その身に宿すはキングストーンⅡ   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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完全にSAOが途切れつつあるこの頃

さぁ、ここからは完全に原作沿いの形になるでしょう、放課後のラグナロクスタートです
まぁいつもどおりではありますが、お付き合いくださいませ

ではどうぞ

誤字脱字見かけましたら報告ください




放課後のラグナロク
1


霞のジョー

そう名乗った女性はキラキラした輝きのままの瞳でこちらを見上げてくる

なんだろう、どうしたらいいんだろう、これは

 

「突然来訪して申し訳ありません、ですが、この名を襲名したからにはどうしてもお会いしたかったんです…!」

 

なんてリアクションしたらいいのこれは

ひとまずこほん、と咳をして調子を整えると目の前で跪いてる霞のジョーとやらに言ってみる

 

「と、とりあえず、今は学校に行くから、その、ひとまず…ね」

「は!? 申し訳ございませんブラックサンさま、この飛鳥、配慮不足でした! ではまたのちに!」

 

そう言ってヒュンとどこかへと跳躍していってしまった

この場には放けているグレモリー一行と浩太郎だけが残る

 

<十三代目になってたのかぁ>

 

不意に今ままで黙ってたメリディが口を開いた

思いっきり他人事のようではあるが

 

「…知ってたのか?」

<思い出したのはついさっきだよ。私がまだ生きてた頃は十二代目だったわ。その人は髪型が少しモジャった人だったけど…頼りになったわよ>

 

そう言って生前に想いを馳せるような声色となる

彼女なりに、きっと思うところがあるのだろう

そんなしんみりした空気を吹っ飛ばすようにリアスがこほんと一つ息を吐く

 

「さぁ、このままじゃ学校に遅れちゃうわよ」

 

リアスの言葉で我に返り時間を確認する

大丈夫、まだ慌てるような時間じゃない―――が、少し急がないと遅刻してしまうだろう

一行は世間話もほどほどに、学校まで駆け出した

 

◇

 

で、学校である

時間帯はお昼休み、松田、元浜、兵藤のエロ三人組プラス浩太郎という妙な布陣、そしてアーシアらとメンバーでお昼ご飯を食べようとした時だ

 

「あ、やっべ」

 

弁当箱を開けてさぁ食べようとした時それは起こった

 

「どうしたのん?」

「いや、箸忘れちゃってさ」

 

桐生の問いにそう答える

てっきり昨日入れたと思っていたのだが

なんといううっかり、お昼どうしようかと思っていた矢先である

 

「どうぞですブラックサンさま、お箸です」

「お、ありがとうよ、これで購買に行かなくて済む」

「いえいえ。主のお役に立つことが私の生きがいですので」

「はは、なんだ大げさ…―――え?」

 

ふと視線の先を見る

そこにはにっこり笑顔を作っている霞のジョーその人がいた

いきなり現れたその女性に元浜や松田らが驚き、その驚きに反応してほかのクラスメイトが驚くという悪循環

兵藤らも兵藤らでどうして彼女がここにいるのか分からないでいる

横の兵藤が聞いてきた

 

「な、なぁ! なんでこの人いるんだよ!?」

「俺が知るかぁ! 俺だって驚いてんだよ!」

「ご自宅にお邪魔し、事情を話したところブラックサン―――こほん、浩太郎様がお箸を忘れたらしいので届けてほしい、とご両親が。それでここに来た所存です」

「さ、さい、ですか。…ありがとうと母さんと父さんに言っといてくれます?」

 

浩太郎がそう返答すると霞のジョーは満面の笑みを浮かべ「承知しました!」と嬉しそうに窓から飛び降りてそのまま(きっと自宅)へ帰っていった

正直何が起こったのか今でもよくわかんない

そこでふと、一部男子陣からの殺意こもった視線を感じた

 

…何かを思うところはあったが、それらを一切無視して、改めてお昼ご飯をいただく事にした

彼女自身悪気はないと思うだろうけど―――せめて教室のドアから来てくださいと願わずにはいられなかった

 

仕切り直し

 

「あー、そう言えばもうすぐ修学旅行だぜ、班を決めないとな」

 

元浜が卵焼きをつまみながらふと呟いた

もうそんな時期か、と思いながら弁当をつまむ

すっごい気まずい空気だがもう知ったことか、このまま邁進してやる

体育祭が終わったあと、二年生は修学旅行だ、その頃には衣替えもある

 

「そうだっけ、三、四人で班を決めるんだっけ」

「そうそう。泊まるところが四人部屋らしいからな。まぁ俺たち四人で組むしかないぜ、嫌われ者だからな、俺たち」

「しれっとその輪に俺をいれんじゃねぇよ。班が一緒なのは構わなんがその括りに入れんな」

 

少なくともエロ三人組に入ったつもりはないのだが

 

「ふふふ。それが狙いさ…そのままあることないこと言いふらして兵藤ともどもお前らのモテ期を根絶するのさ…」

 

それが狙いか

まぁ小猫やアーシアに嫌われないならそれでいいやとも思ってる自分がいる

ちなみに兵藤の評価はあの激闘の夏休みをくぐり抜けれ少し変わりつつあると桐生から聞いていた

それでも基本的に兵藤は変態三人組の一人なので嫌われている

女性の割合が多いし仕方ないところもあるのかもしれない

 

「へーいエロ三人組With浩太郎ー、修学旅行の時あたしらと組まない? 美少女いっぱいでウハウハよ?」

「変な顔でウハウハとか言うな。それとウィズとか言うな! なんか嫌だ!」

 

桐生の申し出に浩太郎はそう返す

松田が不意にうんうん頷きながら

 

「そうだな。お前以外は美少女三人組だな」

「うっさいっ!」

 

そんな松田にぱかんと桐生がツッコミを入れる

…そんなに桐生に魅力はないのだろうか、個人的ではあるが彼女も十分可愛いと思うのだが

 

「まぁこいつは置いといて、さ。浩太郎、アーシアが、ね」

「ご一緒してくれますか? 浩太郎さん」

 

そう言って彼女は笑みを浮かべてこちらにそう聞いてくる

それに対して浩太郎も微笑み返して

 

「もちろん、問題ないよ」

「はいっ、ありがとうございますっ!」

 

そう言って微笑み合う浩太郎とアーシア

ふたりが纏うその仲良しオーラ(?)に桐生は軽くメガネを上げつつ

 

「―――あんたたち体育祭終わったあとからさらに仲良くなったわねぇ。なんかアイコンタクトで意思疎通できてるみたいな」

「そこまでじゃありませんよ桐生さん、ふふっ」

 

微笑んでアーシアは目の前の弁当に再度手を運んだ

桐生の言うとおり、体育祭での一件を経験したあと、不思議と距離が近くなった気がする

なんだろう、保護欲とかだろうか、この感情は

もう二度とディオドラのようなゴミクズには彼女は渡さないと固く決心している

 

「まぁそういうことだから、アンタらと組むわ。アーシアも知ってる人いたほうが気が楽だろうし、それにゼノッチもイリナさんもそのほうがいいでしょう?」

「うん。イッセーや浩太郎と一緒がいいな」

「二人といると面白いしねぇ」

 

やけにデカイ弁当を食べるゼノヴィアや、パンをパクパクしているイリナも桐生の意見に肯定している

 

「チクショォぉォォ! どうしてイッセーや浩太郎ばっかりモテるんだ! いや、浩太郎はまだイケメンだから仕方ないにしろなぜイッセーまでっ!! なんでだ! 神様ってのは無慈悲だぜぇぇぇぇぇ!!」

 

そう言って慟哭する松田

まぁ神様死んでるし仕方ないね

っていうか自分イケメンなのだろうか、そこんところよくわからん

他人から見ればモテてるかもしれないが、今の環境が女性多めなだけだからモテてるとは言えないだろう

 

「ちくせう…、最近イッセーの周りにそういったフラグが乱立されている気がする…。それを視認できれば全力でぶっ壊すのだがな…」

 

呪詛のように呟く元浜

怖いよお前

 

「ってなわけで修学旅行はこのメンバーで回りましょう、清水寺、金閣寺、銀閣寺が私たちを待ってるわ!」

 

メガネをキラリと輝かせながらそう桐生が声たかだかに宣言する

結構難航するかと思ったが案外早くメンバーが決まった

浩太郎本人としてはあまり京都に興味はないが、みんなで楽しく回れるならそれでいいだろう

さすがにこの日常を壊そうものなら、キレるかもしれない

今度どこを回るか話し合ってみようか、あまり詰め込み過ぎるといけなくなるかもしれないし、ね

 

◇

 

時間は進んで放課後

下校時間を間近にしながら、浩太郎たちはお茶とお菓子をつまみながら修学旅行について話していた

アザゼルはここにはいない

何やら冥界で何か話し合いをしているらしいが、浩太郎には関係のない話だ

 

「そういえば二年生は修学旅行の時期だったわね」

「えぇ。リアスさんと朱乃さんは二年の時どこ向かったんです?」

 

優雅に紅茶を飲みながら聞いてきたリアスに向かって浩太郎が問い返す

その問に返答してきたのは朱乃だ

 

「私たちも京都ですわ。部長と一緒に金閣寺、銀閣寺、と京都の名所を回りました」

「懐かしいわね。けど三泊四日でも行けるところは限られてるわ。あなたたちも行く場所はちゃんと決めておきなさいよ? 日程に見学内容や食事の時間を入れとかないと、時間がかかってしまうわ」

「あの時は移動の時間を把握していなかったのがいけませんでしたわ。リアスったらあれもみるこれもみるってしていたら二条城に行けなくて、駅のホームで悔しがっていたもの」

「もう。それは言わない約束でしょう? 私もあの時ははしゃぎすぎたわ。あこがれの京都だったから、少しハメを外しすぎたわね」

 

思い出を楽しそうに振り返るリアスと朱乃

よほど京都が楽しかったのだろう

 

「修学旅行で訪れるまで京都に行かなかったんですか? 魔法陣で移動できると思いますし」

「わかってないわねイッセー。修学旅行で、自分の足で行くからいいんじゃない。魔法陣を用いるなんてそんな野暮なまねしないわ。憧れている京都だから、自分で行って、肌で空気を感じたかったの」

 

兵藤の何気ない言葉にリアスはそう返答する

リアスの言い分はすごくわかる気がする

自分の足で行って実際に目で確かめてくるから、改めてその凄さを実感できるというかなんというか

 

「旅行もいいけれど、そろそろ学園祭についても話し合わないといけないわ」

「そういえば学園祭も近いんですね。…二年生は大変だ」

 

リアスに言われふと思い出す

そうだ、この高校、体育祭、修学旅行、学園祭と間隔があまり空かず連続で行われるのだ

学園祭は修学旅行のあと、イベント目白押しだ

リアスは朱乃からプリントを受け取ってテーブルの上に置いた

オカルト研究部は何を出し物にするか、この紙に書いて提出するそうだ

 

「そんなわけだから今のうちに学園祭について相談して準備しておかないとね。今年は部員が多くて助かるわ」

「学園祭ッ! 楽しみです!」

 

アーシアが両手を合わせながら楽しそうな表情を浮かべる

 

「うん。私も楽しみだ。体育祭も最高だったからな」

 

ゼノヴィアも両手を組みながらうんうんと首を縦に振った

彼女は体育祭でも大活躍で、各種競技の一位を総ナメ、体育祭が終わったら各部活動から引き抜きが殺到していたほどだ

 

「私もこういうの楽しみだわ! いい時期に転入したわね私! これもミカエル様のお導きなのね!」

 

そう言ってイリナも天に祈りを捧げ始めた

教会組は教会組でイベントを楽しみにしているようだ

教会のしきたりとかで今までそういうのとは縁がなかったのかもしれない

 

「そういえば去年はお化け屋敷でしたっけ。本格的って話題でしたけど」

 

兵藤の呟きにそうだ、と浩太郎も思い出した

たしか去年のオカルト研究部はお化け屋敷をしたはずだ

そのときは興味もなく入る事もなかったのだが、クラスの人が入った人がいたらしく、やたら本格的な作りだと言っていた

噂によると本物っぽかったとの話だが

 

「そうね、本物のお化けを使っていたんだもの。それは怖かったでしょうね」

 

モノホンやったんかい

 

「ほ、本物だったんですか…?」

「えぇ。人間に害を与えない妖怪に依頼して、ね。脅かす役をやってもらっらわ。おかげで大盛況よ」

 

兵藤の問いに普通にリアスは答えた

朱乃もリアスもうふふ、とお嬢様のような微笑みで

 

「あとで生徒会に怒られましたわね。当時副会長のソーナ会長から〝本物使うなんてルール違反だわ〟って」

「そりゃそうでしょうよ…」

 

ため息を吐きながら浩太郎が呟く

本気入れすぎじゃなかろうか

 

「じゃあ今年もお化け屋敷ですか? ダンボールヴァンパイアのサーカスでもやりますか?」

「うわぁん! イッセーセンパイの意地悪ぅ! そうやってすぐ僕をネタにするんだからァ!」

 

兵藤の発言にギャスパーがぷっくり頬を膨らませてぽかぽか兵藤を叩き出した

可愛い、だが男だ

兵藤の問いにリアスはうーんと悩みだす

 

「とりあえず新しい試みを―――」

 

そうリアスが言葉を紡ごうとしたとき、この場にいる全員の携帯がなった

それが何を意味しているのか、皆わかりきっているので顔を見合わせる

リアスは軽く息を整えたあと真剣な声色で言った

 

「―――行きましょう」

 

◇

 

町にある廃工場

そこの出入り口近辺に梓馬浩太郎は待機していた

グレモリー眷属+イリナは中に入って、おそらく襲撃者と戦闘をしている頃だろう

ちなみに霞のジョーも同行したがっていたが、今日は両親がいないため彼女にはお留守番をしてもらっている

別にハブられたとかそういうのではない

しかし今回はリアスの希望でもあったのだ

 

浩太郎に甘えてばかりじゃいけない

 

というのがリアスの言だ

確かにいつでも彼女たちの近くに入れるわけではないし、あくまでも自分は協力者

当然レーティングゲームでは浩太郎は基本的に戦えないのだ

とりあえず今回の浩太郎の仕事は逃亡しようとする敵のメンバーをここで捕らえることだ

 

ここ最近禍の団の英雄派の連中が小規模に襲撃してくる

おまけにここだけでなく、各勢力の重要拠点に英雄派の構成員が襲撃してくる事件が起こっていたらしいのだ

はっきり言って鬱陶しいので、今回で諦めてくれればいいのだが

おまけに構成員のほとんどが人間で、迂闊に変身もできない

戦闘員は戦闘員で中級悪魔程度の異形、下級なら相手にできないが兵藤たちは実力的には中級は愚か上級以上の実力者たちだ、心配する必要はないだろう

 

ふとこちらに向かって走ってくる一人の外人の人間が一人

おそらくは敵の構成員の一人だろう

叶わないと見て逃げ出してきたか

 

「! 貴様…!」

「こんばんわ。残念だがお前を逃がすわけにはいかないぜ、ここでお縄についてもらう」

 

ぎりり、と男が歯を噛み締める

男はそれでも走ることをやめず、こちらに向けて両手を突き出し―――

 

「燃え尽きろ! ブラックサ―――」

 

そのセリフを最後まで言い切ることはなかった

先に動いた浩太郎の拳が彼の顔面を捉えたからだ

そのまま地面に叩きつけるようにその拳を振り抜いた

 

「…何かを出そうとしてた。こいつも神器(セイクリッドギア)所有者か? …なんだよ、神器(セイクリッドギア)所有者ってこんなにいるのか。まるでバーゲンセールだな」

 

こきり、と首を回しながらそんなことを呟いた

そろそろ建物の中の戦闘も終わったころだろう、この気を失った人間をつれて合流しよう

そんなことを思いながら浩太郎は英雄派の人間を担いで合流すべく歩き始めた

 

◇

 

「コウタロウ、ご苦労様」

 

浩太郎が廃工場に入るとそこには一通り戦闘し終えたグレモリー眷属みんながいた

戦闘で生け捕った構成員は全部冥界に送ることになっている

みんな、と言ったが二人ほどこの場にはいない人影がいた

小猫とゼノヴィアだ

 

「倒してきたぞ。負傷は多少させてしまったが、命に別状はない」

 

そんなことを思っているいると肩に構成員を担ぎながらゼノヴィアがこっちに歩いてきた

彼女の後ろには小猫も随伴していた

男性の意識もギャスパーが吸血鬼の力で眠らせて、朱乃が描いた魔法陣の中央へ

 

「冥界への移送も終わり、ね。けど、今回もいい情報を得られることはないでしょうね」

 

リアスがふぅ、とため息をついた

魔法陣を介して戦闘してきた英雄派の奴らを送ってはいるのだが、どうやら戦闘に負けた瞬間英雄派にいたことがすべて記憶から抹消されているらしい

おそらく今回も既に抹消されているだろう

 

「しっかし、ものを壊さないで戦うってのは、攻撃特価の俺達には酷だな」

 

そう兵藤はボヤいた

ちなみに以前彼が起こした覇龍が原因かは分からないが彼の神器(セイクリッドギア)もパワーアップしていた

禁手してられる時間も伸びたし、発動するまでの時間も短縮し、かつ一日一回という制限もなくなっていると聞いた

そんな兵藤のボヤキに木場が答えた

 

「仕方ないよ。僕たちはただでさえ強力な力を持ってるんだ。抑えないと街を壊しちゃうよ」

「これもゲームの一貫と思えばいい特訓になるだろ、問題はないと思うぜ?」

 

浩太郎の返答に兵藤がちぇーなどと言いながら苦笑いする

いつこの戦闘の経験が生かされるかは知らないが、悪いことにはならないはずだ

 

「…でも、厄介なことになってきましたね」

「? どういうことだ?」

 

浩太郎の問いかけに木場が返した

 

「刺客の神器(セイクリッドギア)所有者に特殊能力を有する者が出てきたってことさ。いわば、サポート、テクニックタイプが増えてきてたんだ。初期の頃はパワーやウィザードだけだったのに。…僕たちのパターンを掌握しつつあるのかな」

 

そう言われるとうむぅ、と考える

浩太郎自身は彼らの戦闘を見届けてはいないが、なんとなく戦闘が終わるまでの時間が長引いてきている気もする

パターンを読まれてきているのだろうか

浩太郎は単独行動している故に、まだパターンを読まれてはいないのだろうか

 

「…ねぇ、意見いいかしら」

「? えぇ、お願いするわ」

 

不意に遠慮がちに手を挙げてきたイリナ

リアスに促されイリナが自分の意見を話し始めた

 

「私たちを研究とか攻略しに来たってわりに、英雄派の行動って変だと思うのよ」

「? 変、とは?」

 

怪訝に返したゼノヴィアにイリナはえぇ、と頷いた

 

「だって私たちを本気で攻略しにかかるなら二、三回くらいの戦いで戦術家はプランを組み立ててくると思うの。その上で四回目くらいに決戦仕掛けてくると思うし、けど四度、五度と変わらなかった。慎重だなって思ったけど、もしかしたら彼らのボスがなにかの実験してるんじゃないかしら」

「実験?」

「どちらかというと、神器(セイクリッドギア)所有者の実験をしてる気がするの。勘だからはっきりと断言できないけど、この街以外にも他の勢力のところへ所有者を送り込んでいるのだから、わざと強力な力を持つ者に送り込んでいるんじゃないのかしら」

 

そのイリナの意見にみんな黙りこくってしまった

確かに戦術を簡単に調べるなら三回、四回くらいでなんとなく戦術は掴めるだろう

その裏にある何かは―――

 

「劇的な変化―――」

 

小猫の言葉に一行の顔が強張る

そうか、英雄派の連中は自分たちにぶつけることで禁手に至らせるつもりだったのか

木場や兵藤は心当たりがあるのか、目線だけ彼らは合わせ、改めて考えるように腕を組む

 

「で、でもよ、俺たちにぶつけたくらいで到れるのか?」

「―――赤龍帝に、雷光を操る者、聖魔剣に、デュランダルとアスカロンに、時間を止めるヴァンパイア、戦術使いの猫又に優秀な回復要員…そして極めつけにブラックサンよ。…イッセー、相手から見れば私たちはイレギュラーで強力に感じると思うの。勝敗以前に、私たちと戦うことは普通の人間からしてみたら尋常じゃない体験だわ」

「なるほど。つまり俺たちはメタルスライム…経験値ってわけね」

 

浩太郎がそうつぶやく

確かに思い返してみれば兵藤もそうだった

タンニーンと特訓して切っ掛けを作り、悟空の末裔や小猫の姉と対峙することで今に至る経緯となっている

浩太郎の手助けや最終的な覚醒要因としてリアスの胸が必要だったが、強者との経験が大事なのは確かだろう

 

「けどやり方としては強引とも言えますし、雑とも言えますね」

<そうね。総当りって感じがして嫌いだわ。何十、何百消えてもその中の一人が至ればいい、っていうしょうもない考えよ。もしかしたら、戦場で仲間がやられることすらも劇的な変化なのかもね。まぁ、最低なやり方には変わりはないでしょうけど>

 

木場の言葉に浩太郎の中にいるメリディが答えた

確かにこのやり方はとてもスマートとは言えない

 

「…はぁ。わからないことだらけね。とりあえず後日アザゼルに聞きましょう。私たちでもこんなに意見が出るのだから、あちらもなにかしらは感じ取ってると思うし」

 

ここで考えていても結論は出なさそうだし、ここは一旦帰ろうという結果に至る

魔法陣を展開して、部室へと戻った

一度戻り一息を付いたあと帰り支度する中で、妙にゴキゲンな朱乃が気になった浩太郎は聞いてみた

 

「どうしたんです朱乃さん、なにか嬉しいことでもあったんですか?」

「うふふ、明日ですもの。イッセーくんとのデート。ご機嫌にもなります。うふふ」

 

どうやらデート権を勝ち取ったのは朱乃のようだ

一部妬ましい視線が兵藤を居抜き、彼は浩太郎に助けを求め視線を動かしてきたがそれをスルーし、小猫、アーシアと一緒に自分の自宅へと一足先に帰らせてもらった

兵藤、ハーレムを目指すならその程度の障害でくじいてはいかんのやで

 

そんなどうでもいいことを思いながら、浩太郎は帰路へと付いた

…これから先、何事もなければいいのだが―――




グランドオーダーのハロウィンエリザが楽しみなんじゃー
ではまた次回
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