アカデミーに通っていた子供達も忍となり立派に働いていた。
そして里を変えるためたくさんの人々が尽力した。
「火影様、任務完了しました」
先頭に立つのは白眼の姫、日向ヒナタ。
16歳にして上忍であり、数々の危険な任務をこなすようになっていた。
その白眼であらゆるものの本質すら見通しているのではないかという程の実力をつけ、以前のおどおどとした姿は一切感じられなかった。
「お疲れ様、あなた達のおかげで今回も里への被害なく進めることができたわ。今日、明日はゆっくり休みなさい。それに明日はあの日。あなたには思い入れもあるでしょう」
5代目火影となり、里を統治する大蛇丸が言葉を投げかける。
明日はナルトが死んでから8年の日。
伝説の3忍である5代目火影、大蛇丸。木の葉医療忍者統括司令官、綱手。木の葉全忍育成部総括官、自来也。
この3人とダンゾウの尽力もありこの日をナルトの死を弔う慰霊祭の日とし、里の皆で追悼を行う日としたのだ。
「はい。有難うございます」
ヒナタは一礼し、その場を後にする。小隊の隊長であるヒナタに続き若き忍達が一礼しその場から離れる。
そして部屋を出るとヒナタから言葉がかかる。
「今日はお疲れ様。明日は追悼式があるから私は準備もあるし帰るわね。みんなも今日は解散でいいから」
そう言うと廊下を右に曲がり歩き始める。
その時の表情は決して明るくはなく、むしろ悲しくくらい表情であった。
その後ろを小隊に所属した1人の忍が追いかけ呼び止める。
「ヒナタさん!」
ヒナタは振り返ることなく立ち止まる。
「ヒナタさん、俺やっぱりあなたのことが好きです。うずまきナルトさんはもういません。死んだ人は帰ってこないんですよ!だからあなたも『黙りなさい!』!?」
その忍の言葉にヒナタが語気を荒げ言葉をぶつける。
「あなたに言われなくてもそれくらいはわかっています。ですがあなたと私は他人同士。そこまで干渉されるいわれはありません。それと…」
言葉を止めると一瞬でその忍を壁に叩きつけ首にクナイを突きつけ白眼で睨みつけながら話す。
「ナルトくんのことをもし悪く言うのであれば手加減はしません。私は今までもこれからもナルトくんを想い続けます。あなたと私は忍としての上司と部下。それ以上のことはありません」
クナイを引き踵を返すと歩き始めた。
ヒナタは振り返ることはない。過去に縛られているわけでもない。ただナルト以上の人を見つけられていないだけ。
優しく、自分が傷ついているのに人の心配をしてしまうほどのお人好しで、心が強く、何事にも諦めることはしなかった。そんな彼を見つめていたから。
そしてヒナタは家に帰ると明日のために準備を始めた。
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「シカマル!シカマル!」
呼ばれたような気がして目を開けるとそこにはいのとチョウジ、それに我愛羅、カンクロウ、テマリ達がいた。
「な…んだよ…うるせ…な」
「喋らないで!今治療をしているから、必ず助けるから!」
いのは必死にチャクラを流し傷を癒す。
シカマルの傷はかなり深い。
砂隠れとの合同任務の際に仲間を守るために最後まで立ちはだかり、我愛羅とともに前線に立ち続けた。
その最後の敵からの攻撃からテマリを守り鈍刀・兜割の一撃を身に受けたのだった。そしてその敵は我愛羅により倒され任務は終了していた。
「シカマル!死ぬな!私を残して死ぬな!」
テマリは大粒の涙を流している。この春若くして2人は結婚していたのだ。まだ制約上テマリは砂隠れの忍だが、今年の冬には木の葉の一員になる予定なのだった。
「シカマル!約束したじゃないか!あの時私と共に生きてやるって言ったじゃないか!だから…」
シカマルの右手を握りうつむき涙を流す。
そんなテマリの手を優しく握り返しシカマルは視線を向けにこりと笑う。
「あたり…まえだ。それ…に、いのが…助けて…くれるさ。俺は…仲間を信じてる」
その言葉にいのも笑う。
「あったりまえよ!私は綱手様の弟子で、医療忍術のスペシャリストになるのよ、絶対助かるから!チョウジ、カンクロウさん、チャクラを分けて!」
先頭でほとんどチャクラを使ってしまった我愛羅、テマリと違い、カンクロウとチョウジはうなずき駆け寄るといのにチャクラを流し込む。
「いの、頼んだよ!」
「シカマル、あとちょっとじゃん!お前も頑張れ!」
2人の言葉にいのもシカマルも頷いた。
20分後…
「はぁぁぁ、疲れたわぁ」
いのが後ろに倒れこむ。チョウジとカンクロウもほとんどチャクラを分けてしまったため後ろに腰を下ろしていた。
「でもまぁ」「よかったじゃん」
チョウジとカンクロウは正面に仰向けで倒れたままだが傷が完全にふさがったシカマルと、隣で涙が止まらなくなっているテマリを見て呟いた。
「テマリ、もう泣くなよ…俺は生きてる」
「うるさい、ほんとに、ほんとに心配したんだからな!」
シカマルの言葉にテマリは少し怒ったように声を大きくするもその表情は嬉しそうだった。
そしてシカマルの胸に顔を当てシカマルの心臓の音に耳をすませるテマリ。
「本当に、生きててよかった。シカマルが死ななくてよかった」
涙ぐみながらも笑顔でつぶやくテマリを愛おしそうに抱きしめたシカマル。その表情は他の人には決して向けられない、本当に優しい表情だった。
そのままの体勢のままシカマルは視線を他の3人に向けた。
「いの、チョウジ、カンクロウ…助かったぜ」
シカマルが呟くと3人は笑いながら頷く。
「我愛羅、お前のおかげで任務も終えられた。ありがとな」
木にもたれたまま動かなかった我愛羅も膝をつき這いながらも近寄ってきて呟く。
「あぁ、お前のおかげで誰も死なずに済んだ。こちらこそ感謝している」
我愛羅の言葉にシカマルも満足げに頷いていた。
「じゃぁ休んだら帰りましょうか。来週は慰霊祭だし、ここからなら1日前には帰れるでしょう」
いのの言葉にシカマルがうなずきチョウジが口を開く。
「もうそんな時期か。早いよね」
3人が同時にうなずく。
友達だったナルトが死んでからすでに8年近く。自分たちも大人になり、忍となり、シカマルはすでに上忍であり結婚までしているのだから。
「毎年思うんだ。あいつの分まで今年も頑張らなきゃって」
いのは空に向けてつぶやく。懐かしい金髪の少年を思い浮かべながら。
「そうだな。ナルトの分まで僕たちが頑張らないとね!」
チョウジが立ち上がり意気込んで見せる。その表情は明るい。
「ま、今はもうちょい休ませてくれ。まだ走れねぇ」
シカマルの言葉にみんなが笑い出す。
しっかりと休息をとった後、木の葉に向けて6人は走り始めた。
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「兄さん、こっちは終わったぞ」
「早かったな。シスイもじきに来るだろう」
「待たせたな。人数が多くてな」
3人は木の葉の里に対し宣戦布告してきていたとある国の城の上にいた。
3人でその国の戦力のほとんどを削り取ったのだった。
後は大将であるこの国の長を殺れば終わりというところまで来ていた。
「イタチ、サスケ、この下だ」
シスイの言葉に、うなずくと3人は飛び上がり一斉に須佐能乎を発動する。
その巨大な刃が城に3本突き刺さると城は一瞬で粉々になり、イタチの須佐能乎の刃の先にはこの国の長である忍の体がついていた。
そしてその死体を封印の巻物に封印し任務は完全に完了した。
「今回はまだ楽だったな。この程度で木の葉を倒そうなんて考えてたというのか?」
「いや、多分ここはそのうちの1つに過ぎない。多分近隣諸国と手を組んでいたのだろう。城の中の書物庫にその類のものが大量に保管されていた。今回の木の葉への宣戦布告の条約を交わした連判状は頂いてきてある。これによると潰すべき国はあと7つ」
「7つか、まぁ2週間ってところかな?」
3人はわけもないといったように会話を続ける。
「今年はナルトの慰霊祭に出られそうにないな」
サスケは空を見上げつぶやく。そして心の中でナルトに謝っていた。
「そうだな。早めに片付けておきたいからな。じゃぁ次に行くか」
「そうだな。サスケ、帰ったら墓参りしてやればいい。今は次のことを考えろ」
イタチとシスイの言葉にサスケはうなずき走り始めた。
火影直属暗部1番隊隊長うちはイタチ、副隊長うちはサスケ、参謀長うちはシスイの3人は木の葉を守るため日々戦い続けるのであった。