インフィニット・ストラトス〜月夜に駆ける黒狼〜 作:ツンツン
「で、ここが医療室よ。ここはさっきの医務室と違って大きな怪我とかした時に運ばれるとこなの」
「何から何まで凄まじい設備だな…」
現在、約束していた通り鈴に学園の案内をしてもらっているのだが、もう何から何まで見たことのないような設備で圧倒されまくりだ。
「当たり前でしょ、なんたって世界でたった一校しかないISの専門学校なのよ?」
「それはそうなんだが…」
俺の通っていた高校には私立なのに購買どころか自販機すら置いてなかったぞ…
「じゃあ次は…」
「あー、とりあえず学校案内はこれぐらいでいいよ、重要そうなところは回れたし…それよりも早く訓練しに行こうぜ?」
「まぁアンタがそれでいいならいいけど…」
「本当は早く一夏と会いたいくせに〜、素直じゃないな〜」
「そ、そんなわけないでしょ!?バカ!」
「…もうちょっと素直になれたら振り向いてもらえるかもしれないのにな〜」
「〜〜!うるさいうるさいうるさーい!ごちゃごちゃ言ってるとぶん殴るわよ!?」
まぁこいういところも可愛いだけどな…
「へいへい、悪いござんした」
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「あら、来たわね少年少女」
アリーナに着くと楯無姉がこちらに気付く。なぜこの人はお姉さんぶるのだろうか?もう少年と呼ばれる歳ではないのだが…
「話しは一夏君から聞いてるわ、洸輝君が真面目に昨日の話しを真面目に考えてくれててお姉さんはとても嬉しいわ!」
「あ、あははは…」
言えない。昨日の真面目な話しを鈴と一夏の仲を発展させるために使ったなんて…知られたらまたあのくすぐり攻撃が…
「あんた楯無先輩と昨日何話たのよ?」
「ん?あー、なんか最近はこの学校も危険に晒されることがあるから他の専用機持ちと連携取れるようにしとけって言われたんだよ」
「なるほどね〜、一夏と話してた連携の話ってそのことだったの…まぁ確かにもしもの場合を考えたら皆と連携取れるようにしとくのは当然ね」
「まぁそういうことだ」
「それじゃあ鈴ちゃん、反対側のスペースを使って洸輝と訓練始めて?私はこれから生徒会の仕事で今日はもう戻って来れないから適当なところで上がってね」
「わかりました、それじゃあ行くわよ!」
「うぃ〜す」
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「よし、こっちは準備オーケーよ!そっちは?」
「こっちもオーケーだ」
鈴のISは赤というより濃いピンクと黒のゴツイ機体だな。しかも青龍刀とか厳つい…。
「じゃあまず最初は模擬戦やりましょか?お互いどんな動きをするか知っといた方がいいでしょ?」
「そうだな。そんじゃあ行くぞ!」
「かかって来なさい!!」
よし、ここは一発昨日のグラビティイグニッションブーストで奇襲を…あれ?…
「…………」
「………?ちょっと、なんで来ないのよ?」
「なぁ鈴、ちょっと質問いいか?」
「…何よ?」
「昨日俺がやったイグニッションブーストってどうやるんだ?」
「…は?」
「だからイグニッションブーストってどう…」
「待って、分かったから言わなくていい…ていうかあんた昨日散々イグニッションブースト使ってたじゃない!?」
「そ、そうなんだけど昨日は怒りに任せてやってたからいざ冷静な状態でやろうとしたらどうやってたかわからなくなっちゃった、てへぺろ」
「アンタはなんでそんなめちゃくちゃなのよ…はぁ」
「す、すまん…」
ホント自分でも情けなくなってきた。
「どうかしたのか?」
一区切りついた一夏とシャルロットがこちらに降りてきた。
「ちょっと聞いてよ!こいつ昨日あれだけイグニッションブーストやってたのに今になってできないとか言い出したのよ!」
「へ?どういうこと?」
そうだよな、シャルロットが言いたいことは分かるぞ。昨日あれだけやって今さら出来ないなんてな…ははっ笑っちまうよな…
「いや、だからイグニッションブーストのやりかたがわからなくなっちまって…」
「昨日あんなにやってたのに?」
「…面目無い」
一夏よ、これ以上畳み掛けないでくれ…
「まぁそれならシャルが教えるの上手いぞ、俺も色々教えてもらったしな」
ほう…
「ちょっと、アタシだって教えてあげたでしょ!?」
「鈴の教え方はアバウト過ぎて教えてるうちに入らないんだよ」
「はぁー!?あんなに丁寧に教えてあげたのに!?」
「じゃあシャルロット先生お願いします」
「そっちはそっちでなんでもうシャルロットに教えてもらってるのよ!?」
せっかく二人っきりにしてやろうという配慮なのに気付いないのかね〜…というより俺はイグニッションブーストが出来るようになりたいだ。
「あ、お構いなく。こっちはシャルロット先生に教わるから。それでは先生どうぞ」
「先生ってそんな大層なものじゃないけど…まぁとりあえず僕のできる範囲で手伝うよ」
「よろしくお願いします」
「うんとね、まずイグニッションブーストっていうのは後部スラスターから出すエネルギーを使ってもう一度そのエネルギーを取り込むことでそれを元に爆発的な加速を得ることができるんだよ」
「うむ」
「だからスラスターから出したエネルギーを取り込むように意識すればできると思うんだ」
分かりやすくて親切やわ〜なんだか出来るような気がしてきた。
「なるほど、とりあえずやってみよう」
エネルギーを取り込むように…エネルギーを取り込むように…。
「ふんっ!」
俺の機体は車のエンストのように『バスンッ!!』と音をたて、イグニッションブーストをすることはなかった。
「「……………」」
もうダメだ、おしまいだ〜
「ちょ、ちょっと洸輝、そんな膝をついてまで落ち込まなくても…」
「そ、そうだぞ。むしろ昨日いきなり出来た方が凄いんだからさ!?」
「昨日できたはずの事ができなくなって、やり方も一から教えてもらったのにできないなんてもう生きててすみません」
「アンタどんだけ落ちこんでんのよ…しょうがないわね〜、それなら私が教えてあげるわよ」
「え?でも鈴ってイグニッションブーストしたことなくないか?」
「別にアタシができなくたっていいのよ」
「「??」」
「用は洸輝が昨日の感覚を思い出せばいいのよ」
「確かにそれが出来れば話しは早いんだが…」
「だから…」
鈴が構えると、黒雷が警告を告げる。
「昨日みたいに攻撃しまくれば体が思い出すってことよ!!」
俺は目に見えない何かにぶっ飛ばされ、壁に激突した。
「イッテ〜…何が起きたんだ?」
「ふふん、アタシの甲龍の龍砲は砲身も砲弾も見えないのが特徴なの。だから頑張って昨日の動きを思い出さないと痛い目見るわよ!!」
もう痛い目見てますけど…そんなことは気にせず鈴は続けて俺に向けて龍砲をぶっ放す。慌てて躱すが鈴の砲撃は止むことはなかった。
「ちょ、ちょっと待て!いくらなんでも荒療治すぎんだろ!?」
「だって言葉で説明してもできないんだから身体の感覚で出来るようになるしかないでしょ!?」
そんなスパルタ的な考えはどうかと…!!?ヤバイ油断した!!目には見えないけど今もう目の前まで衝撃弾があるのか分かる…避けないと…避けないと…避けないと…避け…
「おい、鈴!そんな事してたら下手すると洸輝が怪我する…ぞ……」
一夏が言い終える前に俺は鈴の龍砲をイグニッションブーストで全て避けきった。
「おぉー!できたー!!」
いきなり出来たけどあとはこのコツを忘れないようにすれば完璧だな。
「…ほ、ほらアタシの言った通りじゃない、さ、最初からアタシが教えとけばよかったのよ」
「鈴、ちょっと動揺してない?」
「そ、そんなことないわよ!昨日からかわれた分の仕返しをしようなんてこれっぽっちも思ってないんだから!」
「「(思ってたんだな…)」」
「まぁ何にせよイグニッションブーストのコツはわかったんだ、サンキュー鈴!(まぁでもやっぱ身体イテェからグラビティの方は控えるようにしとこう)」
「それじゃあ貸し1だからね、ちゃんと返しなさいよ?」
「りょ〜かい」
「それじゃあそろそろ帰るか」
「そうだね、アリーナも閉まる頃だし」
「なんかあっという間だったな〜」
ISを解除して更衣室へと向かう。
「学校案内してきた後なんだから当たり前でしょ?」
「それもそうだな〜…なぁ、ちょっと早いけどこのまま飯食べて行かないか?」
「うん、僕は構わないよ」
「アタシもいいわよ」
「もちろん俺もOKだ」
「じゃあ着替えたら更衣室前に集合な」
女子2人と一度別れ、俺と一夏は一応男子専用となっている更衣室へと向かう。さて、今回何故このメンバーで食べに行こうと提案したかというと〈シャルロット•デュノア〉彼女がいたからだ。別に俺が好みだからというわけではないぞ?一夏を取り囲む女子の中でシャルロットが一番一夏とお近づきになっているであろうと感じたからだ。2人はタッグ戦も組んでいたそうだし、何より一緒に風呂に入ったり試着室で生着替えを見せたという情報もある。…死ねばいいのに…。情報提供者は秘密。以上のことから一夏とシャルロットの距離を推し測ることができれば今後の鈴の手伝いがスムーズになるわけだ。…たぶんだけど…。
最後にシャルロットの話しを入れたけど全く考えないで書いたから次回どう繋げようか汗