黄金なる遺産   作:数取団乱闘生

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第3話「もう一本の矢」

突然山に現れた老人ジョセフ・ジョースターの後をブチャラティに言われて尾行する一同。

「やっぱりブチャラティ、オレたちにはまだ言っていない何かを知ってるじゃねーのか?」

「オレは空条承太郎のことを知ってからジョースター家のことを調べた」

「ジョースター家?」

「ジョースター家の人間は自分の死期を悟った時、必ずこの山にやって来るということも」

ミスタの問いに淡々と話し始めたブチャラティ。

「あの矢は間違いなく空条承太郎だ。とするとジョセフ・ジョースターがここへ来たということは死期を悟ったのかもしれない」

「ということは2本目の矢が出来上がるのも時間の問題だと?」

誰よりも飲み込みが早いフーゴ。

「あぁ。死後どのくらいで身体が矢に変わるのかも何故そうなるのかも分からないが、確かめてみる価値はある」

「なぁブチャラティ、そもそもその矢にはどんな力があるんだ?」

ナランチャがずっと思っていたことをぶつけた。

「オレにも分からない。だが仮説としてそのスタンドが身につくのではないかと考えている。ボスが組織拡大の為にそのスタンドを利用しようとしているのかもしれない」

「スタンドってそんなに凄いものなのか?オレも身につけてみたいなぁ」

「少なくともスタンドを使えていたとされるジョセフ・ジョースターや空条承太郎は英雄と言われている。強大な力であることは間違いないだろう」

「おぉっ!なら早くそのジョセフってじいさんを追いかけようぜ!」

凄い力と聞いてナランチャが食い付き、ブチャラティを追い越してジョセフの方へと走った。

「待てナランチャ!」

すると突然濃い霧が辺りを包み込んだ。

「この霧ではジョセフ・ジョースターを追跡するのは危険だ。戻って来られなくなるかもしれない」

「そうですね……ってナランチャがいませんよ!」

「おいおいアイツまさか一人でじいさんを追いかけたんじゃねーだろうなぁ?この霧ではぐれちまったか…」

「この霧…何か不自然だ……おまえたちはここで待っていてくれ。オレがナランチャを探して来る」

そう言うとブチャラティは霧の中へと走って行った。

「おいブチャラティ大丈夫か?下手すりゃアイツも迷っちまうぞ?」

「ブチャラティなら大丈夫でしょう」

相変わらずクールなフーゴだった。

 

一方ではぐれてしまったナランチャだったが、ジョセフのことは見失っていなかった。

やがてジョセフは洞窟へと入って行った。

行き止まりになっている奥に寝転び

「スージー…ホリィ……ワシももうすぐそっちに行くぞ……」と小声で言った。

そしてそのまま目を閉じてジョセフは動かなくなった。

「もしかして死んだのか?」

ナランチャがゆっくり近付こうとした瞬間、ジョセフの身体が光り始めた。

「な、何だ⁉︎」

光が止んだ頃にはジョセフの死体は何処にも無くなっており、代わりにその場所にさっき見たものと同じ矢が落ちていた。

「人間が矢になりやがった……てことはやっぱりさっき見つけたもう一本の矢はブチャラティが言ってた通り空条承太郎って奴なのか?」

「その矢に触れるなぁ!」

突然後ろから叫び声がしたので振り返ると、そこには一人の老婆の三人の屈強な男がいた。

しかし不気味だったのが、その三人の男は全員胸に風穴が空いていたからである。でもそこから血は一滴も出ていない。ドーナツのように空洞なだけだった。

「その矢はワシの物なのじゃ!貴様のような小僧には渡さん!」

「なんだよ!先に見つけたのはオレだぞ!」

「忌々しい小僧よ…本来ならジャスティスですぐにでも殺してやりたいが今は貴様には構っている暇などない!」

老婆がそう言うと胸に風穴の空いた男三人がナランチャを取り押さえた。

「なんだよ離しやがれ!」

その間に老婆はジョセフの矢を盗み取り外へと出て行った。

「だからその矢は俺のだって!」

老婆が去った後も男三人はナランチャを離そうとはしなかった。

すると「ナランチャ、大丈夫か!」という声が洞窟内に響いた。

「そ、その声はブチャラティ!」

ブチャラティは男三人を拳銃で射殺し、ナランチャを助け出した。

「ナランチャ、ここで何があったんだ」

「ブチャラティの言った通りだったんだよ!さっきのジョセフ・ジョースターってじいさんはここで死んで矢になったんだ!」

「やはりそうだったのか…それでこの男たちは誰なんだ」

「それが矢を取ろうとしたらいきなり知らない老婆に襲われてよ、そこの身体に穴の空いた男三人でオレを取り押さえているうちに矢を持って逃げやがったんだ!」

ブチャラティはその男三人を見た。たしかに身体には風穴が空いている。もはや空いているというよりはそこだけ削り取られたようだった。

「その老婆はスタンドを使ったのかもしれないな。とりあえずおまえが無事で良かった。とりあえず空条承太郎の矢は回収出来たんだ。帰るぞ」

ブチャラティとナランチャが洞窟を出る頃には霧はすっかり晴れていた。

ますますブチャラティの疑いは強まるばかりだった。

ナランチャの出会った老婆がスタンド使いであの霧もスタンドの能力だったのではないか…と。

とりあえず一同は矢を持ち帰る為に山を降りた。

 

第3話完。

 

 

またお会いしましょう

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