『眠い・・・』
数学の時間、眠気と戦っていた。担任の授業という事もあり迂闊に寝れない。
何か退屈しのぎになるものはないかと思いグランドを見ると2年生が体育の授業をしていた。どうやら修達のクラスみたいだ。
男子はサッカーで女子はソフトボールだ。女子の方は奏がハッスルしており一方的だった。これはまだいい、問題は・・・
『なんであの二人一緒なんだよ・・・』
男子の方だが修と若林が一緒のチームで女子よりも一方的だった。
『素人が若林から点は取れないだろうし修からボール取るのは無理だろうな・・・』
サッカーを見ながらそんな事を思っていた。
『けどもしあの時あの能力が出なかったら修は今頃・・・』
修の様子を見ながら俺はある事を思い返していた・・・
12年前
「あれ、どこ行くんだ?」
遊びから帰ってくると修がどこかに行くみたいだったので聞いた。
「茜と奏が公園に遊びに行くからついていくんだ。」
「おふくろに留守番してるように言われてたんじゃ?」
「そうなんだけど、二人が心配だから。」
「なら俺も行くよ。」
「ありがとう、烈兄さん。」
この時俺は知らなかったこの後あんな事になるなんて・・・
「そろそろ帰るぞー」
「私達はまだ遊んでたいの。」
奏と茜に合流しある程度遊んだので奏に帰ろうと言ったのだがまだ満足してないみたいだ。
「母さんに怒られても知らないよ。」
「わたし帰る。」
「ちょっと待って茜、いいもの出してあげますわ。」
そう言って奏は茜が好きな特撮の変身セットを出した。
「そんな物だして大丈夫か?お年玉なくなるぞ、能力使うと減っていくんだろ?」
「むう~」
俺と奏のやりとりをよそに茜は変身セットを身につけて楽しんでいたおり嬉しくなったのかおふくろに見せると言った。
おふくろにバレるのが嫌なのか奏は更に能力を使い城を出した。
「わあ~凄い~」
「確かに・・・」
茜と俺は驚いており茜は早速入ろうとしたがどうやら奏の貯金が底をついたのか城に入るための階段がなかった。
修が能力を使い茜を城に連れて行こうとしたがムキになって階段を作ろうとしたら・・・
「あれ、柱が・・・」
修が言うのと同時に城を支えてた柱が消え城が崩れ始めた。
このままでは城の近くにいる茜に破片が直撃してしまう。茜を助けようと茜の所に向かおうとしたら・・・
「茜ー!」
と修が先に走り出しておりそれと同時に城が完全に崩れた。
「ててて・・・どうなったんだ?」
城が崩れ砂ほこりで何も見えなかった。徐々に晴れていき見えた光景は最悪の物だった・・・茜は修が助けたのか直撃は免れたが修は右足に破片が直撃していた。
その後近くにいたSPが救急車を呼び俺達は病院に連れて行かれた。俺と奏は大きな怪我はなかった。茜も特に大きな怪我はなかったがショックからか事故の前後の記憶がないらしい、そして修だが・・・
「嘘だろ・・?」
破片が直撃したからか右足の運動機能に後遺症があり激しい運動が出来なくなってしまったのだと。
「俺があの時ちゃんと三人に留守番するように言ってれば・・・嫌、それよりも俺が遊びに行かないであいつらと留守番してたら・・・」
翌日、俺は病院の隅っこで修がサッカーができない事を受け止められず昨日の事を後悔していた。
「頼むよ神様、あいつとは一緒にプロになろうって約束したんだ。こんな形で諦めるなんて俺にはできない!だから神様俺の願いを聞いてくれよ!」
無理と分かっていても子供な俺は神様に頼んでいた。もちろん直ぐに諦め修の病室に戻ろうとしたら・・・
「なんで?今能力使ってないのに、それにこの色いつもと違う。」
突然俺の周りに黒いオーラが出た。焦っている俺の事など知らないといわんばかりに黒いオーラは出続け俺の体を覆っていく。
「なんだこれ!?ってうわあああー!」
黒いオーラが完全に俺を覆い気が付くと・・・
「それじゃあ修達はお留守番お願いね。烈あんまり遅くまで遊んできちゃダメよ。」
「「「は~い。」」」
「・・・う、うん。」
何故か家の玄関にいて出かけるおふくろと葵の見送りをしていた。俺の横には修・奏・茜の三人がいてた。
『なんでさっきまで病院にいたのに家にいるんだ?というか修も奏もあんな事があったに全然平気そうなんだ。というかさっきの光景って・・・』
俺はある疑問を持ったが真相を知るために修にあることを聞いた。
「なあ修、今日って何月何日だ?」
「急にどうしたの?今日は〇月〇日だよ。」
「!!そうだったな。」
「変な烈兄さん。それよりも遊びに行くんでしょ?行ってきなよ、俺達で留守番しておくから。」
「烈兄さんだけずるいですわ!」
「烈兄さんは昨日から言ってたし母さんから許可は貰ってるってさっき言ってたじゃん。」
「そうですけど、私達もお外で遊びたいですわ!」
「おいしい~」
修と奏が言い争いを始めそれを見ながら飴をなめている茜。
間違いないここは昨日だ、なんで昨日にいるのかなんてどうでもいい。これで修が怪我をしなくてもいい。
その後俺は遊びに行くのをやめて三人と一緒に留守番をした。途中奏が外に遊びに行きたいと言い出したが今行くとあの出来事が起こってしまうので俺は・・・
「ダメだ!母さんに言われたろ、留守番しておいてくれって。もし無理にで行こうって言うなら・・・」
「言うなら?」
「能力を使ってでも止める!」
「わ、わかりました。もう言いませんから能力使うのはやめてください。」
「わかればいいんだ。今度一緒に遊びに行ってやるからそれで我慢してくれ。」
なんか脅したみたいだがあの出来事が起こらないなら俺はなんでもしただろうな。結局あの出来事は起こらずその日は終わったかと思ったが夜に俺の部屋で・・・
「はあはあ・・・なんだこれ・・・」
俺は謎の吐き気や頭痛に襲われていた。俺の声が聞こえたのか親父がやってきて直ぐに病院に送られた。病院の薬を飲みなんとか収まりその後検査をしたら・・・
「真に信じられないことですが・・・」
「何かあったのですか?」
カルテを持った医者が親父に何かを説明しようとしているがなにやら戸惑っている。ちなみに今部屋にいるのは医者と俺と親父とおふくろだけだ。葵達も一緒に来ようとしたが医者が出来れば三人のみに聞かせたいと言ったので三人だけいる。
「実は烈様なのですが、二つ目の能力がある事が分かりました。」
「「二つ目の能力!?」」
医者がそう言うと親父とおふくろが驚いていた。
「原因が分からないと仰ってた吐き気などですが二つ目の能力の副作用です。」
「それで二つ目の能力とは?」
「二つ目の能力の名前ですが・・・時間跳躍(タイムリープ)です。」
「「「時間跳躍?」」」
俺達はイマイチよく分からなかった。
「能力の事についてはこれを。」
医者は能力の事をまとめた紙を渡してきてこう書かれていた。
時間跳躍(タイムリープ)・自身が強く過去に戻りたいと願ったりした時発動する。戻れる時間に制限はない1日だろうが10年前だろうが戻れる。
但し戻る時間が多いほど能力者に負担がかかり最悪死ぬ恐れ有り。
「「「!!!」」」
俺達三人は目を見張った。
「今回は日が浅かったのか命の危機ではありませんでしたが問題は次のページです。」
そう言われて次のページを見ると信じられない事が書かれていた。
尚能力を使った本人はその時間軸での存在は消えて他の人間からはその人物に関する記憶がなくなる。
「これはどういう事ですか?」
親父が恐る恐る医者に聞いていた。
「例えばこの時間軸がAとしましょう、烈様がこの能力を使い昨日に行ったとしましょう、それが時間軸Bとなります。そうすると烈様はAの記憶を持ったままBに行きます、そしてAの陛下は烈様の事に関して全てを忘れます。まるで最初から烈様がいなかったかのように。」
つまり修が怪我した所では俺の存在が消えたって事とその事を知っているのは俺だけって事か。
「烈、一体何があったんだ。お前がいてた所では?」
親父に聞かれて全てを話した。修が怪我をしてサッカーできなくなり俺が落ち込み神頼みをしたら黒いオーラに覆われて気が付けば昨日にいた事を。
「それじゃああの黒いオーラが時間跳躍って事か。」
俺が納得といった感じに言った瞬間
『バチン!』
とほっぺを叩かれた。おふくろが目に涙を溜めながらこっちを見ていた。
「あんた、何軽く言ってるの!?もしかしたら死んでたかもしれないのよ、それに修が怪我してしかもあんたまでいなくなったって考えると・・・」
そう言っておふくろは部屋を出た。続くように親父が・・
「烈、偶然とはいえこの能力が発動して結果、修は怪我をする事はなくなった。だが二度とこの能力を使うな。さっき五月さんがいった通りになったら私はまともにいる事は出来ないだろう。それにもしお前が家族の為に能力を使って死んだなんてみんなが知ったら、きっと自分が原因なんじゃないかってみんな自分を責めるだろう。だから二度と使うな。」
親父は今までに見せたことのない表情をして言ってきた。
「分かった、親父とさっきのおふくろに約束する二度とこの能力を使わない。」
その後戻ってきたおふくろに謝りこの能力の事はこの部屋にいる人間以外に秘密という事にした。
兄妹の全員に秘密にしている事を思い返していると授業が終わったらしくみんな昼飯の用意をしていた。
『親父とおふくろには使わないと言ったけどもし最悪の事が起きれば俺は・・・』
あの時密かに自分に誓った事を思い返しながら昼飯の用意をしだした。
もしかしたら今まで最長かもしれない。
烈の二つ目の能力はタイムリープでした、シュ〇ゲやシャー〇ットであったアレです。今後使う時は来るのでしょうか?基本的にシリアスは書きたくないので使わない事を願いましょう。烈のタイムエンドで周りを止めるという展開も考えましたが小さい頃の出来事なのでまだそれはできないという事で。
シリアス9割で疲れました、それではまた次回~