その身に宿すはキングストーンⅡ   作:桐生 乱桐(アジフライ)

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雑な出来です
あともしかしたら型月と閃乱カグラのタグを追加するかもしれない

とりあえずいつもどおりな出来ですがドウゾ
誤字脱字ありましたらご報告をば






「お帰りなさいませブラックサン様!」

 

小猫とアーシアと一緒に自宅に帰ると玄関で正座して待ってくれてた霞のジョーが出迎えてくれた

そんな彼女になんて反応していいかわからず浩太郎は小猫とアーシアへと視線を泳がせてしまう

彼女は浩太郎の前に跪き

 

「お夜食とお風呂の準備は出来ています、如何なさいますか?」

「あ、ありがとう。俺たちが留守中に何か変わったこととかはなかったか?」

「いえ、特に誰もご来訪しませんでした。いつもどおり、かは自分にはわかりませんが」

 

だいたいいつもどおりだ

それを聞いて安心した浩太郎は横の二人に聞いてみることにする

 

「どうする、先に風呂入ってリラックスするか、軽く何か食べるか」

「ご飯はみんなと一緒に食べたいです浩太郎さん」

「だ、そうです浩太郎さん」

「おっけー。じゃあ先に夜食だ」

「承知しました」

 

霞のジョーにそう言うと彼女は先導するように歩き出した

仮にも自分の家なので先導されなくともわかるのだが、それを言うのは野暮である

 

 

夜食も風呂もそれぞれ済ませ、のんびりとした団欒の時間である

アーシアはご飯を食べ終え風呂を済ませると既にウトウトしており、そのまま霞のジョーに彼女を部屋まで連れて行ってと頼んでおいた

…浩太郎の部屋ではあるのだが、先日の一件以降三人で寝るのが日課になってしまった

 

で、現在

 

「どうですか?」

 

リビングにて床にうつぶせで寝っころがりながら小猫が馬乗りになってくれている

自身の体を使って仙術をかけてくれているのだ

ここ最近、小猫は仙術を用いて削れてしまった兵藤の寿命を治癒系の仙術を当てることでゆっくり回復しているのだが

受けている兵藤が気持ちよさそうなのと、なんでか知らんが小猫が友人とはいえど他の男性に触れている所を見るとムッとしてしまうしょうもない気分になってしまい、対抗する(?)ように自分もしてもらっているのだ

最も浩太郎は寿命など削れていないので、完全に疲労回復のために受けているようなものである

しかしこの仙術、思いのほか気持ちがいい

彼女の手のひらが背中を伝わり全身に行き渡るのを感じる

 

「はふぅ。結構これ受けてる兵藤が気持ちよさそうだったから便乗して受けてみたけど…これはクルわぁ…」

 

完全に顔がとろけているのを自覚している

そこでふと、気になっていたことを小猫に聞いてみることにした

 

「…兵藤の命って、あとどんくらいなんだ?」

「―――アザゼル先生が言うには、おおよそ百年もないって言ってました」

 

浩太郎が別の空間に閉じ込められていた話をアザゼルから聞いた

あの時、浩太郎とアーシアを失ったと思い込んだ兵藤は、〝覇龍(ジャガーノートドライブ)〟を発動させてしまったらしいのだ

百年と聞けば人間なら十分すぎる寿命ではあるが、悪魔としてはひどく短命らしいのだ

もしこの次、そのジャガーノートドライブを発動させた場合、兵藤は死ぬ、らしい

正直あまり実感が沸かない、今も普通に元気に彼は過ごしているのに

そんな寿命も、小猫の仙術で徐々に治癒できるというのだ

 

「…イッセー先輩が死んだら、悲しむ人が多いです」

 

そんな小猫の呟きに、小さく浩太郎も頷いた

なんだかんだと彼とは入学してからの付き合いだ、その中で気さくに話しかけてきてくれて自分をなじませてくれたことには感謝している

なるべくアイツがそうならないように、自分が前に行かないといけないな

 

「けど、それは浩太郎さんも同じです」

「え?」

 

不意に投げかけられたその言葉

彼女はぽふと浩太郎の背中に寝転んできた

彼女の体の感触がダイレクトに背中から伝わってくる

 

「―――浩太郎さんが死んだってなったとき、心に穴があいたような気持ちになったんです。…もう、あんな想いはしたくありません…、だから、無茶なことはもうしないでください…」

 

僅かに潤んだ声色でそう彼女は呟いた

そうだ、実際には死んでなどいなかったが、相手に浩太郎が死んだと聞かされたときなにより精神にダメージを負ったのはほかでもない小猫たちだ

 

「…あぁ。なるべく無茶はしないよ」

「…なるべくですか?」

「あぁ、なるべくだ」

 

そのままの体勢で軽く小猫の頭を撫でてあげる

頭にぴょっこり生えた猫耳が可愛らしい

ひとしきり撫で回したあと、小猫を下ろし浩太郎も立ち上がる

 

「俺たちもそろそろ寝よう」

「はいっ」

 

元気よく返事する小猫の頭をもう一度撫でながら今度は小猫と一緒に自分の部屋に向かう

部屋に入ると仲良く浩太郎のベッドで霞のジョーとアーシアがぐっすり眠っていた

このまま起こすのは忍びないと思った浩太郎は適当にもう一枚毛布を取り出すと小猫と二人包まって一夜を過ごす

―――さすがにすごく恥ずかしかった

 

◇◇◇

 

翌日、休日である

この町に来て日が浅いという霞のジョーに軽く街を案内するため、浩太郎は外に出ていた

小猫やアーシアは今回はお留守番である

別に一緒に家を出ても良かったのだが、霞のジョーが「事前にお待ちしています」と言って先に行ってしまっているのだ

わかりやすいように待ち合わせ場所は学校にしていたのだが、果たして待っているだろうか

 

校門前に行くとそこには目をつむって佇んでる霞のジョーが待っていた

休みといってもオカルト研究部以外で部活をしている人はここを通っているので、何人かの視線を集めている

まぁ確かに彼女の容姿もこの駆王学園に匹敵するほどの美貌を持っていると言える

ぱっと見でもなかなかのプロポーションだし、胸もリアス等ほどではないが、大きい

後ろに結っているポニテも個人的ポイント高い

 

…どうでもいいね

 

おっほん、と浩太郎は軽く咳をしつつ調子を整えながら待っている霞のジョーに対して言葉をかける

 

「霞のジョー」

「! ぶら―――浩太郎様! お待ちしていました!」

 

即座に男子生徒の視線が浩太郎に突き刺さる

しかしもはや慣れた浩太郎はそんなのどこ吹く風と行った様子で霞のジョーへと歩み寄った

 

「別に目的地同じなんだから一緒に家出ても良かったと思うんだけど」

「いえいえ。例え街を案内してくれるといっても、主を待たせるわけにはいきません。臣下は先に趣き、主を待たねば」

「…まぁいいや、じゃあ軽く歩いてくぞ、ついでに留守してる小猫たちに和菓子の土産持ってきたいからね」

「承知しました!」

 

そう元気に返事する霞のジョー

底抜けに明るい雰囲気にこちらも和んでくる感覚だ

ふと、道すがら気になっていたことを聞いてみることにする

 

「そういえば、お前さん名前なんて言うんだ?」

「ふぇ? 名前、ですか? 私は十三代目―――」

「それは聞いた。俺が言ってるのはお前の本名のことだ」

 

浩太郎がそれを聞くと一瞬ぽかんとしたような表情を霞のジョーは見せる

数秒待って彼女は顔を赤くし両手を自分の前に突き出しわたわたしながら

 

「そ、そんな恐れ多い! 私のことなど―――」

「やかましい、それと俺をブラックサンさまなんてくっそ長ったらしい名前で呼ぶのも禁止。俺仮面ライダーBLACKだし。ほら、早く名前を教えてくれ。その、なんだ。そっちが俺の名前知ってんのに、俺がお前の名前知らないのは不公平だろ?」

 

暴論だと自分でも思うが

やがて彼女は顔を赤くしながらうぅ、と逡巡した後、その名前を言った

 

「あ、飛鳥です。それが、私の名前、です…」

「飛鳥、ね。―――はは、いい名前じゃないか」

 

そう言うと浩太郎はぽんぽんとついいつもの癖で霞のジョーこと、飛鳥の頭を軽く叩いてしまう

彼女は顔を赤くしながらも、どことなく嬉しそうな表情してくれた

けれど同時に、戸惑ってもいる表情を浮かべてもいた

 

「…別に、変にキャラ作る必要ないぜ。お前が受け継いだ霞のジョーが今までどんなのかは知らないが、それでもお前自身を変える理由にはならないんだからな」

「…ブラックサンさま…」

「浩太郎、だ浩太郎」

 

ぺちん、と彼女の頭を叩く

 

「ひゃぅぅ、す、すみません浩太郎様…」

「様付も禁止! こそばゆいんだよ」

「こ、浩太郎、さん?」

「よろしい。さて、じゃあ行きますか」

 

ぽむ、と彼女の頭を撫でたあと浩太郎は再度前を歩いてく

そんな彼の背中をどこか困惑した、けれど薄らと嬉しそうな表情を浮かべ彼の後をついていった

 

―――ブラックサンは、もっと厳格な人だと思っていたけれど、優しそうな方でよかった―――

 

◇◇◇

 

一通り案内し終えると、少し疲れが来た

どこかのお店に入ってお昼にでもしようとしたとき、朱乃が兵藤の手を取って走り回っている姿を偶然に目撃した

 

「…何してるんでしょうかね?」

 

そんな二人の姿を見て、そんな言葉をつぶやく飛鳥

確かになぜあの二人があんな走っているのかは気になっていた

…そういえば今日デートとかなんじゃなかったっけか、と今更ながら思う

 

「追っかけてみようか?」

「え? いいんですか、そんなことして」

「二人の邪魔するわけじゃなし。興味本位さ」

 

そのときはかなり軽い気持ちだった

が、実際二人をこっそりつけていたのだが、あろう事か変な所に紛れ込んでいた

いつの間にかラブホ多めなところに来てしまっていたのだ

隣の飛鳥がよくわかっていなかったのが救いだった

とりま、この場を離れようとした時だ

 

<まって浩太郎>

 

浩太郎の中にいるメリディが待ったをかけてきた

 

「どうしたのさ?」

<いえね、知り合いを見かけたのよ、ほら>

 

メリディの言葉につられ、改めて兵藤たちの方を見る

そこにはガタイのいい男性とOL風なパンツスカートを着込んだいかにも真面目系な女性を携えた、ラフな格好をしたおっさんがいた

いや、おっさんは見覚えがある―――たしかあの人は―――オーディンって言ったかな

なんでこんなところにいるのだろうか、気になった浩太郎は姿を現すことにした

 

「オーディンのおっさん」

 

浩太郎の声にオーディンはほほ、と笑む

同時に兵藤と朱乃が驚いたように声を上げた

 

「こ、浩太郎、お前なんで」

「いやね、街中で走ってる二人を見かけてどこに行ってんのかなとつい魔が差してさ。―――しかし真昼間からこんなとこに連れ込むとは。―――やるねェ」

「い、いや別にそ、その…」

 

目に見えてうろたえている

こんなので将来ハーレムを作っていけるのだろうか

 

<で、ジジィがなんでこんなとこ彷徨いてんのよ。その年でまだ性欲有り余ってるのかしら?>

「ほほほ。何度あっても手厳しいのお前さんは」

「オーディン様! こんな所をうろついてもらっては困ります! 貴方は神様なんですから、シャンとなさってください!」

 

そう言って怒り出す一人の女性

…誰だろうかこの人

浩太郎の記憶にない

 

「よいではないかロスヴァイセ。お前さん勇者をもてなすヴァルキリーなんじゃからこういう風景も見て覚えるんじゃ」

「どうせ私には色気ありませんよーだ。貴方たちも昼間からこんなところにいちゃいけません、スクールの生徒でしょう? 勉強しなさい勉強」

 

兵藤に便乗され、何故か浩太郎と飛鳥もロスヴァイセというヴァルキリーに怒られてしまった

まぁ高校生がラブホとか早すぎるから仕方ないのだが

そこでふと横を見てみるとガタイのいい男性に朱乃が詰め寄られている

新手のナンパかなにかだろうか

 

「―――これはどういうことだ」

 

しかしそんな雰囲気でもなさそうだ

その男の声色にはあからさまな怒りの色が含まれている

 

「あ、貴方には関係ないわ! それより、なんで貴方がここにいるのよ!」

「そんなことなどどうでもいい! とにかくここを離れろ、お前にはまだ早い!」

 

そう言って朱乃の腕を強引につかみとり、どこかへと連れ去ろうとしていた

その行動に兵藤が反応し、男を掴んで朱乃の腕を解放させる

 

「おい、嫌がってるだろう! っていうか、アンタ何者だ!」

 

臨戦態勢で兵藤が問うた

すると男の口から意外な言葉が帰ってくる

 

「今日はオーディン殿の護衛としてきている。グリゴリ幹部バラキエルだ。…そして、姫島朱乃の父親である」

 

姫島朱乃の父親

僅かな時間ではあるが、この場の空気が凍ったことが肌で感じ取れた―――




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