破壊神NARUTO   作:落ち葉崩し

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あれから…中編

サクラ、ネジ、シノは綱手の元で修行を行っていた。

 

ネジは白眼を、シノは虫を利用した新たな分野での医療忍術を、サクラは自らのチャクラコントロールによる治療術や、手術のやり方、また薬剤の汎用など様々な分野のを徹底的に修行していた。

 

「綱手様、白眼の応用による治療法をまとめてみましたのでお目を通していただけますか?」

 

「虫たちから出る成分で薬を調合してあります。成分の分析が済み次第また報告します」

 

「綱手様!ついに体組織の変換に成功しました!」

 

毎日毎日研究施設で繰り返される日常。

 

綱手と3人はいつもここで修行と研究を行っていた。

 

綱手は他にも研究所を抱えており、そこで医療忍術の教育や、応急処置の医療マニュアルの作成、簡易医療忍術術式キットなどの開発も手がけていた。

 

3人もそれらに協力しており、すでに幾つかの実績はあげていた。

 

「ネジ、ここは少し治療法としては適切ではないな。ここの場合はどうしても……」

 

「うむ、その成分の分析が終わり次第実感に移ろう」

 

「本当か!よくやった。それができるようになれば手術や治療の幅は格段に増えるからな!次は……」

 

綱手は忙しいながらも充実した生活を送っていた。

 

3人の愛弟子への指導や、今は諸国を漫遊し腕を磨いているシズネとの手紙のやり取り、前線の医療班として、いのや他の忍たちに教鞭を振るう毎日であった。

 

それはあの時助けられなかった命があってこそだった。

 

自分がもっと技術を身につけていれば。もっとしっかり治療ができていれば。

 

仲間を失う辛さを知っているからこそ今こうしてたくさんの仲間を守るために里で自分の持てる力を発揮しているのだった。

 

そして今日も修行は続く。

 

「サクラ、ネジ、シノ!今日中にやれることは片付けるよ!明日は慰霊祭だからね!」

 

綱手の声にはっきりと返事をし、修行に取り掛かる。

 

亡き友の暮らした里を守るために。亡き友の想いを守るために。

 

################

 

「リー、キバ、テンテン、あなたたちに召集令状が来ています。3ヶ月後の中忍試験の試験官をして欲しいと。特別上忍のあなたたちにね。どうかしら?」

 

大蛇丸の言葉に前に立つ3人は即答する。

 

「わかりました。引き受けましょう!僕に任せてください!」

 

リーは大きな声で返事を返す。その目には炎が灯っていた。

 

「俺もやりますよ。な、赤丸!」「ワン!」

 

キバは隣にいる大きく成長した赤丸を撫でながら返事をする。

 

「私も引き受けます。今回は木の葉が主体ですよね?他の忍の選出は?」

テンテンの問いに大蛇丸が答える。

 

「他の試験官については木の葉からは3人選出してもらうわ。他に砂、雲、霧、岩から3人ずつ、計18人の試験官で試験は行われるわ。来週から会議があるだろうからお願いね。総責任者は私、現場責任者としてあなたたち3人に動いてもらうわ。いいかしら?」

 

「「「はい」」」

 

3人は返事をすると大蛇丸に一礼し部屋を出てその足で甘栗甘に向かった。

 

「責任者か。頑張らねぇとな」

 

あんみつを食べながらキバがつぶやく。試験官をするのは初めてではないが責任者になるのは初めてだったため、少し緊張しているのか表情が硬い。

 

「そうですね、絶対成功させましょう!」

 

リーは意気込み声を大にする。初の試験官であり責任者という重大なことを任されたのが嬉しいようだった。

 

「ええ、でも他の里からも応援があるならそんなに大変なことではないわ。ただしっかりと準備をしておけば大丈夫なんだからね!」

 

パフェのスプーンを動かしながらもテンテンは真剣な表情で言う。

テンテンは前回も責任者として働いていたため、もう慣れたものなのであった。

 

「でもよ、今回はリーが初めてだからな。今のうちに教えられるところは教えておいたほうがいいな」

 

キバはあんみつを食べ終え、お茶を飲む。そして一息ついてテンテンに同意を求める。

 

「そうね、多分キバとリーは2次予選の時の教官になると思うからそこを重点的にね。3次以降は私が監督として動くから、2人はその補助をお願いね」

テンテンの言葉に2人は頷く。

 

「じゃぁ今から少し説明するから聞いてね。わからないことがあったらすぐに聞くこと。いい?」

 

テンテンの問いにリーは返事をし頷く。キバも頷き鞄から手帳を取り出す。

 

 

1時間後

 

「まぁ大まかな流れはこれくらいね。あとは細かいところはおいおい打ち合わせしていきましょう。それじゃぁ今日は解散ね。明日は遅れないようにね。ちょうどあの日だからね」

 

「ありがとうございました、テンテン。一応流れはわかりましたし、あとは他のみんなも交えてですね!」

 

「あぁ、じゃぁ俺はこれで帰るわ。会計しとくからお前らも帰れよ」

 

キバは伝票を持ち会計をすませるとすぐに店を出て行った。

 

「リー、帰りましょう。今日は私が当番だから買い物手伝ってね」

 

「はい!任せてください!」

 

そう言うとリーはテンテンに手を差し出す。おずおずとその手を握るテンテンはさっきまでの仕事のできる女性でなく乙女だった。

 

「もう明日で8年ですか。早いもんですね」

 

「ええ、あの日のことは忘れない。ナルトのことも忘れない。そして里を変えていくのは私たちの仕事。もうあんな悲しい事件が起きなくてもいいように」

 

里を歩きながら2人はあの時のことを思い出す。

 

自分たちはまだ子供で何もできなかった。ナルトを助けることも。里のみんなを変えることも。

 

「テンテン、僕はこれから里のみんなを守り続けますよ。もちろんテンテンも」

 

強く優しくテンテンの手を握るリーは暖かい笑顔でいつもテンテンを支えていた。

 

「ええ、でも私もリーを守るわ。だって私は忍なんだから!」

 

テンテンも強く握り返した。

2人はゆっくり歩いていく。2人の未来に向かって。

 

################

 

あの事件のあと。里の上層部。

 

「あなた方が見過ごしてきていたことのおかげで今回の事件が起こった。そのことについて何か言いたいことはありますか?」

 

上忍集を引き連れ、伝説の3忍が上役会議に出席していた。

 

その真ん中に座る大蛇丸からの静かだが鋭い言葉。それが上役達に鋭く突き刺さる。

 

「そうだのぅ、あんたがたが里の者たちに事実を伏せるということを決断したせいでこうなった。里の者たちが真実を知っていたならばこんなことにはならなかっただろうからのう」

 

右に座る自来也が告げる。その目は鋭く睨みつけられた上役たちは唾を飲み込む。

 

「そんなかなとはもうどうだっていいんだ。この落とし前、どうつけるおつもりですか?」

 

綱手が上役の中の代表を務める男に問いかける。

 

「そ、それはだな。これからは里のために尽力し、里の復興の支援はこちらで全額を支払う。そしてその間は「それじゃぁ足りないのよ」!?」

 

 

上役の言葉をさえぎり、言葉をかぶせたのは大蛇丸。

 

「もう残った忍は数少ない。残ったのはほとんど下忍。それも腐った大人たちが残した子がほとんど。そんな子達をこれから変えていくためにどれだけの時間がかかるのか、そしてその責任のほとんどを担っているあなた方が里の上に立っているなんて私たちが許さないわ。今すぐ退陣し、この里から去るか、ここで私たちと戦うかどちらか選んでください。あなた方の古い考えではもはや里は変わらない。これからは私たちが時代を作ります。そして各里たとの確執を取り払い、すべての里が戦いで傷つけ合うのではなく平和で共に助け合う世界を作る。それが私たち残されたものの務めなのよ」

 

大蛇丸の言葉が終わると後ろに控えていたイタチ、シスイ、カカシは刀を抜く。他の上忍達もクナイを構え威嚇する。

 

3忍も立ち上がり臨戦態勢に入る。

 

上役たちは激しく抵抗の意を見せる。

 

「待て!これまで我らがどれだけ里のために尽くしてきたか知らぬわけではないだろう!」

 

「お前たちが今こうして生きているのも元をただせばわしらのおかげ!そんなわしらに里を去れというのか!」

 

「お前たち、わしらを敵に回してタダで済むと思うのか!今ならまだ許してやる!剣を引け!」

 

皆が言葉を吐き大蛇丸に食ってかかるがそれはもはや無駄な行為だった。

 

「交渉決裂ね。綱手、自来也、あなたたちは手を下さなくていいわ。これは私の仕事。自来也、あなたは火影としてこの里を導きなさい。そして平和な世を作り上げて猿飛先生に見せてあげなさい。綱手、このバカが無茶しないように支えてあげて。お前の力は私が一番よく知っている。お前になら任せられる」

 

そういうと一瞬で上役の腹部を大蛇丸の腕が貫通する。

 

辺りに血が飛び散り悲鳴が上がる。

 

だが大蛇丸の思惑通りには進まない。

 

ズガァン!!

ドゴォン!

 

左右から聞こえる轟音。大蛇丸は左右両方にいる昔からの仲間を見るとつぶやく。

 

「あんたたち…」

 

「バカ言ってんじゃないよ、大蛇丸。あんただけに重荷を背負わせるわけないだろ!」

 

綱手は拳についた血を振り飛ばしながら笑う。優しい表情に鋭い目。真剣な強い目で大蛇丸を見る。

 

「そうだってーの。それにお前が火影になるんじゃ。わしと綱手がお前が馬鹿をしないように見張る側じゃからな!」

 

自来也は目の周りに隈取りができた目で笑う。そしてその力で隣にいた上役を一撃で沈めていた。

 

「3忍に続き1人残らず殺せ。木の葉の里を変えるためだ!」

 

カカシの声を皮切りに部屋の半分を埋めていた上役たちはその半分以下にも満たない人数の忍に完膚なきまでに叩き潰されていた。

 

その3日後、上役たちの家から出てきた今までに不正に木の葉から横領していたものが全て没収され、その家族たちが隠してきたものもすべて里に返還させられた。

 

その後上役たちの家族はすべて里の復興などの仕事を割り当て、その分の報酬をしっかり与え、生活環境を変え、今までと違い楽をして暮らせるようなことはさせなかった。

 

そしてその後革命的な改革していき、1年後、ほとんどの建物が建てられ、今までのような生活を送れるようになった頃に開かれた五影会談。

 

5代目火影として大蛇丸が就任して初の五影会談において、人柱力のあり方。1年前の失態、そしてそこからの立て直し。そして今里にいる人柱力への対応の改善を願い出た。

 

そしてその甲斐あってか、人柱力との関わり方は大幅に改善され、一度木の葉の里に人柱力が集まり、ナルトの慰霊碑に手を合わせに来たことがある。

 

人柱力の皆は揃って同じようなことを言うのだった。

 

「あなたのおかげで俺たちは人として暮らせるようになった」

「お前と友達になりたかった」

「君が変えてくれたおかげだよ」

「お前が死んでいるのが本当に残念でならない」

 

皆が一様に手を合わせナルトに礼を言い冥福を祈ってくれたのだ。

 

彼らを取り巻く環境を変えたのは、木の葉の里を救うために2度も犠牲になったナルトだったのだ。

 

その日3忍は慰霊碑の前で手をあわせる。

 

長い時間のようで短い時間。だが彼らにとっては大切な時間なのだ。

 

「さて、大蛇丸。私は研究施設を回ってくる。医療忍者はいくらいても足りないからね」

 

大蛇丸が火影になり、自来也が忍の育成、綱手は医療忍者の育成に力を注いでいた。

 

「わしはそろそろ下忍たちの修行の時間じゃ。しごいてやるかのう!」

 

綱手と自来也が共に大蛇丸に背を向け歩いていく。

その背中は力強く、優しく、暖かい何かに包まれているように見えた。

 

「私も負けてられないわね。まだまだ木の葉は良い里になる。猿飛先生、あなたに負けない立派な火影になってみせます」

 

空に向けつぶやく。そして大蛇丸は踵を返し歩き出した。

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