破壊神NARUTO   作:落ち葉崩し

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共に歩む道

何もない空間。真っ暗な真っ暗な空間。その中にシスイはいた。

 

「ナルト、戻って来い、ナルト!!」

 

叫びと共に空間が開ける。ナルトの腹の中、九尾の狐の眠る最深層まで進入することに成功したようだった。

 

瞳術の中でだが。

 

そしてその世界の中心にいたのは九尾の狐。そしてその檻の中には小さなナルトが眠っていた。年にすると3~5歳位の姿だろう。

 

「このわしに瞳術をかけるとはお前はなかなかやるな。だがナルトは渡さん。お前達がこいつにしてきたことはわしが里にし他であろうことよりもひどい。わしが化け物だとしたらこいつに悪意を向けてきた人間たちは何だ?やつ等の悪意こそが化け物!そしてそんなものに支配された世界などわしが粉々にしてくれるわ!!」

 

九尾は怒りをあらわにする。ナルトの中から見ていた世界。ナルトの視線に見えていた世界は悪意に満ちていた。確かに優しいものたちもいたがそれ以上にナルトに向けられた悪意はすさまじいものであった。ナルトの中で九尾は感じる。自分と人間。本当の化け物はどっちなのかと。そしてナルトに対して少しの罪悪感が生まれる。

 

『自分が里を襲わなければこいつは幸せになれたのか?』と。

 

その気持ちと共にシスイに吼える。シスイに対し言葉を浴びせる。

 

「確かにそうだ。俺たちの仲間がナルトにしてきたこと、それは間違っている。そしてそれを止められなかった俺たちにも同じ罪がある。だが、ナルトはこんなことをしても何も喜ばない。あいつは優しいやつだった。そんなナルトが自分が里をめちゃくちゃにしたなんてことを知れば・・・今度こそナルトは居場所を失ってしまうんだ!!だから俺たちはナルトを助けるためにお前と戦う!」

 

シスイが九尾に立ち向かおうとしたとき肩に手が置かれる。

 

振り返ったときそこにいたのはうちはイタチが立っていた。

 

「イタチ?どうやって」

 

シスイは目を大きく開き言葉を吐き出す。

 

「簡単なことだ。止まっている九尾に瞳術を掛けた。お前と同じ術をな」

 

 

イタチは淡と答えると前に出る。

 

「九尾、お前の思いはよくわかる。だがお前のやり方ではナルトをさらに孤立させるだけだ」

 

イタチは須佐能乎を発動する。

 

「そんなもの、こいつの意識は戻させん!こいつはもうわしのものだ!」

 

九尾は走り攻撃をしかけんと牙をむく。

 

「イタチ、行くぞ」

 

シスイの周りにもチャクラが具現化する。須佐能乎だ。

 

「若造どもめ、しね!!」

 

チャクラを纏う巨大な爪が2人に襲い掛かるがそれを須佐能乎の剣で受け止める。

 

「ぐ、速い、それに重い」

 

「あぁ、だが負けるわけには行かない」

 

攻勢に転じるはイタチ。弓を引きチャクラの矢を放ち始める。

 

だが九尾はそれをことごとくかわしていく。だがイタチの狙いは九尾だけではなかった。

 

「シスイ!」「あぁ!」

 

イタチの呼びかけに反応するとシスイは剣を振りかぶり思い切り投げつける。その目標は檻。檻の上部をかすめ抉り取った瞬間九尾の尻尾の1本がナルトを絡めとる。

 

「ナルトは渡さんぞ!もうお前等の手に届くことはない!!」

 

そう告げ九尾は飛び上がる。

 

「喰らうがいい、尾獣玉!!」

 

九尾の口から黒い球体が生まれる。高圧縮されたチャクラである。そしてその玉は激しく膨張と縮小を繰り返し放たれた。

 

ドゴーーーン

 

炸裂する攻撃。それはイタチとシスイのいたところに直撃し衝撃波を生み出していた。

 

煙がはれ、そこに人はいない。だがしかしそこにあるものに目をむく。

 

「な、これは何だ?」

 

そこにあったものは二つの輝く光。そしてその光は九尾の身体にまとわりつく。

 

くそ、何だこれは!動けん!!」

 

その光は九尾の身体を締め付けるように形を変えていく。そしてその光から流れ込んでくるもの、九尾はそれに覚えがあった。

 

「これはクシナの、それに忌々しい4代目火影のチャクラと同じ・・・」

 

呟いた瞬間その光は鎖となり地面に九尾を縛り付ける。

そしてその前に降り立つシスイ。そしてナルトを縛り付ける尾を切り裂きナルトを改修したイタチもその前に立つ。

 

「これは一体?」

 

シスイもイタチも攻撃に対し須佐能乎でガードをしたはずだったのだが、その攻撃を受けきることができず吹き飛ばされた。そして反撃に転じようとした瞬間、九尾が光に包まれ鎖で地面に縛り付けられていたのだ。

 

そして2人が並び立ち九尾に歩み寄ったその瞬間だった。

 

イタチとシスイの身体を鎖が貫く。

 

「がはぁっ」「ぐっ」

 

2人も九尾と同じように鎖に貫かれ地面に縛られる。

 

「これは一体!?」

 

「わ、わからんだがひとついえることはこの鎖にチャクラを吸い取られているということ。瞳術を解かねば死ぬ。シスイ、解くぞ!」

 

「「解!」」

 

 

イタチとシスイが同時に術を解くと戻ってきた世界に目を向ける。

 

先ほどまでよりさらにひどい参上になっており、木の葉の忍びが1箇所に集まっていた。

 

その中には3忍や火影、うちはや日向、その他名家の忍びや他の上忍中忍が200人ほど集まっていた。

 

「イタチ、シスイ、気がついたか?」

 

カカシに声を掛けられ2人はうなずく。

 

「瞳術のなかで何があった。いきなりナルトが町の中心で暴れだしこのような参上になっている。そして暴れたかと思えば今はなぜか地面にうずくまっておる。なにがどうなっているのかわけがわからん」

 

シカクの言葉に先ほどまでの状況を説明する二人。

 

「ナルトの中で異分子が駆逐されているのか・それともナルト自身が身体の中で九尾と戦っているのか?」

 

話を聞いたイノイチの言葉に火影が反応を示す。

 

「多分そうじゃろう。ナルトの中で2人が攻撃された鎖は異分子を絡めとるために4代目が施した術式に違いない。じゃがなぜ今その術式が」

 

火影は首をひねる。そうなったときのためのものなら暴れだす前に起こるはずなのだから

 

 

「多分ナルト君の意識が変革したからかもしれないわ。最初は里のものへの怒りだったものがイタチとシスイが心の中に入っていってから何かしら変化したからかもしれないわね。まぁ仮定に過ぎないけど」

 

大蛇丸の言葉にまわりもうなずく。

 

「今の状態のナルトをどうするかが問題だのう。わしはどうにか九尾だけを封印しナルトは生かしてやりたい。今回の事件ナルトは何も悪くはないんじゃからの」

 

自来也の言葉に大半のものはうなずいているが少しやはり納得いかないものもいる。

 

「もうこんなにあいつに人が殺されたんですよ!?それをまだそんな悠長なこと言ってるんですか!?あいつが次いつ暴れだすかわからない今、おとなしくなっているうちに殺しに行くべきだ!」

 

 

「そうです!我等が今叩けば何とかいけるはずです!」

 

「もう我慢なりません!殺された仲間達のためにも俺たちはあいつを殺します!」

 

10人ほどの忍びが飛び出す。

 

「待て、待たんか!!」

 

火影の呼びかけにまったく耳を貸さず里の中心にいるナルトに対し攻撃を仕掛ける。

 

「しねぇぇぇ!!」「仲間の敵だぁ!!」

 

3人の忍びが飛び掛った瞬間鮮血が舞う。

 

その鮮血はナルトからもれたものではなく忍び達からもれたものだ。

 

そして忍び達の前に立つ金色に輝く獣。ナルトの身体から完全に飛び出している狐だった。その尾は九本あり、その目は怒りににじんでいた。

 

「ナルトめ、わしの力をほとんど持っていきやがった。だがわしは今自由!ナルトが意識を取り戻していないということは、わしの封印が完全に解けたと言う事だ!これはありがたい。こいつの中からだと完全に力が出し切れなかったからな。今の力でも憎き木の葉の里程度滅ぼしてくれるわ!!」

 

ナルトを殺さんと近づいてきていた忍び達を全て喰らう。悲鳴を上げるまもなく忍び達はかみ殺され食われてしまっていた。

 

「な、なんと、九尾の封印が完全に解けたじゃと!?」

 

自来也が驚きの声を上げる。

 

「まずいぞ、このままじゃ全滅だ!」

 

綱手の声に対しカカシ、イタチ、ダンゾウは指示を飛ばす。

 

「このままじゃ確実に里はなくなる。なんとしてでも止めるぞ」

 

「シスイ、天照でやつを焼き尽くす。今のやつのチャクラ量なら燃やしきれる」

 

「やつを囲め、全方位から一斉に術を仕掛けるのだ!!」

 

その声に反応し忍び達は一斉に飛び、九尾の周りに集まった。

 

「「天照!!」」

 

 

シスイとイタチの見つめる先は九尾の狐。そしてその見つめた先の空間に黒炎が現れる。

 

 

「ぐぎゃあぁぁぁ!この糞人間どもがぁ!!」

 

炎に包まれながらも九尾は叫び飛び上がる。

 

「これで粉々にしてくれるわ!!」

 

尾獣玉を口に作り出した瞬間なかったはずの気配が頭上とあごの下にあるのに気づいたが遅かった。

 

「仙法・超大玉螺旋丸!!」

 

「くらいなぁ!!」

 

頭上からは綱手の渾身の拳、下からは自来也の超大玉螺旋丸。

 

「!!!!!!!!!!」

 

それを喰らった九尾はその身体をよじらせ着地する。

 

その下に待ち構えたのは大蛇丸。

 

「五行封印!!」

 

打ち上げるように九尾の腹に五本の指をめり込ませる。

 

その瞬間九尾の腹に文様が浮かび上がる。

 

「ぐうっ、チャクラがうまく練れん」

 

傷ついた箇所を今まではチャクラで超速回復させてきたがチャクラが乱れて回復どころか身動きすらもままならない。

 

「これで終わりじゃ、九尾よ、貴様はもはやここまでじゃ、わしと一緒に死ね!屍鬼封

陣!」

 

突如現れる白い装束に身を包んだ鬼。その鬼は全てを喰らう鬼だった。

 

「猿飛先生、それは!!」

 

自来也が叫ぶ。この術は命と引き換えに対象を自らの身体に封印するための術。そして互いが死に至る術。

 

「猿飛先生、あなたがやる必要はないのになぜ!」

 

大蛇丸が珍しく声を荒げる。この術を火影として使わせるくらいなら自分がと思っていたからである。

 

「お前達、これからの里はお前たちに任せる。自来也、大蛇丸、綱手、お前たちで里を復興し、これからは優しい里を作ってくれ。カカシ、イタチ、シスイ。お前たちのその力で皆を守ってやってくれ。そしてこの里の玉を、未来ある子供達を、お前たちが導いていってくれ!じゃが今木の葉の里はわしが守り通す!これ以上わしの家族達を殺させはせん!」

 

叫びと共にヒルゼンの腹から腕が伸びる。

 

その腕は九尾をがっちりと掴むと九尾の中からそれと同じ形をしたものが引きずり出される。

 

「九尾よ、貴様の怒り最もじゃ。じゃがこれ以上好きにはさせんぞ!里を、家族を、ナルトを、返してもらうぞ!!」

 

その言葉と共に九尾の形をしたものが全て引き抜かれヒルゼンの身体に収まる。

 

「封印」

 

「くっそぉぉぉ!!」

 

ヒルゼンの言葉と共に九尾が吼える。その咆哮は里に響き渡り、その瞬間鬼は右手に持ったドスを振りかざし空間を切る。その瞬間ヒルゼンの体からは生気が抜け、力尽きたかのように地に伏せる。九尾の身体は里の上に覆いかぶさるように倒れた。そして少しずつ姿は薄れていきそこに残ったのはナルトの姿だけだった。

 

 

「「「「火影様ぁ!!!」」」」

 

皆が叫び近づく。ダンゾウが息を確かめるがすでに事切れていた。

 

「ヒルゼンよ、お前は里を守った。いつもお前はわしの一歩先を行く。そんなお前がねたましく、同時に誇らしかった。だからお前が守りぬいた里はわし等が必ず守り抜く。だからゆっくり眠れ。ヒルゼンよ」

 

ヒルゼンの隣に跪き右の目から涙を流すダンゾウ。その隣にひざを突き泣きながら手を掴むアスマ。

 

「親父、あんたは立派だった。俺もあんたみたいな立派な忍びになって見せるからよ、見ててくれよな」

 

そのアスマの背中に手を置く紅。彼女の目からもまた涙があふれる。

 

皆が火影の死に悲しみの涙を流している頃。

その輪から少し離れたところでは

 

ナルトの周りに集まる伝説の3忍

 

「綱手、猿飛先生が命がけで守ったこの子をあたし達が殺すわけには行かないわ。すぐに処置を開始するわよ」

 

大蛇丸の言葉にうなずく綱手。2人の人体のスペシャリストはすぐに処置を開始した。

 

「ミナト、クシナ、お前たちの子供はこれからわし等が守っていく。じゃから安心して眠れ」

 

自来也はナルトを見つめながら呟く。

 

「まずいぞ!これはまずい!」

 

綱手の言葉に大蛇丸があせりを見せながらも呟く。

 

「確かにまずいわね。人柱力は尾獣が身体から抜けたら死ぬのが普通だもの、息をしているのが不思議なくらいね」

 

今のなるとはへそのあたりの細胞が欠損しており穴が開いている状態なのだった。

 

「くっ、こんなの見たことがない、どうしたら助けられる!?」

 

綱手は自分のチャクラを少しずつ変換しながら細胞に流し込むが一向に傷はふさがらない。

 

「自来也!私が養子にとっていた香燐をつれてきなさい!あの子はうずまき一族の1人、あの子の力なら何とかなるかもしれない。この先の避難所に向かった列の中にいるはずよ」

 

大蛇丸の言葉にいち早く反応を示し返事もせずに走り始めた。

 

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「イタチ、シスイ、カカシ、お前たちは今から半日後の夕方ごろより各里に向けて建築をしているものたちへの依頼をしてきてくれ、わしの根の者たちにも同じように指示をしておる。できるだけ多くの者たちの力を借りられるように悪いが力を貸してくれ。金の心配はするな。予算は里が全額負担する。もちろん残った忍び達には苦労を駆けることになるが・・・」

 

ダンゾウの言葉にうなずく3人。

 

「また残ったものたちで負傷者の救助や手当てを手分けして行うのだ」

 

ダンゾウの指示により動ける忍びは全て動き出す。

 

 

「これでよいだろう、ヒルゼン」

 

ヒルゼンの死体をしっかりと抱えあげるダンゾウ。

 

ダンゾウの指示により全ての死体も回収され後日追悼の式典が行われることになる。

 

 

 

 

 

 

 

「香燐、ついて来てくれ!」

 

避難所の村で睡眠を取っていた香燐に呼びかけると香燐はびっくりして起き上がり、恐る恐るだがうなずく。そしてその香燐を背負いもとの場所に帰っていった。

 

 

 

「待たせてすまん、どうにも見つからんでのう」

 

自来也はすぐに香燐を下ろすとナルトの隣に連れて行く。

 

「今はいいわ、遅れたことは仕方ない、香燐あなたの力を貸して」

 

大蛇丸の言葉に香燐ははっとするも確りとうなずいた。

 

「ありがとう、いい子ね。綱手!」

 

綱手には自来也を向かわせている間に体質のことは話してある。

 

その綱手はナルトを座らせ、口をあけさせる。

 

その口に香燐の腕をくわえさせ、少し頭とあごを押さえる大蛇丸。

 

「くぅっ」

 

香燐が痛みに歯を食いしばりうめく。

 

「少しだけ我慢して、香燐、お願いよ」

 

大蛇丸の言葉に顔をゆがめながらもうなずく香燐。

 

その姿を綱手と自来也は見守っていた。

 

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「ここは?」

 

ナルトは見知らぬ空間にいた。そこには何もなくただ真っ白だった。

 

立ち上がろうと地に腕を突こうとするもそれはかなわなかった。

 

「あれ、俺動けねぇ?」

 

疑問を抱くナルト。ナルトは身動きが取れない。力も入らない。それに全てが真っ白の光に包まれていた。

 

 

「あ、俺死んだのか?あの時さされて」

 

記憶をたどるが結局そこからの記憶がまったくなかった。

 

「おかしいな、おれってば何も思い出せないや」

 

ナルトは目を閉じた。

 

「でもいいや、ここなんかあったかくて居心地がいいや。もうこのまま眠っちまおう」

 

目を閉じ息を吐くとナルトは考えるのをやめた。

 

だがそのとき声が聞こえた。

 

「ナルト、ナルト、目を覚まして」

「ナルト、まだ寝ちゃだめだってばね」

 

声が聞こえたほうに目を開き顔を向けるとそこには金色の髪の男性と赤い髪の女性がいた。

 

「ナルト、俺たちのせいでつらい思いをさせたな、すまない」

 

金色の髪の男が頭を下げる。

 

「ナルト、あなたの成長を見守れなくてごめんね」

 

赤い髪の女がナルトを抱きしめる。

 

 

「父ちゃん・・・母ちゃん」

 

以前一度だけ写真を見たことがある2人の顔。ナルトは2人の、ミナトとクシナの顔を見て思い出していた。

 

「ナルト、俺達のせいで里でつらい目にあってきたのは知っているよ。でも今までよく我慢したね」

 

抱きしめられたままのナルトの頭をなでるミナトの手からはぬくもりを感じた。

 

「ナルト、大きくなったね、優しい子に成長してくれてうれしい」

 

 

クシナは少しきつくナルトを抱きしめ涙を流す。

 

「父ちゃん、母ちゃん、俺ってば死んだの?」

 

ナルトはひとつの疑問を提示する。

 

クシナはナルトから身を離し首を横に振る。

 

「ここはね、生と死の境目さ。そしてナルトは二つの選択肢を持っている。一つは俺たちと一緒にあの世へ行く。もうひとつは現世に戻ってつらい現実を受け止める。そして強く生きること。どちらを選んでもいい。俺たちはお前の意見を尊重する」

 

ミナトの言葉にナルトは考える。

 

『里にもどって生きていても俺の居場所はねぇ。それに俺ってばもう生きるのに疲れた。それに父ちゃんと母ちゃんといられるならそれでいいってばよ』

 

ナルトはその瞬間に自分の名前を呼んでくれた人のことを思い出した。

 

火影、イルカ先生、シカマル、チョウジ、いの、キバ、シノ、ヒナタ、サクラ、サスケ、ゲジマユ、ネジ、テンテン、サイそれに優しくしてくれた何人かの大人達みんなのことを思い出していた。

 

『みんな、ごめんな、俺ってばもう疲れちまったよ。こんな俺を認めてくれてありがとう。こんな俺に優しくしてくれてありがとう。俺ってばもう行くよ。さようなら』

 

 

無言で父に手を伸ばすナルト。その表情にミナトは少し真剣な表情になる。クシナは泣きそうな表情だ。

 

「いいんだね?ナルト?もう戻れないよ?」

 

その言葉にうなずくナルトの表情は非常に晴れやかだった。

 

「わかった。クシナ、ナルトの手をもって。行くよ」

 

ミナトはナルトの決意に何も言うことはなかった。だが本心としては生きてほしかった。自分が愛した里を受け継いでほしかった。だがナルトの状況を見守ってきたミナトはその言葉をいえなかった。クシナも同じだった。

 

右手をクシナに。左手をミナトに。それぞれの手を強く握り締める2人の手に、ナルトは笑顔になる。

 

「俺ってば父ちゃんと母ちゃんと手つないだの初めてだからな、うれしいってばよ」

 

ナルトは前を行く2人に笑い駆ける。

 

「あぁ、でもこれからはずっと一緒さ。ナルト」

 

「そうだってばね。次の転生のときまでは一緒にいられる。甘えさせてあげるってね、ナルト」

 

ミナトもクシナも泣きそうになるのをこらえ笑顔を向ける。

 

ナルトはそれにうれしそうにうなずいた。

 

そして3人はゆっくりと光の先に歩いていった。そして光に包まれるとそのままフっと消えてしまった。3人が消えた先には何があるのかはわからない。

 

 

 

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「ナルトの傷がふさがった!香燐、よくやったね、ありがとう」

 

綱手は歓喜の声を上げる。大蛇丸も自来也もほっと息をつく。香燐も自分のをほめてもらえたのはまだ両手で数えられるくらいだったため少しうれしそうにしていた。

 

「綱手、あとは時間が解決してくれるわ。少し休みなさい。自来也この子を任せてもいいかしら?チャクラを使いすぎたわ」

 

綱手はうなずくとそのまま眠りに落ちた。相当疲れていたのかその場に寝息がもう聞こえてくる。

 

大蛇丸は香燐を抱え避難所に向けて走り始めた。まだ朝日が昇ってきていないことを考えると戦闘時間は半日程度。その時間に普段は寝ている香燐はすでに大蛇丸の背中で眠っていた。

 

「香燐、あなたのおかげで師の残した宝を守ることができたわ。ありがとう」

 

眠る香燐に呟くと大蛇丸はまた走る。揺らさないように、起こさないように。

 

 

 

「ナルト、今はゆっくり休め、そしてこれからはお前の世話はわしがしてやる。お前の両親に代わってわし等がお前を一人前の忍びにしてやるからな」

 

そして自来也はナルトを抱きかかえ負傷者が眠っている仮設の建屋に入っていった。

 

 

 

 

「自来也様、ナルトは?」

 

いち早く自来也に気づいたヤマトの問いに、自来也は首をたてに一度だけ振る。

 

「よかった。木遁で建屋を作ります。その中でナルト見てやってください」

 

その言葉のとおりヤマトはその建屋の隣にも小さな建屋を1つ作り上げる。

 

「傷ついた忍びが何か間違いを起こしてはいけません。自来也様はそちらについていてください。信用できる医療班をそちらに向かわせます」

 

その言葉と共にヤマトは一礼して去っていく。

 

自来也はナルトを寝かせ、綱手も連れてくると隣に寝かせた。

 

そしてその2人を眺めながら自来也も眠りについた。

 

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朝日が昇ったとき、ナルトの身体は動かなくなっていた。そして息もしていない。

表情は穏やかでどことなくうれしそうな表情のまま息を引き取っていた。

 

 

 

 

5日後盛大な追悼式が行われた。死者数総勢1700人、住居や建物は全て壊滅。残されたのは瓦礫と300人ほどの上忍達と多くの下忍。それに女性や老人や子供達。その目には皆涙があふれていた。

 

「古い木の葉は滅んだ。そして我等が新しい木の葉を再建する。亡き先代達、そしてヒルゼンが望んだ平和で優しい里作り。これを我等が成し遂げよう。そして10年前の10月10日より今日まで、里の皆から迫害を受け続けた少年、うずまきナルト。この少年は生まれながらに身に九尾を宿し里の犠牲となった。彼はなにも悪くなかった。悪いのはわれ等大人たちのみ。そしてそれを子供達に押し付けた大人たちよ。悔い改め今より新しい木の葉のために尽力せよ。それがせめてもの償いとなる」

 

ダンゾウの声が集まる群衆に響く。

 

「そして死んでいったものたちのことは忘れてはならない。同じ里に暮らした仲間達が迷わず死にいけるように、いつまでも涙を流すことなかれ。前を向き今日を生きよ」

 

その声の響いた瞬間ダンゾウの前にあった祭壇に火がともされる。

 

「木の葉の仲間達よ。安らかに眠れ。そして木の葉の里を見守ってくれ」

 

煙は天に届いていた。その煙の周りには小さな光がいくつも輝いていた。その光は煙に導かれた死者の魂だったのかもしれない煙を道しるべに天に帰っていったのかもしれない。

 

その火が消えるまで里の者達は皆涙を流し、死者を憂いた。

 

子供達も皆泣きじゃくる。ナルトを友と呼んだ12人は皆が一様に大粒の涙を流していた。

 

そしてその日から木の葉の里でナルトの悪口を口にするものはいなくなった。

 

そしてその日から木の葉の里には銅像が立てられた。

 

式典のあった会場から少し歩いた先の小さな公園。10歳のナルトがミナトとクシナと手をつないで歩いているような姿をした銅像が。公園の端っこでひっそりと立てられていた。

 

その姿はまるで仲のいい親子のようだった。




一応完結はしましたがもう1話エピローグを書きます。

なんか尻すぼみな感じになっちゃって恥ずかしいですが読んでいただいた皆様、ありがとうございました!
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