黄金なる遺産   作:数取団乱闘生

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第13話「4本目の矢」

4本目の矢である東方仗助を探しに行こうとしていたブチャラティたちの下にいきなり女が現れた。

「ぼ、ボスが知らない男に変わってるのよ!これからパッショーネがどうなるか分からないわ!助けて!」

「いきなり何だ?ていうかおまえ誰だ?」

新入りのジョルノはもちろん、ミスタやナランチャやアバッキオやフーゴまでもが知らない様子だった。

ただ一人ブチャラティを除いては。

「トリッシュ、よくここが分かったな」

「おいブチャラティ、この女知り合いか?」

「あぁ。トリッシュ・ウナ、ボスの一人娘だ」

「ボスの娘なんていたのかよ!」

全く知らなかった一同は当然驚く。

「それよりボスが知らない男に変わってるってなんですか」

やはり冷静な男フーゴはそこが気になった。

「言った通りよ!その男はDIOと呼ばれていたわ!でもあたしのクソ親父はディアボロっていうのよ。それに側近のトッピオは二重人格のもう一人の人格にすぎないの。それなのにそのDIOという男はヴァニラ・アイスという側近がいた…ボスはいつの間にか成り代わられていたのよ!誰も正体を知らないのを良いことに!」

「それを何故ぼくたちに?」

同じく冷静な男ジョルノはそこが気になった。

「ブチャラティ、あんたが一番組織の中で信用出来ると思ったからよ」

「おまえたちに言っておくことがある。オレはトリッシュに聞く前からボスがDIOという男に成り代わられているということを知っていた。だからこそ対抗する為にスタンド能力が必要と考えんだ」

「そのDIOって確か…」

事情を知らないとはいえDIOという名を聞いたことがないわけではなかった。

空条承太郎の時に聞いた名だったからである。

承太郎に22年前に倒された吸血鬼だと。

「その吸血鬼が生き返ってパッショーネを乗っ取ったってのか?」

「オレがボスに矢を届けてしまったからだ。その矢を自分に使ったことで元々ジョースター家と親密な関係であったDIOに矢の存在とその力を教えてしまったのかもしれない」

「ブチャラティ、あんたを信じてあたしはここに来たんだから何とかしてよ!」

割と自分勝手なトリッシュ。

「だから一刻も早く出発する。あの聖なる山へ」

トリッシュは無視してブチャラティたちはすぐに聖なる山へ向けて出発した。

 

車で数時間ほど走った後に山道をこれまた数時間歩かなければならない。

「またこの道かよ〜 ヘリコプターとかないのか?」

前と同じようにナランチャがごね始めた。

「またそれかナランチャ、ヘリコプターをチャーターするのにいくらかかると思ってんだ?マイヘリがあるならまだしも」

「んだよミスタ、言ってみただけだっつーの。ガチツッコミすんなよ」

そんなこんな言いながら前回承太郎とジョセフの矢を見つけた辺りまでやって来た。

「あなたたち、東方仗助の矢を探しに来たの?」

いきなりそう言う声が聞こえた。

「誰だ?」

「ならこっちへいらっしゃい」

謎の声は一つの洞窟から聞こえていた。

警戒しながらそこへ入ると一人の女性が一本の矢を持っていた。

「それは…仗助の矢!」

「そう。これは東方仗助の矢。一昨日ここで殺された」

「殺された?DIOの部下にか」

「東方仗助は一昨日ここに空条承太郎の名を使って呼び出された。そしてDIOの為に矢を回収しようとしたジョンガリAとエンペラーに殺された」

「なら矢は何故アンタが持ってんだ?ていうかアンタ誰だよ」

「わたしは静・ジョースター。そして矢を守れたのはわたしのスタンド、アクトン・ベイビーの能力のおかげ」

まるでニュースキャスターのようにすらすら喋る静。

「アンタもジョースター家の人間なのか」

「違うわ。わたしはジョセフおじいちゃんが拾って育ててくれた言わば養子なだけ。わたしがここで死んでも矢にはならないわ」

「オレたちがその矢を求めてここへやって来たことを知っているのか?」

静と同じようなテンションのブチャラティ。

「えぇ。ジョナサン、ジョセフおじいちゃん、承太郎の矢がDIOに奪われた今、残る矢はこの一本だけだもの」

「そこまで知っていたのか、なら話が早い。今からその矢でオレたちを貫いてくれ。時間がないんだ、トリッシュの話ではまもなくDIOの部下のヴァニラ・アイスがここへやって来る。奴はおそらくスタンド使いだ、今のオレたちでは到底敵わないからな」

「矢で貫くのか⁉︎」

今までスタンドが身につくとテンションの上がっていたナランチャだったが、そこはさすがに引っかかった。

「言ってなかったか?矢でスタンド能力を得るには本来弓で射抜かれるもの、だがそれが出来ないから貫くんだよ」

「全然一言も言ってねーよ!何ブチャラティ、おまえここに来て天然爆発か⁉︎」

普段はどちらかといえばツッコまれる方のナランチャが珍しくビシッとツッコんだ。

「そんなに不安ならまずオレがやろう。見ていれば分かる」

「今日はこんなのも用意したわ」

静はそう言ってタロットカードを取り出した。

「これは?」

「スタンド能力が生まれた後にこのタロットカードを引けば自分に目覚めたスタンドがどんなものなのかが分かるようになっているの。ジョセフおじいちゃんがハーミットパープルの念写力を使って開発したものよ」

「それはありがたいものだ。それじゃあ改めて言おう。オレの身体を矢で貫いてくれ」

 

第13話完。

 

 

またお会いしましょう

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