聖なる山から矢を回収したブチャラティたちはまた数時間かけて自分たちのアジトへと戻って来た。
すぐに矢をボスに届けるのかと思いきや、ボスは宇宙の方に行っているらしく帰ってくるのは2日後とのことなのでそれまでは矢を預かっておくことになっていた。
「そういえば今日は朝からブチャラティがいないが、また新しい仕事か何かなのか?」
朝から誰もブチャラティの姿は見ていなかった。
「さぁ知らないですけど、何でも新しいメンバーを迎えに行ったみたいですよ」
「「「はぁ⁉︎」」」
ミスタ、ナランチャ、アバッキオの三人がユニゾンでツッコんだ。
「おい聞いてねーぞ、そんな話。オレたちの中に新入りが来るのか?」
「逆に何でフーゴ、おまえだけが聞いているんだ?」
「朝早くからブチャラティが出かけていくのが見えたんで、どこへ行くのか聞いてみたらそう言ってただけですよ」
「新入りだと?いったいどんな奴を連れて来る気なんだ……」
「オレはどんな奴を連れて来ようと認める気はないぞ」
そう言ったのはアバッキオだった。
「どうしてです?ブチャラティが言ったのであれば従うしかないでしょう」
相変わらず冷静なフーゴ。
「オレもあんまり好かないな、その新入りってのは」
「だいたいオレより歳下なのか?歳上だったら気使うだろ」
「ナランチャ、おまえが人に気を使っているところなんて見たことねーぞ」
「うるせー!オレだって人に気を使うことぐらいあらぁ!」
ミスタとナランチャも賛成は出来ない様子だった。
「おいフーゴ、おまえの本音はどうなんだ?」
冷静に物事を判断するフーゴの本音を聞こうとミスタが尋ねる。
「ぼくも新入りが来ると聞いた時は戸惑いましたよ。でもさっきも言いましたがブチャラティがそう言ったんですから仕方ないでしょう」
やはりフーゴは冷静だった。物事に私情は挟んではいない。
「まぁとりあえずその新入りがどんな奴なのか見てみるとしようぜ」
2時間後。ブチャラティが戻って来た。
「おいブチャラティ!新入りが来るとはどういうことだ?オレたち何も聞いてねーぞ?」
ミスタが戻って来るなり抗議した。
「これは既に決定事項だ。反論は認めない。これはオレからの命令と思ってもらっていい」
いつになくブチャラティの口調が強かった。いつもなら自分の部下とはいえここまで強くは命令はしない。
「入って来て良いぞ」
ブチャラティが呼び込むと一人の男が入ってきた。
顔立ちは整っていて金髪の男で服の胸の部分がハートマーク型に空いている服を着ている。
「ジョルノ・ジョバァーナといいます。よろしくお願いします」
「今日からジョルノがオレたちのチームに入る。分かったな」
ブチャラティがそう言っても返事をする者はいなかった。
「良いかおまえら、よく聞け。今のパッショーネはオレたちが入った頃とは違い表向きは一大企業になっている。だからポルポが生きていた頃のような入団試験のは今はやってはいない。だがこのジョルノ・ジョバァーナは自ら入団試験を望んで受け、それを突破して来たんだ」
「へぇーアレを突破したんですか。ただのギャングに憧れるバカではないってことですね」
ブチャラティの言葉に唯一フーゴがそう反応した。
他の三人は相変わらずの様子である。
「おまえらがどんなに不満を言おうがこれは決定したことだ。それ以上そんな態度を続けるのなら半逆を見なすぞ」
ブチャラティが真顔でそう言った。それを見て三人は思った。これは脅しではなく本気だと。
「本当に良いのかいブチャラティ、ぼくが入ることでチームの輪が乱れたりしたら…」
「おまえはそんなことを考えなくていい。おまえには夢があるんだろう、そしてそれを叶える為にギャングになった。オレにそう言ったのはジョルノ、おまえじゃないか」
「そうだった…このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!確かにぼくはキミにそう言った。そしてその気持ちは今も変わっていない」
「だったらそのままでいろ。アイツらのことはオレがなんとかする」
ブチャラティは改めて三人に言った。
「オレはこれから用があってしばらく留守にするが、もう一度言っておく。ジョルノを仲間として接しなければオレに対する半逆を見なす。分かったな」
そしてそのままアジトを出て行った。
現場を仕切っていたブチャラティがいなくなったことで何となく重い空気が流れる中、ミスタが沈黙を破った。
「ブチャラティはあぁ言っているがなオレたちとしてまだジョルノ・ジョバァーナ、おまえを認めていない。それはおまえ自身も分かってるだろう?」
「あぁ…分かっていますよ」
「だからだ、ブチャラティのことだからあんなことを言うと分かってたからさっき三人で考えんだがよ。ブチャラティが帰ってくるまでにオレたち三人からの試練に合格出来ればおまえさんを認めてやるよ。そこのフーゴはブチャラティの言いなりらしいからオレたち三人だけだ。どうだ?」
それに対しフーゴは何も言わなかったが、少しイラっとした顔をしていた。
「分かりました。それを突破しないと認められないというのならぼくは受けますよ」
「へっ、決まりだな」
第4話完。
またお会いしましょう