その身に宿すはキングストーンⅡ   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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今回は最後に閃乱カグラ要素があります。
ぶっちゃけ設定とかは今作限定な感じになると思いますし彼女以外の登場は今んとこ予定してないです

相変わらずな出来なのも変わらないのでそれが嫌ならブラウザバック推奨です


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そんなわけで、一行と合流し初日のホテル

晩ご飯に出たのは豪華な京料理の数々だった

ぶっちゃけ料理のことはよくはわからないが、野菜がとても美味しかった

合流した事をロスヴァイセに報告し、部屋へと赴き持ってきた荷物を置いた

 

ようやく一息つくことが出来た

望月やダンテたちもすでにこちらのホテルに移動していたようで、夕食の時間に彼らを見かけた

その時は班のメンバーもおり、軽く手を振って挨拶するだけに留めたのだが

 

部屋で窓を開けながら夜風を浴びて自然を堪能しつつ、メリディに改めて相談する

 

―――どうして向こうが襲撃してくる?

 

<確認は言ってると思うのだけどねぇ、そういう連絡を怠るとは思えないし>

「正直情報が少なすぎるから、リアスさんらに報告も出来ないもんなぁ」

 

余計な心配を与えてしまうし、話したらリアスを通じて小猫にも伝わってしまうだろう

幸いにもまだ始まったばかり、向こうへの報告はもう少し状況を見定めてからでも十分間に合うはずだ

 

<まぁそこらへんは兵藤くんを通してアザゼルに話伝わってると思うから、しばらくはこのまま観光してても大丈夫でしょう。…それで、いいの? そろそろ頃合よ>

「お、そうだな。…阿呆なダチを止めに行くか」

 

部屋を見渡す

兵藤は自分がくつろぐ少し前、松田、元浜と三人でホテル内のゲームコーナーに行く、と言っていた

そしてもう少しで女性陣の入浴時間となる

戻ってきてアイツが起こす行動は分かりきっているので、友人が過ちを冒す前に自分が防波堤とならなければ

 

◇◇◇

 

女風呂へと続く非常階段の踊り場に同様に察知して待機していたロスヴァイセ(ジャージ)と一緒にターゲットが来るのを待つ

そして数分後…ホイホイと兵藤はやってきた

なんでか知らんが彼は皮肉っぽい笑みを零していた

 

「なんだその〝やっぱりわかってたか…〟みたいな顔は。絶対来ると思ったわ」

「えぇ。最初から分かりきっていることですから」

 

ロスヴァイセが構えつつ

 

「教師として、生徒の裸は守ります!」

「というか、俺がいる時点で諦めろよ兵藤。そう簡単には抜かせんし、仮に抜いたとしてもシトリー眷属の人たちがお前見てるからどうあがいても覗けないぞ」

「マジかよ!?」

 

大マジである

とか言ってる間に兵藤はロスヴァイセと戦闘を開始していた

場所が場所なのであんまり派手な魔法とかはなく、ぶっちゃけ肉弾戦の押収が繰り広げられている

というかああ言ったのに諦めていないようだ、それどころか普段より幾分拳打の鋭さが上がっている気がする

エロが絡むとどうしてこう無駄な才能を発揮するのか

もっと使い道を考えて欲しい

わが友ながらどうしてこうなった

 

「少しくらい見逃してください! 多少寛容でないと彼氏なんてできませんよ!」

「んな!? か、彼氏のことはいま関係ないじゃないですかぁぁぁぁぁ! 私だって、素敵な男性とえっちぃことしたいのにぃぃぃぃぃ!」

 

不意に呟いた兵藤の言葉にロスヴァイセが反応する

そんな絶叫から変なスイッチが入ったのか、かなりの魔力が彼女の全身から放たれ始めた

 

<ああもう…ほんと生娘ねあの娘>

「やれやれだ」

 

呟きながら浩太郎は軽く走りだし、ロスヴァイセの上を跳躍し彼女の目の前に移動すると彼女の唇に己の人差し指を押し当てて

 

「んっ!?」

「それ以上はダメです。階段が壊れちゃいますよセンセイ」

 

なるべく優しい声色で、諭すように彼女を宥めていく

 

「ロスヴァイセさんは十分綺麗で可愛いですから、きっといいお相手が見つかりますよ。…ですから諦めないでくださいな」

「…こう、たろうくん…」

 

たははーなどと笑いながら浩太郎はこの隙に移動しようとしていた兵藤の目の前に顕現させたサタンサーベルを投げつける

神速の勢いで投げられたサタンサーベルは勢いよく壁に見事突き刺さって、ビィィィン…と震えていた

僅かにかすったのか兵藤の鼻先から少量ではあるが血が流れていた

まぁあの程度ならすぐに塞がるだろうから、心配は無用か

 

「まだ行く気?」

 

ぞわり、と妙なプレッシャーが兵藤の背筋を駆け巡る

ごくり、と唾を嚥下させ、額からは冷や汗が吹き出ている

兵藤は悟る―――アカンやつや、と

と、そのとき

 

「あー…楽しんでるとこ悪いんだが…」

「これ楽しんでるように見えます!?」

 

叫ぶ兵藤

まぁ彼からしたらマジで斬られる五秒前だったわけで

 

「アザゼルさん、なんでここに?」

「いや何、俺とお前たちに呼び出しがかかってな。近くの料亭に来ているらしい」

「呼び出し?」

 

兵藤が聞き返す

浩太郎もサタンサーベルをしまい、ロスヴァイセも首をぶんぶんと振り回し真面目な顔を作る

 

「あぁ、魔王少女さまからな」

 

◇◇◇

 

グレモリー眷属とイリナ、それに加えて梓馬浩太郎はホテルを抜け、アザゼル先導のもと、とある一角にある料亭へと足を運んでいた

ついでにそこに行くことをメールで望月にも送っておいた

こっちでの用事が終わったらダンテたちの所に行って相談しよう

 

料亭の名前は〝大楽〟

ここにセラフォルー・レヴィアタンがいるようだ

中に案内され和の雰囲気漂う通路を進んでいくと、個室が見えた

それを開けると着物を着たセラフォルーが座っている

 

「ハロー! 赤龍帝ちゃん、ブラックサンちゃん! リアスちゃんの眷属のみんな! この間ぶりね♪」

 

相変わらずテンションが高い

とりあえず着物はとても似合っている

ロングの髪も着物に合わせるように結ってあった

 

「お、兵藤たちか」

 

匙とシトリー眷属の二年女子たちだ

先に来ていたようだ

 

「京都は満喫出来てるか…その表情だと、今んとこ満喫できてないっぽいな」

「あぁ。今日の午後は先生方の手伝いで終わっちまったよ」

 

ため息混じりに苦笑いする匙

それを尻目に、改めてシトリー眷属の女性陣を横目で見る

騎士:巡巴柄 戦車:由良翼紗 僧侶:花戒桃と草下憐耶

 

(…くさか…)

 

仮面ライダー作品の登場人物を不意に思い出す

全く関係ないのだが

しかしこう見ると匙もハーレム空間だと言えるようだ

 

「ここのお料理とっても美味しいの。鳥料理とかもう絶品なのよ! みんなもたくさん食べてね♪」

 

席に着くやいなやレヴィアタンはどんどんと追加注文し始める

晩ご飯食べたばかりなのでつまむ程度にしておこう

みんながもくもくしている中、浩太郎の中のメリディが問いかけた

 

<それで、どうしてここにレヴィアタンが来たの? まさかここで宴会する、という話じゃないわよね?>

「もちろん。京都の妖怪さんたちと協力体制を得るために来たの」

<あら。ちゃんと仕事してたのね。ちょっと意外だわ>

「むー、メリディさんは普段どんな目で私を見てるんですかー。…だけど、どうにも大変なことが起こっているみたいなの」

「大変なこと?」

 

レヴィアタンの呟きに兵藤が問い返す

 

「うん。京都の妖怪の報告じゃあ束ねていた九尾の大将が先日から行方不明らしくって」

「…行方不明?」

 

 

 

―――九重の母親を返してもらうぞ!―――

 

 

 

その言葉を聞いて昼の襲撃を思い出した

更に同じ時間に襲撃を受けていた兵藤の話によると、彼らはキツネ耳の幼女が率いていた集団に襲われたらしい

これはもしかして、いや、もしかしなくても―――

 

<なるほどね。それだけで察せるわ>

「うん。十中八九禍の団よね」

 

レヴィアタンが真剣な面持ちでつぶやく

そして同時に浩太郎は内心で心からのため息をつく

ここでもか、修学旅行先でも絡んできやがるか

いい加減にキレるぞ、と感情を爆発させたい

 

「…お、お前らまた厄介事に首突っ込んでんのか?」

<好きで突っ込んでるわけじゃないんだけどねぇ>

 

目元をひくつかせながら問う匙に答えるメリディ

彼女の言う通り好きで巻き込まれている訳じゃあないのだけどね

アザゼルが酒を呷りつつ

 

「ったく。こちとら生徒の面倒見るだけで大変だってのにやってくれるぜ」

 

そういえば修学旅行に行く前に舞妓と遊びたいとか言っていた気がする

まぁこのままでは確実に遊べなくなるだろう

レヴィアタンはアザゼルの杯に酒を注ぎたしつつ

 

「いずれにしても、まだ公にはできないわ。どうにかして私たちだけで事態を収束しなきゃならないの。私はこのまま協力してくださる妖怪の方々と連携して事に当たるつもりよ」

「わかった。俺も独自に動こう。…京都に来てまで面倒なことしやがんなぁ、ヤッコさんどもはよ」

 

注がれた酒をもう一度呷りながらアザゼルは毒づく

しかし修学旅行初日だというのに面倒くさい事に巻き込まれたことだ

 

「アザゼルさん、俺たちはどうする?」

「とりあえず旅行楽しんでおけ」

「…い、いいんですか?」

 

浩太郎の問いかけにアザゼルがそう言い返す

それに不安げな表情をした兵藤の頭をわしゃわしゃと撫でながら

 

「何かあったら呼ぶ。だが、お前らガキにとっちゃ貴重な修学旅行だろう? 俺たち大人がなんとかすっからお前らは京都を楽しんでこい」

<…全く。こういう時だけ先生ヅラするんだから>

 

メリディの言葉にアザゼルは笑いながら「うるせぇやい」と言い返す

 

「そうだよみんな! 今は京都を楽しんで。私も楽しんじゃうから!」

 

レヴィアタンもそう言ってくれる

存外、この人が一番京都を満喫しようとしているのかもしれない

とりあえず余計な心配をかけさせないためにも、観光は続行、ということになった

それでも、何かあったら動こう

せっかくの京都を、破壊なんてさせたくない

 

◇◇◇

 

「ふぅん。妖怪の大ボス様が、ねぇ」

 

その日の深夜

みんなが寝静まった時間帯に浩太郎は部屋を抜け出し、屋上へ来ていた

そこにいるのはダンテと望月

ほかのメンバーも一緒にここに来ようとしたらしいが、改めて説明するから皆は休んでて、と望月にお願いされそのまま就寝している

 

「けどここでもテロかぁ…タイミング悪いっていうかなんていうか」

「そいつは同感だぜ。ここまで来ると、因縁じみてるな」

「こっちとしちゃあいい迷惑ですよ。…いい加減俺だってキレそうだ」

 

まだヴァーリたちが悪いと決まったわけではないが、、元凶とか出てきたら割と全力で顔面を殴るまである

とはいれまだ詳しい状況も全然分かっていないし、自分から調査をするわけにもいかない

本音を言えば個人的に調べたい気持ちもあるが…せっかくのアザゼルの厚意を無下にするわけにもいかない

 

「OK、その事は俺も頭に入れておくぜ。まぁ俺はその母にあった事ないないから、遭遇できても判別できねぇけど」

「それは私も同じですよ。だけど、テロリストがいる、ということだけは頭に入れておいてもいいかもですね。ダンテさん剣呼べますし」

「呼べるんです?」

「其の辺はシークレットだ。説明が面倒くさい」

 

ニヒルな笑みを浮かびながら手を上げて背中を向ける

 

「そろそろ時間も時間だ。お前さんもここらで寝ておかないと明日に響くぜ」

「そうします。お時間取らせました」

「気にすんな。ショウコ、戻るぜ」

「アイサー」

 

◇◇◇

 

翌日の早朝

 

「うしっ! 次だアーシア!」

「はいっ」

 

明け方にアーシアと兵藤がホテルの屋上を借りてトレーニングに励んでいた

それを浩太郎は見守っている形だ

とにかく基礎的な動きから、というのが今回のトレーニングらしい

メリディも姿を現したまに口を出してそれをコーチしている

自分も参加しようとしたら

 

「アンタはいつも私が直接扱いてるから大丈夫よ」

 

と言われ、今回は兵藤のダッシュのタイムを計る係りと化している

 

「しかし、せっかくの旅行なのにこういうのに付き合わせて悪いな、アーシア。もっと浩太郎といたいだろうに」

 

ひと段落したとき、兵藤がアーシアにそうつぶやく

しかしアーシアは笑顔を浮かべて

 

「いいんです。皆さんとの京都は楽しいですから」

「ふふ。ホントアーシアはイイ子ね」

 

メリディが微笑みながらそういった

本当に自分には勿体無いくらいだ

そうしていると別の声が聞こえてくる

 

「相手がいた方が、効率いいんじゃない?」

「せっかく木刀を買ったんだ。壊さない程度に励もうではないか」

 

木場とゼノヴィアだ

そういえばゼノヴィアは木刀を買っていたがそれでも帯刀しながら観光するんだろうか

現状が現状だから仕方ないが

 

「ゼノヴィア、有事の際はこれで戦うといいよ」

「聖なる短剣か。ありがたい、これなら鞄に忍ばすことができる」

 

木場が剣を生み出し、それをゼノヴィアに手渡す

そういえば木場は禁手となったことでちょっとした聖剣も作れるようになったらしい

まぁあくまでもちょっとした、なので本場の聖剣には劣るようだが

 

「お、朝っぱらだってのに精がでんな」

 

がちゃりとドアを開けて屋上に入ってくる一人の男

それは赤いコートを着込みコーラの缶を片手に持った銀髪の男―――ダンテだ

彼の姿を見たゼノヴィアは驚いたように体を強ばらせ、木場と兵藤、アーシアは誰だろうこの人、という感じで頭に疑問符を浮かべる

 

「ダンテさん」

「goodmorning、早いんだな」

 

気さくな笑みを浮かべるダンテに浩太郎が歩み寄る

木場は横にいるゼノヴィアに確認するように

 

「…ダンテ、って…もしかして、あの…」

「あぁ。伝説のデビルハンター…神社で初めて会った時は本当に驚いたよ」

「一応俺の友達を紹介しますよ。まず、あっちの彼が―――」

「知ってるぜ、ショウコから聞いてる。そいつがヒョウドウイッセー、んで、ミスアーシアにキバユウト、そんでゼノヴィア。グレモリーの眷属なんだろ? ってか、イッセーとゼノヴィアには神社で会ったな」

 

手に持つコーラを一口呷り、もう一度笑顔を作る

どうやら望月からグレモリー眷属の話を聞いていたようだ

しばらく浩太郎と話し込んでからダンテはその場を去っていった

その間、ゼノヴィアたちは緊張からなのか、その場から動けないでいた

怪訝に思った浩太郎が聞く

 

「…どうしたんだ?」

「い、いや…何か、話しかけるのに珍しく緊張してしまってな…」

「デビルハンター、だからね。…僕も少し警戒しちゃってたよ」

 

そう答えるゼノヴィアと木場

対して兵藤とアーシアは

 

「…神社で見たときも思ったけど、やっぱあの人ってかっけぇな…俺も将来あんなふうに振る舞えるようになりたいぜ…」

「ふふ。イッセーさんならきっとなれますよ。…ご趣味の方もちょっと改善すれば、少しは近づけると思いもしますが」

 

アーシアにそれを言われるとは、と兵藤も苦笑い

とにもかくにも、早朝のトレーニングは朝の点呼前まで続いた

 

◇◇◇

 

「ぎ、銀じゃない!?」

 

そして時間は進み、現在の時刻は十時過ぎ

今いる観光地は銀閣寺である

清水寺を経由し、銀閣寺、金閣寺と回る予定だ

 

そして到着したと同時に叫んだのはゼノヴィアである

そういえばアイツは修学旅行前の登校中「銀閣寺が銀、金閣寺が金、きっと眩しいだろうなぁ」なんて言って目を輝かせていたのを覚えている

残念だが現実は眩しくないのである

 

銀閣寺を一通り回り終えて次に来たのは金閣寺である

 

「金だ! 今度こそ金だ!」

 

ゼノヴィアのテンションがハイになった

金閣寺に到着したやいなや開口一番叫んだのがこれである

 

「金だぞぉぉぉぉぉ!!」

 

テンション上がりすぎだろ

確かに金閣寺は金ではあるがそこまでテンション上がるものなのだろうか

いや、確かに実際目の当たりにする何とも言葉に表現できない美しさはあるのだが

とりあえず一回金閣寺の様子を写メって自宅で留守番している飛鳥にでも送ってあげよう

駈王のメンバーには兵藤が送信してくれるだろうから、自分は学校に通っていない飛鳥に定期的に写メを送ってナウな京都を紹介していきたい

 

一通り見て回ったあとで休憩所のお茶屋で一休みすることになった

 

「どうぞ」

 

和服の女性が和菓子を添えて抹茶を運んできてくれた

飲んでみるとそんなに苦くなく和菓子と一緒に食べるとちょうどいい感じだ

 

「…うん、そんなに悪くないかも」

「ちょっと苦いです…」

 

イリナとアーシアが口々に感想をつぶやく

イリナは気に入ったようだがアーシアは苦手なようだ

ちょくちょく飲んではいるから嫌いというわけでもないのだろう

 

「…金ピカだったぁ…」

 

ゼノヴィアはまだ言ってた

 

ふと時計を見てみると午後の二時を回るところだった

結構早足で回っているのだが、割と時間の経過を早く感じている

金閣寺で入ってすぐに鐘突きをするべくみんなで並んだりしたからか

 

「いやーっ! 痴漢です! この変態ッ!」

 

女の人の声

そういえば朝のテレビでもやってた気がする

祇園の方であったような

そういえば昨日の新幹線で松田が元浜の胸を求めて襲いかかったという話を聞いた

意味がわからない

 

そうしていると不意に浩太郎の携帯が鳴った

画面を見てみると飛鳥からだ

 

「…俺だ。どうした、飛鳥」

<…いえ、些細なことなのですけど、先ほど浩太郎さんから送っていただいた写真なのですが>

「あぁ、金閣寺と銀閣寺とかだな。それが?」

<えぇ。それに写ってるんです。妖って言うんでしょうか…。狐の妖が>

 

その言葉に浩太郎は驚いた

同時に今現状起きている事を伝えるべきか判断に迷う

 

「っていうか、分かるのか? ぱっと見風景写真にしか見えないのだが」

<浩太郎さんの所に来る前は、そういった凶暴な妖、…妖魔というのでしょうか、そういうのを狩っていたので、そういうのに敏感なんです」

 

自分のところに来る前には一体どんな生活をしていたのだろうか彼女は

自分の知らないところで忍者養成学校とかにでも通っていて、そこの卒業生か何かだろうか

あれ、そうなると年上なんじゃ…と思わず別のことを考えようとしていた思考を振り払い、しばし考えて出した結論は―――

 

「…掻い摘んで話す。構わないか?」

 

飛鳥に事情を説明する、ということだった

 

◇◇◇

 

梓馬浩太郎宅

 

「京都でそんなことが…」

<あぁ。正直こんなところまでテロに悩まされるとは思わなんだが>

 

電話の向こうで主がため息をする声が聞こえる

しかしそんなところでも禍の団が暗躍しているとは流石にこちらも思わなかった

せめて一度しかない修学旅行、彼には平穏に過ごして欲しいと思っていたが

 

「…浩太郎さん、私も今から京都に向かいます」

<来るって…足はあるのか?>

「問題ありません。流石に今すぐ、という訳には行きませんが、必ず」

<―――わかった。たどり着いたら連絡をくれ>

 

そう自分に告げて電話の音声は途切れた

そしてあの人の道中は前途多難だな、なんて思いながら飛鳥はその場で携帯をしまいつつ自分に用意された部屋へと戻り自身の得物を準備し、外に出る

最後に、精神を統一して巻物を用意し、呟く

 

「―――シノビ―――転身」

 

呟くと同時巻物から光が発せされ自分が纏っている衣服を変化させていく

光が止むと戦闘着へと姿を変えた飛鳥、主が待つ京都へと馳せ参じるべく大地を蹴った

何時間で着くかは流石にわからないが…三時間前後でたどり着くことができるはずだ

事件に巻き込まれていなければいいのだが…

自分の心配が杞憂に終わることを祈りながら、飛鳥は屋根へと飛び移っていった

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