「ナランチャの奴、どうなったかね?」
「さぁな。ミスタの時は100%おまえが勝ったと思っていたが、今はどうだろうな」
ミスタの時と違い、ナランチャが勝ったという確信は持てない二人。
相手がナランチャで勝負がラジコンヘリというのもあるが、ミスタはジョルノのスタンドを目の当たりにしているせいでもあった。
するとボロボロのラジコンヘリを持って俯いたナランチャがフィールドから戻って来た。
「ナランチャ、やられたのか?」
「くそっ!負けだぜ!ジョルノ・ジョバァーナをこのナランチャ・ギルガはチームの一員として認めるよ!」
そしてその後ろからジョルノもフィールドから戻って来た。
「やはりただ者ではないみたいですね、ジョルノ・ジョバァーナ…」
今までほとんど無関心だったフーゴもミスタとナランチャを破ったジョルノに興味を示していた。
「最後はオレか。ジョルノ・ジョバァーナ、どうやらおまえは森での戦いは得意らしいな。だったらオレの試練はコレだ」
そう言うとアバッキオは近辺の地図を取り出した。
「アバッキオ、おまえ何をするつもりなんだ?」
「今からジョルノ、おまえがこの街中を逃げ回れ。おまえが出て行った15分後にオレはそれを追いかける。日没まで逃げ切れたらおまえの勝ちだ」
「ちょっと待てアバッキオ、おまえブチャラティが帰って来るまでにコレを終わらせねーといけないんだぞ?」
ブチャラティにはジョルノを認めろと命令されているので、この試練自体を秘密にして来たのだが
アバッキオのやり方ではブチャラティが帰って来てしまい、バレてしまう危険性があるとミスタが指摘した。
「オレはこの試練でないとジョルノ、おまえを認める気はないぞ。どうだ?やるのか?」
しかしアバッキオはミスタを完全に無視し、ジョルノを睨んでいる。
「やります。その試練でないと認められないというのならぼくはやる」
「決まりだな。さっさと出て行け」
ジョルノはすぐさま飛び出していった。
「おいアバッキオ!おまえもしかして最悪ブチャラティにバレても良いとか思ってんじゃねーだろうな?」
「あぁ」
アバッキオは小さく頷いた。
「マジかよ…そこまでするか?」
「オレは確かめたいだけだぜ、ブチャラティにあそこまで言わせ、ミスタやナランチャをいとも簡単に倒して認めさせたジョルノ・ジョバァーナという男をな!」
15分後。アバッキオも出て行った。
「ミスタ、ナランチャ、戦いの最中にジョルノは何か特殊能力…ブチャラティの言うところのスタンドを使ったんじゃないですか?」
するとフーゴがいきなりそう言い出した。
「おまえなのかナランチャ…」
「てことはミスタもか?」
「もしかしたらアバッキオもジョルノがスタンド使いかもしれないと思ったのかもしれないですね」
街中を走っていたジョルノは路地に入った。
「おそらくアバッキオはぼくよりもこの辺りを知り尽くしている筈…何処かに身を潜めていても見つかるだけだ。ここは逃げるしかないな」
そう考えたジョルノはあえて人気の多い道を選んだ。
これはかくれんぼではない。捕まらなけば良いのだから。
その時人混みの奥に見つけた。
「あっあれはアバッキオ!もうこんなところまでぼくを追いかけて来たのか、やはり人混みを選んだぼくの作戦は既に読まれていた…」
しかし人が多いのが幸いしアバッキオの方はまだジョルノに気付いてはいなかった。
するとアバッキオのいる後ろばかり気にして走っていたジョルノは通行人と肩がぶつかった。
「す、すいません!ぼくの不注意でした…」
「ジョルノ、おまえこんなところで何をしているんだ?」
「キミの方こそ…用事はもうすんだのかい?ブチャラティ」
何とジョルノが偶然ぶつかったのはブチャラティだった。今一番アバッキオ以上に出会ってはいけない相手である。
「あぁオレの用事はあらかた済んだからな。それよりおまえこそどうしたんだ?」
「いや…その…」
言葉に詰まるジョルノを怪しんだブチャラティはさらにその奥にいたアバッキオを発見した。
「おいジョルノ、おまえはアバッキオと二人でここに来たのか?」
「……」
「ジョルノ・ジョバァーナ!見つけたぜ……」
人混みで目立つジョルノの金髪を見つけたアバッキオは意気揚々とやって来たが、すぐそばにいたブチャラティにも当然気付いた。
「アバッキオ、おまえとジョルノはここで何をしていたんだ?」
「見つかっちまったから仕方ねぇ。正直に言うぜブチャラティ、オレはソイツを認められなかった。だからおまえがいない間に試練を与えたんだ。日没までオレから逃げ切れたのなら認めてやるとな」
言い淀んだジョルノとは対照的にハッキリと言ったアバッキオ。
「ジョルノに試練を与えたのはおまえだけか?他の三人はやってないのか」
さすがに鋭いブチャラティ。
「いいや、やってねーよ。ジョルノに試練を出したのはオレだけだ」
「アバッキオ……」
「分かった、おまえは先に戻っていろ。オレはジョルノの後から戻る」
「わ、分かった…」
アバッキオはそのまま戻っていった。
ブチャラティは問い詰める間、表情一つ変えなかった。
それがさらにジョルノやアバッキオを恐怖を煽っていた。
第7話完。
またお会いしましょう