ソードアート・オンライン〜黒の剣士と神速の剣士〜   作:ツン

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第14話 いざこざ

 

俺は今、49層の草原を歩いていた。

最前線は63層だが、武器強化の素材集めのためにきたのだ。

だが、既に素材集めは終わって今は帰る途中だ。

 

 

 

 

 

 

街に戻ったところでいくつか問題が発生した。

1つ目は鍛冶屋だ。

俺はプレイヤーの鍛冶屋に知り合いがいないため、NPCの鍛冶屋でいつも強化している。

NPCの鍛冶屋でもちゃんと素材さえ渡せばある程度は大丈夫だが、そろそろプレイヤーの鍛冶屋でないときくつなってきた。

2つ目はプレイヤーの鍛冶屋にあてがないことだ。

正確にはあてがない事は無いが今はそいつと連絡が取れないのだ。

そして3つ目は変なやつらに絡まれている事だ。

そいつらのギルドの名前は《救済団》。

名前の通り困っている人を助ける傭兵ギルドらしい。

で、そいつら曰く「お前のせいで依頼が減った」との事らしい。

確かに、クエストやアルゴの依頼の時などに行った時にピンチになっていたパーティーを何度も救った事があり、今回も素材集めの途中でパーティーを助けたのだ。

それについて文句を言われる筋合いは無いはずだ。

 

「お前が俺たちの仕事を横取りしたせいで依頼が少なくなってるんだよ!」

 

男達は俺を睨みながら叫ぶ。

その男にパーティーの1人のジョンというプレイヤーが言い返す。

 

「それはお前達の力不足のせいじゃないか!自業自得だ!」

 

「な、なんだと……ユニークスキルを持ってるぐらいで調子に乗るなよ!」

 

目の前のブロードという男の言う通り、ジョンはユニークスキルの持ち主だ。

名前は確か《双剣》。

短剣の二刀流といえばわかりやすい。

お互いに剣を抜き構える。

ジョンは双剣を、ブロードは両手剣を。

そんな2人の間に入り俺は言う。

 

「落ち着けお前ら。そんな事で争っても意味がないだろ」

 

後ろにいた他のパーティーのみんなも説得するようにジョンに言う。

だが、ブロードは感情を抑えきれず叫ぶ。

 

「元はと言えばお前のせいだ!お前からねじ伏せてやる!」

 

そう言うとブロードはウインドウを操作する。

直後、デュエルのメッセージが表示される。

俺はため息をつきながら承諾する。

勝負の内容は《初撃決着モード》。

メッセージの下で60秒のカウントダウンが始まる。

カウントダウンが少なくなるにつれ観客が少しづつ増えていく。

その事にまた、ため息をつきながら剣を構える。

構えるといっても右足を少し後ろに引き、剣を下げるだけだが。

ブロードは両手剣を中段に構える。

カウントダウンが10秒をきると周りは静かになる。

そしてカウントダウンが0になると同時に『DUEL!!』の文字が弾ける。

だが、その1秒後にはウィナー表示が出ていた。

ブロードは尻もちをつきながら呆然とし、その後ろに俺が立つという状態で。

勝者はもちろん俺だ。

デュエルの内容は至ってシンプルなものだ。

デュエルが始まる前に神速スキルの《2倍速》を発動しておく。

そして始まると同時に最高速度に加速し、その状態でブロードを斬り減速と停止を同時に行い止まる。

簡単に言うと全力で走り、ブロードを軽く斬り、そしてブロードの後ろで止まる。

高い敏捷力と筋力があっての為せる技だ。

観客には瞬間移動したように見えただろう。

恐らく、今の一連の動作を目で捉えることが出来たのはこのデュエルを見ている中でただ1人しかいないだろう。

少しの静寂のあと一気に歓声が湧き上がった。

そんな中、1人の少女がこっちに来て話しかける。

 

「相変わらず速いね。カゲヤ君は」

 

「サキか。神速スキルのおかげでな」

 

「気付いてたなら話しかけてくれてもよかったんじゃないの?」

 

サキはジト目で俺を見る。

 

「確信がなかったんだ。それにいざこざが起きてたし…」

 

「でも、神速スキルを使ったってことは私だってわかってたんでしょ?」

 

「う……」

 

俺はバツが悪そうに目を逸らす。

 

「やっぱり凄いですね!カゲヤさん!」

 

後ろから感激の声が聞こえ振り向く。

そこにはジョンとパーティーのメンバーがいた。

メンバー達も凄いといった感じで見ていた。

 

「今度、手合わせしてくださいよ!」

 

「時間があったらな」

 

「はい!」

 

ジョンは子供のように喜び、パーティーメンバーに自慢するように話す。

 

「じゃあ、俺たちはもう行くな」

 

「あ、はい。またお会いしましょう!」

 

「あぁ」

 

そう言うと、俺の後ろに隠れているサキに話しかける。

 

「行くぞ、サキ」

 

「……うん」

 

俺はサキを連れてなるべく人気のない場所まで移動する。

その間、サキはずっと下を向いて俺の服の裾を握っていた。

ある程度人気のない場所まで来ると近くのベンチに座る。

サキも隣に座るが裾は握ったままだった。

 

「サキ、もしかしてまだきついんじゃないのか?」

 

その問いにサキは笑みを浮かべながら答えた。

 

「あはは……どうしてわかったの?」」

 

「無理して笑ってるように見えたんだ。それに、すこし震えていたからな。もしやと思ったんだ」

 

そこで間を置き俺は続けた。

 

「それにジョンが…デュエルのあと話しかけてきた男だが…来た時、俺の後ろに隠れたからわかったんだ」

 

サキは俯く。

何も言わず、ただただ俯く。

 

「今日はもうホームに戻って休んだ方がいい。送って行いくよ」

 

「うん。ありがとう」

 

俺はサキの手を引きながらサキのホームへ向かった。

 

 




カゲヤ「もう、滅茶苦茶だな……俺…」
作者「もうカゲヤ君はこのくらいが丁度いいんだよ!」
カゲヤ「はぁ…嫌気がさしてくる…」
作者「そう落ち込むなって、カゲヤ君!」
カゲヤ「誰のせいだと思っているんだ」
作者「もちろん俺だよ!」
カゲヤ「死ね」
作者「ちょっ!剣を仕舞おう。ね、ね、ちょっ、まっ、ギャァァァ!」
カゲヤ「駄作者が……じゃあ、次回もよろしくな」
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