ソードアート・オンライン〜黒の剣士と神速の剣士〜   作:ツン

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SAO:アインクラッド
第1話 リンク・スタート!


第3者side

 

東京のとある研究所。

そこには2人の男がいた。

1人は顔立ちからして大人、年齢は20代後半ぐらいだろう。もう1人は見るからに少年、年齢は14ぐらいだろう。

2人とも白衣を着ており目の前の無数にあるモニターを見ていた。

モニターには色々な風景が映っていた。

一面に広がる草原。迷路のような通路。険しい雪山。そして周りに青い炎が灯っており、その中央には巨大な悪魔のようなモンスターが仁王立ちしている広い空間が映っていた。

それらを見ながら男は満足そうに笑みを浮かべていた。

そして少年もその顔に笑みを浮かべながら隣の男に言った。

 

「いよいよですね。先生」

 

「ああ、ようやく私の目的が達成させられる。どれほどこの瞬間を待っていたか」

 

「そろそろ正式サービスが開始されるので俺は家に帰りますね、先生」

 

そう言って少年は帰ろうとするが隣の男が話しかけてそれを止める。

 

「本当に君も行くのかい?入ってしまったらもうこっちには───」

 

だが、少年は男が言い終わる前に言った。

 

「だから行くんですよ」

 

「そうか。向こうで君の活躍を期待しているよ、祐也くん」

 

それを聞き終わると祐也は研究室を出て行った。

 

「こんな世界、もう居たくないんですよ」

 

研究室を出て少し止まり祐也は呟く。

そして後ろの扉が閉まると同時に歩き出した。

 

 

 

 

 

祐也は研究所を出て自転車に乗り家に帰る。

研究所から家まで約15分はかかり家に着いたのは12時50分だった。

正式サービスまで後10分しかなかったが祐也は慌てず着々とログインの準備をした。

準備を終えて時間を確認すると58分だった。

祐也はベットに横たわりナーヴギアを着け、その時を待つ。

そして

3、2、1、0

 

〔13:00〕

 

「リンク・スタート!」

 

そう言って祐也はSAOの地に降り立った。

 

 

 

 

 

 

祐也(カゲヤ)side

 

やっとこの世界に来れた。

 

それがSAOに来てから1番に思ったことだ。

いろんな事から解放された。そう思えた。

だがいつまでも感傷に浸っているわけにはいかない。

周りは次々に走り去って行く。

遅れをとるのは嫌だから俺も目的の店に向かう。

買うものはすでに決まっているから速攻でそれを買い、街の外に出る。

草原を走りなるべく街から離れる。

 

(やっぱり最初は遅いなー)

 

走りながら愚痴を言う。

初期ステータスだから仕方がないことだけど、やはり愚痴をこぼさずにはいられない。

まぁ、レベルを上げれば問題のないことだが。

そうこう考えてるうちに結構離れていたから止まって周りを見渡す。

ちょうど左後ろに青イノシシこと【フレンジー・ボア】がいた。

それを確認すると背中の剣を抜きながらフレンジー・ボアに向かって走る。

こっちに気付くとフレンジー・ボアは突進の準備をする。そしてすぐに突進してきた。

ここで慌てて避けようとすると逆に攻撃を喰らうから俺は避けずにフレンジー・ボアに突っ込む。

途中で剣を逆手に持ち替え、胸の前に添える。後数メートルのところで低く飛び、フレンジー・ボアの頭上で体を捻って回転し、頭、背中、お尻と3回斬りつけて着地する。

そして振り向いて見るとフレンジー・ボアの体力は半分になっていた。

そしてまた突進してきたからそれを剣で受け止め、側面に回り込み数回斬りつけソードスキルの片手剣スキル突進技《ソニックリープ》で止めを刺す。

HPが0になるとフレンジー・ボアは一瞬止まるとパリーンと弾ける音と共にポリゴンになって舞い散った。

それを確認すると俺は剣を背中の柄に戻して次の敵を探しに行こうと走ろうとした瞬間、2人組の男に話しかけられた。

 

「なぁ、あんたもβテスターなのか?」

 

黒髪のイケメン男が話しかけてくる。

と言っても、ゲームの中だから必然的に格好良くなるのだけどそこは気にしないでおこう。

 

「まぁ、一応βテスターだけど」

 

「なら一緒にこいつのレクチャーを手伝ってくれないか?」

 

黒髪の青年は横にいる赤髪の男を親指で指しながら言う。

 

「別に構わないよ」

 

すぐにレベルを上げる必要がなかったから俺はレクチャーを承諾する。

 

「それにしてもよ、お前さっきのどうやったんだ?」

 

赤髪の男が前に出てきて言う。

 

「さっきって、ソードスキルのことか?」

 

「いや、その前の回転しながら斬ったやつだよ」

 

初心者だと思ってソードスキルのことだと思ったんだが、違ったらしい。

 

「あぁ、それか。あれは結構簡単だよ。タイミングを合わせてジャンプして、空中で体を捻って回転するんだよ」

 

「俺でも出来るか?」

 

「まぁやってみないとわからないかな。それにちょうどあそこに敵がいるから試してみようよ」

 

そう言って左にいるフレンジー・ボアを指す。

 

「そうだな、よーし!やってやるぜ!」

 

そう言って赤髪の男はフレンジー・ボアに向かって走っていった。

黒髪の青年も行こうとしたが止まってこっちを向いて言った。

 

「そういやまだ自己紹介がまだだったな。俺はキリト。向こうの赤いのがクラインだ」

 

キリトは手を出す。

 

「俺はカゲヤだ。よろしくキリト」

 

そう言って俺はキリトの手を握り握手をした。

 

それからはクラインにいろいろとレクチャーした。

1番面白かったのが俺の真似をして何回も飛んで試していたが、ことごとく失敗に終わり何回も吹き飛ばされていた。

しまいにはHPが4分の1まで減らされていた。

キリトもやったが出来ずに1回で止めてしまった。

そうこうしているうちに5時になっていた。

時間を気にしてキリトが言う。

 

「まだやるか?」

 

「あったりめぇよ!…と言いたいとこだけど腹へったからなぁ〜」

 

「街に戻って何か食べる?まぁこっちの世界の食べ物は空腹感を紛らわせるだけだけどね」

 

「飯の心配は必要ないぜ。5時半にピザを頼んであるからな」

 

「準備万端だな」

 

「おぅよ!それじゃ俺はちょっくら落ちるぜ」

 

そう言ってクラインはウインドウを開きログアウトする。しようとしたが途中で指が止まり難しい顔をしてメニューを凝視していた。

キリトがそれに気付き話しかける。

 

「どうしたんだ?クライン」

 

「いや、それがよ、ログアウトボタンがねぇんだよ」

 

「ちゃんと確認したのか?」

 

「どこ探してもいい見つからねぇんだよ」

 

「そんなわけ………ない…」

 

 

そのあと俺たち(主にクライン)はいろいろとログアウトする方法を試した。

だが、それでも何も起きなかった。

俺は岩に腰掛け、クラインは地面に座り、あぐらを組みながら言った。

 

「いったいどうなってんだよ」

 

「わからない」

 

キリトは難しい顔をして考える。

 

こうしていても拉致があかないな。一旦街に戻ろう。

 

そう思い俺は立ち上がる。

だがその直後、リンゴーン、リンゴーンと鐘が鳴り響いた。

そして俺たちは青白い光に包まれ強制転移された。

 

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