巨人の襲撃があってから二年が過ぎた。……え?何があったのか教えろって?いやいや、面倒臭いからヤダ。
さて、俺は今第104期訓練兵団入団式に出席していない。理由は簡単。二年前から翼が消えなくなりました……。
そのせいで行く所行く所で「天使様」なんて呼ばれてたからゆっくりする事も出来なかった。今は調査兵団(仮)という事で調査兵団のリヴァイ班ってところでお世話になってます。
まぁ、調査兵団(仮)って事で入団式は免除されたから結果的に良しとしよう。
「シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!」
おぉ、やってるやってる。俺は確か……夕食時に教官から紹介されるんだったな。……あぁ、一つだけ教えておこうかな。なんかエンジェル教ってのが出来た。信仰対象は俺らしい……。神の使いなんだけどなぁ、まじ困る。あぁ、あと信仰のせいなのかは分からないが翼が巨大化した。わかりやすく言うと、パズ○ラの進化前ミ○エルから進化後ミカ○ルになった感じだな。
さて、そろそろ終わる頃だろうし、瞑想も止めにするか。
「天使様、入団式が終わりましたよ」
「あぁ、お知らせありがとうございます」
瞑想を止めたらちょうどメガネをかけた教官が知らせに来てくれた。
「……それにしても、植物が凄いですね」
それもそうだろう。なんせさっきの瞑想は自然王であるナチュレの加護を極める為にやっていたんだからな。
『少しはお主も分かってきたようじゃな』
ナチュレさんか……。
『フフン、この転生が終わったら自然軍に来るのはどうじゃ?』
考えとくよ。それと、これから訓練で忙しくなるだろうから話があるなら夢でお願い。
『分かった。パルテナとメデューサにも伝えておいてやろう』
どうも。
オレがそうやってナチュレさんと会話していると、部屋の扉が開いた。
「アラナミ・T・カグラ、そろそろ来てもらおう」
扉の先にいたのは元調査兵団団長キース・シャーディス。俺の調査兵団(仮)を認めてくれた人物の一人だ。
「分かりました」
「では、行くぞ」
そう言ってキースさんは歩き始めた。俺も取り残されないように付いて行った。
「……それで、調査兵団はどうだった?」
「とても、楽しい場所でしたよ。リヴァイ班の皆さんにも良くして貰えましたし」
「そうか、なら紹介したかいがあったというものだな。……そろそろ着くぞ。先に私が入る。その後私が呼んだら来い」
「分かりました」
俺の返事を聞いた後、キースさんは食堂に続く扉を開けた。
にても、この翼どうしよ。今は身体に巻くようにしてその上に服着てるけど確実にバレるよなこれ。しかも翼隠すためにサイズは大きめだから袖と裾余ってるし。……まぁ、どうにかなるか。
「―――仲間が一人いる。入ってこい」
お、呼ばれたな。なら入るか。
「遅れながらも参上いたしました。私ここで皆さんと共に学ばせていただきますアラナミ・T・カグラと申します。以後、宜しく」
「「「「「「………………は?」」」」」」
この場にいた全員がポカンと口を開けて惚けていた。
まぁそれもそうか。なんせ俺は狐の仮面をつけて自己紹介してんだからな。
「…………アラナミ」
「はい、何でしょうか?」
キースさんに呼ばれ、狐の仮面を頭の右上に移動させながら返事をした。
「……後は好きにしろ」
そう言ってキースさんは食堂から出ていった。結果、残ったのは俺と未だ惚けている104期訓練兵団の皆様に沈黙だけだった。
「ん?……あ、アラナミ!もしかしてアラナミか!?」
そんな沈黙を破ったのは、誰だろうか。俺を知っていてこの口調から予測すると、エレンだと思うが何かアニメの時と声の高さが違うような……。
無視するのもいかないので、声のする方に身体をむけた。
「んー?………………ファッ?」
その先にはありえない人物がいた。振り向いた先にいたのは確かに、エレン・イェーガーだった。しかしその見た目は原作者自らが描いた女体化エレンそのものだった。その後ろにはミカサとアルミンもいた。2人は気にしてはないように見える。
「…………疲れてるのか?」
一度、目を擦りもう一度確認するが俺の目は変わらず女体化エレンがそこにいることを表していた。
「久しぶり!元気にしてたか!風邪とか引いてないよな!今まで何してたんだ!」
エレンは俺にマシンガントークよろしくの速さで質問を続けてきた。……本当に疲れてるみたいだ。エレンに犬耳と尻尾が見えるよ。
エレンの行動に苦笑いを続けていると、男子が一人話しかけてきた。
「な、なぁ……」
「おぉー、どうしたんだ?」
「……なんだよ」
「立って話すのもいいが、椅子に腰を落ち着けさせたらどうだ?ちょうど俺の隣が四席空いてるからよ」
話しかけてきた男子、それは鎧の巨人こと、ライナー・ブラウンだった。
「あー、すまん。隣失礼する」
「あぁ、そのつもりで声かけたんだ。気にするなよ」
流石はだな。SSでも兄貴として書かれるのが多いのはこういう気遣いが出来るからか。……そんなやつが巨人、な。まぁいい。そんなことよりもエレンだ。このままだと『ワケがわからないよ』とか言う某白い生命体みたくなっちまう。
そんなことを考えながらも、ライナーに連れられて席についた。ちなみに席順は左側からミカサ、俺、ライナー。向かいに左側からアルミン、エレン、ベルトルトの順だ。
「久しぶりの食事だな」
「……久しぶりの食事?」
ポツリと口から漏れた言葉にアルミンが反応した。
「ん、あぁ。ここ三日間ずっとなにも食べてないんだ」
「三日間も何してたんだ……」
ライナーが苦笑をしながら、言った。
「ただ考え事してただけだよ」
「考え事?」
エレンが首を傾げながら尋ねてきた。
「おぉ、どうやったらみんなと仲良くなれるかなってさ」
まぁ、そんな悩みも無くなったけどよ。そんなことを言いながらパンを口に運ぶ。
……以外と美味いなこのパン。
「……そう言えばエレンは医者になりたんじゃ無かったのか?」
ふとした疑問をエレンに聞いてみた。
「っ!」
カラーン。という音と共にエレンの持っていたスプーンが床に落ちた。
「「エレンっ!」」
ミカサとアルミンがエレンの名を呼んだ。
「だ、大丈夫だ」
「……NGワードだったか?」
「……あぁ。母さんを思い出すからその事は言わないでくれ」
「カルラさんを……思い出す?」
「……明日でいいか?」
「分かった。……さて、俺はそろそろ寝る準備でもするかな」
椅子から立ち、皿を持つ。
「少し早くない?」
アルミンがそう言った。
「教官に飯が終わったら来いって言われてんの」
「なるほどね、ごめんね引き止めて」
「問題なし」
そのまま俺は食堂を出て教官室へ向かって歩を進めた。……途中、ジャンが睨んできたり、サシャが死んでたりしたがとりあえずスルーした。