オーバーロード ~俺の嫁は狂ってる件について~ 作:誤字脱字
これでも誤字があるなら……作者の学力的な問題です、暖かく見守ってください
お願いします
「リーさん!?」
先程までの威厳ある言葉使いが一転、
こちらでは、無名である俺の名前を知っていると言う事は、奴は同郷のモノと考えるべきだろう
「……ユグドラシルに関わりのある人間だとみた!貴様の知り得る事は全て話して貰おう!……黙秘はするなよ?もはやこの拳は止まらんからな!」
「なに言っているんですか!俺ですよ!俺!モモンガです!」
「モモ…だと!?き、貴様!我が盟友の名まで知っているのか!」
コイツ!アインズ・ウール・ゴウンを知っている!?
いや、アインズ・ウール・ゴウンはランキング上位のギルド、知っていても不思議ではないが、今この場において我が盟友の名を口にするとは!
「いやいやいや、モモンガですよ!め、
「……俺の情報まで知っているのか!?くそ!これはまるで『ぷにっと萌え』氏の策略のようだ!」
現代の諸葛孔明とまで呼ばれたアインズ・ウール・ゴウンの軍師『ぷにっと萌え』氏
行動派の俺に進むべき道を示し、アインズ・ウール・ゴウンの歴史に貢献した偉人の言葉曰く『敵の情報を集めて叩くのは常識』を臭わせる戦略に俺の警戒心は天元突破した
「いつまで勘違いしているんですか!脳筋ゾンビ!俺ですよ!俺!」
「の、脳筋!?……盟友の名を騙り、剰え俺の侮辱までするとは…鎧男め、許さん!構えろ、クレマンティーヌ!本気で行くぞ!」
「……まいっか!よろしくね~ナーベちゃん」
「ッ!」
鎧男以外全員が、武器や拳を構える
従者の女は杖を、クレマンティーヌはスティレットとメイスを、そして俺は拳を握りしめた
一人だけ慌しく動揺している鎧男の様子は恐らく……演技だろう
自分は無害だと油断を誘い後ろから斬りかかる目論見なのだろうが……『ぷにっと萌え』氏から『行動する前に考えろ、脳筋』と有難いお言葉を授かった俺にそんな演技など通じん!
「参る!」
「え、え~!?やっぱり脳筋だ!?」
「縮地!」
「ッ!?」
縮地……『神仙伝』曰く100里を一瞬で縮めるとされる神術
100里を縮めるなど非現実的であり、、近年の日本武術では瞬時に相手との間合いを詰めたり、相手の死角に入り込む体捌きを、縮地と呼ぶようになった
ユグドラシルにも同様な一瞬で距離を詰めるスキルはあるが、この縮地は貴様が知っている縮地とは一味違うぞ!
相手の『虚』を付く縮地……すなわち相手の意識や緊張が抜けた瞬間を狙いスキルを発動させる縮地法!
ゲームでは画面越しな為に『虚』を付く事が不可能であったが、今の俺は不可能を可能にする!
判り易く気が抜けて『虚』を作った鎧男目掛けてスキルを発動させた
案の上、鎧男は突然目の前に現れた俺に驚愕し対応が遅れた
「覇ッ!」
「~~~ッ!」
「モモンガ様!?」
「余所見は頂けないなぁ?ナーベちゃん」
「ッ!」
バキリと鋼を砕く音が鳴り響き、鎧男は膝を着いた。
従者の女も俺達の相性が悪い事を感じ取り援護に入ろうとするがクレマンティーヌが行く手を阻んだ。本来ならクレマンティーヌの力量では、従者に及ばないのだが、鎧男のおかげで戦闘に集中できないでいるので足止めが容易に出来るようだった。しかし―――
「……良い鎧だ。本来なら我が拳は、お前の腹を突き破っていただろうに」
「~~ッ!」
痛みに悶絶している男に声を掛けるが、つくづく可笑しな男だと再確認した
身に宿る強者の雰囲気、身に纏う鎧も一級品の品物……だと云うのに男の技量は並以下
………ゲームが上手かった、と言うだけの一般人か?しかし、ユグドラシルは
「……考えても仕方あるまい。強固な鎧で身を守ろうと我が拳は鎧を打ち砕く!」
罅割れた鎧に手を当てながら立ち上がった男に対し俺は、自身の得意技を放つ為に、足を前後に開き、前足と同じ方の腕を前方に上げた
三体式と呼ばれる武術の構え、単純そうに見えるがこの構えから放たれる技のポテンシャルは群を抜いており、試合において俺もよく使用する構えだ
そしてこれから放たれる技は基本にして最強!『半歩崩拳、あまねく天下を打つ』と称賛された形意拳の達人の得意技!
その一撃は鎧などでは防ぎ切れるモノではない!
「
「鎧?……鎧って!」
「崩「これでどうだ!?」ッ!」
鎧男の周りにエフェクトが走った瞬間、俺は拳を止めた
寸止めする形になった崩拳の拳圧は、男を避けるかのように後ろへと流れていき墓石を薙ぎ倒し地を抉った
拳で男の顔は見えないが、衣服が手が、俺の知っている人物に酷似している事に俺は恐る恐る拳を下げた
「……モモなのか?」
「そうですよ!だからいったじゃないですか!」
朱い瞳が発光する骸骨の顏……盟友の姿がそこにあったのだ
「~ッ!桃!再来!
「ちょっ!?日本語でOK?」
思わず抱き付いた俺は悪くない
此方の世界に転移して数十日、やっと出会えた友との再会に俺は感情を爆発させた
所々、メキメキと骨が軋む音や「リーさん!折れる!折れる!」と云う声が聞こえるが知った事か!
「ん~、この人?がダーリンの云う兎ちゃん?」
「兎?」
どうやら最初から
「あぁ、我が盟友のモモンガさんだ」
「兎って云っても骨……ねぇ、何のつもりかなぁ?」
モモンガさんの腕を軽くスティレットで叩きながら幻術でも作り物でもない本当の骨だと確認していたクレマンティーヌの首元に従者の杖が突きつけられていた
「この蛆虫が!至高の御方に対して何という口の利き方を!」
「はぁ~?ちょっと、ダーリンこいつ何なのよ」
「だ、ダーリン!?き、貴様!李様になんてご無礼な!」
自身が
(…どういう事ですか、リーさん?まさかとは思いますが―――)
(違う、決してやましい事はしていない。ただ、俺が未熟なばかりに彼女に迷惑をかけただけだ)
「(……あとで詳しく聞きますよ?)ナーベラルよ、控えろ。彼女はリーさんの従者だ」
「ッ!しかし!こいつは人間で!」
主であるモモンガさんが、下がるように命令していると云うのに何が気に喰わないのか必死に食い下がろうとするナーベラルという女の態度に俺は首を傾げた
(モモ、もしかして仲悪いのか?)
(いえ、彼女の忠誠心は本物ですよ?ただ、あ~…人間を快く思っていないだけで)
(……人間を?)
そう言えばカジットの事を蛆虫やら蠅とか呼んでいたからな?
おそらく俺と同じで人間を下等生物としか見えないのだろう
しかし、クレマンティーヌはキョンシーで…………あぁ、そうか―――
「クレマンティーヌ、俺の渡した指輪を外してくれ。モモと合流出来たし最早不要だろう」
「え~!せっかくダーリンから貰った指輪なのに~!」
「……新しいのをやるから外せ」
渋々、指輪を外したクレマンティーヌを見てモモンガさんとナーベラルは驚きを露わにし急ぎ俺に
(キョンシー!?……まさかと思いますが、罪って)
(そういう事だ)
ユグドラシルを長年プレイしていた知識もあり、俺が語った『罪』の内容を察したモモンガさんは、咳払いを一つすると威厳を持った声色でナーベラルに声を掛けた
「『変化の指輪』による種族の偽装、か……彼女は人間ではなくリーさんの同族だ」
「そういう事!よろしくね~ナーベちゃん」
「ッ!しかし、このキョンシーは李様の事をだ、だ、ダーリンと!」
「……まぁ、間違いでは無いな。訂正するとすれば恋人だがな」
「「リーさん!?/李様!?」」
先程までの威厳が何処へ行ったのか、素のままで驚きの声をあげるモモンガさんと俺に恋仲が入る事を純粋に驚くナーベナルの声が墓場に響き渡るのであった
◆
オーバーロード ~兎も嫁も可愛い件について~
◆
あの一件後、モモンガさんは今回の事件解決の立役者として『ミスリル』と呼ばれる一級の冒険者に昇進を果たした
事の始まりは、カジットだったとは言え俺達にして見れば黒幕の事実上ナンバー2であるクレマンティーヌと知らぬとはいえ繋がっていたので、マッチポンプに近い形になってしまったのだが結果が良ければすべて良いだろう
そして俺達が被害を与えてしまったンフィーレア少年だが、モモンガさんによって治癒され、後から聞いた話ではクレマンティーヌの
「冒険者……面白い仕組みだ」
「機会を見てリーさんもなってみますか?」
「それも一興……地位に興味はないが、またモモと一緒に冒険が出来るなら一見の価値はあるな」
強者二人の雰囲気に呑まれ道を譲る下等生物のモーゼを通りながらも、外で待っているクレマンティーヌとナーベラルと合流する為にも俺達はギルドを出た
いまさらであるが、今の俺の格好は普段と変わりないパオを着て顔も曝け出している
『変化の指輪』の効果で種族を人間に偽装している為、キョンシー特有の蒼白い肌も普通の人間と変わらず血が通っているように見えている
本来なら事件の関係者と言う事で、顔を隠したり先にナザリックに帰還するべきなのだろうが、モモンガさんが皆を驚かせたいとサプライズを計画したのでそれに乗る事にした
幸い俺は、クレマンティーヌの
「しかし、モモはナザリックの主として善であっても、NPCと関わりのない俺が帰還した所でNPC達は喜ぶのか?」
『ザ・ニンジャ』が創造した『毒付きナーベラル』さえモモンガさんに聞かなければ思い出せない程、ナザリックにいるNPCに関心がなかった俺だぞ?
俺自身もNPCを作っていれば話は変わって来たと思うのだが……
「俺達…41人の仲間を至高の存在と崇める位ですから喜びますよ」
「崇めるとか……重いな」
「それは……はい」
2人して苦笑し、一方的にナーベラルに話していたであろうクレマンティーヌに声をかけ呼び寄せた
クレマンティーヌは、大きなローブから白い手を出し、手を振りながら応え此方に向って歩き始め、ナーベラルは俺に一礼してからクレマンティーヌの三歩後ろを付いて此方に向ってきた……ってなんで3歩後ろ?
「クレマンティーヌ様は、李様の奥方様になられる方、至高の御方に仕える私にとっては仕えるに値する御方ですので」
「ナーベちゃん、重いわ~……兎ちゃんもナーベちゃんと一緒じゃ肩が凝るでしょ~?」
「………それもナーベラルの美点だ。私は良いと思うぞ」
「ありがたきお言葉でございます」
(もしかしてナザリックのNPC全員がこんな感じなのか?)
(……えぇ、彼らの忠義心に応える為にもリーさんもよろしくお願いしますね?)
(う、うむ…)
威厳のある振る舞いなど礼に始まり礼で終わる武道家として難しい注文なのだが、ここまで『信』をおかれてしまったら彼らの期待に答えるしかないだろう
今後どのように接するか態度を改める必要があると頭を抱えていると、モモンガさんが人差し指を自身の口に添えた
「アルベドからの連絡だ(秘密にするんでよろしくお願いします)」
「了解した」
ヘルム越しではっきりとわからないが、きっとヘルムの中では悪戯を仕掛ける子供の様に笑みを浮かべているのだろうな?
しかし、アルベドが口にした言葉は、モモンガさんの笑みを一瞬にして吹き飛ばしたのであった
「アインズ様、シャルティア・ブラッドフォールンが反旗を翻しました」
「………は?」
◆
「シャルティア・ブラッドフォールン……ナザリック地下大墳墓第1から3階層守護者、種族は真祖のLV100、か」
ナザリックへと帰還したモモンガさんは、NPCの反旗を信じられないと疑っていたが、アルベドから話しを聞く限り事実だと知らされ、至急対策を練る必要があるとナザリックからとんぼ返りでギルドへと戻って行ってしまった
俺達もモモンガさんと共にギルドへと赴いても良かったのだが、クレマンティーヌの顏が悪い意味で知れ渡っており、迂闊にギルドへと足を運べなかったのでナザリックの自室にこもる事になった。
なぜ部屋に籠っているのかと云うと、シャルティアが反旗を翻した今、俺の帰還をNPC達が知れば彼らの意識がシャルティアから俺に向いてしまいシャルティアを二の次に考えてしまう可能性があるとモモンガさんに云われ、ナザリックとしてこの問題を正面から受け止めたいと考えるモモンガさんは、俺の帰還報告を遅らせた方が良いと決断したのだ
俺としてもシャルティアの問題は、万全を期して臨んだ方が良いと判断し、モモンガさんの指示に従い自室で身を隠す事にした
自室ならNPC達は、許可なく立ち入る事を禁じられている為、見つかる心配はないからな?
「真祖、かぁ~。神話に出てくる化物だと思っていたけど案外近くにいるんだね~?」
当然、俺がNPCに見つからないように姿を隠すにあたり、クレマンティーヌも俺の部屋で一緒に隠れる事になった。
彼女は、俺が書き写したシャルティアのキャラシートを部屋に設置されたソファーで横になりながら眺めているが、眼は真剣そのものだ
「お前達の常識では真祖は伝説級の化物なのか?」
「そだよ、昔の私じゃぁ手も足もだせずに殺されちゃう感じ?……人間でまともにやり合えるのって漆黒聖典の隊長ぐらいだわ」
「……漆黒聖典?」
初めて聞く単語に首を傾げているとクレマンティーヌは教えてなかったね?と云いながら口を開いた
「私が以前所属していたスレイン法国の特殊部隊。そんで~、その隊長は六大神の血を覚醒させた神人って呼ばれるアンチクショウだね~」
『スレイン法国』やら『六大神』とか、また新しい単語が出て来たが、クレマンティーヌの口振からは生前のクレマンティーヌ以上の技量を持った人物だと言う事はわかるが……アンチクショウって
「……要するに『スレン王国』が保有する最強の部隊の長と言う事でいいか?」
「『スレイン法国』、ね?………って、わたしぃ漆黒聖典についてダーリンに云ったっけ?」
先程とは逆にクレマンティーヌが首を傾げるが、俺は備えられたポットから烏龍茶を注ぎ、彼女に渡しながら質問に答える
「伝説の存在と渡り合える隊長が率いる部隊だ。部下の技量も高い事は誰でも想像できる。それに……クレマンティーヌも所属していたのだ。最強じゃなくては面白くないだろ?」
「んふふ~、ダーリンって口では愛想ないけど、私の事見てくれているんだね?」
「……今はその事よりもシャルティアだ」
恥ずかしくなり無理やり話題を戻したが、クレマンティーヌは生前、自身の力量を『英雄』と例えていた。そのクレマンティーヌさえ敵わないと云うシャルティアとタイマンを張れる漆黒部隊隊長……一手交わしたいものだ
「モモが言うには、第三者からの精神支配を受けた可能性があると云っていた。……しかし、シャルティアは精神支配を無効化にするスキルを持っている」
無効化なのに適応されている。可笑しな話だが現にシャルティアに精神支配が掛けられているわけで、この矛盾を解かなくては先には進めないだろう
「シャルティアちゃんのタレント以上のタレントかマジックアイテムを使ったんじゃない?」
「高位の真祖のスキルを無効に出来るアイテムやタレントが、この地に存在するのか?」
「ん~……あ!」
今度は、お互いに首を傾げたが、クレマンティームは思い出したとばかりに声を出した
「なにかあるのか?」
「『傾城傾国』……人々を救った神の残したモノ」
「ッ!?」
「スレイン法国の高位な人物しか所持する事を認められない聖骸布。これなら「
傾城傾国……まさかこの名を聞く事になるとは思っていなかった
ユグドラシルに存在する全アイテムの中でも頂点に位置するアイテム、総数二百種類、それぞれが一点物であり、一つの所有が飛躍的な名声の向上に繋がるという。世界の名を冠する
一つ一つがゲームバランスを崩壊させかねないほどの破格の効果を持ち、この効果に対抗するには同格のワールドアイテムを所持するか、最高峰の職業ワールド・チャンピオンのスキルを使用することでしか防ぐことは出来ない厄介な品物だ
それがシャルティアに影響を与えているとは…!
俺は急ぎモモンガさんに連絡を入れた
(モモ!俺だ!シャルティアが精神支配された原因がわかったぞ!)
(え、リーさん?ちょっと待ってください。いま、シューティングスターを使ってシャルティアの洗脳を解除しますから)
(ッ!?)
シューティングスターだと!?
MP消費はせず、一日に使用できる回数が定められた魔法だが、位階を外れた位置にあるというだけありその効果は絶大。しかし、他の魔法にはない発動準備時間や発動不可時間、経験値ダウンなどの制限が加えられている……課金アイテム!?
確かアレはモモンガさんが、夏のボーナスを全て注ぎ込んで手に入れた『力』で、モモンガさんの本気度がわかるアイテムだが、その領域は超級魔法でしかなく、
(早まるな!シャルティアのそれは超位魔法でも解けはしない!)
(「さぁ、指輪よ!シャルティアにかけられた全ての効果を打ち消せ!」」
「もも~~~!!!!」
俺の叫びは虚しく響き渡るのであった
◆
深い歴史と神々しい威厳を感じさせる扉に背を預けながら俺は、ここにくるだろう盟友を持った
ここに入るには幾つかの条件が必要であり、クレマンティーヌはその条件を満たしていない為、部屋に残って貰ったが連れて来なくて正解だっただろう
いくら俺と懇意しているとはいえ、ここは『アインズ・ウール・ゴウン』の功績が眠る場所……容易に立ち入る事は出来はしない
「………来たか」
「リーさん、予定と違いますが?」
数人の気配を感じ瞼をあげれば呆れて息を吐くモモンガさんと、俺が帰還している事に驚愕する二人の女性
メイドの方は覚えていないが、白い服を来た女性は、錬金術師の子であるアルベドだった気がするが…違うか?
2人は俺の視線に気づくや膝を着き、頭を下げてきた
「至高の御方のご帰還、我々、ナザリッ「発言を許した覚えはない」ッ!申し訳ありません!」
シャルティアの事で気が立っていたとしても些か強く言い過ぎたかもしれないが、今は呑気に再会を祝している時間はない
視線をいまだ頭を下げ震えている二人からモモンガさんへと向け、俺達の会話が聞こえないようにモモンガさんに近づいた
「俺も行くぞ。
「えぇ、そうですね」
『傾城傾国』は、耐性・スキルを無視して精神支配できるという能力を持っており、今のシャルティアは『傾城傾国』の保有者からの命令待ちと、かなり危険な状態だ
何故かは知らんが、指示を行っていない為、自動反撃状態になっているが、俺達にとってはありがたい事で命令が発せられる前にシャルティアを回収すれば万事解決
だが、逆に命令を指定された後だと手遅れになるという時間との戦いになのだ
「シャルティアのスペックは確認した。近接戦を得意とするが、清浄投擲槍といった遠距離技も保有する万能タイプ」
「えぇ、ペロロンチーノさんシャルティアには並ならぬ愛情を注いでいましたからね?……おかげで最強の階層守護者ですよ」
シャルティアの創造主であるペロロンチーノ
アダルトゲームユーザーであり、『ぶくぶく茶釜』と姉弟であるアインズ・ウール・ゴウンに席を置く鳥人
彼の趣向嗜好の影響でシャルティアはペロロンチーノの理想の体現となっており、その事はペロロンチーノ限定と言う訳ではなく、茶釜も錬金術師も自身の創造したNPCになみならぬ愛情を注いでいた。……俺もNPCを創造していれば彼らの気持ちがわかったのだが、現状においてその感情は枷にしかならない
仲間達が残した存在、仲間が愛情を注いだ子共達。それだけでもモモンガが彼らを大切に思い擁護する理由になる。だからこそ―――
「聞こう……友の愛した子を殺せるのか?」
「ッ!?」
大切に思っているからこそモモンガさんは、盟友の子供であるシャルティアは殺せない
「わかっていると思うが、現在のナザリックには
「……わかっていますよ。一度リセットさせ、新たに蘇生するしかシャルティアを救う方法がない事は……」
苦虫を潰したかのように歯切れの悪いモモンガさんを見れば、頭では理解出来ているが、心中ではまだ割り切れないと手に取るようにわかった
何かを思い濁すモモンガさんは、顔を顰める〈白骨で判らない〉が決心ついたとばかりに顔を上げた
「もし俺がシャルティアに負けて死「だが、断る!」形式美ですけど早っ!?」
リアルで会った事は数える程度。しかし、共に冒険した時間は、計りきれない程に交流を深めた間柄だと云うのに盟友の一人で背負い込む癖は健在のようだ
「適材適所……ロールスキル中心のモモより、戦闘に特化……
「で、でもシャルティアには魔法も豊富で、距離を置かれたらお終いですよ!?そうだ!なら二人で!」
「二人で部下を叩くか?…支配者の言葉ではないな」
「………」
前衛と後衛が揃っているのだから、無理に一対一をする必要はないが、今の俺達の立場は支配者であり、彼女達の上司。
部下が見ている中で二人がかりなどカッコ悪いモノだ
「心配するな……対策はある」
確かに武道家としての心情として飛び道具や遠距離魔法は習得していない
『フジュツシ』のスキルで魔法は習得しているが、どれも遠距離魔法とは云い難いだろう。だが、習得していないだけでやりようはあるさ。それに―――
「俺に武術以外の趣味を与えてくれたペペの子の危機だ。恩を返すには十分だ」
武道家の道から外れてしまう戦闘をしてしまうが、恩義の前では武道家の心意気など紙にも等しい
俺は、盟友の子の為に一時期『武道家』としての闘争を捨てよう
その対価は――――身体で払って貰うぞ、シャルティア・ブラッドフォールン!
END