黄金なる遺産   作:数取団乱闘生

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第9話「目覚める存在」

街のずっと地下深く。怪しげな研究室がそこに有った。

一人の老婆と一人の神父が小指の骨が入ってこれまた怪しげな機械の前にいた。

「エンヤ婆、これで本当に彼は甦るのか」

「安心せぇエンリコ・プッチ、わしが20年かけて作り上げたのじゃ。必ずやあの方を復活させることが出来る!それにわしは聖なる山でコイツを手に入れた!」

老婆ことエンヤ婆は懐から一本の矢を取り出した。

「それがジョースター家の矢なのか」

「そうじゃ。そしてコレはあの方を倒した憎き男の祖父、ジョセフ・ジョースターのもの。孫には劣るとはいえ奴もスタンド使いだった男、あの方を甦らせるのには充分な力はある!」

そう言うとエンヤ婆はジョセフの矢を機械の中にある小指の骨に突き刺した。

すると骨が矢を取り込み、みるみるうちに小指だけだった骨が人型の全身になって行き筋肉や皮膚もつき始めた。

やがて一人の男の身体へとなっていた。髪色は金髪で左肩に星形のアザがある。

「完璧じゃ!ついにあの方が甦ったのじゃ!」

すると中の男が動き出した。

「これは…本当に動くとは……」

しかし甦ったその男はエンヤ婆とプッチの頭を掴むと、身体から血液を全て抜き取って殺してしまった。

「わたしは誰だ……何も思い出せない………」

ジョセフの矢だけでは足りなかったのか甦ったその男は記憶がなかった。

「この神父…誰だか知らんが何故が殺したことを残念に思っている……いったい何故なんだ」

男の背後には何やら影があった。人ではない何かが。

「自分の名前も何も思い出せないがこれだけは分かる……わたしが完全な状態になるにはもっと人間の生き血が必要だということ……そしてわたしの背後にいるのはスタンド…世界(ザ・ワールド)だということが」

 

次の日。パッショーネのボスは地球に帰還し、本部へと戻ってきた。

「ぷるるるる、ボスがお戻りになられた道を開けろ」

そう言ったのはボスの側近のヴィネガー・トッピオ。

部下の前にも一切姿を現さないボスと唯一会ったことがあると自称しており、ボスの命令を聞いて部下に伝える役割を成している。

だがその正体はボスの二重人格の別人格であり、トッピオ本人は気付いてはいない。

今日はブチャラティと会う予定が入っているが、ボスとして会うのではなくトッピオとして会うのだ。

「ボスからの連絡を待つか」

するといきなり背後に男が現れた。

「い、いつの間に!おまえは誰だ!」

「わたしにも分からない。それを知る為に行動している」

男はトッピオの頭を掴むと血を吸い取って殺害した。

「この男…パッショーネというギャングのボスなのか……この立場を利用すればわたしが誰なのかを知る機会が来るのかも知れない」

男はトッピオの抜け殻を窓から捨てた後、隣の書庫へと入った。

そして何故か引き寄せられるように一冊の本を手に取った。

そこには[ジョースター家の家系図]と書かれていた。

「何故だ…ジョースター……懐かしい名のような気がする……わたしと関係がある人物なのか」

 

その頃ブチャラティたちはボスに矢を届けるために出発しようとしていた。

アバッキオ、ミスタ、ナランチャの三人は誰がついていくのかをじゃんけんで決めて勝ったナランチャがついていくことに。

そして三人はボスからの使いが運転する車に乗り込んだ。

「ボスとの取引場所は本部だ。だがボス本人と直接会えるわけじゃないぞジョルノ」

「そうなのかい?」

「そんなこと知らねーのか?オレだってブチャラティだってボス親衛隊だって素顔どころか名前も知らねーんだぜ?」

どやぁぁ感を出しながらナランチャが言った。

「ボスの素性を知っているのは側近のヴィネガー・トッピオだけだ。オレもそいつにしか会ったことがない。そしておそらく今日矢を渡すのもそいつにだ」

「何か公に現れられない理由でもあるのか…」

「さぁな。ジョルノ、そこは深く考えない方が良い。間違ってもボスのことを調べようとするなよ」

ブチャラティが結構マジな顔で言った。

「どうして?」

「過去にボスのことを調べた者は全員が行方不明になっている」

「それって……」

「確証があるわけではないがおそらくな。よほど素性を知られたくないらしい」

するとその時車が急ブレーキをかけた。

「どうした?何かあったのか」

「道の真ん中で二人組が大の字に立っていたもので……」

運転手は申し訳なさそうにしている。

そして運転手の言う通り道の真ん中に二人立っていた。

「おいブチャラティ!てめぇボスに届け物があるらしいな?それをオレたちに寄越せ」

「し、死にたくないなら兄貴の言う通りにしろ!」

「ブチャラティ、知り合いかい?あれは」

「パッショーネの暗殺部隊のプロシュートとペッシだ」

「暗殺部隊が何でここにいるんだよ?オレたちボスの命令で来てんだぞ?」

プロシュート兄貴の方は拳銃を構え、ペッシの方は何故か釣り竿を持っている。

「暗殺部隊は一番危険な仕事をしているが、ボスからの信頼は最も少ないと言われている奴らだ。ここでオレたちから矢を奪ってボスに届けることが目的だろう」

「向こうがやる気なら返り討ちにしてやろうぜブチャラティ!」

妙にやる気満々とナランチャだった。

 

第9話完。

 

 

またお会いしましょう

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