そうだ、プラモデル作ろう。   作:迷人(takto

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ガンプラ

日も暮れ始め、徐々に空が赤みを帯び始める。大学の講義終わりの金曜日は、何もかもから開放されたように晴れやかな気分だった。

余裕が出てくると、いつもよりも視界が広くなった感じがする。今まで気にも留めなかった店を見つけたり、見かけなかった猫を見つけたりして、ちょっと楽しくなってくる。

そんな中、一軒の玩具屋を見つけた。少し古ぼけた、どこか懐かしい雰囲気のお店。入店してみると、店の雰囲気には似つかわしくない最新の玩具が並ぶ。今でもここは現役なのだろう。

店内の一角で見つけたのは、戦車や戦闘機、車やロボットと、さまざまな種類のプラモデルだった。中でも目をひいたのは、昔見ていたテレビアニメ、「機動戦士ガンダムseed」のプラモデルだった。内容も良く分かっていないのにアニメを毎週欠かさずに見ていたあのころ、主人公の乗っていた青い翼のロボット「フリーダムガンダム」に憧れ、一度だけプラモデルを買ったことがある。

説明書とにらめっこしながら作り上げたそれは、アニメでみたよりも一層かっこよく見えたものだ。

今見つけたこれは、あのときのリメイク版のようだ。最新の技術をふんだんに盛り込み、昔よりもより細かく劇中の機体を再現しているらしい。

何故だか無性に欲しくなってくる。今は別にほかに欲しいものもないし、財布の中も確認したが、プラモデル一つ買うくらいは余裕だった。手に取った箱をレジにいたおじさんの下へと運び代金を払う、袋に入れられたプラモデルを受け取って、その店を後にした。

歩いて家に帰る途中、何度も手元を見て笑みをこぼしてしまう。まるで昔の自分に戻ったかのような感覚だ。早く帰ってこれを作りたい、完成したところを見たい、期待に胸を膨らませていた。

帰宅後、プラモデルを作るためのスペースを確保した後、早速製作に取り掛かった。

箱を開けてから思い出す。そういえばニッパーをもっていただろうか?あわてて部屋中を捜索、引き出しの中に何かで使うだろうととっておいたニッパーを発見。改めて箱のもとに向かう。ランナーを包んでいるビニールを破いて開き、説明書を見ながらランナーの欠損がないかを確認する。昔のやつはこんなにパーツがあっただろうか?やはり新しいものはそれだけしっかり作られているのだろう。

早速説明書どおりにランナーからパーツを切り取っていく。パチン、パチンという小気味の良い音が響く。この感覚がとても懐かしい。どれだけプラモデルというものに触れていなかったのかが良く分かる。

塗装していなくてもパーツはしっかり色分けされていて、昔よりも更に再現度が高くなっていることが分かった。説明書に書かれていたランナーの番号を探してみると、そのランナーが見当たらない。どこだ、ランナーはしっかり全部入っていることを確認したはずだが。

と思っていたら、さっきまで持っていたものと同じランナーのパーツだった。あぶないあぶない。昔もこうして焦ったものだ。組み立てていたときに、頭のパーツ分割には流石に驚いた。だって顔の灰色の部分がシールじゃないんだもの。昔は無かったギミックがあることははっきり分かった。合わせ目も目立たないし、今の技術すごいって思う。パチリパチリと組み立てて頭、胴体、腕、足とだんだん組みあがっていく。自分は最後に一気にひとつにまとめるのが好きなので、あえて説明書どおりにパーツを全部あわせたりはしない。

この機体の特徴である翼の部分が出来上がると、ようやく完成が見えた。胴体を基準にパーツを組み合わせていって、最後に武器を持たせる。こうして1/144フリーダムガンダムが目の前に出来上がった。時計を見てみると実に1時間は経っていた。こんなに集中して物を作ったのは久しぶりだ。出来上がったプラモデルをいろんな角度から見てみる。やはり頭の中で思い浮かぶ言葉は、カッコイイという一言だ。適当にポーズを取らせて見ると、アニメのワンシーンが蘇ってくるかのようだ。説明書を参考にポーズをとらせてみようと思い見てみると見慣れない形態があった。翼を広げた状態で肩のビーム砲を展開させている、劇中では見たことの無かったが、こんなことが出来るようだ。試しにやってみると、なんだこれ、すごくカッコイイ。大きく開かれた翼が機体をより大きく見せる。パーツの関係上少しとらせるのが難しかったが、これはいいものだと思えた。自分の作ったプラモデルってやっぱり一番かっこいいのではないか、そう思ってしまう。久しぶりの模型作りは、とても有意義なものだった。出来上がったプラモデルを棚に飾りながらそう思う。それから、また作りたい、そういう衝動に駆られた。

今度はライバルのプラモデルを作ってみたいな。ジャスティスガンダム、売ってるかな?

またお金に余裕があったら買いに行ってみよう。

そうだ、夕飯の支度をするのを忘れていた。急いで台所に向かって夕飯をつくらなくては。

後日、またあの玩具屋に行くと、昔のジャスティスガンダムのプラモデルはあったが、リメイクはされてなかった。しかしRGというすこし高級そうな箱に入ったものを見つけたので買ってみた。少し高くて財布には痛かった…。

この前のように作ってみた。明らかにパーツの量が違って苦戦したが、出来上がったものはとてもかっこよかった。この前のフリーダムと並べると、クオリティが違いすぎてなんとなく微妙だった。

作るのは大変そうだけど、今度はRGのフリーダムガンダムを買ってみるかな。

 

おわり

 

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