仮面ライダードライブ THE SECOND GENERATION   作:ターコイズ

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やっと出来た………。


第3話 真昼の停電は何をもたらすのか

蒼介が仮面ライダーとして戦う事を決意した翌日、蒼介と結衣は再びどんよりサークルに訪れていた。

と言うのも、この度2人は正式にどんよりサークルへと参加する事が決まったのだった。

その為、どんよりサークルの現メンバーへの挨拶を行う為に、どんよりサークルへと訪れたのだ。

 

「はい、この度このどんよりサークルに新たな仲間が加わります」

 

悟がそう言うと、蒼介と結衣は前に出て挨拶をする。

 

「「よろしくお願いします!」」

 

2人は声を揃えて挨拶をする。

そんな2人をどんよりサークルのメンバーは快く迎え入れた。

 

「これからよろしくな、蒼介、結衣」

「はい、浩司さん!」

「お願いします!」

 

浩司は笑顔で蒼介と結衣の肩を叩きながら声を掛ける。

 

「いやぁ!遂にどんよりサークルが正式に動き出すのかぁ!頑張るぞぉ!」

 

孝雄は自身のデスクでそう言うと、より一層気合いを入れてデスクに置いてあるパソコンを操作する。

 

「孝雄さんは主に何をするんですか?」

 

結衣がそう聞くと、孝雄は待ってましたと言わんばかりに立ち上がり結衣に詰め寄る。

 

「良くぞ聞いてくれたよ!僕はね!主にロイミュードの起こす事件の手掛かりをネットを通じて捜査するんだ!ネットには様々な情報が散らばっているからね!それから………」

「は、はぁ………」

 

孝雄のあまりの熱弁っぷりに結衣は苦笑いを浮かべるしかなかった。

その様子を見ていた蒼介は、結衣に孝雄の相手を任せて、今度は浩司に質問をした。

 

「浩司さんは刑事って事はやっぱり直接現場に行って捜査を?」

「ああ、ネットとかでの情報も重要だがやっぱり1番は現場に行く事だからな。捜査の基本は足だ」

 

そう語る浩司の表情は、自身が警察官である事を誇りに思っているのが伝わってくる。

 

「まあ、それを教えてくれたのは俺の先輩の追田さんっていう人でな。凄い人だよ」

「へぇ〜……」

 

蒼介は浩司の話を真剣に聞き入っていた。

ちなみに結衣未だに孝雄の熱弁から逃れられていない。頑張れ。

 

「んでもって、蒼介と結衣は主に俺と一緒に現場に行って事件を捜査する事になるだろう」

「え、そうなんですか!?」

 

浩司がそう言った瞬間、結衣は即座に孝雄の前から退散し、そう言った。

ちなみに孝雄がまだ話が終わってないだのなんだの言っているが割愛しておく。

 

「おう。だからこれを2人に渡しておく」

 

浩司はそう言うと2人に手帳を手渡した。

 

「これは………?」

「それは捜査許可証つって、まあなんつうか警察手帳みたいなもんだ。2人は民間人協力者として主にロイミュード関連の事件の捜査の許可が与えられる。大事に持っとけよ」

 

2人は手帳を受け取ると、しっかりとポケットにしまっておいた。

すると蒼介の肩にシフトネクストスペシャルが現れる。

 

「やあ、蒼介、結衣」

「うお!ベルトさん!?」

 

シフトネクストスペシャルからベルトさんの声がした事に蒼介は大きく驚いた。

ベルトさんは主に変身用のシフトカーを通してその場にいなくとも、会話をする事が可能なのだ。

その為、今はシフトネクストスペシャルを通して蒼介に話し掛けている。

 

「なるほど、んでどうしたんだ?ベルトさん」

 

納得した蒼介はベルトさんに用件を問う。

 

「ああ、君に話がある。悪いがピットへ来てくれないかね?」

「ああ、わかった」

 

蒼介はそう言うと、結衣と共にどんよりサークルを後にし、ドライブピットへと向かった。

 

 

 

 

 

「それで、どうしたんだ?ベルトさん」

 

ピットへと到着した蒼介と結衣はベルトさんにそう聞く。

 

「まずは私から!」

 

すると沙織が前に出てそう言う。

手には黒いグリップの様な物に、トリガーと銃口、そしてクリアブルーの刃が取り付けられた物が握られていた。

 

「沙織さん、それは………?」

 

結衣がそう聞くと、沙織はニヤリと笑いそれを前に突き出し自慢気にこう言った。

 

「これはねぇ、ダークドライブの専用武器!その名もブレードガンナーよ!」

「専用武器?」

 

蒼介は沙織からブレードガンナーを受け取りまじまじと眺めた後、2、3回軽く振るい、感触を確かめた。

 

「そ!いくら仮面ライダーと言っても、素手だとこの先きついかなぁってね!それに、ダークドライブにはまだまだ隠された力があるから!まあそれはクリムの方から聞いてね!」

 

沙織はそう言うと、ベルトさんを前に出す。

 

「簡潔に言うと、ダークドライブは未来の仮面ライダーなんだ」

「未来?どういう事だ?」

 

蒼介が疑問を抱くのも無理はない。

未来のモノが何故この時代にあるのか、誰もがその様に思うだろう。

 

「2015年に未来のロイミュードが現れ、全てを支配しようとしたんた。その時にそのロイミュードが使用していたのがこのダークドライブの力なんだ。この事件については結衣も知っているだろう」

「もしかして、2回目のグローバルフリーズ?」

 

結衣にも覚えがあった。

ダークドライブは、2015年の8月に起こった2度目のグローバルフリーズの際に現れた未来の仮面ライダーなのだ。

ただ、本来の装着者は、世間では公表されておらず、真実を知る者は数少ないとされている。

またダークドライブ自体が未来からの敵だと言う事も公表されておらず、その存在を知る者もまた、数少ない。

 

「その時の戦いでダークドライブの装備を回収したって事か………」

「GOOD!その通りだよ、蒼介。そして、再びロイミュードが産まれる事を知った私は、最悪の事態を想定し、ダークドライブも戦力に加えようと調整を続けて来たのだ」

「てことは、最悪の事態ってのはもう起きてるってことか?」

 

ベルトさんの説明を聞いた蒼介は最悪の事態を想定してという部分に引っかかりそう聞いた。

つまり、ダークドライブは以前戦っていたドライブやマッハだけではロイミュードに対抗出来なくなった際に実戦投入されるという事だ。

現時点でダークドライブが実戦投入されているということは、最悪の事態というのは既に起こっているという事だ。

 

「まさか、アメリカにロイミュードが現れたから………?」

「その通りだよ、結衣。ロイミュードの活動が日本国内だけに留まらなくなってしまったのだよ。さらに、ロイミュードの総数も158体と増えている」

「だからダークドライブが………」

 

蒼介はダークドライブが実戦投入された事に対して納得した。

だが、まだ気になる事があった。

それは、

 

「………なぁ、ベルトさん」

「どうかしたのかね?蒼介」

「なんで、俺なんだ………?」

 

蒼介が気になったのはそこだった。

戦う事を迷ってるわけでも、今更引き下がるわけでもない。

ただ、何故自分なのか?こんな何の変哲もない普通の大学生である自分なのか?蒼介はそれが気になっていた。

 

「すまない、蒼介。今はそれを語る時では無い」

「………そうか」

「いいの?」

 

結衣がそう聞くと、蒼介はゆっくりと頷いた後に、笑顔でこう言った。

 

「ああ。やるって決めたんだ。理由なんかどうだっていいさ。まあ、ちっとは気になるけどな?」

 

そう言っておどけたような笑みを浮かべた。

 

「ありがとう、蒼介」

「良いって良いって!ベルトさん」

 

話はそこで終わり、蒼介と結衣、沙織は講義がある為、ピットを後にしようとした。

 

「お、もう講義の時間か。なら、私はダークドライブのタイプチェンジ用のシフトカーの調整をしておこう」

「タイプチェンジか!よろしく頼むぜ、ベルトさん!」

 

そう言葉を交わすと、今度こそ蒼介達はピットを後にしたのだった。

 

 

 

 

 

都内某所にある薄暗い廃工場。

そこには赤いライダースジャケットに身を包んだオールバックの男と、水色のスーツに身を包んだ男がいた。

 

「しっかし、仮面ライダーが………」

 

赤いライダースジャケットの男・ヴォルケーノは何かを考え込む様にそう呟く。

 

「ダークドライブ、鐵蒼介がどうかしたのかい?ヴォルケーノ」

 

水色のスーツの男・ハイドロはネクタイを締め直しながらそう問う。

 

「いやよぉ、変だと思わねぇのかよ?」

「んー、まあねぇ。でも、この件に関して1番怒ってるのはソニックなんだけどね」

 

2人はそう言葉を交わした後、未だに人間の姿をする事無く、明らかに不機嫌そうな雰囲気を出し続けているソニックの方に目をやる。

 

「………」

 

会話の中に自分の名前が出て来たのにも関わらず、ソニック依然として無言を貫いていた。

 

「まあでも、強けりゃなんでも良いぜ!俺はもっと心躍る戦いをしてえからな!」

「相変わらずだねぇ、ヴォルケーノは」

 

ヴォルケーノの戦闘狂っぷりにハイドロは呆れ顔でそう言った。

 

「んでよぉ、もう次の奴等は動き出してんのか?」

「うん、バッチリだよ。今回の彼・118も、進化態への覚醒の見込みがあるからね」

「ほぉ、そいつぁ楽しみだ。行くぞ、ソニック」

 

ヴォルケーノは立ち上がると、ソニックに声を掛け、廃工場を後にする。

最後に1人残ったハイドロは静かにこう呟いた。

 

「鐵蒼介、仮面ライダーダークドライブ………。驚きだな、まさか彼が………」

 

ハイドロは一度そこで言葉を切る。

そして静かにこう呟いた。

 

「生きていた、なんてね………」

 

ハイドロは怪しげにそう言った後、ヴォルケーノとソニックの後を追って行った。

 

 

 

 

 

蒼介と結衣はドライブピットを後にした後、講義を受ける為に教室へと向かっていた。

その道中、蒼介はふと思い出したかの様に自身の左手首と右腰を見やった後、結衣の右腰にも目を向けた。

 

「これってさあ」

「何?」

「付けとかなきゃ駄目かなぁ?」

 

蒼介の言うこれというのは、自分が装着しているシフトブレス、そして結衣も装着しているシフトカーホルダーの事だ。

まあ確かに、奇抜なデザインで、周りの目を惹きそうな気はしない事もない。

 

「でもこれがないと変身出来ないじゃん。それに、いつロイミュードと遭遇するかもわかんなしさ」

「いやまあ、そうなんだけどさ。なんかこう、変に目立つ感じが。他の連中に聞かれたらどうしようかと思ってさ」

 

他人への説明をどうしようか迷っていた蒼介に結衣はかなり得意げにこう言った。

 

「大丈夫!みんなそんなに気にしないって!ね!」

「いや、ね!じゃないだろ。はぁ〜」

 

そう、例え奇抜なデザインの物を身に付けていても誰も特に何も言わない。

説明すると長くなるので、簡潔に纏めると、そういう事に、誰も特に何も言わない事になっているのだ。

これが特◯マジックである。

とまあ、無駄話はこの辺にして、教室へと向かっていた蒼介と結衣の前に、綺麗な黒髪ロングヘアに白いワンピース、そしてその身に纏う高貴なる雰囲気を持った少女が現れた。

 

「おはよ!鐵君!」

「ん?あー、おはよう、竜ヶ崎」

「知り合い?」

「おう、講義で一緒になってな」

「私、竜ヶ崎綾音、よろしくね」

 

彼女の名は竜ヶ崎綾音。

蒼介や結衣と城南大学教育学部に通う20歳の大学生だ。

結衣とは面識が無かったが、蒼介とは講義で何度か会っており、友人と呼べる関係になっていた。

 

「あ、私は篠宮結衣!よろしく!」

「うん、よろしく!」

 

結衣と綾音は互いに自己紹介を済ませる。

すると綾音は少し不安気な表情を見せながら蒼介の方を向いた。

 

「鐵君と篠宮さん、特別棟から出て来てたよね………?」

「「げっ!!」」

 

綾音の言葉に蒼介と結衣はギョッとした表情になり互いに目を泳がせまくる。

 

「2人って、どういう関係なのかなぁ?なんて………えへへ」

 

綾音は少し頬を赤らめながら蒼介と結衣に聞いた。

そんな綾音の表情を見た結衣は、

 

(ん………?はっ!ま、まさかこの子!)

 

何かを察し、蒼介をちらちら見始める。

 

(そ、そういえば、蒼介って私の事どう思ってんのかな?私はまあそのあのあれ、そうあれなんだけど………)

 

結衣が何かを期待している様な視線を送っている事に全くと言って良いほど気付いていない蒼介は綾音の質問にこう答えた。

 

「んー、まああれだな。幼馴染ってやつだな」

「なっ!」

「そっか、幼馴染か………」

 

蒼介の言葉に結衣は驚き、綾音はどこか安心した様な表情を浮かべる。

 

「ふん!蒼介のバカ!」

 

結衣はそう言うと、ズシズシと地面を思いっきり踏みながら教室へと向かっていく。

もちろん蒼介と綾音を放っておいて。

 

「な!おい結衣待てよ!竜ヶ崎、行くぞ!」

「う、うん!」

 

蒼介と綾音は慌てて結衣を追い掛けて教室へと向かっていった。

 

 

 

 

 

結果的に言うと、結衣は講義中も終始不機嫌だった。

ちなみに、講義が終わった今もだ。

 

「なあ結衣、いい加減機嫌直せよ、な?」

「ふん!知らない!」

「あはは………」

 

未だにご立腹な結衣を宥める蒼介、そんな2人を見て苦笑いする綾音。

このやり取りに終わりが来るのだろうか、一体誰が終わらせてくれるのか。

すると、変わらない状況を変える一報が蒼介達に届く。

 

「蒼介君!結衣ちゃん!」

「沙織さん?」

「どうかしたんですか?」

 

3人の下へ駆けてきたのは沙織だった。

 

「今すぐサークルに来て!出番よ!」

 

沙織はそう言うと、一足先に特別棟へと向かった。

そしてそれは召集をかけられた蒼介と結衣も同じだ。

 

「悪い龍ヶ崎、ちょっと用事が出来た。また明日な!行くぞ、結衣」

「うん!じゃあね!」

「あ、ちょっと………」

 

2人は綾音に一言挨拶をすると、足早に特別棟へと向かった。

取り残された綾音はわけがわからず、しばらくその場で立ちすくんでいた。

 

 

 

 

蒼介と結衣がどんよりサークルに到着すると、早速沙織が事件の概要を説明する。

 

「ついさっき、隣町で停電が相次いで発生したわ」

「停電?こんな真昼間に?停電を起こすなら普通夜とかじゃないのか?」

 

事件の概要に浩司は疑うような声を出す。

 

「そう。でもただの停電じゃないみたい」

「ロイミュードか?」

 

ただの停電はないという言葉に、蒼介はすぐさまロイミュードの関与を疑う。

 

「おそらくね。停電が起きた箇所で異常なエネルギー消費が確認されてるわ」

「それに、停電の直前、街でロイミュードの目撃情報もかなり上がってきている」

 

孝雄がパソコンを操作しながら沙織の説明の補足をする。

 

「今回の敵は電気を使うって事か………」

 

蒼介がそう呟くと、悟が前へ出てきてこう言う。

 

「もう警察も動き出してる頃です。私達も行動を開始しましょう!」

 

悟の言葉で、全員がそれぞれの行動を開始する。

 

「よし、蒼介と結衣はネクストトライドロンで現場に向かってくれ。俺は先にパトカーめ向かう」

「「はい!!」」

 

蒼介と結衣はドライブピットへと降り、ネクストトライドロンに乗り込む。

 

「よし、行くぜ、ベルトさん」

「OK!現場へ急行だ!」

 

そうして、蒼介はネクストトライドロンを走らせ、現場へと向かった。

 

 

 

 

 

ネクストトライドロンが現場へ到着した頃、既に警察による捜査が開始されていた。

蒼介と結衣はネクストトライドロンから降りて現場へと歩いて行く。

ちなみに蒼介は腰にドライブドライバーを装着し、右腰のシフトカーホルダーにはシフトネクストスペシャル、ネクストハンター、ワイルドタイガーのシフトカーが装着されており、結衣のシフトカーホルダーにも、ネクストトラベラーが装着されている。

2人は現場へ関係者以外の人物が入らないように見張っている警官に、捜査許可証を見せ、現場へと足を踏み入れる。

 

「なんか、ちょっとかっこいいな………」

「うん、すっごく新鮮………!」

 

2人は捜査許可証を見せるという行動に少しばかり興奮していた。

そして、現場で既に捜査していた浩司のもとへ歩み寄る。

 

「浩司さん」

「おう、来たか2人とも」

「ここで停電が?」

 

蒼介は現場を見渡しながらそう質問する。

 

「ここだけじゃないんだが、この建物が今確認されてる停電のラストなんだ。おまけに、ロイミュードが暴れるなんていうオマケつきだ」

 

浩司はロイミュードが暴れた事に対して悪態をつきながらそう言う。

 

「被害に遭った人はどうなったんですか?」

 

結衣は心配そうにそう聞く。

 

「ああ、軽い怪我で済んだが、酷く怯えている。まあ、一度この世からいなくなったロイミュードがまた現れて、目の前で暴れられりゃ当然だがな」

 

浩司の言う様に、ロイミュードは一度撲滅され、世界には平和が戻った。

だが再びロイミュードが現れ世間では不安や恐怖の声が増えてきている。

 

「くそっ、ロイミュードの奴等………」

 

拳を強く握り締め、蒼介はそう呟いた。

 

 

 

 

 

結局、この現場ではロイミュードへの足掛かりを得られず、蒼介と結衣は建物をあとにしようとしていた。

 

「手掛かりなかったね………」

「ああ。せめて次に狙う場所さえわかりゃいいんだが………」

 

そんな話をしながらネクストトライドロンへと向かっていたその時だった。

突如、2人の体が、いや周りにいる人、物全ての動きが遅くなる。

だが、蒼介と結衣はそれに耐えうる装備を身に付けている為、すぐさま元の状態に戻る。

 

「蒼介、これって!」

「ああ、どんよりだ!ってことは!」

 

蒼介と結衣は重加速の発生すなわちロイミュードの出現を確信して、辺りを見回す。

 

「蒼介!あそこを見ろ!」

 

ベルトさんに言われて、蒼介と結衣は右斜め前にあるビルへと目を向ける。

そこには、今まさに2体のロイミュードがビル内部へと侵入しようとしている光景が広がっていた。

 

「ロイミュード!」

「げぇ!」

 

蒼介の声に反応したロイミュード達は驚きの声を上げ、蒼介の方へ体を向ける。

2体のロイミュードの胸には、118と159と刻まれており、118は蜘蛛を模したスパイダー型、159は蝙蝠を模したバット型の姿をしていた。

 

「なんであいつら重加速の中なのに動けるんだ!?」

「知るか!とりあえずズラかるぞ!」

 

118と159はそう言葉を交わすと、スタコラサッサと逃げ出した。

 

「あ!おい待て!」

「追うんだ!蒼介!」

 

蒼介と結衣はロイミュードを追跡するべくネクストトライドロンに乗り込み、全速力で発進した。

 

 

 

 

 

「こ、ここまで来れば、あいつらも………!」

「あ、ああ、大丈夫だろう………」

 

118と159は逃げるのをやめ、辺りを見回しながらそう言う。

だが、後方から突然奇妙なクラクションが聞こえて来たかと思うと、ネクストトライドロンが現れ、あっという間に前へと回り込む。

 

「何!もう来やがったのか!」

 

118が悪態をついていると、ネクストトライドロンから蒼介と結衣が降りてくる。

 

「逃がせねぇぞ、ロイミュード!」

「くそ!158!こいつ殺るぞ!」

「ああ!」

 

118と159は逃げる事を諦め、ここで蒼介を始末する為に戦闘態勢に入る。

だが、それは蒼介も同じだった。

 

「いいぜ、やれるもんならやってみな!行くぜ!ベルトさん!」

「OK!START YOUR ENGINE!」

 

やり取りを終えると、蒼介は瞬く間に変身プロセスを完了させる。

 

「変身!」

《DRIVE!TYPE NEXT!》

 

蒼介は仮面ライダーダークドライブ・タイプネクストへと変身を完了させる。

 

「な!貴様仮面ライダーだったのか!」

「そういう事だ!」

 

118は蒼介の正体に驚愕する。

だがダークドライブはそんな事を気にせず、右の掌に左の拳を打ち付け、こう叫ぶ。

 

「さあ!突っ走るぜ!」

 

その言葉を合図にダークドライブは2体のロイミュードへと一気に駆け出す。

ロイミュード達も負けじと駆け出し、ダークドライブに対抗する。

 

「はあ!」

「ぐっ!」

 

ダークドライブの右ストレートが118を捉える。

 

「このぉ!」

 

すると、背後に移動していた159がダークドライブに掴みかかろうとするが、ダークドライブはそれをあっさり避けると、ガラ空きになった159の背中に前蹴りをお見舞いして118の下へ吹っ飛ばす。

 

「喰らえ!」

「おわあああ!」

 

118と159は体勢を立て直すと、指先から光弾を放ち、ダークドライブに攻撃する。

 

「「はあ!!」」

「うお!あぶね!」

 

ダークドライブは間一髪のところで避ける事に成功するが、その隙に118と159に間合いを詰める事を許してしまい、2体のパンチを同時に喰らってしまう。

 

「さっきの!」

「お返しだ!」

「どわああああ!」

 

ダークドライブは後方に吹っ飛び地面を転がる。

そしてすぐさま体勢を立て直して、ベルトさんに指示を仰ぐ。

 

「ベルトさん!どうする!」

「ここは、新装備の出番だ!」

 

ベルトさんの言葉にダークドライブはなるほどと頷く。

 

「あ!ブレードガンナーか!よし!」

 

ダークドライブは立ち上がり、ブレードガンナーを装備しようとする。

 

「………あれ?ブレードガンナーってどこにあるんだ?」

 

大事な事に気付き、どうしようか悩み始める。

 

「何余所見してんだ!」

 

当然そのチャンスをロイミュード達が逃す筈もなく、再び指先から光弾を放つ。

 

「ぐあああ!」

 

光弾が直撃し、再び地面に転がってしまうダークドライブ。

立ち上がろうとしたその時に、シフトブレスに通信が入る。

 

「蒼介君!」

「沙織さん?」

 

通信を送って来たのは沙織だった。

 

「ブレードガンナーは装着しているタイヤの中にエネルギー変換されて収納されてるよ!そして君の声に反応して出現する仕組みになってるの!」

「な、なるほど………!よし!」

 

ダークドライブは説明を一通り聞くと、もう一度立ち上がる。

そして、右手を前に突き出し、こう叫ぶ。

 

「来い!ブレードガンナー!」

 

すると、ダークドライブの声に反応して、タイプネクストタイヤからエネルギー変換されていたブレードガンナーが実体化して、ダークドライブの右手に装備される。

 

「おお!よし、これなら!」

 

ダークドライブはブレードガンナーを手に再びロイミュードへと駆け出す。

 

「小癪な!」

「喰らうかよ!」

 

118と159もダークドライブに対抗する為に攻撃を加える。

だが、あっさりガードされてしまいブレードガンナーによる斬撃を浴びる。

そして、それを皮切りに、ダークドライブの怒涛の反撃が始まる。

 

「一気に行くぜ!」

 

ダークドライブはブレードガンナーで幾度となく2体のロイミュードを切り裂く。

更に、ブレードガンナーは銃としての役割も兼ね備えてる為、時折銃撃も織り交ぜロイミュード達を追い詰めていく。

 

「くそ!こりゃマズイぞ!」

「どうする、118!」

 

2体のロイミュードは対抗策を練る。

 

「こうなったら!」

 

118は策を思い付いたのか、159の背後に回り込む。

 

「え?」

 

当然、159は何のことだかさっぱりわからず首を傾げる。

 

「159!あとは頼んだ!てい!」

「な、なんだと!?ぐあ!」

 

118はそう言うと、159を蹴り飛ばしそのまま逃げ出す。

 

「なあ!おい待て!」

 

159は慌てて118を追おうとするが、それをダークドライブが許す筈がなかった。

 

「こっちの台詞だ!」

 

ダークドライブはこちらに背を向け逃げ出そうとする159の背中をブレードガンナーで切り裂く。

 

「はあ!」

「ぐっ!くそ!こんなところで!」

 

攻撃を受けても尚、逃げ出そうとする159に痺れを切らしたベルトさんは、

 

「ならば、これで行こう!カモン!ブルーローズ!」

 

ベルトさんの宣言と同時に、青と白で彩られたシフトカーが現れ、159を攻撃する。

 

「な、なんだこいつ!」

 

そしてブルーローズはそのままダークドライブの左手に収まる。

 

「蒼介!タイヤ交換で一気に決めるんだ!」

「ああ!」

 

ダークドライブはシフトブレスからシフトネクストスペシャルを取り外し、イグニッションキーを捻る。

そしてブルーローズをレバーモードに変型させ、シフトブレスに装填してシフトカーを操作する。

 

《タイヤコウカーン!BLUE ROSE!》

 

ネクストトライドロンから青と白のカラーリングをしたタイヤが生成、射出されダークドライブに装着される。

 

「よし!一気に行くぜ!」

 

仮面ライダーダークドライブ・タイプネクストローズにタイヤ交換したダークドライブは、イグニッションキーを捻り、ブルーローズを三回操作してシフトアップを行う。

 

《ROSE!ROSE!ROSE!》

 

するとダークドライブの体が冷気を帯びる。

 

「おお、これは氷の力を使えるのか!」

 

ダークドライブはブルーローズの能力を把握すると、ブレードガンナーから氷の弾丸を放ち159を攻撃する。

 

「喰らえっ!」

「うおわ!冷た!痛!」

 

159は冷たさと痛さでその場に倒れてしまう。

ダークドライブはそれをチャンスと見て、フィニッシュに入る。

 

「トドメだ!」

《ヒッサーツ!》

《FULL THROTTLE!ROSE!》

 

必殺技を発動したダークドライブはブレードガンナーから強力な冷気を放ち、159を完全に氷漬けにする。

 

「な、なに………!」

 

そして飛び蹴りを放ち、氷漬けになった159をコアもろとも粉々に砕いた。

 

「はああああ!」

「ぐああああ!」

 

159を撃破したダークドライブは辺りを見回す。

 

「くそ!さっきの奴には逃げられたか!」

「おそらく奴が停電を起こしたロイミュードだろう」

 

ベルトさんは、118と159の関係から、118の方が立場が上であると判断し、今回の事件を起こした張本人であると推測した。

 

「蒼介!大丈夫?」

 

近くで見守っていた結衣がダークドライブに駆け寄る。

 

「ああ、逃げられたけどな」

「そっか………」

 

2人がこれからどうしようか悩んでいたその時だった。

 

「蒼介君!」

「うわっ!びっくりしたぁ〜。今度は孝雄さんか」

 

突然シフトブレスに孝雄からの通信が入る。

 

「この近くの発電所で異常なエネルギー消費を確認した!おそらくロイミュードだ!」

「ほんとですか!?わかりました!すぐ向かいます!」

 

孝雄からの通信で、118が向かった場所を把握したダークドライブはネクストトライドロンに乗り込む。

 

「結衣!あとは任せろ!」

「………うん!」

 

蒼介は結衣に残るよう言うと、結衣は少し渋った表情をするがとりあえずは納得して頷く。

ダークドライブはそんな結衣に頷き返し、孝雄からの情報を頼りに118を追うため、ネクストトライドロンを発進させた。

 

 

 

 

 

「さあて、ここの電気を奪ってやれば俺も………!」

 

118が発電所から電気を奪おうとしたまさにその時だった。

 

「待て!」

「なに!?ぐああああ!」

 

声と共に銃撃が飛んでくる。

その方向を見ると、ダークドライブがブレードガンナーを構え立っていた。

 

「くそ!もう追って来やがったのか!」

「お前の企みもここまでだ!」

 

ダークドライブはそう言うと、118に向かって走り出す。

 

「くそ!おい!お前ら!行け!」

「「はあ!!」」

 

118の言葉の後、彼の背後から2体のロイミュードが現れる。

胸には179と192と刻まれており、179は蝙蝠を模したバット型、192は蜘蛛を模したスパイダー型の姿をしていた。

179と192はダークドライブに掴みかかり、動きを止める。

 

「まだいやがったのか!くそ!離せ!」

 

ダークドライブはなんとか振り解こうとするがなかなか振り解けず、そのまま発電所内から発電所の広場へと連れて行かれ、投げ飛ばされてしまう。

 

「どわああああ!」

 

ダークドライブはすぐさま体勢を立て直す。

 

「この野郎!」

 

ダークドライブはブレードガンナーを構え、2体に斬りかかる。

ダークドライブの怒涛の斬撃に為す術もなく2体のロイミュードは斬り裂かれていく。

 

「はあ!はあ!はあああ!これで、どうだ!」

「「ぐああああ!」」

 

何度も斬り裂いた後、トドメの強烈な斬撃により2体のロイミュードは吹っ飛び、一箇所に集まる。

 

「蒼介!今だ!」

「ああ!」

 

ベルトさんの声を合図にダークドライブは必殺技を発動させる。

 

《NEXT!》

 

ブレードガンナーの刃が青色の光を帯びる。

そしてそのまま駆け出し2体のロイミュードをブレードガンナーを用いた必殺技・ネクストスラッシュで斬り裂く。

 

「はああああ!」

「「ぐああああ!!」」

 

ネクストスラッシュを受けた179と192は爆発し、そのままコアも砕ける。

 

「良くやったぞ!蒼介!さあ、奴を止めに行こう!」

「ああ!」

 

2体を撃破したダークドライブは118のところへ向かおうとする。

だが何かの気配を感じ取り、その方向へと振り向く。

 

「なんだ?あいつら………」

 

ダークドライブの目に映ったのは、赤いライダースジャケットに身を包んだオールバックの男と、水色のスーツを着た男だった。

 

「よお!仮面ライダー!俺はヴォルケーノ!」

 

赤いライダースジャケットの男・ヴォルケーノは笑みを浮かべて自己紹介をする。

 

「僕はハイドロ。以後、お見知りおきを?鐵蒼介」

 

水色のスーツの男・ハイドロはネクタイに手を当てそう言う。

 

「正体がバレてる?こいつら一体………」

 

ダークドライブはヴォルケーノとハイドロの正体について考える。

するとベルトさんが突然、

 

「駄目だ、蒼介!逃げるんだ!」

 

慌ててそう言う。

 

「は?どうしたんだよ、ベルトさん!」

 

するとそれを聞いたヴォルケーノが楽しそうな笑みを浮かべこう言う。

 

「おいおい、逃げるわけねえよな?ダークドライブ。こちとらお前との勝負を楽しみにしてたんだ!」

「まあ、お手並み拝見。ってところかな?」

 

ヴォルケーノに続いてハイドロがそう言った後、2人はその正体を現す。

ヴォルケーノは胸に110と刻まれた蜘蛛を模したスパイダー型のロイミュードへ。

ハイドロは胸に111と刻まれた蝙蝠を模したバット型のロイミュードへと姿を変える。

 

「やっぱり、ロイミュード!」

「あの番号………まさか!」

 

ダークドライブは2人の正体に驚き、ベルトさんは2人のナンバーに驚く。

ベルトさんがナンバーに驚いたため、ダークドライブもヴォルケーノとハイドロのナンバーに注目する。

 

「なあ、ベルトさん………」

 

ダークドライブは何かに気付き、冷静にこう言う。

 

「あのナンバー、1から順に数えたら、002と003、だよな………」

「ああ、幹部クラスだ!それに、あのナンバー、まさか彼等をモデルに………?」

 

ベルトさんが小さく呟いたのをダークドライブは聞き逃さなかった。

 

「彼等?誰の事だよ、ベルトさん」

「いや、今はこの場を離れるのが先決だ!」

 

ベルトさんはそう言うが、ダークドライブはその場を動こうと、いや動けなかった。

 

「ベルトさん、どうやらそりゃ無理っぽいぜ………」

「おう!わかってんじゃねえか!ダークドライブ!逃げるなんて真似、させねぇぜ?」

 

ダークドライブは覚悟を決めたのかゆっくりとブレードガンナーを構える。

 

「何を考えてる!蒼介!今の君では奴等には勝てない!」

 

ベルトさんは戦おうとするダークドライブを必死で説得する。

 

「無理だベルトさん。逃げれる気がしねぇ!」

 

ダークドライブがそう言うと、ヴォルケーノは楽しそうにこう言う。

 

「その通りだダークドライブ!さあ、楽しもうぜ!はああああ!」

「君の実力、見せてもらうよ?はああああ!」

 

2体はそう言うと、体に力を込める。

するとヴォルケーノは赤色の輝きを、そしてハイドロは青色の輝きを放つ。

そしてヴォルケーノの体は炎に覆われ、その中で姿を変える。

更にハイドロも周りに水の竜巻を纏い、その中で姿を変える。

 

「「はあ!!」」

 

2体が炎と水を払うと、そこには先ほどまでのヴォルケーノとハイドロはいなかった。

ヴォルケーノは朱雀を模した真紅の体を持つヴォルケーノロイミュードに、ハイドロは青龍を模した水色の体を持つハイドロロイミュードへと変化する。

 

「はは、こいつはやばいな……」

 

ダークドライブは2体の迫力に思わずそう声を漏らす。

 

「さあて、行くよ!」

 

ハイドロはそう言うと、右腕に水で出来た刃を出現させ、それをダークドライブに向かって投げる。

 

「はあ!」

「あぶね!」

 

ダークドライブはハイドロの攻撃を間一髪のところで避ける。

だがすぐさま異様な雰囲気を感じ取り、その方を見る。

するとそこにはすでに右腕に炎を纏わせたヴォルケーノが攻撃態勢に入っていた。

 

「なに!?」

「さあ楽しもうぜ!仮面ライダーダークドライブ!はああああ!」

 

そしてヴォルケーノは強力な火炎放射を右腕から放つ。

 

「ぐああああ!」

 

ダークドライブはそれを喰らってしまい、大きく吹っ飛ばされてしまう。

果たして、ダークドライブはこのピンチを切り抜け、今回の事件を解決する事が出来るのだろうか………。




次はいつになる事やら………。
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