ソードアート・オンライン〜黒の剣士と神速の剣士〜   作:ツン

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第33話 友との出会い

 

 

「久しぶりだね、カゲヤ君」

 

「70層以来だな」

 

「聞いたよ、《繋姫(つなぎひめ)》と結婚したんだって?おめでとう」

 

 

 

目の前にいる緑色の髪をした30代前後の男、名前はクロード、二つ名は《浮剣の賢者》。

装備が賢者のような格好のためそう呼ばれるようになった。

だが、それだけではない。

クロードの戦闘も二つ名の由来になっている。

クロードとはよくパーティーを組んで戦ってきたからわかるが、クロードはかなり頭が切れる。

瞬時に敵の攻撃パターンや弱点を瞬時に把握し素早く作戦を練り実行する。

とても頭の回転が速いのだ。

それに、不測の事態にもすぐに対応出来るため、クロードのパーティーは一度も危険に陥ったことがない。

それを可能にしているのが二つ名の由来でもある、クロードの持つユニークスキル《浮遊剣》だ。

簡単に説明すると剣を宙に浮かせ自在に操ることの出来るスキルだ。

 

 

 

「早速だけど本題に入らせてもらうけどいいかな?」

 

「ああ、構わない」

 

そう言うと俺はクロードの向かい側の椅子に座る。

 

「では、一つ目。君はどちら側の人間なんだい?」

 

「どちら側、というと?」

 

茅場の仲間()プレイヤー(味方)か、ということだよ」

 

「……今は味方、とだけ言っておく」

 

「そう。敵じゃないならいいんだよ。敵じゃないならね」

 

一体どこから情報を仕入れたんだ……

 

俺がこのゲームの製作に関わっていた事は誰にも言っていない。

もちろんキリト達にもだ。

だから知っている者はいないはずだ。一部の人間を除いては。

 

「俺からも一つ質問がある。その情報、どこで手に入れた」

 

「聞いてくると思ったよ。私達の仲間には優秀な情報屋がいてね。《鼠》に勝るとも劣らない実力の持ち主で、いろんな情報を持っているんだよ」

 

「初耳だな。そんな奴がいたなんて」

 

「だろうね。なんせ誰もその情報屋のことを知らないからね。だから皆情報屋のことをこう呼ぶんだ、《幻影》とね。本当にいるのかすらわからないからね」

 

「それは困ったな」

 

「ふふ、見つけて問い詰めるきだったのかい?」

 

「問い詰めると言っても、ただどこまで知っているか聞くだけだ」

 

「残念だけど私は何処にいるか知らないよ。というか、誰もわからない。幻影は神出鬼没だからね」

 

「そうか。なら諦めるとするか」

 

「それはそうと、さっきからずっと外が騒がしいけど何かあったのかい?」

 

「ああ、サキとアテスがまだ言い争いをしているんだろう」

 

「なるほど。あの2人、昔は仲が良かったのにね」

 

「どうして仲が悪くなったんだろうな」

 

そう、サキとアテスは昔はお互い笑顔で話し合ってた程、仲が良かったのだ。

それがいつの日か急に仲が悪くなり、会う度に言い争いをするようになった。

 

「ん?何をにやにやしているんだ?」

 

「いや、別に何も」

 

なぜ笑っているのかわからず俺は首をかしげる。

 

「それにしても《繋姫》も《狩人》も毎回毎回飽きないね」

 

「まったくだ。そろそろ止めに行くか」

 

俺は立ち上がり扉へ向かおうとした瞬間、バタン!という音と共に扉が勢いよく開き、赤髪の少年が息を切らしながら入ってきた。

「カ、カゲヤ兄!助けて!ギン兄が!軍に!」

 

俺は目に涙を浮かばせながら叫ぶ赤髪の少年、レンに駆け寄るとなだめるようにそっと言う。

 

「落ち着けレン。まずは深呼吸してゆっくり話せ」

 

「う、うん……」

 

レンは目を閉じ一度深呼吸すると落ち着いたのかゆっくりと話し始めた。

 

「大変なんだ。ギン兄達が軍の奴らに捕まっちゃって……」

 

「場所は?」

 

「東五区の道具屋裏の空き地にいるんだけど、軍が10人くらいで通路をブロックしてるんだ……」

 

「よし、わかった。お前達はここで待っていろ。必ず助けて戻ってくる」

 

「頼んだよ。カゲヤ兄ちゃん」

 

「ああ……すまないクロード。少し行ってくる。話の続きは帰ってきてからでいいか?」

 

「構わないよ。早く行ってあげな」

 

「すまない」

 

最後にクロードに謝罪しすぐに部屋から出ると、階段には向かわず手摺を飛び越え1階に飛び降りる。

着地と同時に地面を蹴り正面の二枚扉へと走る。

扉は開け放たれており、その奥では数人の少年が走っているのが見えた。

 

キリト達は先に行ったのか

 

「急がないとな」

 

俺はそう呟くと教会を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロードside

 

 

もう少しカゲヤ君と話をしたかったな

 

開け放たれたままの扉を眺めながら不意にそんなことを思った。

 

「話は終わったの?」

 

いつの間にか部屋に入ってきていた狩人が壁に寄り掛かりながら尋ねてきた。

 

「途中で終わったよ。出来ればもう少し話をしたかったな。そっちはどうだったんだい?」

 

「ふん。あんなガキどうだっていいわ!」

 

「どうして繋姫のことそこまで目の敵にするんだい?」

 

「あの子が気に入らないのよ!寄生虫みたいにカゲヤ君べったりくっついて……それに私は結婚なんて認めないわよ!」

 

「はぁー……もう仲直りしたらどうだい?というか、むしろ仲直りしてほしいものだけどね。昔のようにパーティーを組んで一緒に攻略がしたいからね」

 

「私はごめんだわ!……今度会ったら矢で脳天をブチ抜いてやるわ……」

 

狩人は最後に一言「先に戻ってるわ」と言うと部屋を出て行った。

 

「どうしてこうなってしまったんだろうか」

 

無意識の内に呟く。

 

いや、理由はわかってる……

お互い好きだったからだ、カゲヤ君のことを……

 

「お互いそのことを知らなければ仲が悪くなることもなかったのかな」

 

私はイスに座り込み天を仰ぐ。

 

2人はお互いがカゲヤ君のことを好きだと知る前は仲が良かった。

だが、知ってしまってから徐々に仲が悪くなっていき今の状態に至るのだ。

 

「2人とも本気だったからお互いに譲れなかったのかな………まったく、女の子というものはよくわからないよ……」

 

その後数分ゆっくりした後、私も仲間達の元へ戻るため部屋を出た。

 

 

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