DIOのところへ向かおうとするブチャラティたちの前に現れたホル・ホース。その目的とは。
「おまえらにDIOのスタンド、ザ・ワールドの能力を教えてやるぜ」
「し、知っているのか!」
これにはブチャラティよりジョルノが食いついた。
「当然だ。オレはDIOのことは20年前から知っている。実際に奴の時を止めるスタンドの片鱗を見たことがあるが、オレのエンペラーじゃ到底敵わなかった。おまえらのスタンドでも敵うかどうかは分からねーぜ。まぁこの話も信じねーと言われたらオレにもう打つ手はねーがな」
ホル・ホースはそう言いながらタバコに火をつけた。
「最後に一つだけ聞きたい、何故それをオレたちに教えたんだ。アンタはDIOの部下と共に東方仗助を暗殺したと聞いた、それにDIOを倒そうとしていたポルナレフを逆に襲った。アンタは何がしたいんだ」
「オレのモットーはNo.1よりNo.2でな。より強い奴の下につくんだ。それはポルナレフでもDIOでもねぇ。ただそれだけの話だぜ」
ブチャラティたちはホル・ホースと分かれて改めて本部を目指す。
「ブチャラティ、アイツの言ったことを信じるのか?」
「ポルナレフとホル・ホース、どちらが本当のことを言っているのかはこの際どうでも良い。だがオレはホル・ホースがDIOのスタンドのことだけは嘘を言っているとは思えない。おそらく奴は自分が勝てないからオレたちにDIOを倒させようとしているのだろう。だとしたら嘘を教えるメリットはない」
「アイツかDIOの部下という可能性は?」
「さっきも言っただろう。仮にホル・ホースがDIOの手下ならトリッシュを殺しに行かせる筈だ。ヴァニラ・アイスのスタンドより奴のエンペラーの方が遥かに暗殺に向いているだろうしな」
そんな話をしながら本部に辿り着いた。
ブチャラティたちもパッショーネの人間なので本部に入るのは容易い。
後はボスがDIOになったことすら知らない無能な親衛隊の目を掻い潜り、ボスの部屋へ。
しかし中には誰もいなかった。
「DIOは何処に言ったんだ?」
「……DIOは自らオレたちと戦おうとしている。だとしたら……おそらくあそこだ」
「分かったんですか?居場所が」
「DIOはジョルノをあの場所で殺す気なんだ。5本目の矢を手に入れる為に」
「てことはまさか…」
「あぁそのまさかだ。ジョースターの魂が眠る聖なる山。DIOは必ずそこにいる」
ブチャラティたちはDIOを追って三度聖なる山へと向かった。
車で数時間。さらにそこから徒歩で数時間。ただし今回は誰もごねる者はいない。全員黙々と登って行く。
そして日が暮れたころ洞窟がいっぱいあるエリアまで辿り着いた。
「夜になってしまったか…DIOはコレも狙っていたのだろうな」
「やっと来たか。5本目よ」
声がした方向を見ると、山の上だというのに何故か椅子に座っている男…DIOがいた。
「このDIOの身体はジョナサン・ジョースターのもの。そしてそこから産まれしおまえにもジョースターの血が受け継がれている。すなわちおまえをここで殺せば矢になる筈だ」
「それはぼくも同じだDIO! ぼくはおまえを倒す為にここに来た!」
ジョルノとDIO…奇妙な親子の戦いが今始まる。
するとDIOがいきなりその場から消えた。
「き、消えた!何処に行ったんだ?」
「おまえたちのスタンドがどんなものなのかは全て知っている。おまえたちのスタンドではこのDIOに勝つのは不可能だ」
「なに⁉︎」
何とDIOは三人の真後ろにいたのだ。誰もDIOが移動するところなど見てはいない。
「こ、これがDIOのザ・ワールド……時を止められる能力……」
「ほぉ、知っているのか。このDIOのスタンドを。だが知っているからと言って何になるというのだ。おまえたちがこのDIOの時の止まった世界に入門することは出来ん」
「くっ…どうしたら……」
「ジョルノ、オレに考えがある」
焦るジョルノとは対照的に冷静な男ブチャラティはDIOに対抗する策を思いついていた。
「本当なのかブチャラティ」
「あぁ。ザ・ワールドの世界に入れるの奴だけだというのなら、いけるかもしれない」
「分かった、君を信じよう。それでぼくは何をしたら良いんだ?」
「DIOの気を引いてくれれば良い。オレを奴の視界から外してくれ」
「それぐらいならぼくにでも出来ますよね」
今まで黙っていたフーゴだが、戦わずにはいられなかった。
「フーゴ、おまえも頼む」
ブチャラティの合図でジョルノとフーゴが共にスタンドで殴りかかった。
「何をするつもりだ、無駄無駄無駄無駄ァ!」
すると次の瞬間ジョルノがDIOのスタンド、ザ・ワールドに殴り飛ばされていた。
「何をしたかったのか知らんがこのDIOに攻撃出来ると思ったか……ん?」
ここでDIOは気付いた。殴り飛ばしたジョルノの他にはフーゴ一人しかいないことを。
「フッ…ブローノ・ブチャラティ…このDIOの体内に隠れたな?無駄無駄無駄無駄ァ!!」
するとDIOは自らのスタンドで何と自分の身体に大穴を空けた。
そしてそのザ・ワールドの拳はDIOの体内に潜んでいたブチャラティをも貫いていた。
第21話完。
またお会いしましょう