櫻田家の長男   作:のん輝

7 / 24
今回はダンディ君救出ゲームです。烈の能力を初お披露目です。(まあ設定で能力を書いていますが。)


4話・王家の休日(テレビ出演)

帰ってきてから初めての週末、俺は自室でゲームをしていた。

 

「休日に部活ないからゆっくりゲームができるな、なんか忘れてるような気がするけどどうせ大した事じゃないからいまあいっか。」

 

ゲームに夢中していたためか時計を見るとちょうど昼飯時を指していた。

 

「腹減ったな、なんか食いに行くか。」

 

俺は昼飯を食べるためにベッドから起き上がった瞬間部屋のドアが勢いよく開かれた。

 

「もう、烈いつまで寝てるの!?」

「どうした葵、今日は休日だろ?そんなに怒るなよ。」

「忘れたの?今日はお父さんが言ってたテレビ出演の日だよ?」

 

葵に言われて思い出した。そういえば親父がそんな事言ってたな、めんどくせ~。

 

「ほら早く着替えて準備して、みんな下で待ってるよ。」

「了解~。」

 

着替えて下に降りると弟妹達はみんな準備が終わっており集合していた。

 

「あ~烈兄ぃやっと起きてきた。」

「烈兄ちゃん遅い~」

「どうせ烈兄さんの事だから今日の事を忘れてたんじゃないの?」

「ソ、ソンナコトナイゾー」

「烈兄もの凄くカタコトだよ・・」

「やっぱり僕の予想通りだったね。」

 

起きてくるなり失礼な事を言う弟妹達だな。

 

「さあ、みんな揃ったことだし行くわよ。」

「おふくろ、俺何にも食べてないんだけど。」

「我慢しなさい。」

 

NOOO!おふくろから無慈悲な宣告をされて膝をついたが他の弟妹達は家の前に止まっていた車に乗っていた。

 

「烈~、早くしないとおいてくよ~」

 

葵に呼ばれて車に乗りテレビ中継される場所に向かった。着いた場所はどこかの高層ビルの前だった。こんな所で何するんだろうな?俺が考えているとビルの液晶パネルから映像が流れた。司会者の説明によると俺達兄妹達が能力を使いあるゲームをするというものらしい。ちなみにそのゲームの名前は・・・

 

『危機一髪ダンディ君を救え~』

 

トイレ掃除とか知らん俺は帰るぞーー!親父ーー!と本気で叫びそうになったがやっぱりトイレ掃除は嫌なのでその場に留まった。説明を聞いている他の弟妹達を見てみると修と遥は面倒だなって思っている顔をしていた。光と輝はやる気を出しているのが分かった、奏は表情には出さないがやる気なんだろうな負けず嫌いだし、選挙の事もあるしな。葵・岬・栞の三人は特に嫌そうな顔もせずに説明を聞いている。まあこの三人は特にワガママを言わないからな。茜はいつも通りカメラや人目を気にしていたが説明は聞こえていたらしく「聞いてないよ!」と反論していた。その後親父から激励?のメッセージが撮されて余計な一言を言いやがった。

 

「一番成績の悪かった者にはお城のトイレ掃除をしてもらうぞ。」

 

そう言うと映像はきれて岬と光からブーイングが上がっていた。まあ逃げたらトイレ掃除って言われたからなんとなく予想はついてたが少しやる気を出さないといけないな。

その後ゲームスタートの開始の合図がされた。

 

「僕はこのビルを登ります。」

「あんまり無茶するなよ~」

「分かっております、烈兄様。」

 

輝は能力を使いビルを登り始めた、だが力が強かったのかビルの一部を壊して落下したが地面に落ずにすんだ。相変わらず見てて危なっかしいな。

 

「ようし、あたしだって。」

「あんまり無理しないでね。」

「分かってるって。」

 

輝の次は光が動き出した。さっきの輝を見て葵は心配していた、まあ気持ちは分かるが。光は能力を使い木を成長させてビルの屋上辺りまで伸ばそうとしたが伸ばしすぎてビルを超えていた。光よドンマイ・・・

 

「なあにやってんだか。」

 

次は奏が動いた。能力を使いドローンを作り屋上に飛ばしていた。相変わらず凄いな、けど作ったものと同じ額が自分の貯金から引かれるんだよな、金のない俺には辛い能力だな。

 

「私も頑張らなくっちゃ。」

 

岬が能力を使い分身し8人になった。その後各々ビルを登り始めた。俺もそろそろ行こうかなって思ったら栞が能力を使い消火栓と話しているのが見えた。

 

「どうしたんだ栞?」

「あのね消火栓さんが近道を教えてくれたんだけど分からなくて。」

「う~ん俺もここに来たのは初めてだから分からないな。」

 

俺と栞が困っていると葵がこっちにやってきた。栞が葵に話すと葵はルート知っていた。なんでも一回見学に来てたことがありその時覚えたらしい。俺の妹マジスゲー、何なの禁書目録なの?それともどこかの毒舌銀髪なの?俺が心の中でツッコミを入れてると服の裾を引っ張られた。

 

「烈お兄さまも一緒に登ろ?」

「そうだね、烈も一緒に登ろ?烈の事だから修君が能力を使って戻ってきた時に能力を使って取ろうとしてたんでしょ?」

「ソンナコトシマセンヨ?ホントデスヨ?」

「烈お兄さまずるしちゃだめっ!」

「はい、ごめんなさい・・・」

 

栞に言われてたら仕方ないな、諦めて栞と葵とビルを登り始めた。ビルを登り始めて少し何かおかしいぞ・・・栞と手を繋いでいるは栞がお願いしてきたからだ。これはまだいいんだが問題は・・・

 

「なあ葵?」

「なあに烈?」

「なんでお前腕組んできてるの?」

「えっ?」

 

いやなんでそんな事聞くのみたいな感じで首を傾げてるんだよ一瞬可愛いと思ったがそうじゃねえよ!なんで腕を組んできてるんだよ?上がり始めた時は栞と同じで手をつないでたよな?それがいつの間にこういう風になってるんだよ?軽くポ〇ナ〇フ状態になってると葵がさっきの答え?を言ってきた。

 

「だって烈に抱きつくならこういう時かなって。」

「葵お姉さま嬉しそう。」

「いやいや、今テレビ中継されてんだよ?もし撮されてお前の評判落ちたらどうするんだよ?」

「大丈夫だよここカメラ設置されてないし、もし撮されても私は平気だよ?」

「だからそういう事じゃなくてね・・・」

 

葵はほんとに俺の言ってる事がわからないって顔をしている。こいつは少しは自重しろ。俺はやれやれとため息をついてこのままビルを登っていった。

屋上につくと葵は腕を離して栞とぬいぐるみを取りに行った。光はあのままだろうし一個あればいいか。能力を使って屋上に来てたのか修が声をかけてきた。

 

「烈兄さん遅かったね。」

「お前に遅いって言われてもな・・能力使えば誰もお前に追いつけないって。」

「そうだけど、って一個だけでいいの?」

「ビリにならなければいいんだし一個で十分だろ。」

「そうだねんじゃ俺も一個だけで・・・」

「どいて~!」

 

修と話していると茜の声が聞こえた、何事だって思ったら能力を使って葵の所に突っ込んでいくのが見えた、何故か遥も一緒に。

 

「あのバカっ!」

「烈兄さん!危ないよ!」

「そんな事言ってる場合じゃねえだろ!」

 

修の制止を聞かずに葵の所に向かった。なんであんなスピードを出してるんだ?あいつはたまに能力の制御を忘れる事があるけどそれはひったりを捕まえるとかそういう時だけだ。

 

「お姉ちゃん危ない!」

「っ!」

 

葵は栞を守ろうと栞を抱きしめていた、茜が葵にぶつかる瞬間俺は能力を使い茜と遥に触れた。危機一髪と言わんばかりに二人は葵の目の前で止まった。

 

『烈様の能力・時間停止(タイムエンド)を使い衝突は避けられたー!』

 

モニターの声や下の見学客から声が聞こえてきたが今はどうでもいい、問題はこいつらをどうするか。

 

「ありがとう烈。」

「ありがとうございます烈お兄さま。」

「二人共無事で良かった。さてと修~。」

「何烈兄さん?」

「悪いんだけどこのぬいぐるみ俺と光の籠に入れてきくれ、その後俺と茜と遥を適当な所に飛ばしてくれ。」

「わかった。」

 

修にそう言うと修は直ぐにやってくれた。さっきから俺の様子を見て二人を心配しているのか岬と栞が声をかけてきた。

 

「烈兄ぃあんまり遥を怒らないであげて、きっと遥も何か理由があったんだよ。」

「そう言っても遥がなにかしたから茜があんな事になってたんだろうから、そこは理由を聞かないと。」

「烈お兄さまあんまり茜お姉さまを怒らないであげて。」

「栞、そんなに厳しく怒ろうって訳じゃないんだ、茜の能力はちょっと危ないからきちんと使うんだよっていうだけだからそんなに心配するなよ。」

 

栞の頭を撫でて修を呼んで能力で飛んだ。飛んだ先はどこかの無人島だった。近くの砂浜に二人を向けて能力を使い二人の時間停止を解いた。

 

「ふげぇ!」

「うわっ!」

 

時間停止を解いて二人は砂浜に滑り込んだ、というか茜よその声はどうなんだ?まあ今はそんな事を思っている場合じゃないな。

 

「あれここどこ?といか葵お姉ちゃんは!?」

「落ち着け茜、ここはとある無人島だ、お前は今まで烈兄さんの能力で止まっていたんだ。葵姉さんは無事だ。」

「よかった~、烈兄も迷惑かけてごめんね。」

「それはいいけど、どうしてあんな事になったか説明してもらおうか?遥もな。」

 

二人は俺に説明を始めた。話をまとめると茜はビリでもいいと思っていたが遥から城のトイレの数や城に行けば色んな人と会うと言われて、遥と二人でビリ回避を目指して茜の能力を使いビルを登っていると、遥が茜のスカートを触ってしまい、茜が動揺してあのスピードが出てしまったという事だ。

 

「は~る~か~貴様!」

「落ち着け修。」

「あい。」

 

修が今の話を聞いて遥に詰め寄ろうとしたが一発チョップを叩き込んだ、このシスコンめ。

 

「まあ大体わかったがお前らにもそれぞれ悪いとこがあるぞ。まず茜、お前パンツ見られるのが嫌ならスカートをやめてズボンにするか、スカートがいいなら下にスパッツをはくとかしろ、わかったか?」

「う、うん。」

「遥、俺も最初は楽してゲームをやろうとしたが人に頼り切るのはよくないぞ。お前ならもっと上手く出来ただろ?茜より賢いんだし。」

「そうかもしれないね。」

「ちょっと、烈兄・遥!?」

 

茜が何か文句を言ってきたが軽くスルーした。

 

「んじゃ戻るか修頼む。」

「了解。」

「あっ、言い忘れたけどお前ら多分ビリだから。」

「「えっ!?」」

 

俺がそう言うと二人は驚いており遥は能力を使い結果を出したら100%で二人は「どうして~!?」と叫んでいた。さっき修に頼んで俺と光の籠に一個ずつぬいぐるみを入れてもらっており、岬と栞には二人の籠にぬいぐるみを入れないように言っておいた。まああんな事したんだし軽いお仕置き的なもんだ。

 

『四人が帰ってきたのでゲーム終了です~』

 

俺達が戻るとゲーム終了の合図がされた。というかこれ生放送なのに時間大丈夫なのか?俺は近くにいた葵に聞いた。

「なあこれ生放送なのに時間大丈夫だったのか?」

「そ、それは大丈夫だと思うよ。」

「なんで?」

「だってさっきの様子放送されてたから。」

「What?」

「だからさっきの事を放送されてたから放送時間は大丈夫だったみたい。」

 

嘘だろと思い他の弟妹達を見るとその通りだと言わんばかりに頷いていた。恥ずかしい~!穴を掘って埋まりたい!この後撮影してたのが修だと知り翌日の練習でコテンパンにしてやった。

 

スタジオに戻りさっきのゲームの結果が発表された。

 

「1位・奏様 最下位・茜様・遥様」

「うう~お城に行かないといけないなんて・・・」

「仕方ないよ茜姉さん。」

「烈兄ちゃんありがとう~」

 

順位は奏が1位だった、まあ途中から修には手伝ってもらったしあいつには悪いことしたかな。最下位は俺が言った通り茜と遥の二人だった。これも世間の厳しさだ。悪く思うなよ。光はビリを回避できたことを感謝してくれたみたいだ。今回だけだぞ。

ゲームの順位発表が終わり世論調査の発表が行われた。

 

「現在の順位はこうなっております。」

 

モニターに映し出された順位はこうだった。

 

『10位・輝 9位・遥 8位・岬 7位・光 6位・烈 5位・修 4位・栞』 

 

まあこんなもんだろ俺は特に国王になりたいわけじゃないし。光と輝は順位が低いことに泣いていた。これから頑張れ。残りは葵・奏・茜の三人ださてどうなるか?

 

「BEST3の順位はこちらです!」

 

『1位・葵 2位・茜 3位・奏』

 

なるほどそうなったか、茜は驚いていたがそんなにびっくりすような事じゃないだろ。

葵は年齢問わず人気だし茜は今月ひったくりを捕まえたからな。奏よまだ始まったばかりだからそんなに怖い顔するな。

順位発表も終わり家に帰り晩飯を食べていると茜がため息をついていた。

 

「明日からトイレ掃除・・・しかも2位・・」

「茜食べないならハンバーグもらうぞ。」

「やめなさい烈。」

 

おふくろに注意されてると親父が語り始めた。

 

「王家に生まれてしまったからお前たちは必要以上に注目を集めてしまう。そのことで辛いこともあるだろう。だが王家として最低限の義務と責任は果たしてもらいたい。

お前達は国の象徴であり希望だ。誰が私の後を継ぐか分からないがみなその資格を持つ覚悟だけは持って欲しい。」

「親父・・」

「どうした烈?」

「いい事言ってるのは分かるんだけど頭のそれはどうした?」

「城には連絡してるから大丈夫だ。」

 

親父はまた頭に王冠を載せていた。城に連絡しているから大丈夫ってそういう問題か?他の弟妹も思っていたらしくおふくろと一緒にため息をついていた。

晩飯の後俺はさっきの親父の言葉について考えてた。

 

「王様になる覚悟か・・」

 

俺は特になりたいわけではないので持ち合わせていない、奏は国王になりたがっているので問題はないだろう、だが葵はどうだ今の所世論調査では1位だ葵の性格状自分から選挙を辞退したいというのはあまり考えられない。まあ選挙までは時間があるしそれぞれなんとかするだろう。

俺は考えるのをそこそこにして明日からまた朝練があるので眠りについた。

 

烈が寝た頃リビングでは茜が黄昏ていた。

 

「はあ~」

「あんたそんな所で何してんの?」

「茜風邪引くよ?」

「私は野に咲くタンポポになりたい。」

 

いきなり何を言い出すだ?と軽く驚いた葵と奏だが茜はそのまま続けた。

 

「もう注目されたり監視されたりするのは嫌。」

 

どうやら今日のテレビ中継やこの前のひったくりを捕まえた報道で色々堪える事があったみたいだ。どうしたものかと思い悩んでいた二人だが葵が先に話しかけた。

 

「ひとつだけ方法があるとすれば王様になる事かな。」

「えっ?」

「王様になれば監視カメラの撤廃や王家ニュースを打ち切る事が出来るかもしれない。」

「まあ王様の命令ならみんな聞くだろうし、法律も変えれるわよ。」

 

葵と奏に言われて気づいたらしく二人に宣言した。

 

「決めた私王様になる、王様になってひっそりと生きる。」

「王様になってひっそりって・・・」

 

茜は王様になることを決めてその理由があれだったので奏は呆れていた、その傍ら葵は何か考え事をしていた。

 

「王様になれば法律も変えられるそうすれば・・・でもそんな私利私欲で目指すのも・・」

 

葵は何か言いながら自分の部屋に戻っていった。残された茜と奏はポカーンとその場に立ち尽くしていた。

その時烈は謎の寒気に襲われような気配がしたとか。

 

 




という訳で今回はダンディ君救出ゲームの回でした。烈の能力や家族想いな一面を書いてみました。
櫻田家の能力の説明は簡略化しました、みんな知っていると思うので。ラストで葵が少し選挙に対して積極的になろうとする姿勢を見せたかも?
今回から岬の烈の呼び方を変えました、茜と岬が一緒だったのでわかるようにしました。茜は「烈兄」、岬は「烈兄ぃ」という風にしました。
次から弟妹達それぞれの話にするかオリジナル路線にするか悩み中です。それではまた次回~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。