは理解できたか?」
「いや全然」
「引き千切るぞコラ」
ーーーーやっぱり家にこもりっぱなしはよくないよな! というわけで遊びに行くぞ!
ロリコン疑惑を解くために必死に説明をしていたら、うずめが突然そんなことを言い出して無理矢理遊びに連れてこられた。
「クレープ! クレープ食べたい!」
「お前……女神が一般市民にたかるなよ」
「えー……いいじゃんかよー」
こいつは……女神としてのアレはないのか。
何か……ほら、アレ。
「うずめ的には~、甘いあま~いクレープを二人で食べさせあいっこして~、それでそれで~……」
「うずめ、口調。あと何でそんなことお前とやらなくちゃいけないんだよ」
「なっ!? お、俺とじゃ嫌なのかよ……?」
嫌って言うか、そういうのはラムちゃんとやりたい。
ラムちゃんにあーんってしてもらって、そんで俺もあーんってしてあげて……。
「ふっ…………ふぉぉぉおおおおおああああああッ!!!」
「うおっ!? び、びっくりしたぁ……! い、いきなり叫ぶなよ!」
こっ、こうしちゃおれん!
「ルウィーに行く!」
「は?」
「ルウィーに行ってラムちゃんとクレープ食べさせあいっこする!」
「え!? い、今からか!?」
今が昼ちょっと過ぎだから、超急げばおやつの時間には……。
いや、気合いでおやつ前に着いてみせる……!
「ではワタクシはこれで!失礼します、うずめサマ」
「あ、コラ! 俺のことは冗談でも様付けで呼ぶなって言ってるだろ!? って、ちょっ、待てってば!」
ルウィーに向けて走り出そうとすると、うずめがしがみついてくる。
「くっ、離せうずめ!」
「断る! 今日は俺と遊ぶんだ!」
「駄々っ子か、お前は!」
ラムちゃんと……ラムちゃんとラブラブせねば!
ラムちゃんといちゃいちゃするんだ!
「そもそもお前、別にラムっちとはラブラブでも何でもないだろ!」
「な、何てこというんだ貴様! 現実を見せるな!」
「いやそれはちゃんと見ろよ!」
……そう。うずめの言うとおり、ラムちゃんとはラブラブでも何でもない。
確かに仲はすごく良いが、
「いや、かっこいいも思ってないだろ。仲の良い普通のお兄さんだろ」
「いいじゃんそんぐらいの幻想ならッ! 夢を見させてよッ!」
涙が出ちゃう。
だって恋する男の子だもん。
「あー、ほら、泣くなよ! さっきは言い過ぎたよ。お、俺はかっこいいと思うぞ!」
「もういーですよー、どうせ普通レベルの男ですよー、キモいですよー……」
「うわぁ、めんどくせえ……」
どうせ彼女いない歴=年齢-1年ちょいですよー……。
「……おい、待て。聞き捨てならないこと言ったぞ。マイナス1年ってどういうことだ」
はぁ……どうせラムちゃんとは月とスッポンですよ。
サイズ的にも。
「おい、マイナス一年ってなんだよ! おいってば!」
「はぁ……ラムちゃぁん…………」
「おいってばぁぁぁあああっ!!!」
結局、この日はうずめに一日引っ張り回されたがそのほとんどが記憶に残らなかった。
ラムちゃん………………。