今回は『進撃の巨人』×『新光神話パルテナの鏡』のクロスオーバーを書いてみました。拙い文章ですが、楽しんでくれれば幸いです。
「おい!なにしてんだよ○○!」
「そんなところにいないでこっちに戻ってきてよ!」
屋上のフェンスの先に立っていると、そんな風に誰かを呼ぶ声が聞こえてきた。○○……誰の名前だったけな。……あぁ、そうだ俺の名前か。
「……もう、いいんだよ。俺は疲れたんだ……。休ませてくれ」
俺は屋上から地面へと倒れ混むように落ちた。
「じゃあな、このくそったれで素晴らしい世界に友人の皆様よ。……元気でな」
グシャ!という音と共に俺の首が曲がったような気がした。
「はっ!?……ここ、どこだ?」
自殺したはずの俺は真っ白い空間にいた。
『やっと、起きましたね』
頭のなかにいきなり声が響いてきた。
「はぁ!?ど、どにいるんだ!?」
『どこ。と言われましても……、そうですね―――』
「―――貴方の後ろ、ですね」
「ぬおぉぉっ!?」
いきなり真後ろから声をかけられたため、勢いに任せて俺はその声から離れるように跳んだ。
「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか……」
「いや驚くわ!いきなり後ろにくるんだからよ!……んで、ここはどこだ?」
「あら、最初にそれを聞くんですね。いいでしょう、教えてあげます。ここは世界と世界の狭間。生と死を裁く場所」
「世界の、狭間?……と、いうよりも生と死を裁く場所、か。つまり俺は死んだんだな」
「ええ。即死でした」
即死か。良かったのか、悪かったのか分からねぇなこりやぁ。
「ところで貴方、『転生』って興味ありませんか?」
「『転生』?興味無いね。生きるのに疲れた奴がまた生きたいと思ってんのか?てかなんでそんなもんが話にあがってくるんだよ」
「……実はなんですがね、私って天使を統べる女神なんですよ」
「……はぁ?神?なにを言っとんのやアンタは」
「あ、もしかして信じてない系ですか?」
「当たり前だろうが」
「ならどうして即死したはずの貴方はこうやって意識を持って私と対話が出来ているのでしょうか?」
「……あ。そういえば確かに」
納得してしまった。が、言われてみれば確かにそうだ。
「信じてくれたみたいですね。話を続けますよ?それで私に仕える天使の数が少なくなっているのです。ですから、貴方にも二度目の生を与えるかわりに天使として働いてくれませんか?」
「……それと『転生』になんの関係が?」
「簡単な事です。試験ですよ試験」
「試験?」
「はい、見習い天使として別世界に行き、そこで私が出した課題を見つけてもらいます。これが『転生』の目的です」
「はー。……ちなみに断ったら?」
「死にます」
「へぇ。……はい?」
「契約違反として地獄の業火に焼かれ続けますね。それでも断りますか?」
地獄の業火って……。てか契約違反?契約した覚えなんか無いんだが?
「あ、ちなみに契約は貴方が眠っているときにすませておきました」
「無理矢理じゃねぇか!!」
「そうとも言いますね」
「そうとしか言わねぇよ!アンタは俺の命なんだと思ってんのさ!?」
「私の元で新しく働く見習い天使ですね」
「おっしゃる通りだよチクショウ!」
ぐうの音も出ない。
「それで、働きますか?働きませんか?」
「……どうせ、働く以外に選択肢は無いんだろ?働くさ。馬車馬のようにな」
「それでは……契約完了ですね。背中を向けてくれますか?あ、良いと言うまで動かないでくださいね」
「?わ、わかった」
言われるがまま女神さんに背中を向けると、いきなり背中を触ってきた。
「ひゃっ!?」
「ずいぶんと可愛らしい声を出すんですね。……はい、終わりましたよ」
女神さんがそう言ったと思ったら背中に重量を感じた。
「天使の証とも言える、翼をつけました。これで貴方も立派な天使の仲間入りですね」
女神さんはそう言うと手を広げて、言った。
「ようこそ、天使の世界へ。光の女神パルテナが貴方の門出を祝いましょう」
「……へへっ。こちらこそ。天使アラナミ、貴方様の元で働きましょう」
「それでは、課題の話をしましょうか」
「分かりました」
「……あぁ、敬語は使わなくても結構ですよ?話しやすいように話すのが一番ですから」
「わ、分かり……分かった」
「よろしい。では、話の続きです。今回貴方にはとある漫画の世界に旅立ってもらいます」
「漫画の世界、ねぇ……」
漫画かぁ。言われて最初に思いつのはニセ○イ、ジョ○ョ、ワ○ピース、めだか○ックスかなぁ。
「その世界は、『ダンまち』です」
「ちょっと待ってくれパルテナさん、それはアカン。それだけはアカン」
パルテナさんの言葉に間髪を入れずに突っ込んだ。
「アカンとは……何がでしょうか?」
「いやね、その世界は恋愛フラグが乱立してんだよ。さすがに天使でも他人の恋愛みたら精神的に参るんだが?」
「そう言われましても、他のと言ったら『テラフォーマーズ』、『ひぐらしのなく頃に』、『がっこうぐらし』くらいしかありませんよ?」
……あ、あるぇー?ダンまちが一番ましに思えてくるラインナップだぞこれ?
「……もうダンまちでいいです」
「分かりました。では、貴方に神器を与えましょう」
「……じ、神器?」
「ええ、天使が使うことの出来る武器のことです。今回貴方に与えるものは『狙杖シャープレーザー』、『マグナの巨搭』、『衛星ガーディアンズ』、『パルテナの神弓』です」
「杖に大剣に盾に弓か。……ハラショー、こいつは力を感じる」
「ネタに走らなくて結構ですよ?」
「ア、ハイ」
以外と鋭い眼光で見られた。
「では、貴方に与える神器の説明でもしましょうか」
パルテナさんはそう言うとどこからともなく眼鏡を取り出し、かけた。
「パルテナさんの!これで安心神器説明会っ!」
「アンタもネタに走ってんじゃねぇか!?」
それめだかボ○クスのネタだよな!
「まず、『狙杖シャープレーザー』です」
「無視ですか……」
「ええ、無視です。狙杖シャープレーザーは全ての神器で二番目の射程を持っています。遠距離からの攻撃には便利ですよ。次に『マグナの巨搭』です。マグナの巨搭に射撃は無いと言っても過言ではありません。その代わりに類を見ない打撃力があります。接近戦には持ってこいの神器ですね。次は『衛星ガーディアンズ』です。衛星ガーディアンズは守ることを目的として作られた神器です。仲間を守りたい時に使ってくださいね。防御においては比類なき力を発揮しますよ。ですがその分射撃力と打撃力が低いと言う難点があります。そこには気を付けて。最後に『パルテナの神弓』です。パルテナの神弓は射撃がある程度あり、放った矢がどんどん加速していくという特性があります。トリッキーな動きができる癖の強い神器です。……あ、これも渡しておきましょう」
パルテナさんはそう言うと剣の形をした指輪を渡してきた。
「その指輪にはある奇跡をかけておきました」
「き、奇跡?」
奇跡ってなんぞ?神様なら簡単に起こせそうではあるけどさ。
「奇跡というのは私達神が貴方達天使へ授ける特殊能力のようなものですよ。……では、説明に戻りましょう。今回その指輪にかけた奇跡は『兵装の奇跡』と言います」
「兵装の奇跡か……。字からして装備に関する事か?」
「ザッツライト。その通りです。別世界に行く貴方にここ、エンジェランドから奇跡をかけたり、装備を変えに来ることは難しいのでその奇跡がかかっている指輪さえあれば好きに装備を変更出来るうえに自分に好きな奇跡をかけることが出来ますよ」
「……まだそれが便利なのか分かんねぇな」
「そうですね……。まぁ、使っていればわかるでしょう」
パルテナさんは少し笑ったあと、真面目な顔になった。
「そろそろ転生を始めましょう。何か聞きたいことはありますか?」
「……あー、なら一つだけ」
「はい、なんでしょう?」
「俺の名前はどうすんだ?天使としての名前をアラナミにすんのか?それとも人として生活するときの名前を荒波にすんのか?」
「そうですね……、では、天使名をここで決めてしまいましょう」
パルテナさんは少しだけ考え込み、口を開いた。
「では、『キュー』というのはどうでしょうか?」
「ダメじゃダメじゃ!パルテナ、やはりそんなベタな名前になってしまうのか」
『キュー』という名前を否定したのは俺ではなく、見た目七、八歳くらいで祖父婆口調の少女だった。
「ではナチュレ、貴女はどんな名前にするのでしょうか?」
「ふん、そんなの決まっておろう?『ウリエル』じゃ!」
「なら『ルシファー』でも良いとは思わないか?パルテナ」
「あら、メデューサ。珍しいですね、冥府から出てくるなんて」
ナチュレと呼ばれた少女に便乗するようにメデューサと呼ばれた蛇を頭から生やしている女性が言った。
てか『ルシファー』って裏切りの天使やんけ!
「『キュー』に『ウリエル』に『ルシファー』ですか……。貴方の名前ですし、貴方に決めてもらいましょう。どれがいいですか?」
「……か、考えさせてください」
パルテナさんは文句の言いそうな顔をしたあと、
「……分かりました」
そう言った。
「神器と奇跡の使い方は天使の身体が教えてくれるでしょう。転生を始めましょう。後ろのゲートに向かってください」
パルテナさんがそう言うと後ろに門のようなものが出現した。恐らくあれがゲートだろう。
「いいですか?選んだ名前によって貴方の受ける加護が違ってくることを覚えてください。『キュー』を選べば光の女神の加護が」
「『ウリエル』を選べば自然王の加護が」
「『ルシファー』を選べば冥府の女神の加護が得られる。よく考えて名前を選ぶんだな」
「へいへい……。んじゃ、行くか」
足を踏み出し、ゲートの前まで歩いた所で足元に大きな穴が開いた。
「はっ!?」
「あら、大きな穴ですね」
「まるで図ったかのように穴が出てきたのぉ」
「受け身の準備くらいはしておくことを進めるぞ」
「自分じゃ無いからって気楽だなおい!」
「ああ、最後に言っておきますね」
「なんだよパルテナさん!」
「貴方が落ちるのはダンまちではなく、『進撃の巨人』の世界でした。いけませんねぇ、最近は物忘れが激しくして」
「ぜってぇぇ!わ!ざ!と!じゃねぇぇぇかぁぁぁぁ!!」
穴が閉じてしまったため、俺の声がパルテナさんに聞こえたのか、分からなかった。
「マブラッ!?」
落ちている感覚が無くなったと思ったら全身に痛みが走った。まるで地面に落ちたような痛みだ。
「っえええぇ!ホントに落としやがってあのクソ女神ィ……。にしても、ここは何処だ?」
周りを見渡してみると、ここは丘のような場所に見えた。確か、エレンもこんな丘で泣いてたんだっけか……。
そんなことを考えていたら声をかけられた。
「あの、大丈夫ですか?」
「ん?あぁ、大丈夫だよ」
そう言いながら振り向くとそこには先ほど話に上がったエレンこと、エレン・イェーガーとミカサ・アッカーマンがいた。まさかの原作キャラとエンカウントである。
次回からは、『新光神話パルテナの鏡』をやったことのない人のために、主人公が使用した神器、奇跡の解説を乗せていきます。