進撃世界の転生天使   作:世桜

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第二話にして、まさかの覚醒です。


流される天使

「起きれますか?手をかしましょうか?」

 

「あ、あぁ。大丈夫だよ」

 

焦りを隠しながら俺は立ち上がった。

何でこんなに速く原作キャラとエンカウントすんのさ!?

 

『あれもこれも、全てパルテナとか言うヤツのせいじゃ』

 

今度は幻聴か。『何を言っておる!幻聴などではないぞ!』疲れてんだな、転生とかしてるし。『……グスン』

 

「疲れていてね、木の上で寝てたら落ちたみたいだ。心配かけて悪かったね」

 

「……ケガしてるみたいですね。家に医療器具があります。治療したいので家まで付いてきて貰えませんか?」

 

エレンがアホな発言をしてきた。何をしてるんだミカサは!早くこの子を止めて!

そんなことを思いながらミカサの方を見ると彼女は年相応の笑顔とキラキラした瞳を俺に向けてきた。

 

「……どうしてそう言ってくれるのかな?」

 

「ケガしてる人を放ってはおけませんから。それに、ミカサも貴方と会ってからは何故かいつもより嬉しそうですから」

 

何このイケメン。え、何?こんなイケメンな子が駆逐してやるとか言うの?俺嫌なんだけどそんなの。

俺はエレンのイケメン発言に流されるまま

 

「ならお願いしようかな」

 

OKを出してしまった。

 

「分かりました。こちらです、付いてきて下さい」

 

エレンはミカサの分の薪を自分の分と一緒に背負い、丘をおりていった。

ミカサは俺の服を引っ張りながら笑顔でエレンに付いていった。

……そういえば背中に重さが感じられないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレンの家があるシガンシナ区へ向けて歩いている途中で原作キャラであるハンネスさんに出会った。彼の顔は少し赤いように見えた。

 

「よぉ、エレン。ん……そいつは誰だ?」

 

「まぁた、飲んでるのか?ただのケガ人だよ。木から落ちたんだってさ」

 

「元気なもんだなぁ。おじさんにもその元気さを分けてほしい位だよ」

 

「ハハハ……」

 

苦笑いしか出来なかった。ハンネスさんは原作を読んでいたから結構な呑んだくれというのは分かっていたけどまさかこれほどとはなぁ。

そのあとも多少会話をしてハンネスさんとは別れた。一つ残念だとしたら、エレンの家畜云々の台詞が聞けなかったのが残念だ。

 

「そろそろ着きますよ。……そう言えば、名前を教えてませんでしたね。私はエレン・イェーガーと言います。貴方の服の裾を掴んでいるのはミカサ・アッカーマン」

 

「自己紹介どうも。俺は……―――」

 

ここで俺は言葉を止めた。本当に前の世界での名前を名乗っていいのかと。前の世界が嫌で自殺をしたって言うのに名前を変えないのは何かが違うと思ってしまった。が、

 

「―――アラナミ、アラナミ(荒波)T(天子)カグラ(神楽)だ。よろしくな、エレンにミカサ」

 

俺は捨てきれなかった。前の世界の俺を。天子と神楽は俺の名前だ。『神楽天子(かぐらてんし)』それが俺の名前だった。友達にはよく『てんこ』なんて呼ばれていた。『アラナミ』ってのは俺のあだ名だった。昔に荒れた海でサーフィンしてたら地方新聞に『お騒がせ!荒波少年』とか言う記事で載った。これが理由なんだろうなぁ。

そんなことを思っている他所にエレンは玄関の扉を開けた。

 

「ただいま」

 

エレンに続けてミカサが家の中に入り、そのまま俺も引っ張られながら入った。

 

「お帰りさない。エレン、ミカサ」

 

「お帰り、エレン、ミカサ」

 

家の中には椅子に座っている男性と食器を洗っている女性がいた。男性がエレンの父、ミカサの義父のグリシャ・イェーガーで女性の方がエレンの母、ミカサの義母のカルラ・イェーガーだったよな確か。

 

「父さん、応急セット借りるよ」

 

「また、ケガ人を連れてきたのか」

 

「うん、でも知っちゃったんならやれることはしたいからね」

 

エレン、イケメン過ぎるだろぉ。もし、性別が違ったら惚れそうだったぜ。

 

「私はグリシャ。二人の父親だ。君の名前を聞いてもいいかな?」

 

「あ、はい。私の名前はアラナミ・T・カグラと言います」

 

「アラナミ君か。……ん?もしかして君は東洋人かい?」

 

グリシャさんは俺の髪と目を見てからそう言った。

 

「東洋人と言うよりは……倭人ですね」

 

「倭人……確か、東洋のさらに東側にある小さな国そこの住民を指す言葉だったと思うわ」

 

キッチンに向かっていたカルラさんが振り向かないままそう言った。

ちなみにこの会話中もエレンは傷の手当てをしている。集中力ヤベェ……。

 

「終わりましたよ」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「いえ、それじゃあ私は友達と約束があるので、失礼します。行くぞミカサ」

 

ミカサは頷くとエレンに続いて家を出ていってしまった。

 

「もう少しゆっくりしていくといい。……そろそろ船の時間か。カルラ、行ってくるよ」

 

「行ってらっしゃい、あなた」

 

いつの間にか食器洗いを終わらせていたカルラさんがグリシャさんに笑いかけながら言った。

 

「ごめんなさいね、バタバタしてて」

 

「あ、いえ!むしろこんな忙しいのにいきなりお邪魔になってしまい申し訳ありません!」

 

「ふふっ。良いのよ。エレンは医者志望ですもの。むしろ練習台になってくれて助かってるわ」

 

俺は、葛藤に襲われた。もう少しでこの人が死ぬのを分かっているのにそれを伝えられないことに。

 

「……大丈夫?ものすごい顔よ?」

 

っと、顔に出てたのか。

 

「大丈夫ですよ」

 

「そう。……ねぇ」

 

カルラさんが口を開けようとした瞬間、

 

ズドンッ!

 

という音が外から響いた。

 

「な、何かしら……」

 

……始まったか。ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、アニ・レオンハート、あんまり殺さないでくれよ。

 

「何かあったのでしょうか?少し見に行きましょう」

 

「そ、そうね。誰かが巻き込まれていたら大変だもの」

 

そして俺が外に出ようとした瞬間。

 

「危ないっ!」

 

俺はカルラさんに押され、イェーガー家から飛び出した。

俺が飛び出したと同時に岩が真後ろに落ちてきた。

 

「っ!カルラさん!大丈夫ですか!?」

 

後ろに顔を向けると家だったモノに足を潰されたカルラさんの姿があった。

 

「だ、大丈夫よ。足が挟まって動けないことを除けばだけど……」

 

「い、今助けます!」

 

家だったモノに手をかけ、持ち上げようとする。

 

「ふっ……ぐぎ、ぐあぁ!」

 

が、家だったモノはびくともしない。

 

「クッソ!動きやしねぇ!」

 

「母さん!」

 

家だったモノで奮闘していると、エレンとミカサが近づいてきた。

 

「あ、アラナミ!大丈夫か!?」

 

「全然大丈夫じゃねぇ!エレン、ミカサ!手伝ってくれ!」

 

「わ、分かった!」

 

エレンの返答に合わせてミカサも首を上下に振った。

 

「行くぞ、せーので合わせろ!」

 

「「せぇぇぇの!」」

 

家だったモノに三人分の力が加わる。それでも家だったモノは数ミリ動くだけだった。

 

「これでもダメなのか!」

 

「母さん!早く!逃げようよ!」

 

「私はいいから!ミカサを連れて逃げなさい!」

 

二人の会話を聞いて俺は拳を作り、それを家だったモノに叩き付けた。

 

クソが!俺じゃあ誰かを救うなんて出来ないのかよ!

 

『なら何故天使の力を使わない?』

 

……メデューサさんか。俺が初めて天使になったときの力の感覚が変わんないんだよ。転生前とな。だったら転生したって意味が無いだろ?

 

『確かにな。だがそれは光の女神の加護を受けているからだ。光の女神の加護は神器の発動だ。自然王の加護は自然を手足のように操ることだ。基本的な能力は転生前と変わらない』

 

だったら、天使になっても意味が無いじゃねぇか。

 

『だが、冥府の女神の加護は違う。私の加護は基本的な能力の向上、成長促進だ』

 

……なに?

 

『冥府は力が全ての世界だ。小細工など、無意味に等しい。私の加護は冥府の状態をそのまま表したようなものだ。力の強化、これは今お前が求める力ではないのか?』

 

あぁ。そうだよ。俺は力が欲しい。メデューサさん、貴女の加護が欲しい。

 

『そうストレートに言わなくても与えてやろう。……たがいいのか?ルシファーにしてしまえば、お前はパルテナとナチュレの加護を受けられなくなるぞ?』

 

それは……嫌だな。二人の加護で救える命があるはずだから。

 

『そうか、やはりな……。……アラナミよ、なら作ればいい。キュー、ウリエル、ルシファー。この三つを統合した新たなる名を、お前が作ればいい。さぁアラナミよ!お前自身の心に名を刻め!三つを統合したお前だけの名を!』

 

俺だけの、名……。俺の名前は……。俺の名前は『シュエル』だ!三人の女神から加護を受けし天使!

 

『よく、覚悟した。さぁ、冥府の加護をやろう。飲み込まれるなよ?』

 

メデューサさんがそう言うと、俺の身体に力が溢れた感じがした。そして無くなっていた背中の重さが戻ってきた。

 

「セイッ!からの~オラァ!」

 

今までびくともしなかった家だったモノが簡単に持ち上がり、それをどこかに投げ飛ばした。

 

「エレン!ミカサ!カルラさんを連れて逃げろ!」

 

「で、でも!」

 

「早く行け!」

 

どもるエレンにミカサはカルラさんを素早く背負った。

 

「それでいいんだ。さぁエレン!お前も行け!」

 

「……ま、って」

 

そんな中、ソプラノの声が聞こえた。

 

「嘘……」

 

「み、ミカサがしゃべった……」

 

どうやらソプラノの声はミカサのようだ。

……やっぱりしゃべらなかったのか。いや、しゃべれなかったのか?

そんなことを考えながらミカサの方に身体を向けた。。

 

「なんだ?」

 

「……ま、た、会える……よね?」

 

「……多分、な」

 

そう答えて、身体を迫る巨人に向き直した。原作でカルラさんを食べたあの巨人に、だ。

 

「さぁて、天使シュエル、せめて三人が逃げるまでは時間を稼いで見せよう」

 

守りに特化した神器……あれか。

 

「『兵装の奇跡』!こい!『衛星ガーディアンズ』!」

 

兵装の奇跡を発動し、神器『衛星ガーディアンズ』を呼び出した。すると、手につけていた指輪から二つの光が飛び出し、俺の両肩の上ら辺にガーディアンズが現れた。

横目でエレン達を見た。三人はハンネスさんに連れられて逃げていた。

巨人は俺を無視してエレン達を追おうとした。俺は巨人を攻撃した。

巨人は狙いを俺に定めたようだ。

 

「来いよデカブツ。格の違いってやつを見せてやる」

 

某錬金術師の言葉を借りながら巨人に向かっていった。




『女神の加護』
完全オリジナルの力です。

『衛星ガーディアンズ』
チームメンバーを守るために作られた神器。ため射撃では防御のための盾を射出する。
※パルテナの鏡には『打撃』と『射撃』の二種類の攻撃方法がり、『ため射撃』は『射撃』の強化番である。
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