※一応、WBK(ワールドボクシング艦娘協会)、
WBS(ワールドボクシングシップ)の略ですね、なんか違和感感じるかもですが仕方ないですね、笑
うんなんか良い団体名が思いつけば是非教えてください、
あと駆逐艦級の艦娘も応募したいと思いますので、要望があれば感想に頂けたらなと思います。
ではどうぞ!
ショートランド鴨川ジム。
彼女達艦娘達にボクシングを指導し始めて大体、四ヶ月ほど経った。きつい鴨川の指導に耐え抜き、彼女達は必死の思いで強くなるために努力した。
ある時は胃のなかのものを吐き、ある時は倒れ、ある時は筋肉痛で歩くこともままならない日もあった。
だが、身体もそれに慣れるように順応し、そして、日にちはいつのにか四ヶ月も過ぎていたのだ。
ある程度のボクシングの技術もスタイルも肉体も出来上がってきた頃だった。
鴨川は艦娘全員を呼び出してある発表をしはじめた。そう、ついに決まったのだ試合が。
「では発表する…。アジア戦艦級艦娘新人王トーナメントに大和の出場が決まった。そして、長門、貴様には東日本戦艦級艦娘新人王トーナメントの試合を組んだ。二人とも試合に向けてより一層努力するように、以上だ。」
「ちょ…ちょっと待ってくれ提督、何故私と大和が違う新人戦に登録されているんだ?」
「…それじゃうちのジム同士でぶつかるだろう、別に当たるのは構わんがセコンドは今俺だけだ。そう考えると登録ができなくなる。そういう事だ」
「なるほど…」
そう説明する鴨川の言葉に納得するように長門は頷く。
しかし、大和が登録したアジア戦艦級艦娘新人王トーナメントはどちらかといえばレベルが1段階上がるトーナメントだ。
世界から他の艦娘が出場することもある。下手をすれば大和が一回戦で負けるなんて可能性もあるのだ。
別に東日本戦艦級トーナメントもレベルは高いのは間違いはない、しかし、あくまでそれは日本国内の戦艦級相手に戦う新人王決定戦であってアジア新人王とは明確な差があった。
(正直な話、大和が長門、どちらを出場させるか迷った。…しかし、破壊力の天賦の才は間違いなく長門よりも大和の方が上手だ。長門のポテンシャルは高いが…まだ奴は経験を積ませる必要がある…大和もそうだが…うむ…難しい問題だな)
同じトーナメント登録ができれば良いが、先程の通りそれではセコンドは二人いる必要がある。
鴨川は仕方なく今回のトーナメントを分けることにしたのだ。正直な話をすれば大和にも国内の新人王トーナメントで経験を積ませるのが先である。
(まぁ…例え負けようとも次に繋がればそれが幸いだ。まぁ…負ける気は毛頭ないがな)
少しばかりトーナメントの発表に動揺していないかと心配になり鴨川は視線を大和に移す。
しかし、どうやら鴨川の心配は無用なものだったらしい彼女は気負いするどころか逆に気合いが入ったように目を輝かせていた。
この様子を見れば大和に心配は不要だと感じる。
(…どうやら試合できる嬉しさの方が勝ってるみたいだな、どうなることやら)
鴨川は大和の様子に内心心配しながらも、安心感を感じ少しだけ笑みがこぼれた。
しかし、こんなところでのんびりしている暇は無い、大会まで残り少ないのだ。できることをやらなければならない。
「よし!報告は以上!全員練習に戻れ!」
「「「はい!」」」
こうして、鴨川ジムの新人王トーナメントに向けて更にジム内に気合がこもった練習の日々が始まりを告げた。
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それから大体、二週間程日が経ったある日
鴨川ジムの扉の前にある人物がこの場所を訪れていた。その格好は着物、礼儀正しそうな物腰に落ち着いた雰囲気の娘。
しかし、その身に纏う雰囲気はどこか威圧感があり、只者ではない事を物語っていた。
「…なるほど、ここが…あの娘がいるジムね?…ふふふ、元気にしてるかしら?」
そう呟きながら、彼女は鴨川ジムの扉に手を掛けてゆっくりと開く。
もう数十年前になるだろうか、このジムには今まで来ていない。かつてはこのショートランドに所属していたが彼女は他の鎮守府に移籍する形でここから出て行った。
そして、この度、彼女はこのショートランド鎮守府に戻ることにした。理由はある娘がこの鎮守府のボクシングジムに所属する事になったからだ。
鴨川ジムの扉を開いた彼女はいろいろな想い出を思い出し、柔らかい笑みを浮かながらジムの中に聞こえるほどの声でこう告げ始めた。
「もし?誰かいらっしゃられますか?」
「ん…?誰だ?入門希望者か?」
「…あ…!…」
その声がジムの中に響いた瞬間、振り返った艦娘の中で、1人サンドバッグを打っていたある艦娘の手が止まった。
それは空母の赤城、彼女は嬉しそうに目を輝かせながら開いたジムの扉をまっすぐ見つめている。
そして、赤城は扉を開き現れた娘を見てこう言いながら駆け寄っていった。
「お師匠様!待ってました!待ってましたよ!」
「あ、あら…、も、もう赤城ったらちょっと落ちつきなさい」
すぐさま、駆け寄ってその艦娘に抱きつき嬉しさを露わにする赤城に抱きつかれた師匠と呼ばれる娘は苦笑いを浮かべそれを抱きとめる。
その様子を見ていた鴨川は唖然とし、目を丸くしながら、彼女達の元にゆっくりと歩を進める。
「…ん?赤城、誰だこの娘は?」
「あ、…自己紹介が遅れました。私、鳳翔と言います。この娘達と同じ艦娘です」
「そうか、で?入門希望者か?」
「か、会長!知らないんですか!?鳳翔さんって言ったら…」
「なんだ?」
先程、鴨川からミット打ちの指導を受けていた大和が会話に参加し、彼が鳳翔を入門希望者と言った事について慌てた様子で仲介に入る。
そして、そんな大和に代わり、鳳翔に抱きついた赤城が誇らしげに彼女について鴨川に語りはじめた。
「会長!鳳翔さんといえば、元WBK世界軽空母級チャンピオンですよ!そして!同時に元WBS、世界軽空母級チャンピオンでもあります!」
「あらあら、やだわそんな昔の話なんて…うふふ」
「も、元世界チャンプだと?」
「そうです!日本の艦娘が成し得なかった前人未到の軽空母級二団体世界戦を制覇した軽空母級チャンピオンの方です!そして、私のお師匠でもあります!」
そう話す赤城は誇らしげにそう鴨川に告げながら嬉しそうに柔らかい笑みを浮かべている鳳翔をギュッと抱きしめている。
だが、鴨川はそんな元世界チャンピオンである鳳翔が何故うちのジムに来たのか、それが疑問だったのだ。
どうやら彼女は世界チャンピオンと言ってもこの鎮守府に所属している艦娘でないことは確かだ。今更、自分の指導を仰ぎに来た様子でもない。
すると鳳翔は口を開いて、鴨川にこう話をしはじめる。
「…あ、それで、鴨川会長…でしたっけ?私がここに訪れたのはですね、私は六年前に現役を引退しまして、一年程、赤城達の一航戦のコーチをやっていたのですよ」
「…ほう?…赤城達の…それでボクシングスタイルも他の娘達より優れていたのか、納得がいったぞ、しかし赤城達?もう1人居るのか?」
「はい、もう1人は加賀と呼ばれる空母の娘の面倒を…。おっと話が逸れましたね? それで私がここに来た理由ですが赤城がデビューすると聞きましてこのジムでコーチを務めさせてもらおうかと…」
鳳翔はにこやかな笑みを浮かべたまま鴨川にそう告げる。
しかし、それならば納得がいかないこともある。それは何故今まで赤城のコーチをしていなかったのかという事。
それについて鳳翔は鴨川に事情を柔らかい口調でこう話し始めた。
「そうですね、ここ数年ほどはコーチをしながらジムを渡り歩いていました。私は元世界チャンピオンなのですが、どうやらここの鎮守府の前提督から嫌われていたみたいで今まで鎮守府に近寄る事すら許されなかったのです」
「おかしな話だなそれは…」
「どうやら、艦娘である私がコーチをして指導をするのが気に入らないみたいで…。二年前に前提督がいなくなっても固執があると思いしばらくは顔を出すのを迷っていたのですが、先日、赤城から連絡がありまして」
「俺が…ジムで会長をやっていると?」
「そうです♪厳格な会長でとても厳しい練習をさせられているけれど人柄的にも良い会長だとお聞きして今回足を運ばせてもらいました♪」
そう言って鳳翔はにこやかに笑みを浮かべたまま柔らかい手を出して鴨川の手にそっと添えてそう告げる。
鴨川はそんな鳳翔の話を聞きながら今のジムの様子を考えて改めて思案していた。
確かに自分のジムでは指導係が増えるのはありがたい。しかも、世界を経験した元世界チャンピオンだ。これほど優秀なコーチはいないだろう。
加えて、指導してきた赤城についても詳しい。しかも、彼女と同じ軽空母の祥鳳の指導についても的確なアドバイスができるだろう。
(俺はあくまでもインファイトや自分に似たタイプのボクサータイプの指導には長けていると自負はあるがアウトサイドは完全に猫田みたいなやつが指導した方が絶対効果的だ。こんなありがてぇ話はねぇ)
鴨川はいろいろな事を考え抜いた結果。
コーチ、セコンドとして鳳翔を鴨川ジムの指導員に迎え入れる事に決めた。これで、鴨川自身の指導の労力やセコンドの負担がだいぶ減ると考えるとなお良い決断であると鴨川自身も納得した結果だ。
鳳翔はその言葉を聞くと嬉しそうに微笑み、鴨川の手を握ってこう告げる。
「それじゃこれからよろしくお願いしますね♪会長♪」
「おう、こちらこそよろしくお願いする」